2010年のポルトガルグランプリ (ロードレース)

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ポルトガルの旗   2010年のポルトガルグランプリ
レース詳細
2010年のロードレース世界選手権 全18戦中第17戦
決勝日 2010年10月31日
開催地 エストリル・サーキット
開催コース 常設サーキット
4.182km
MotoGP
ポールポジション ファステストラップ
スペインの旗 ホルヘ・ロレンソ スペインの旗 ホルヘ・ロレンソ
1:48.522 1:37.928
表彰台
1. スペインの旗 ホルヘ・ロレンソ
2. イタリアの旗 バレンティーノ・ロッシ 3. イタリアの旗 アンドレア・ドヴィツィオーゾ


Moto2
ポールポジション ファステストラップ
ハンガリーの旗 ガボール・タルマクシ イギリスの旗 スコット・レディング
1:50.916 1:45.456
表彰台
1. ドイツの旗 ステファン・ブラドル
2. イタリアの旗 アレックス・バルドリーニ 3. サンマリノの旗 アレックス・デ・アンジェリス


125 cc
ポールポジション ファステストラップ
イギリスの旗 ブラッドリー・スミス スペインの旗 マルク・マルケス
2:00.148 1:48.088
表彰台
1. スペインの旗 マルク・マルケス
2. スペインの旗 ニコラス・テロル 3. イギリスの旗 ブラッドリー・スミス


2010年のポルトガルグランプリは、ロードレース世界選手権の2010年シーズン第17戦として、10月29日から31日までポルトガルのエストリル・サーキットで開催された。

概要

エストリルは週末を通して悪天候に見舞われ、土曜日の予選セッションは全クラス中止になった。そのためスターティンググリッドは3回のフリー走行のタイムにより決められ、MotoGPクラスはホルヘ・ロレンソ、Moto2クラスはガボール・タルマクシ、125ccクラスはブラッドリー・スミスがそれぞれポールポジションとなった[1]。

Moto2クラス

Moto2クラス決勝では、テクノマグCIPチームで富沢祥也の後継として今回から参戦を開始した2010年のスーパースポーツ世界選手権王者、ケナン・ソフォーグルが序盤から速さを見せ、3周目にトップに立つと後続との差をどんどん広げて独走態勢を築き、グランプリデビュー戦優勝を成し遂げるかに見えた。しかしメカニックのミスにより左のハンドルバーが緩むトラブルに遭い、またリヤタイヤのグリップも徐々に失い[2]、19周目にはステファン・ブラドルにトップの座を奪われた。その後ブラドルはアレックス・バルドリーニとの激しいバトルを僅差で制し、Moto2クラス初優勝を遂げた。2位のバルドリーニはグランプリ143戦目にして初の表彰台獲得となった。9台の大集団で展開された3位争いはアレックス・デ・アンジェリスが制し、4位にはスコット・レディング、ソフォーグルは5位で初戦を終えた。

チャンピオンシップでは、ライダーズランキング3位のアンドレア・イアンノーネは34番グリッドから怒濤の追い上げを見せて19周目には4位にまで上がるが、その後転倒を喫してノーポイント。同2位のフリアン・シモンは12位で完走し、両者の差は6ポイントとなった。マニュファクチャラーズランキングでは、トップだったモリワキはMoto2初代王者のトニ・エリアスがシーズン初の転倒リタイヤを喫したこともあってノーポイントに終わり、スッターに逆転を許し、10ポイント差を付けられた[3]。

MotoGPクラス

MotoGPクラス決勝ではスタート前から波乱が起きた。5番グリッドからスタートするはずだったベン・スピーズがサイティングラップ中に転倒を喫して左の足首を脱臼し、レース欠場となったのである。

レースはフィアット・ヤマハのホルヘ・ロレンソとバレンティーノ・ロッシの二人が他を大きく離し、マッチレースが展開された。4周目にロレンソからトップを奪ったロッシが徐々に差を広げ、一時は2秒近い差を築いていたが、17周目にはロレンソが再逆転。そのまま逃げ切ってシーズン8勝目を果たした。3位にはクラス初表彰台獲得を狙っていたマルコ・シモンチェリとのバトルを僅差で制したアンドレア・ドヴィツィオーゾが入った。また今回より、カルロス・チェカがミカ・カリオの後任としてプラマック・レーシングからMotoGP復帰を果たしたが、ウェットセッション続きでドライコンディション時のライディングポジションが決められなかったことから右腕にひどい痛みを抱えることとなり、レース半ばにしてピットイン・棄権となった[4]。

