CFA-44

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CFA-44 ノスフェラト: CFA-44 Nosferatu)は、バンダイナムコゲームス(後のバンダイナムコエンターテインメント)Xbox 360フライトシューティングゲームACE COMBAT 6 解放への戦火』、同プレイステーション3/Xbox 360用『ACE COMBAT ASSAULT HORIZON』、プレイステーション3専用オンラインゲーム『エースコンバット インフィニティ』、アーケードゲームマッハストーム』、小説『エースコンバット イカロス・イン・ザ・スカイ(ACE COMBAT IKAROS IN THE SKY)』に登場する架空軍用機。愛称のノスフェラトとは、ルーマニア語吸血鬼を意味するが、公式には不死者の意とされている。登場各作品は舞台となる世界観が異なり、本機の設定もそれに準じて大きく異なる。本項では特記のない限り『ACE COMBAT 6 解放への戦火』に登場した機体について取り扱う。

概要

CFA-44は、エストバキア連邦が開発した次世代ステルス艦上戦闘機である。開発当初は試作兵器である航空機レールガンの搭載に合わせて安定性を特に重視した機体であったが、後にエースパイロット向けに大幅な改造が施され、エメリア・エストバキア戦争に於いて実戦に投入された。

機体の基本性能は高く、特に機動性・加速性・最高速度に優れるものの、安定性が低く失速しやすい・攻撃に対する耐久性が低いといった欠点も抱えている。破格の射程と威力を誇り、対地・対空・対艦に使用することができる汎用レールガンユニット「EML」や、同時に最大12の目標に対する一斉攻撃を可能とする全方位多目的ミサイルランチャー「ADMM」といった強力な兵装を備える。また、機銃を装備する無人機マーレボルジェ[1]を同時に複数機を制御することも可能な統合コンピューターシステムなど、強力なアビオニクスも有し、1名のパイロットのみで戦線の維持を可能とする。しかしながらその機体特性も含め、パイロットに対しても高い適性を求める機体でもある。

特徴

機体形状はステルス機らしく、チャインと呼ばれるエッジによって明確に上下の分かれた機首や、五角形状のエアインテークなどを持ち、全体的に垂直面が少ない。翼形状は外側に傾いた斜め双垂直尾翼を持つカナード付デルタ翼機。主翼後縁はW型に屈曲しており、翼端は折畳み機構付。カナードは細長い短冊形状となっており、主翼直近に主翼前縁と平行に取り付けられている。エンジンはやや左右に間隔を空けた双発で、垂直方向への推力偏向が可能な3枚パドル式左右独立二次元推力偏向ノズルを有する。キャノピー下方、機首左側面には格納式の空中給油プローブを装備。

武装面ではポップアップ式のウェポンベイをエアインテーク後方の機体上面左右2箇所と左右エンジンの中間下部の計3箇所に持ち、ここには試作兵器「EML」「ADMM」や、ECMポッドを搭載可能となっている。また、主翼下にはロックオンに連動して発射位置へとスライドアップする短射程AAM用半格納型パイロンがある。固定武装としては左右のカナード基部付近にシャッター付きの航空機関砲2門を搭載する。

特殊兵装

ADMM(All Direction Multi-purpose Missile)
全方位多目的ミサイルシステム。最大12目標に向けて同時発射可能な長射程の超小型多目的ミサイルを複数回発射可能。対地対艦対空を問わず、非常に多くの目標の殲滅を単機で可能とする。
超小型ミサイルはVLS方式のランチャーに格納されており、そのランチャーユニットを機体上面2箇所と下部中央の計3箇所のウェポンベイに搭載する。その構造上、ミサイルは機体周囲に一旦射出された後に誘導目標へ向けて飛行を開始するため発射時には機体上下にある程度の空間が必要であり、至近距離の目標に対しての使用、また低空飛行・閉鎖空間内など機体上下方向に障害物がある場合での使用はミサイルの一部、または全てがロストしてしまう。
この兵装の発射時に限り、専用の発射コード「ドライブ」が使われる。
EML(ElectroMagnetic Launcher)
汎用レールガンユニット。電磁誘導の原理を用いて弾丸を超高速で発射する。弾体は無誘導で直線的に発射されるだけだが、長射程かつ弾速が極めて速く、その威力も非常に高い。さらに再装填時間も非常に短い[2]。しかし現状ではバッテリーやレールの損耗に課題を抱えており、航空機用としては試作兵器の段階。
ECMポッドと同様に、機体上面の2つのウェポンベイに左右1門ずつ搭載される。発射時にはウェポンベイが開いた後、ユニット内に格納されている砲身が展開され、左右交互に発射される。同じウェポンベイを使用する関係上、ADMMやECMポッドとの同時搭載は不可能となっている。
この兵装の発射時に限り、専用の発射コード「スラッシュ」が使われる。
ECMポッド
ジャミングにより敵ミサイルの誘導を無効にする電子戦装備。機体上部2箇所のウェポンベイに搭載され、使用時のみウェポンベイから展開される。同じウェポンベイを使用する関係上、ADMMやEMLとの同時搭載は不可能となっている。

実戦参加

エメリア・エストバキア戦争末期、CFA-44はエストバキア軍の精鋭戦闘機部隊シュトリゴン隊の隊長イリヤ・パステルナーク少佐の専用機として実戦配備されていた。

2016年3月31日エメリア共和国の首都グレースメリア攻防戦でエストバキア軍は敗色濃厚となり、パステルナーク少佐は部下の撤退の時間を確保するため、無人機マーレボルジェの大軍を率いて単身エメリア軍に戦闘を仕掛けた。突然の大軍の出現とADMMによる攻撃でエメリア軍は一時混乱状態に陥り、味方部隊の脱出は成功したが、この戦闘でCFA-44は撃墜され空中で爆散。搭乗者であるパステルナーク少佐も壮絶な最期を遂げた。

