JR貨物UT18C形コンテナ

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三菱化学物流所有へ改名した、UT18C-8002東水島駅にて、1997年12月11日撮影。

UT18C形コンテナ(UT18Cがたコンテナ)は、日本貨物鉄道(JR貨物)輸送用として籍を編入している、20 ft形の私有コンテナタンクコンテナ)である。

概要[編集]

本形式の数字部位 「 18 」は、コンテナの容積を元に決定される。このコンテナ容積18 ㎥の算出は、厳密には端数を四捨五入計算の為に、内容積が17.5 - 18.4 ㎥の間に属するコンテナが対象となる[1]。また形式末尾のアルファベット一桁部位 「 C 」は、コンテナの使用用途(主たる目的)が 「 危険品の輸送 」を表す記号として付与されている[2][3]

特記事項[編集]

20ftコンテナでは初の高圧ガス用として、1990年度より製造された[4]。またガス圧上昇防止用に遮熱板(いわゆる、「キセ」と呼ばれる金属製の日除けカバー)で、タンクの上部が覆われている。なお固体により2 - 3枚に分割または、全面一体型などのスタイルがある。

またガスタンクコンテナの共通特長として、片妻壁側のタンク球体面中央部位には、16個前後のボルトで止められたマンホール(タンク内の点検口)蓋が必ず設置されている。

番台・番号別概説[編集]

8000番台[編集]

