サンダ

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サンダ
東宝怪獣映画のキャラクター
初登場フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ
作者 成田亨(デザイン)
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サンダは、映画『フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ』などに登場する架空の怪獣。

概要

映画『フランケンシュタイン対地底怪獣』に登場する巨人フランケンシュタインの細胞の一部が成長した怪獣[1]ガイラは弟とされるが、厳密に言えばサンダの体細胞から分裂したクローンである[1][2]。俳優が生身で演じていたフランケンシュタインに対し、ガイラともども着ぐるみによる怪獣となっている[出典 1]

モチーフは山幸彦だが、海幸彦にあたるガイラとは兄弟の立場が逆転している[5]。名前の由来は「さん」から[6]。脚本での表記は「山フランケンシュタイン」[6]。海外での名称は「ブラウンガルガンチュア」となっている[6]

登場作品

『サンダ対ガイラ』に登場したサンダ

諸元
サンダ
別名 フランケンシュタインの怪獣[出典 3][注釈 1]
身長 30m[出典 4]
体重 1万5千t[出典 4]
出身地
出現地 谷川岳[15]

全身が茶色の体毛で覆われた巨人。人間に育てられたことから性質は温和であり、人間には危害を加えない[8]。ガイラとは違って照明に近付くため[13]、避難民が明かりを消すか消さないかで混乱するシーンがある。成長後は日本アルプス山中に潜む。人間から攻撃されるガイラを救出して当初は仲間として扱うが、ガイラが人間を捕食したことを知った後は決別する[8]。その後、晴海埠頭でガイラの前に再び出現し、ガイラを説得しようとするが拒絶されたため、戦闘となる。最後は、共に海底火山の噴火に飲み込まれる。

  • スーツアクター:関田裕[出典 5]
  • 子供のころのサンダ:小宮康弘[出典 6][注釈 3](声:木下華声[出典 7]
  • 関田裕はこれが初の怪獣役(スーツアクター)である[21]。ガイラ役の中島春雄は、立ち回りの相手役として関田を高く評価している[3][20]。ガイラと異なり人間味のある動きが特徴である[4]
  • 書籍『大ゴジラ図鑑2』では、キャラクターの共通要素から、サンダを『獣人雪男』のカラー版再挑戦であったものと解釈している[18]。また、子供時代のサンダについては、本来は『フランケンシュタイン対地底怪獣』でのフランケンシュタインの子供時代と同様に碧眼の少年であったものと推測している[18]。書籍『ゴジラ 全怪獣大図鑑』では、フランケンシュタインが成長した姿と記述している[8]
造形
デザインは成田亨[出典 8]
子供時代も含め、頭部造形は利光貞三、胴体は八木康栄による[13]。「山の怪獣」ということで、体表が松かさ状になっている[出典 9]。全身の毛は麻を使用した。
子供時代のサンダは、演技者の表情を生かした特殊メイクに近い造形となっている。
台本では白い怪物とされていた[12]

『行け!ゴッドマン』に登場したサンダ

子供たちが遊んでいるところに、叫び声をあげつつ登場。身軽さが特徴[23]。ゴッドマンとの戦いの末、逃走しようとしたところをゴッドマン超音波により爆殺される[24]。しかし、目的は子供たちと一緒に遊ぶことだった[24]

『行け!グリーンマン』に登場したサンダ

遊園地に出現して子供たちをいじめるが、やってきたグリーンマンと戦い、毒ガスを吐き出して追い詰めるが、敗れる[25]。食いしん坊で、グリーンマンブレスターやグリーンマンアローをも食べてしまう[26][25]

その他の作品

  • 1966年に朝日ソノラマから発売されたソノシート『大怪獣戦 30怪獣大あばれ!!』に収録された「宇宙怪獣対地球怪獣」では、宇宙怪獣と戦う地球怪獣陸軍の1体として登場する[27]
  • 映画『ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS』では、画面には映らないが特生自衛隊特殊生物研究本部のDNA貯蔵庫に保管されている多数の怪獣のDNAの1つにその名が記されている[28]

