シタン

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シタン
Dalbe latif 081228-4907 H ipb.jpg
分類APG III
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 eudicots
階級なし : コア真正双子葉類 core eudicots
階級なし : バラ類 rosids
階級なし : マメ類 fabids
: マメ目 Fabales
: マメ科 Fabaceae
亜科 : マメ亜科 Faboideae
: ツルサイカチ連 Dalbergieae
: ツルサイカチ属 Dalbergia
階級なし : “シタン”(人為分類)
英名
Rosewood[1]

シタン(紫檀)は、マメ科ツルサイカチ属 Dalbergia のうち[1]銘木として利用される数種の木本の総称である。古来日本に紫檀として輸入されてきた銘木は、ケランジィ Dalbergia cochinchinensis またはマルバシタン Dalbergia latifolia である[2]が、現在ではこのほかにもいくつかの種がシタンとされる。

広義には、ツルサイカチ属以外に、いくつかの近縁な属の中にもシタンとされる種がある。ただし、それらを「紫檀系」としてツルサイカチ属のシタンと区別することもある[3]

シタンを複数種の総称とせず、ケランジィ (Dalbergia cochinchinensis)[4][5]あるいはコウキ Pterocarpus santalinus[6][7]1種の和名とすることもある。ただし、コウキはツルサイカチ属とは別属のインドカリン属であり、コウキをシタンとするのは誤り[2][8]だという指摘もある。なお、インドカリン属はシタン属とも呼ばれるが、同様にこれも誤りとされる[1][2]

コクタンタガヤサンと共に、唐木三大銘木とされる。

木材[編集]

材質[編集]

熱帯産の堅く重い樹種で、三大唐木のひとつである。心材は重硬で緻密。気乾比重は0.82–1.09。従って水に沈むものもある。

赤みを帯びた木肌で、赤褐色~黒色の縞模様があり、色調はかなり変化に富んでいる。木理は交錯し、肌目もやや粗~粗。

重硬なため、乾燥加工性にやや難があるが、美しい仕上がりが得られる。に侵されにくく、耐朽性は極めて優れている。

材にかすかなバラの芳香がするものが多く、ローズウッドと呼ばれる[1]

用途[編集]

その木材は銘木として古くからよく知られ、古くから工芸材料として利用されている。また、正倉院宝物の唐木細工でも多く見られる。家具仏壇仏具、床柱、床框装飾楽器ブラシなどに使われ、特にエレキギター指板材としては最も人気がある。

主な種[編集]

ツルサイカチ属 Dalbergia には150~200種が属すが、その大半はつる性草本であり、銘木級の用材を産するのは20~30種である[1]

シタン・紫檀・紫檀系などとされることのある種は以下のとおりである[9]

ツルサイカチ属[編集]

中でも、ケランジィマルバシタンのうちインドローズ、ココボロは、特に「本紫檀」と総称される[3]

ケランジィ(パイオン、タイローズウッド、Siam rosewoodDalbergia cochinchinensis Pierre [1][3][10][4][5][2]
タイインドシナ[1]。代表種[1]。心材は比重1を超えきわめて緻密[1]。タイではパユン (phayung)、ラオスではカムフン、ベトナムではチャック (trắc、トラックは誤読) と呼ばれる。
マルバシタン Dalbergia latifolia Roxb. [1][3][10]
インドジャワ[1]。材質はケランジィと同様だが、黒色の縞がある[1]。インドで自生するものはインドローズ (Indian rosewood)、インドネシア植林されたものはソノケリン (sonokeling) と呼ばれる。
ココボロ(ココボロノキ、cocoboloNicaragua rosewoodDalbergia retusa Hemsl. [3]
中央アメリカ南アメリカ[1]テーブルナイフスプーンの柄に使われる[1]
テチガイシタン(手違紫檀、チンチャン) Dalbergia oliveri [3][10]
インドシナ半島産。ビルマローズウッド (Burmese Rosewood)、ラオスローズウッド (Laos Rosewood)、アジアローズウッド (Asian Rosewood) とも呼ばれ、タイではチンチャン (ching chan)、ミャンマーではタマラン (tamalan)、ラオスではカンピ (kham phii) と呼ばれる。
ホンジュラスローズ Dalbergia stevensonii [3]
中米産。

その他のツルサイカチ連[編集]

ツルサイカチ属ではないが、同じツルサイカチ連 Dalbergieae に含まれ、特に近縁なもの。

コウキ(コウキシタン、レッドサンダルウッド、red sandersred sandalwoodPterocarpus santalinus [1][6][7]
インド南部[1]インドカリン属 Pterocarpus。広義のシタンに含められることがある[1]三味線の棹などに使われる[1]。中国では、小葉紫檀と呼ばれる。
カリン(インドシタン、ヤエヤマシタン) Pterocarpus indicus [3][10]
東南アジア原産。インドカリン属 Pterocarpus。シタンに分類された時期[いつ?]もある。中国では現在でもシタンに分類される。シタンの代用材として用いられる。
グラナディロ(グラナディーロ、トレボル、trebolPlatymiscium pinnatum [3][10]
プラティミスキウム属 Platymiscium
ボリビアンローズウッド(パープル、モラド)Machaerium scleroxylon [3]
マカエリウム属オブロンガ節 Machaerium sect. Oblonga

その他のマメ科[編集]

ツルサイカチ連でもなくやや疎遠なもの。

パーロッサ(パオローズ、snake beanpaorosapaoroseBobgunnia madagascariensis [3][10]
アフリカ産。かつてはスワルツィア属 Swartzia だったが、1997年ボブグンニア属 Bobgunnia に移された[11]。いずれの属もマメ科マメ亜科スワルツィア連 Swartzieae であるが、パーロッサはマメ科でないとする資料もある[10]
ブビンガbubingaGuibourtia pellegriniana [3][10]
アフリカ産。ジャケツイバラ亜科デタリウム連 Detarieae ブビンガ属 Guibourtia。本種が特にブビンガとされるが[3]、他に G. demeuseiG. tessmannii(いずれもアフリカ産)などもブビンガと呼ばれることがある。

脚注[編集]

  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r 緒方健 (2009), “シタン 紫檀”, in 下中直人, 世界大百科事典, 2009年改訂版, 平凡社 
  2. ^ a b c d インドカリン属の樹木(その1) - 平井信二
  3. ^ a b c d e f g h i j k l m 仏壇の表示に関する公正競争規約及び同施行規則 別表2 唐木仏壇の正面表面材
  4. ^ a b JLogos「シタン」
  5. ^ a b 日外アソシエーツ, ed. (2008), “シタン (1)”, 植物3.2万名前大辞典, 紀伊國屋書店 
  6. ^ a b 小林義雄シタン[リンク切れ] - Yahoo!百科事典
  7. ^ a b 日外アソシエーツ, ed. (2008), “シタン (2)・ヤエヤマシタン”, 植物3.2万名前大辞典, 紀伊國屋書店 
  8. ^ インドカリン属の樹木(その3) - 平井信二
  9. ^ 種につけた出典は、その種をシタン・紫檀・紫檀系などとする資料である。
  10. ^ a b c d e f g h 仏壇販売の問題点と公正化の課題について(公正取引協議会設立及び公正競争規約制定に向けて)」経済産業省製造産業局、2010年12月
  11. ^ Kirkbride, Joseph H.; Wiersema, John H. (1997), “Bobgunnia, a new African genus of tribe Swartzieae (Fabaceae, Faboideae)”, Brittonia 49 (1): 1–23 

外部リンク[編集]