登場作品

ボスキャラクターに相当する敵機として登場。また、プレイヤー機としても使用可能。
特殊兵装は、ADMM、EML、ECMP(ECMポッド)のいずれかを出撃時に選択する。ADMMはマルチでの使用は不可となっており、ベース機体未入手時の特殊兵装が、キャンペーンではADMM、マルチではEMLと異なっている。
追加ダウンロードコンテンツとして、安定性を重視した性能のプロトタイプカラー機が2008年1月31日より、ベースカラーが黒のラーズグリーズカラーが同年4月24日より、開発チームのロゴが描かれたPROJECT ACESカラーが同年7月24日より配信された。
追加ダウンロードコンテンツ「オンライン強化パック」の一部として2011年12月21日に配信され、同パックの購入でプレイヤー機体として使用可能となる。
『ACAH』は、『04』以降のエースコンバットシリーズ共通の世界観ではなく、現実世界を基にした世界観を採用しているため、『6』とのストーリー上の関連性はなく、敵機としての登場もしない完全なゲスト機体となっている。作品の舞台が現実の地球に変更されているため、開発国などは不明だが、失速時等の警告音声は旧東側諸国機に準じたロシア語に設定されている。
特殊兵装は『ACE COMBAT 6』と同じくADMM、EML、ECM(ECMPから名称変更)の3種。オンラインモードではセッション設定で第6弾(オンライン強化パックはこれに含まれている)のアイテムが使用可能になっていれば使用可能だが、逆にキャンペーンでは使用できない(フリーミッションでは使用可能)。
『ASSAULT HORIZON』ではゲームシステムが一新されたため、特殊兵装の仕様も変更されている。
ADMMはマルチロックオンの仕様変更に伴い、ロックオンに要する時間が大きく増加している。
EMLはDFM専用の照準システムが追加された他、再装填までの時間が大幅に伸びるなどの調整が行われている。
ECMもDFMに合わせた効果が追加されている。
カラーリングは1が『6』のエメリアカラー、2がプロトタイプカラー、3がエストバキアカラーとなっている。
  • 『エースコンバット イカロス・イン・ザ・スカイ』
『月刊電撃ホビーマガジン』2011年12月号に掲載された短編『エースコンバット・ショート・ストーリー』 Scene 00 「エンカウンター・バトル」に書下ろしを大幅に加えた小説単行本。『ACAH』と同じく、現実世界を基にした世界観を採用しているため、旧東側系の機体という設定となっている。NATOコードネームはファンダンス(Fandance)。
作品の舞台が現実の地球に変更されているため、開発国などは不明。テログループのエースパイロット「蝶使い」によって遠隔操縦される無人機「QFA-44 カーミラ」としてとして登場。制御する無人機も、マーレボルジェではなくレーザー砲を搭載した「MQ-90L」である。確認された同時最大制御数は6機。
2014年8月時点で配信されているキャンペーンモード#5『極東戦線』及び#7『円卓の鳥』のボスキャラクターであり、主人公「リーパー」が所属する民間軍事会社「アローズ社」のボーンアロー隊および、国連軍第19特殊飛行隊「リッジバックス隊」と交戦する。
『極東戦線』ではミッション中に増援に加わった無人機による不意打ちでリッジバックス隊隊長のスラッシュを撃墜し、ベイルアウトした彼をレーザー砲で殺害。その後、スラッシュの部下であるエッジ(ケイ・ナガセ)とリーパーを中心とした猛攻で無人機を全て撃ち落とされ、最後はリーパーによって撃墜された。撃墜所要時間が長い場合、高機動力を発揮するのに必要と推測されるなんらかの機能がタイムリミットを迎えたとの無線交信があり、機動性が急激に低下する描写がある。
オンライン共同戦役のMoscow Battle及びArea B7R Dogfight Battleの緊急ミッションのターゲットとしても登場。機動性及び耐久力が上昇し、無人機の同時制御数も18機に増加しているなど、キャンペーンモードよりもパワーアップしている。大量にばら撒かれるADMMと、随伴する無人機からのレーザーで攻撃してくる。また、本体に向けて発射されたミサイルを無人機のレーザーで打ち落とす。
2015年6月1日からは、6月30日までの期間限定ドロップとして、『6』のシュトリゴン仕様の特別機が通常機体に先行する形でプレイヤー機として登場した。機体の詳細説明に記載されている来歴は『ACE COMBAT 6』におけるパステルナーク機のオマージュとなっている。
2015年9月18日のアップデートでは通常機体として『ACAH』のデフォルトカラーと同じダークグレーベースのカラーリングの同機が追加された。特別機に比べ搭載可能な特殊兵装に差異はないが、初期性能は若干抑えられたものとなっている。
自機及び味方機として登場。ゲームの仕様上特殊兵装は一切使用できない反面、通常ミサイルを最大6発まで同時に発射可能な他、敵ミサイルに対する迎撃能力を有する。

脚注

  1. ^ マーレボルジェとは、ダンテ神曲に登場する地獄界第八圏、悪の嚢(ふくろ)のこと。なおマーレボルジェは敵機としてのみ登場し、プレイヤーが使用することは不可能となっている。
  2. ^ 『6』作中では再装填時間は0.3秒とされており、また左右交互に使用しているため、ユニット単体での再装填時間も0.5秒程度となっている

参考資料