鍵 (1983年の映画)

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THE KEY 
監督 木俣堯喬
脚本 木俣堯喬
製作 若松孝二
出演者
音楽 大野克夫
撮影 伊東英男
編集 竹村峻司
製作会社 スティック・インターナショナル=若松プロ
配給 日本の旗 東映セントラルフィルム
公開 日本の旗 1983年12月24日
上映時間 98分
製作国 日本の旗 日本
言語 日本語
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』(かぎ)は、1983年に公開された日本映画谷崎潤一郎小説』三度目の映画化[1]。主演・松尾嘉代岡田眞澄、監督は木俣堯喬、演出・若松孝二[1][2]映連キネマ旬報の作品リストでは一般映画となっているが[2]、封切時のチラシには成人映画と記載があり[1]文化庁のリストでもR18+となっている[3]

設定は原作の戦後京都から、現代(公開当時)の鎌倉変更している[1]

主演の松尾嘉代岡田眞澄が、ベッドシーン本番を演っていると製作時から映画関係者の間で囁かれ[4][5][6]、元々日本ではそれを見ることは不可能ではあったが、映倫ボカシを入れまくり[5][6]、話題性もあったものの興行的にはイマイチの結果に終わった[6][7]

その後は忘れ去られていたが[6]、1年4ヵ月経った1985年4月、アメリカグアム島の劇場で無修正版が公開され大ヒットした[5][6][8]

スタッフ[編集]

キャスト[編集]

製作[編集]

監督の木俣堯喬は病後の老齢[4]、実際の現場はプロデューサー若松孝二が仕切った[4]。このためクレジットタイトルには「監督木俣堯喬 演出若松孝二」と出る[4]。このようなケースは当時は前代未聞といわれた[4]

日本での興行[編集]

1983年秋に撮影は終えたが、公開日が決まらず[4]東映セントラルフィルムの配給により、1983年末より、1984年の正月映画として新宿東映ホール他1館で上映された[2]。この時は本番をやったかどうかうやむやにされ、性器結合シーン等は全て修正されていたため確認は出来なかった[5]。また関係者も否定したため、本番をやったかどうか闇に葬られた[5]

グアム島での興行[編集]

若松孝二とスティック・インターナショナルとで[7][8]、『愛のコリーダ』や『白日夢』に倣い、海外編集の手法を取り入れ[7]、日本では現像も不可能なため、香港ネガを持って行き現像した[5]。海外編集版では、日本版で映倫からカットされた田口ゆかりら二組のカップルによる5分間の凄絶乱交シーンも復活[5]。勿論、最大の見どころは松尾嘉代と岡田眞澄のファックシーンだが、計3回あり、2人の性器丸出し他、インサート場面のクローズアップまである[5]。海外編集版は、日本版より長い105分[5]。英語版パンフレットまで作成し、世界を相手のハードコアをアピールしたが[7]、目当てはグアム島への日本人観光客[7]。宣伝用チラシには「松尾嘉代のヘアや、松尾と岡田眞澄の性交場面では両人の性器はもちろん、インサートの性交運動まで映し出されます...日本公開では決して観ることのできないハードな画面が次ぎ次ぎと登場します」などと書かれた[7][8]。日本公開から1年4ヵ月経った1985年4月16日から、アメリカ合衆国・グアム島のデデドシアターで無修正版が公開され大ヒットした[5][6][7]。デデドシアターは当時グアム島にあった二つの映画館のうちの一つで[8]、昼は欧米ポルノを上映、夜10時から連日『鍵』を上映したが、定員500人の客席は日本人新婚カップルを中心に連日満席となった[8]旅行社はナイトツアーに組み込んだりした[8]。同劇場ではゴールデンウイーク夏休みの観光客を当て込み、1年上映を続けたといわれる[5][8]。 

グアム島での無修正上映が、日本でも大きく報道されたため、松尾嘉代と岡田眞澄にマスメディアからの取材が殺到する事態となった[8]。松尾は当時、五月みどりと並ぶ熟女とも[8]、熟女ブームの急先鋒[10]とも評されるお色気女優で[8]、岡田相手にがっぷり四つに組み、デメリットはあまりないはずだったが[8]、松尾の所属事務所は本人への取材拒否と合わせ、「吹き替え」だと突っぱねた[8]。岡田眞澄の方は当時、OL女子大生からも人気の高いナイスミドルで[1]、良きパパイメージでCMも持っており[8]、デメリットが大きいことから[8]、岡田の所属事務所から若松孝二や東映セントラルフィルムに猛抗議があった[8]。若松プロデューサーや木俣監督も本番があったことを認めたが[8]、松尾や岡田の事務所が法的な手段に出なかったのは、実は二人には、通常相場のギャラよりも多い本番料200万円が上乗せされたギャラ、500万円が支払われたからといわれた[8]

ビデオ発売[編集]

こうした反響を受け、東映ビデオより[10]ビデオが発売され大ヒットした[6]。税抜き12,960円[10]。勿論、修正の入った版である[6]

ディレクターズ・カット[編集]

1997年に監督自ら再編集した「ディレクターズ・カット<完全版>」(80分)が製作・公開されている[3]

脚注[編集]

  1. ^ a b c d e f 鍵のチラシ - ぴあ
  2. ^ a b c ”. 日本映画製作者連盟. 2021年5月7日閲覧。
  3. ^ a b - 文化庁日本映画情報システム
  4. ^ a b c d e f 「雑談えいが情報 『鍵』はどうした? あの『スパルタの海』もとうとうオクラ!?」『映画情報』、国際情報社、1983年11月号、61頁。 
  5. ^ a b c d e f g h i j k “やっぱり本番してた松尾嘉代 ハードポルノ『鍵』の問題シーンを特写 日本人観光客ビックリ グアムでノーカット上映中 岡田眞澄と過激な3発!”. 東京スポーツ (東京スポーツ新聞社): p. 12. (1985年5月1日) 
  6. ^ a b c d e f g h “その気で見れば大興奮? 松尾嘉代の本番ファックをもう一度『鍵』日本再上映へ”. 内外タイムス (内外タイムス社): p. 11. (1985年5月30日) 
  7. ^ a b c d e f g 「NEWS COMPO 本番映画『鍵』 グアム上映のハードな宣伝ビラ」『週刊読売』1985年5月19日号、読売新聞社、32頁。 
  8. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q 「いまごろファックシーンが逆輸入されて 岡田眞澄・松尾嘉代がグアム島"無修正版上映"で大困惑! 2年前に映画化された『鍵』。 国ではウヤムヤにされていたが…」『週刊宝石』1985年5月31日号、光文社、204–206頁。 
  9. ^ 高屋齋 | MOUSTACHE
  10. ^ a b c 完全保存版 復刻スクリーンエロス名鑑 『この女優〔15人〕たち あの濡れ場…名シーンをもう一度!…』」『週刊宝石』1992年1月2、9日号、光文社、5頁。 

外部リンク[編集]