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ツルサイカチ属

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ツルサイカチ属
シッソノキDalbergia sissoo
分類
: 植物界 Plantae
: 被子植物門 Magnoliophyta
: 双子葉植物綱 Magnoliopsida
: マメ目 Fabales
: マメ科 Fabaceae
亜科 : マメ亜科 Faboideae
: ツルサイカチ属 Dalbergia
学名
Dalbergia L.f.
和名
ツルサイカチ属

本文参照

ツルサイカチ属(つるさいかちぞく、Dalbergia:ダルベギア)、またはヒルギカズラ属は、マメ科マメ亜科の中で低木または木本性つる植物となるである。ツルサイカチ属は世界に広く分布しており、中央ならびに南アメリカ熱帯地方、アフリカマダガスカル、およびアジア南部を原産とする。ツルサイカチ属の規模については、異なる専門家たちがそれぞれ 100 から 600 あると挙げたまま、争点になっている。ILDIS は 159 種を認めている。

属名の由来

スウェーデンの植物学者ニコラス・ダールベルク (Nicholas Dalberg 1736-1820) にちなんだもの。

用途

ツルサイカチ属の多くの種は重要な木材用樹木で、装飾的であり、しばしば芳香油が豊富に含まれていて芳香性があるであるために価値がある。ツルサイカチ属の木々でもっとも有名なのはローズウッドで、その香りがもとで俗にそう名付けられているが、別のいくつかの有用な木々もこの属に含まれる。

西洋で高く評価される秀でたローズウッドは、バイーア・ローズウッド、リオ・ローズウッド、パリサンデル・デ・リオ・グランデ、またはジャカランダとして知られるブラジリアン・ローズウッドDalbergia nigra)であり、過去にひどく伐採されすぎて、今ではワシントン条約(CITES)の対象に指定されている。西洋で2番目に愛好されるローズウッドは、東洋ではインディアン・ローズウッドまたはソノケリンとして知られている Dalbergia latifolia である。ローズウッドと呼ばれているほとんどの木々は、樹形が美しく、材は鮮やかな茶褐色をしている。ここで留意すべきは、すべてのツルサイカチ属の種のごく一部だけがローズウッドであるということである。

チューリップウッドDalbergia decipularis)は、赤やサーモン・ピンクの縞模様が入ったクリーム色をしている。この木はよく中張りベニヤや他のベニヤに用いられる。これはアメリカ合衆国で「チューリップウッド」と呼ばれ、あまり高価ではない家具に用いられるユリノキと混同してはならない。

黒っぽい縞模様の入った紫色の材を持つ、ブラジル産のキングウッドDalbergia cearensis)も同様に用いられる。チューリップウッド同様小振りの木であり、高さ10mまで成長する。他に有名な木材としては、主にDalbergia retusaに由来する中央アメリカの木材ココボロある。この木は、切ったばかりの表面は華やかで装飾的なオレンジ・レッドの外観をしているが、空気にさらされるとすぐに色あせ、落ち着いた色調と色相になる。

ブラジリアン・ローズウッド(Dalbergia nigra)から作られた製品を再輸出するには、ワシントン条約(CITES)の許可が必要である[1]

インドの土産物屋では、あたかもローズウッドで作ったかのように、ときどき紫に着色されているシッソノキDalbergia sissoo)製の品物を売っている。この種類の木は、最良の状態で工具の柄に使用することができる[2]

アフリカン・ブラックウッドDalbergia melanoxylon)は極めて黒い木で、木管楽器を作るのに需要がある。

ツルサイカチ属の複数の種は、何種類かのチョウ目幼虫の、食草または食樹として利用されている。その中には、シッソノキ(Dalbergia sissoo)を選択的に採餌するチビガ科の幼虫も含まれている。