マニュファクチャラーズ・チャンピオンシップでは、今回のワンツーフィニッシュによってヤマハの3年連続となるタイトルが確定。ライダーズランキング2位争いでは今回から決勝レース復帰を果たしたダニ・ペドロサが8位でフィニッシュし2位の座を維持、ロッシが3位にランクアップし19ポイント差で追う形となった。ケーシー・ストーナーは今回転倒リタイヤに終わったことで4位にランクダウン、2位獲得の可能性が消えた[5]。

125ccクラス

125ccクラス決勝では、トップを走るニコラス・テロル（ポイントランキング2位）を、11番グリッドスタートだったが2周目には2位にまでジャンプアップしたマルク・マルケス（ポイントリーダー）が追い上げる展開となっていた。しかし7周目に雨が降り始めたために赤旗が掲示されてレースは中断、6周目終了時点の順位をグリッドにして、9周の再レースがおこなわれることとなった。

コースの一部にのみ雨が降る難しいコンディションとなった再レースのスタート前、マルケスはサイティングラップ中に転倒を喫しカウルを大破させてしまう。その後大急ぎでピットに戻るが、ピットレーン閉鎖時刻までに再コースインすることが出来ず、最後尾17番グリッドからのスタートとなってしまった。しかしマルケスはロケットスタートを決めて5番手で1コーナーをクリア、1周目終了時点では3位にまで順位を上げた。その後スミス、テロルと3台でトップ集団を形成し、ファイナルラップにはテロルと何度もトップを入れ替える激しいバトルを制してシーズン10勝目を遂げた。

これでマルケスはテロルに17ポイントのアドバンテージを持って、最終戦バレンシアGPを迎えることとなった。また再レースでは多くのライダーがスリックタイヤを選択する中、ランキング3位のポル・エスパルガロはレインタイヤを履く賭けに出たものの、結果は10位に終わってチャンピオン獲得の可能性が消えた[6]。

MotoGPクラス決勝結果

順位 No ライダー マニュファクチャラー 周回 タイム/リタイヤ グリッド ポイント
1 99 スペインの旗 ホルヘ・ロレンソ ヤマハ 28 46:17.962 1 25
2 46 イタリアの旗 バレンティーノ・ロッシ ヤマハ 28 +8.629 3 20
3 4 イタリアの旗 アンドレア・ドヴィツィオーゾ ホンダ 28 +26.475 9 16
4 58 イタリアの旗 マルコ・シモンチェリ ホンダ 28 +26.534 8 13
5 69 アメリカ合衆国の旗 ニッキー・ヘイデン ドゥカティ 28 +27.154 2 11
6 14 フランスの旗 ランディ・ド・プニエ ホンダ 28 +28.297 7 10
7 5 アメリカ合衆国の旗 コーリン・エドワーズ ヤマハ 28 +30.109 12 9
8 26 スペインの旗 ダニ・ペドロサ ホンダ 28 +44.947 13 8
9 33 イタリアの旗 マルコ・メランドリ ホンダ 28 +1:13.649 6 7
10 40 スペインの旗 エクトル・バルベラ ドゥカティ 28 +1:17.721 11 6
11 19 スペインの旗 アルバロ・バウティスタ スズキ 28 +1:17.908 16 5
12 7 日本の旗 青山博一 ホンダ 28 +1:33.025 15 4
13 65 イタリアの旗 ロリス・カピロッシ スズキ 28 +1:39.752 10 3
Ret 71 スペインの旗 カルロス・チェカ ドゥカティ 13 棄権 17
Ret 27 オーストラリアの旗 ケーシー・ストーナー ドゥカティ 4 アクシデント 4
Ret 41 スペインの旗 アレックス・エスパルガロ ドゥカティ 28 アクシデント 14
DNS 11 アメリカ合衆国の旗 ベン・スピーズ ヤマハ サイティングラップで負傷 5