脚注

注釈

  1. ^ 書籍『ゴジラ来襲!!』では、山のフランケンシュタインと記述している[16]
  2. ^ 資料によっては「不明[2]」「深山[14]」と記述している。また、「出生地 京都のスチュワート研究所、棲息地 深山[9]」「出生地 不明、棲息地 深山[12]」と記述しているものもある。
  3. ^ ガイラを演じた中島春雄の著書『怪獣人生 元祖ゴジラ俳優・中島春雄』には、公開当時の素顔が掲載されている[19]

出典

  1. ^ a b c d e 日本特撮映画図鑑 1999, pp. 40–41, 「フランケンシュタインの怪獣サンダ対ガイラ」
  2. ^ a b c d e f g h オール東宝怪獣大図鑑 2014, p. 115, 「『フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ』サンダ」
  3. ^ a b c 東宝特撮映画全史 1983, pp. 310–311, 「東宝特撮映画作品史 フランケンシュタインの怪獣サンダ対ガイラ」
  4. ^ a b 円谷英二特撮世界 2001, pp. 116–117, 「フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ」
  5. ^ オール東宝怪獣大図鑑 2014, p. 118, 「『フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ』」
  6. ^ a b c d e f 東宝特撮映画大全集 2012, p. 107, 「『フランケンシュタインの怪獣サンダ対ガイラ』作品解説」
  7. ^ a b c 「人類を脅かした巨大生物大図鑑」『ゴジラ×メカゴジラ超全集』構成 間宮“TAKI”尚彦、小学館〈てれびくんデラックス愛蔵版〉、2003年1月10日、39頁。ISBN 978-4-09-101488-7 
  8. ^ a b c d e f 全怪獣大図鑑 2021, pp. 290–291, 「驚異の巨大生物たち」
  9. ^ a b c d ゴジラ画報 1999, p. 40, 「東宝怪獣紳士録」
  10. ^ a b 怪獣大全集 1991, p. 72, 「東宝モンスター名鑑」
  11. ^ a b c ゴジラ大全集 1994, p. 108, 「東宝怪獣総進撃 サンダ」
  12. ^ a b c d 東宝特撮映画大全集 2012, p. 108, 「『フランケンシュタインの怪獣サンダ対ガイラ』怪獣図鑑/資料館」
  13. ^ a b c d e f g キャラクター大全 2014, p. 106, 「怪獣映画の興隆 フランケンシュタインの怪獣サンダ対ガイラ」
  14. ^ a b c 東宝特撮全怪獣図鑑 2014, pp. 42–43, 「フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ」
  15. ^ a b c 超常識 2016, pp. 260–263, 「同細胞から生まれた兄弟怪獣の対決 フランケンシュタインの怪獣サンダ対ガイラ」
  16. ^ a b c ゴジラ来襲 1998, p. 204, 「第7章 特選!東宝怪獣名鑑'98」
  17. ^ a b c 東宝特撮映画全史 1983, pp. 306–307, 「東宝特撮映画作品史 フランケンシュタインの怪獣サンダ対ガイラ」
  18. ^ a b c 大ゴジラ図鑑2 1995, pp. 80–81, 「サンダ」
  19. ^ 中島春雄『怪獣人生 元祖ゴジラ俳優・中島春雄』洋泉社、2010年、350頁。ISBN 978-4-86248-589-2 
  20. ^ a b オール東宝怪獣大図鑑 2014, p. 125, 「『フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ』」
  21. ^ a b 東宝特撮映画大全集 2012, p. 109, 「『フランケンシュタインの怪獣サンダ対ガイラ』撮影秘話」
  22. ^ ゴジラ大全集 1994, p. 176, 「図説 東宝空想絵画館」
  23. ^ 東宝特撮全怪獣図鑑 2014, p. 126, 「行け!ゴッドマン」
  24. ^ a b 全怪獣大図鑑 2021, p. 363, 「行け!ゴッドマン」
  25. ^ a b 全怪獣大図鑑 2021, p. 366, 「行け!グリーンマン」
  26. ^ 東宝特撮全怪獣図鑑 2014, p. 145, 「行け!グリーンマン」
  27. ^ 大辞典 2014, p. 294, 「COLUMN18 ソノシートのオリジナルドラマ」
  28. ^ 『ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS超全集』構成 間宮“TAKI”尚彦、小学館てれびくんデラックス愛蔵版〉、2004年1月1日、38、55頁。ISBN 978-4-09-101493-1 

出典(リンク)

参考文献