分類

経済学的に重要な種を挙げる。
ヤマハの茶色いオーボエに用いられている。
  • ケランジィ (Dalbergia cochinchinensis) - 別名サイアミーズ・ローズウッド(Siamese Rosewood)、タイランド・ローズウッド(Thailand Rosewood)、トラックウッド(Tracwood)、ソアイ(Xoay)、クララン(Kralanh)
  • ブラジリアン・チューリップウッド (Dalbergia decipularis) - 別名チューリップウッド(Tulipwood)
  • Dalbergia ecastaphyllum - コインヴァイン(Coinvine)
  • ブラジリアン・チューリップウッド (Dalbergia frutescens、シノニム: Dalbergia variabilis) - 別名ハカランダ・ロサ(Jacaranda Rosa)、パウ・ヂ・フソ(Pau de Fuso)、パウ・ロサ(Pau Rosa)、ピンクウッド(Pinkwood)、チューリップウッド(Tulipwood)
  • インディアン・ローズウッド (Dalbergia latifolia) - 別名ボンベイ・ブラックウッド(Bombay Blackwood)、イースト・インディアン・ローズウッド(East IndianRosewood)、インディアン・パリサンダー(Indian Palisandre)、ジャヴァ・パリサンダー(Java Palisandre)、マラバール(Malabar)、ソノケリン(Sonokeling)、シーシャム(Shisham)、シツァル(Sitsal)、シタン
  • アフリカン・ブラックウッドDalbergia melanoxylon) - 別名アフリカ黒檀、アフリカン・エボニー(African Ebony)、アフリカン・グレナディーヨ(African Grenadillo)、バンバナス(Banbanus)、エブヌ(Ebene)、グレナディージャ(Grenadilla)、ムピンゴ(Mpingo)、パウ・プレト(Pau Preto)、ポイー(Poyi)、ゼブラウッド(Zebrawood)
  • ヴァロニカ (Dalbergia monetaria) - 別名マニーブッシュ (Moneybush)
  • ブラジリアン・ローズウッド (Dalbergia nigra - 別名バイーア・ローズウッド(Bahia Rosewood)、カビウーナ(Cabiuna)、ジャカランダ(Jacaranda)、ジャカランダ・ヂ・ブラジル(Jacaranda De Brasil)、パリサンダー(Palisander)、パリサンドリ・ダ・ブラジル(Palisandre da Bresil)、ピアノウッド(Pianowood)、リオ・ローズウッド(Rio Rosewood)、ローズウッド(Rosewood)、オブイーナ(Obuina)
  • メキシカン・ローズウッド (Dalbergia palescrito) - 別名パロ・エスクリト(Palo Escrito)
  • ココボロ (Dalbergia retusa) - 別名カヴィウナ(Caviuna)、ココボロ・プリエト(Cocobolo Prieto)、フネラム(Funeram)、グラナディージョ(Granadillo)、ヤカランダホルツ(Jacarandaholz)、ナンバー(Nambar)、ニカラグアン・ローズウッド(Nicaraguan Rosewood)、パリサンダー(Palisander)、パリッサンドロ(Palissandro)、パロ・ネグロ(Palo Negro)、パウ・プレト(Pau Preto)、ローズウッド(Rosewood)、ウラウナ(Urauna)
  • シッソノキ (Dalbergia sissoo) - 別名アガラ(Agara)、アガル(Agaru)、エラシッス(Errasissu)、ゲッテ(Gette)、ヒフー(Hihu)、インディアン・ローズウッド (Indian Rosewood)、イルヴィル(Iruvil)、イティ(Iti)、クジュラップ(Khujrap)、パディミ(Padimi)、サフェダール(Safedar)、シーシャム(Sheesham)、シーシャム・ウッド(Sheesham Wood)、シーシュマ(Shishma)、シーショム(Shishom)、シンスーパ(Sinsupa)、シッスー(Sissoo、シスー(Sisu)、ターリー(Tali)、テナハ(Tenach)、トゥクリークン(Tukreekung)、イェッテ(Yette)
  • ホンジュラス・ローズウッド (Dalbergia stevensonii) - 別名ノガエド(Nogaed)

画像

脚注

  1. ^ U.S. Fish & Wildlife Service.
  2. ^ SCN LENDS SUPPORT TO CRCP AGAINST TREE FELLING AT AYUB PARK.

関連項目