Moto2クラス決勝結果

順位 No ライダー マニュファクチャラー 周回 タイム/リタイヤ グリッド ポイント
1 65 ドイツの旗 ステファン・ブラドル スッター 26 46:59.723 10 25
2 25 イタリアの旗 アレックス・バルドリーニ ICP 26 +0.068 11 20
3 15 サンマリノの旗 アレックス・デ・アンジェリス モトビ 26 +2.830 6 16
4 45 イギリスの旗 スコット・レディング スッター 26 +2.842 25 13
5 54 トルコの旗 ケナン・ソフォーグル スッター 26 +2.947 4 11
6 35 イタリアの旗 ラファエレ・デ・ロサ テック3 26 +3.311 5 10
7 8 オーストラリアの旗 アンソニー・ウエスト MZ-RE ホンダ 26 +3.385 21 9
8 2 ハンガリーの旗 ガボール・タルマクシ スピードアップ 26 +3.952 1 8
9 77 スイスの旗 ドミニク・エガーター スッター 26 +4.284 8 7
10 17 チェコの旗 カレル・アブラハム FTR 26 +4.311 23 6
11 55 スペインの旗 エクトル・ファウベル スッター 26 +4.492 24 5
12 60 スペインの旗 フリアン・シモン スッター 26 +13.006 2 4
13 80 スペインの旗 アクセル・ポンス ポンス カレックス 26 +26.529 20 3
14 3 イタリアの旗 シモーネ・コルシ モトビ 26 +27.760 18 2
15 39 ベネズエラの旗 ロベルティーノ・ピエトリ スッター 26 +28.259 13 1
16 12 スイスの旗 トーマス・ルティ モリワキ 26 +28.311 12
17 16 フランスの旗 ジュール・クルーセル スッター 26 +28.333 27
18 68 コロンビアの旗 ヨンニ・エルナンデス BQR 26 +37.873 7
19 71 イタリアの旗 クラウディオ・コルティ スッター 26 +38.092 17
20 31 スペインの旗 カルメロ・モラレス スッター 26 +38.227 16
21 29 イタリアの旗 アンドレア・イアンノーネ スピードアップ 26 +46.976 34
22 40 スペインの旗 セルヒオ・ガデア ポンス カレックス 26 +1:01.779 33
23 19 ベルギーの旗 ザビエル・シメオン モリワキ 26 +1:25.872 35
24 10 スペインの旗 フォンシ・ニエト モリワキ 26 +1:26.029 29
25 61 ウクライナの旗 ウラジミール・イワノフ モリワキ 26 +1:51.690 36
26 72 日本の旗 高橋裕紀 テック3 25 +1 Lap 9
27 70 イタリアの旗 フェルッチオ・ランボルギーニ モリワキ 25 +1 Lap 31
28 88 スペインの旗 ヤンニック・ゲーラ モリワキ 25 +1 Lap 37
29 95 カタールの旗 マシェル・アル・ナイミ BQR 25 +1 Lap 38
Ret 4 スペインの旗 リカルド・カルダス ビモータ 23 アクシデント 14
Ret 44 イタリアの旗 ロベルト・ロルフォ スッター 22 棄権 30
Ret 7 スペインの旗 Dani Rivas BQR 19 アクシデント 28
Ret 24 スペインの旗 トニ・エリアス モリワキ 17 棄権 3
Ret 14 タイ王国の旗 ラタパー・ウィライロー ビモータ 14 棄権 32
Ret 53 フランスの旗 バレンティン・デビーズ ADV 13 棄権 15
Ret 9 アメリカ合衆国の旗 ケニー・ノエス プロモハリス 13 棄権 22
Ret 56 オーストリアの旗 マイケル・ランセデール スッター 5 棄権 26
DNS 6 スペインの旗 アレックス・デボン FTR スタートせず 19
DNQ 63 フランスの旗 マイク・ディ・メッリオ スッター 予選落ち
DNQ 5 スペインの旗 ホアン・オリベ プロモハリス 予選落ち
DNQ 66 日本の旗 國川浩道 ビモータ 予選落ち

