P-47 (ゲーム)

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P-47
ジャンル 横スクロールシューティング
対応機種 アーケード (AC)
開発元 日本マイコン開発
発売元 ジャレコ
音楽 岡村静良
人数 1 - 2人(同時プレイ)
メディア 業務用基板
(1.94メガバイト
稼働時期 日本 1988051988年5月
対象年齢 CEROA(全年齢対象)
デバイス 8方向レバー
2ボタン
システム基板 メガシステム1
CPU MC68000 (@ 12 MHz)
サウンド MC68000 (@ 7MHz)
YM2151 (@ 3.5 MHz)
OKI6295 (@ 4 MHz)×2
ディスプレイ ラスタースキャン
横モニター
256×224ピクセル
60.00Hz
パレット1024色
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P-47 THE FREEDOM FIGHTER』(ピーよんじゅうなな - ザ・フリーダム・ファイター)は、日本マイコン開発が開発し[1]1988年5月にジャレコから発売された業務用横スクロールシューティングゲーム[2][3]。2人同時プレイ可能[2]。日本国外では『P-47: The Phantom Fighter』のタイトルで発売された。ジャレコのシステム基板「メガシステム1」の第1作[2]

1989年に日本国内ではPCエンジンに移植された他、1990年に欧州ではAmigaAmstrad CPCAtari STコモドール64PC/AT互換機ZX Spectrumに移植された。

2011年にはアーケード版がiOS用ソフトとして配信。2020年にアーケードアーカイブスPlayStation 4版とNintendo Switch版が配信された[4][5]

概要[編集]

アメリカ空軍の戦闘機P-47サンダーボルトを操作し、ドイツ軍を殲滅する。自機を操作して機銃と特殊武器で敵を破壊しながら進む。敵からの攻撃に当たると一撃死なため、避けるしかない。[6]全8面で構成され、最終ボスであるビスマルクを撃沈すればゲームクリアとなる。

メインショットの機銃はパワーアップせず、4種のサブウエポンにより装備を強化する。

空中の特定の地点を撃ち込むと、ボーナススコアが入ったり、1upなどの各種アイテムが出現する箇所が存在する。

ゲーム内容[編集]

アイテム[編集]

T(ターレット)
レバーを入れた方向に射撃をする。どの角度にも攻撃でき死角が無くなるが、威力が弱く射撃方向に自機も移動する。レバーをニュートラル状態にすると斜め下前方に射撃を行う。3段階のパワーアップが可能で2連射、3連射、4連射と連射速度が上がる。[6]
M(ミサイル)
自機前方にミサイルを発射する。3段階のパワーアップが可能で4・6・8とミサイルの数が増える。この武器のみは他の特殊武器のアイテムを取ってもパワーは落ちることがなく再度取ると前のパワーより1つ上がった状態となる。[6]
B(ボンバー)
斜め前方に爆弾を投下する。自機より少し前方へ落ちるが、自機の速度や移動方向によって落下軌道が異なる。[6]地上物に対して絶大な効果を発揮。
E(エクスプロージョン)
自機前方へと飛んで分散し敵飛行物を破壊する。散らばる前の弾丸は非常に高い攻撃力を持ち、近接状態で連射すると敵機に大ダメージを与えることができる。3段階のパワーアップが可能で分散する弾数と分散前の威力が4・6・8と上がる。[6]
S(スピードアップ)
自機の速度を上げる。最高10段階まで上がる。[6]
1up
自機を1機追加。
CONTINUE (PCE版)
コンティニューが可能となる残量が一回増える。[6]

移植版[編集]

No. タイトル 発売日 対応機種 開発元 発売元 メディア 型式 売上本数 備考
1 P-47 日本 198903201989年3月20日
PCエンジン NMK エイコム 2メガビットHuCARD[7] AC89001 -
2 P47 Thunderbolt ヨーロッパ 1990年
Amiga
Amstrad CPC
Atari ST
コモドール64
PC/AT互換機
ZX Spectrum
Source Firebird Software フロッピーディスク - -
3 P-47 - The Phantom Fighter INT 201107202011年7月20日
iPhone
(iOS)
DotEmu DotEmu ダウンロード - -
4 P-47 THE FREEDOM FIGHTER 日本 2020年7月2日[4][5]
PlayStation 4
Nintendo Switch
NMK ハムスター ダウンロード
(アーケードアーカイブス)
- - アーケード版の移植
PCエンジン版
1989年3月20日にエイコムより発売。ゲーム内容は概ねアーケード版と同様であるが、2メガの[6]ROM容量やハードスペックの都合により、2人同時プレイはカットされ1人プレイのみの仕様となった。この他にも、ステージレイアウトの一部変更、一部ステージボスの変更、面ごとのデモ画面やクリアボーナスのカット等の変更点がある。コンティニューは有限だが、新アイテムに1クレジットが追加されるC(コンティニュー)がある。ステージ5にPCE版のオリジナルキャラとして「装甲飛行船ハイデンベルグ」が追加されている。[6]全ステージをクリア後には、アーケード版には無かったエンディング画面やスタッフクレジットを追加。

スタッフ[編集]

PCエンジン版
  • まつもとゆきお
  • スーパーバイザー:ありまようすけ
  • プログラム・スーパーバイザー:だてたみお
  • 企画:たかおかあきら
  • コンストラクター:あきはばらけんいち
  • メイン・デザイナー:折上英作
  • サウンド・アーティスト:SIZLLA LEONA(岡村静良)
  • サウンド・プログラマー:ちだかずひろ(綾部和
  • メイン・プログラマー:K.TETSURO