8001 ・ 8002【2個】[5]
菱成産業所有[注 1]。20 ft、ガスタンクコンテナ。積荷は液化ブチレン化成品表記=燃G23)専用。総重量14.55t。規格外ハローマーク(G=総重量)付き[注 2]日本車両にて、1990年11月製造。タンク保護枠付き四角形外観。積荷積載時の2段積禁止。
  ↓
三菱ケミカル物流(MCLC)所有、三菱化学借受。ほかは変更無し。
8003[6]
UT18C-8003 東水島駅にて、2003年5月3日撮影。
日本陸運産業(NRS)所有、三菱化学借受。20ft、ガスタンクコンテナ。積荷は液化ブチレン(化成品表記=燃G23)専用。総重量14.55t。ハローマーク(G=総重量)付き[注 3]。日本車両にて、1990年11月製造。タンク保護枠付き四角形外観。積荷積載時の2段積禁止。
8004[6]
三菱ケミカル物流所有。20ft、ガスタンクコンテナ。積荷は液化ブチレン(化成品表記=燃G23)専用。総重量14.5t。ハローマーク(G=総重量)付き[注 4]。日本車両にて、1998年製造。タンク保護枠付き四角形外観。積荷積載時の2段積禁止。
8005 - 8007【3個】[6]
UT18C-8007 大阪貨物ターミナルにて、2004年3月20日撮影。
日輪所有。20ft、ガスタンクコンテナ。積荷は液化イソブチレン(化成品表記=燃G23)専用。総重量15.15t。ハローマーク(G=総重量)付き。1998年 - 1999年製造。タンク保護枠付き四角形外観。積荷積載時の2段積禁止。
※総重量15t超の重量級コンテナのために荷役の安全上、両側面下部のフォークポケット部位には『積コンテナの場合はフォーク作業禁止』の表記がある。
8008[6]
長太所有。20ft、ガスタンクコンテナ。積荷は液化イソブチレン(化成品表記=燃G23)専用。総重量15.6t。ハローマーク(G=総重量)付き。タンク保護枠付き四角形外観。積荷積載時の2段積禁止。
※総重量15t超の重量級コンテナのために荷役の安全上、両側面下部のフォークポケットがない。このために、積コン・空コンを問わず全てのコンテナ荷役では、トップリフターでの取り扱いとなる。
8009[6]
関西化成品輸送所有、三菱ガス化学(MGC)借受。20ft、ガスタンクコンテナ。積荷はジメチルエーテル(DME)(化成品表記=毒燃G26.3)専用。総重量16.8t。ハローマーク(G=総重量・H=全高)付き、背高仕様。タンク保護枠付き四角形外観。積荷積載時の2段積禁止。コキ50000積載禁止の標記あり。
※総重量16t超の重量級コンテナのために荷役の安全上、両側面下部のフォークポケット部位には『積コンテナの場合はフォーク作業禁止』の表記がある。
8010 ・ 8011【2個】[6]
UT18C-8010 東京貨物ターミナルにて、2008年7月20日撮影。
関西化成品輸送所有、三菱ガス化学[注 5]日新運輸借受。20ft、ガスタンクコンテナ。積荷はジメチルアミン(化成品表記=毒燃G26.3)専用。総重量16.2t。ハローマーク(G=総重量・H=全高)付き、背高仕様。タンク保護枠付き四角形外観。積荷積載時の2段積禁止。コキ100積載限定の標記あり。
※総重量16t超の重量級コンテナのために荷役の安全上、両側面下部のフォークポケット部位には『積コンテナの場合はフォーク作業禁止』の表記がある。
8012
関西化成品輸送所有、三菱ガス化学/日新運輸借受。20ft、ガスタンクコンテナ。積荷はモノメチルアミン(化成品表記=毒燃G26.3)専用。総重量16.2t。ハローマーク(G=総重量・H=全高)付き、背高仕様。タンク保護枠付き四角形外観。積荷積載時の2段積禁止。コキ50000積載禁止の標記あり。
8013 - 8016【4個】
関西化成品輸送所有、三菱ガス化学/日新運輸借受。20ft、ガスタンクコンテナ。積荷はジメチルアミン(化成品表記=毒燃G26.3)専用。総重量16.2t。ハローマーク(G=総重量・H=全高)付き、背高仕様。タンク保護枠付き四角形外観。積荷積載時の2段積禁止。コキ50000積載禁止の標記あり。
8017 ・ 8018【2個】
日輪所有。20ft、ガスタンクコンテナ。積荷は液化イソブタン(化成品表記=燃G23)専用。総重量14.0t。ハローマーク(G=総重量)付き。タンク保護枠付き四角形外観。積荷積載時の2段積禁止。
※総重量14tの重量級コンテナのために荷役の安全上、両側面下部のフォークポケット部位には『積コンテナの場合はフォーク作業禁止』の表記がある。
8019
日新運輸所有。20ft、ガスタンクコンテナ。積荷は液化ジメチルアミン+N₂ガス(化成品表記=燃G26.3)専用。総重量15.3t。ハローマーク(G=総重量)付き。タンク保護枠付き四角形外観。積荷積載時の2段積禁止。
※両側面下部のフォークポケットがない。このために、積コン・空コンを問わず全てのコンテナ荷役では、トップリフターでの取り扱いとなる。
  ↓
MGCアドバンス所有。ほかは変更なし。
8020
三菱ケミカル物流所有。20ft、ガスタンクコンテナ。積荷は液化ブチレン(化成品表記=燃G23)専用。総重量14.55t。ハローマーク(G=総重量)付き。タンク保護枠付き四角形外観。積荷積載時の2段積禁止。
※両側面下部のフォークポケットがない。このために、積コン・空コンを問わず全てのコンテナ荷役では、トップリフターでの取り扱いとなる。

脚注[編集]

  1. ^ 現、三菱ケミカル物流が1974年に初めて私有コンテナUH1形式)による、化成品輸送に参加した当時の社名
  2. ^ 規格外表記(ハローマーク)の運用開始直後のために、不要部位の黒塗り潰しがなく表記全面が下地の黄色になっている。
  3. ^ 規格外表記(ハローマーク)の運用開始直後のために、不要部位の黒塗り潰しがなく表記全面が下地の黄色になっている。
  4. ^ 規格外表記(ハローマーク)の不要部位が現在のように、黒塗り潰しとなっている。
  5. ^ 出典元では、『三菱化学物流』となっているが、これは誤記である。

出典[編集]

参考文献[編集]

  • 貨車技術発達史編纂委員会(編著)『日本の貨車 技術発達史 明治5(1872)年〜平成16(2004)年』社団法人日本鉄道車輌工業会、2008年3月。全国書誌番号:21465967 
※参考白黒写真掲載ページ → ---項。

外部サイト[編集]

関連項目[編集]