125ccクラス決勝結果

順位 No ライダー マニュファクチャラー 周回 タイム/リタイヤ グリッド ポイント
1 93 スペインの旗 マルク・マルケス デルビ 9 16:27.878 11 25
2 40 スペインの旗 ニコラス・テロル アプリリア 9 +0.150 4 20
3 38 イギリスの旗 ブラッドリー・スミス アプリリア 9 +0.212 1 16
4 94 ドイツの旗 ジョナス・フォルガー アプリリア 9 +18.378 17 13
5 39 スペインの旗 ルイス・サロム アプリリア 9 +19.387 8 11
6 23 スペインの旗 アルベルト・モンカヨ アプリリア 9 +22.505 3 10
7 35 スイスの旗 ランディ・クルメナッハ アプリリア 9 +26.699 13 9
8 7 スペインの旗 エフレン・バスケス デルビ 9 +26.703 14 8
9 99 イギリスの旗 ダニー・ウェブ アプリリア 9 +31.503 2 7
10 44 スペインの旗 ポル・エスパルガロ デルビ 9 +40.823 12 6
11 84 チェコの旗 ヤコブ・コーンフェール アプリリア 9 +47.006 15 5
12 15 イタリアの旗 シモーネ・グロツキー アプリリア 9 +48.773 28 4
13 95 イタリアの旗 アレッサンドロ・トヌッチ アプリリア 9 +54.418 24 3
14 92 イタリアの旗 ルイジ・モルシアーノ アプリリア 9 +1:02.234 23 2
15 63 マレーシアの旗 ズルファミ・カイルディン アプリリア 9 +1:15.433 25 1
Ret 37 フランスの旗 Robin Barbosa アプリリア 1 アクシデント 26
NC 11 ドイツの旗 サンドロ・コルテセ デルビ 第1レースでリタイヤ 5
NC 12 スペインの旗 エステベ・ラバト アプリリア 第1レースでリタイヤ 16
NC 14 フランスの旗 ヨハン・ザルコ アプリリア 第1レースでリタイヤ 18
NC 26 スペインの旗 アドリアン・マルティン アプリリア 第1レースでリタイヤ 19
NC 50 ノルウェーの旗 ストゥーラ・ファーガーハウグ アプリリア 第1レースでリタイヤ 20
NC 52 イギリスの旗 ダニー・ケント ランブレッタ 第1レースでリタイヤ 10
NC 69 フランスの旗 ルイ・ロッシ アプリリア 第1レースでリタイヤ 21
NC 71 日本の旗 小山知良 アプリリア 第1レースでリタイヤ 7
NC 78 ドイツの旗 マルセル・シュロッター ホンダ 第1レースでリタイヤ 6
NC 53 オランダの旗 ジャスパー・イウェマ アプリリア 第1レースでリタイヤ 27
NC 87 イタリアの旗 ルカ・マルコーニ アプリリア 第1レースでリタイヤ 22
NC 32 イタリアの旗 ロレンツォ・サヴァドーリ アプリリア 第1レースにスタートできず 9
DNQ 72 イタリアの旗 マルコ・ラバイオリ ランブレッタ 予選落ち
DNQ 96 イタリアの旗 トマソ・ガブリエリ アプリリア 予選落ち
  • グリッドは赤旗中断前の第1レースのもの。ロレンツォ・サヴァドーリは第1レースのサイティングラップ中のクラッシュによりスタートできず。

脚注

  1. ^ http://www.motogp.com/ja/news/2010/qualifying+cancelled+at+estoril
  2. ^ http://technomag-cipmoto2.blogspot.com/2010/10/kenan-5th-and-dominique-9th-in-estoril.html
  3. ^ http://www.motogp.com/ja/news/2010/moto2+race+estoril
  4. ^ http://www.pramacracing.com/default.asp?Section=News&News_Id=211
  5. ^ http://www.motogp.com/ja/news/2010/motogp+race+estoril
  6. ^ http://www.motogp.com/ja/news/2010/125+race+estoril

参考文献


前戦
2010年のオーストラリアグランプリ 		ロードレース世界選手権
2010年シーズン 		次戦
2010年のバレンシアグランプリ
前回開催
2009年のポルトガルグランプリ 		ポルトガルの旗 ポルトガルグランプリ 次回開催
2011年のポルトガルグランプリ
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