評価[編集]

評価
レビュー結果
媒体結果
Computer and Video Games75/100点(ST)[8]
Crash71/100点 (ZX)[9]
ファミ通27/40点 (PCE)[10]
Sinclair User76/100点 (ZX)[9]
Your Sinclair79/100点 (ZX)[9]
マル勝PCエンジン29/40点(PCE)
PC Engine FAN20.69/30点(PCE)[7]
Commodore User75/100点(Amiga)[11]
Zzap!6472/100点(Amiga)[11]
Zero75/100点(ST)[8]
Aktueller Software Markt8.6/12点(ST)[8]
5.2/12点 (C64)[12]
ST Format67/100点(ST)[8]
Commodore Force58/100点(C64)[12]
The Games Machine78/100点(DOS)[13]
受賞
媒体受賞
第2回ゲーメスト大賞年間ヒットゲーム 43位[14]
アーケード版

ゲーム誌『ゲーメスト』の企画「第2回ゲーメスト大賞」(1988年度)で、読者投票により年間ヒットゲーム43位を獲得している[14]

PCエンジン版

ゲーム誌『ファミコン通信』の「クロスレビュー」では合計27点(満40点)[10]、『マル勝PCエンジン』では7・7・7・8の合計29点(満40点)、『PC Engine FAN』の読者投票による「ゲーム通信簿」での評価は以下の通りとなっており、20.69点(満30点)となっている[7]。また、この得点はPCエンジン全ソフトの中で287位(485本中、1993年時点)となっている[7]。同雑誌1993年10月号特別付録の「PCエンジンオールカタログ'93」では、「難易度は普通で、淡々とゲームが進んでいく。背景は派手ではないが、昔のソフトにしては美しい」と紹介されている[7]

項目 キャラクタ 音楽 操作性 熱中度 お買得度 オリジナリティ 総合
得点 3.52 3.34 3.57 3.64 3.35 3.27 20.69

続編[編集]

P-47 ACES
1995年に続編としてジャレコメガシステム32でリリース。本作のサンダーボルトに加え、ブラックウィドウソードフィッシュスピットファイアの全4機体中から選べる。また、アニメ調の絵のパイロットのキャラクターがそれぞれの機体に設定された。グラフィックは大幅に進化したものの、ゲームバランスは前作と比べると非常に難易度が高い。

脚注[編集]

  1. ^ 大瀬古ヤエ「P-47 THE FREEDOM FIGHTER」『シューティングゲームサイド』第8号、マイクロマガジン社、2013年9月27日、19頁、ISBN 9784896374391 
  2. ^ a b c 新”メガシステム1“第一弾 米、独の空中戦 ジャレコから「P-47」基板」『ゲームマシン』第333号、アミューズメント通信社、1988年6月1日、21面。オリジナルの2020年1月31日時点におけるアーカイブ。
  3. ^ 現在発売中のシステム基板とソフト一覧」『ゲームマシン』第477号、アミューズメント通信社、1994年8月1日、21面。オリジナルの2020年1月31日時点におけるアーカイブ。
  4. ^ a b 『アーケードアーカイブス P-47』Switch、PS4向けに7月2日配信決定! 機銃と特殊兵器を駆使し、襲い来る敵軍部隊を撃退するシューティングゲーム” (日本語). ファミ通.com. KADOKAWA (2020年7月1日). 2020年7月2日閲覧。
  5. ^ a b PS4/Switch版「アーケードアーカイブス P-47」が7月2日に配信スタート” (日本語). 4Gamer.net. Aetas (2020年7月1日). 2020年7月2日閲覧。
  6. ^ a b c d e f g h i 『ピーシーエンジンファン 通巻5号』徳間書店、1989年4月1日、10,11,12,13,14,15,16,17,頁。 
  7. ^ a b c d e 「10月号特別付録 PCエンジンオールカタログ'93」『PC Engine FAN』第6巻第10号、徳間書店、1993年10月1日、90頁。 
  8. ^ a b c d P47 Thunderbolt for Atari ST (1990)” (英語). Moby Games. Blue Flame Labs. 2018年4月21日閲覧。
  9. ^ a b c P47 Thunderbolt for ZX Spectrum (1990)” (英語). Moby Games. Blue Flame Labs. 2018年4月21日閲覧。
  10. ^ a b P・47 まとめ [PCエンジン]” (日本語). ファミ通.com. KADOKAWA CORPORATION. 2018年4月21日閲覧。
  11. ^ a b P47 Thunderbolt for Amiga (1990)” (英語). Moby Games. Blue Flame Labs. 2018年4月21日閲覧。
  12. ^ a b P47 Thunderbolt for Commodore 64 (1990)” (英語). Moby Games. Blue Flame Labs. 2018年4月21日閲覧。
  13. ^ P47 Thunderbolt for DOS (1990)” (英語). Moby Games. Blue Flame Labs. 2018年4月21日閲覧。
  14. ^ a b 「ゲーメスト大賞11年史」『GAMEST MOOK Vol.112 ザ・ベストゲーム2 アーケードビデオゲーム26年の歴史』第5巻第4号、新声社、1998年1月17日、22 - 23頁、ISBN 9784881994290 

外部リンク[編集]