カイヅカイブキ
カイヅカイブキ | ||||||||||||||||||||||||||||||
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1. カイヅカイブキ
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分類 | ||||||||||||||||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||||||||||||||||
Juniperus chinensis L. 'Kaizuka' (1928)[5] | ||||||||||||||||||||||||||||||
シノニム | ||||||||||||||||||||||||||||||
和名 | ||||||||||||||||||||||||||||||
カイヅカイブキ、カイズカイブキ[5][8] |
カイヅカイブキ(貝塚伊吹[9]、学名: Juniperus chinensis 'Kaizuka')は、ヒノキ科ビャクシン属イブキ(ビャクシン)の栽培品種の1つである。名の「カイヅカ」の由来は明らかではない[9]。常緑針葉樹で高木となるが、刈り込まれて低木状に仕立てられていることもある。枝がねじれて巻き上がり、炎のような樹形となる(図1)。葉はふつう鱗片状で枝を密に覆っているが、まれに針葉を生じる。東アジアで公園、庭園、生垣などに植栽される。漢名は「龍柏」[10]。
特徴
[編集]常緑針葉樹であり、高さ5–15メートル (m) の高木となるが、刈り込んで低木状に仕立てられることもある[11][9][12](下図2a, b)。幹は太く直立し、ねじれる[9](下図2c)。樹皮は赤褐色で粗く、縦にはがれる[11]。枝は密に分枝してねじれて巻き上がり、炎のような樹形になる[11][9][12](図1, 2a, b)。
葉は2型性を示し、鱗形葉(鱗状葉)と針葉をもつが、基本的には鱗形葉であり、長さ2–4ミリメートル (mm) [注 2]、十字対生して枝を覆う[11](下図3)。断面は丸くて表裏の区別はなく、葉先は丸い[13]。強く剪定すると、3輪生する針葉が生じることがある[11]。
基本的に雌雄異株であり、まれに雌雄同株[13]。"花期"は春(4月)[11][13]。球果は液果状の漿質球果、直径 6–7 mm、黒紫色で粉白をおび、翌年の秋(10月)に熟す[11][13]。
人間との関わり
[編集]植栽
[編集]中国、台湾、日本(本州から沖縄)、朝鮮半島などで公園、庭園、庭、生垣、道路の緑樹帯(街路樹)などに植栽される[11][9][12]。洋風の雰囲気や枝葉が密生し目隠し効果が高いことから、昭和期に庭木や生垣として盛んに用いられた[13]。カイヅカイブキは、イブキ(ビャクシン)から選抜されたとする説と、ほふく性のミヤマビャクシンから選抜されたとする説がある[9]。
日当たり・水はけの良い肥沃地を好むが、日陰や砂質地でも植栽可能である[9]。低温には弱いが、乾燥や潮風、大気汚染に強い[9][注 3]。また、刈込みにも耐える[9]。高速道路脇に植えられるのも、大気汚染や強い剪定に耐える性質による[13]。春に挿し木で増やすが、実生も用いられる[9]。
カイヅカイブキを含むビャクシン属の木は、ナシやリンゴに大きな害を与える赤星病菌の中間宿主となるため、ナシの産地などではビャクシン類を植栽しないよう呼び掛けられており[14]、また条例を定めている自治体もある[13][注 4]。
地方自治体の木
[編集]日本の以下の自治体では、カイヅカイブキを自治体の木としている。
韓国のカイヅカイブキ
[編集]大韓民国済州特別自治道には、カイヅカイブキを学校の木と定めている例がある。しかし道内の一部の教育関係者らは、カイヅカイブキを日帝残滓とし、伐採を求める動きがある[31]。
脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ^ 大橋広好, 門田裕一, 邑田仁, 米倉浩司, 木原浩 (編), ed (2015). “種子植物の系統関係図と全5巻の構成”. 改訂新版 日本の野生植物 1. 平凡社. p. 18. ISBN 978-4582535310
- ^ 米倉浩司・邑田仁 (2013). 維管束植物分類表. 北隆館. p. 44. ISBN 978-4832609754
- ^ 大場秀章 (2009). 植物分類表. アボック社. p. 18. ISBN 978-4900358614
- ^ Adams, R. P. & Schwarzbach, A. E. (2012). “Taxonomy of the multi-seeded, entire leaf taxa of Juniperus section Sabina: Sequence analysis of nrDNA and four cpDNA regions”. Phytologia 94 (3): 350-368 .
- ^ a b 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Juniperus chinensis L. 'Kaizuka' カイヅカイブキ(標準)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2024年10月3日閲覧。
- ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Juniperus chinensis L. var. torulosa L.H.Bailey カイヅカイブキ(シノニム)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2024年10月3日閲覧。
- ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Sabina chinensis (L.) Antoine 'Kaizuka' カイヅカイブキ(シノニム)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2024年10月3日閲覧。
- ^ “カイズカイブキ(緑化樹木カード図鑑)”. 北海道立総合研究機構 森林研究本部 林業試験場. 2024年1月12日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j k 「カイヅカイブキ」『改訂新版 世界大百科事典』 。コトバンクより2024年1月12日閲覧。
- ^ “カイヅカイブキ(龍柏)”. National Chiang Kai-shek Memorial Hall. 2024-01-xx閲覧。
- ^ a b c d e f g h 中川重年 (1994). “カイヅカイブキ”. 検索入門 針葉樹. 保育社. p. 45. ISBN 978-4586310395
- ^ a b c 中川重年 (2000). “イブキ”. 樹に咲く花 合弁花・単子葉・裸子植物. 山と渓谷社. p. 643. ISBN 978-4635070058
- ^ a b c d e f g h i 宮内泰之 監修 2023, p. 52.
- ^ “Tottori City News Letter”. 鳥取市 (2012年1月). 2024年1月12日閲覧。
- ^ “松戸市なし赤星病防止条例”. 松戸市. 2024年1月3日閲覧。
- ^ “なし赤星病防止条例を遵守してください”. 八千代市. 2024年1月3日閲覧。
- ^ “ビャクシンの規制”. 市川市. 2024年1月3日閲覧。
- ^ “鎌ケ谷市名産の梨を赤星病から守りましょう!!”. 久喜市. 2024年1月3日閲覧。
- ^ “「びゃくしん類」の植栽は規制されています”. 柏市. 2024年1月3日閲覧。
- ^ “梨を赤星病から守ってください(船橋市なし赤星病防止条例)”. 船橋市. 2024年1月3日閲覧。
- ^ “「びゃくしん類」の植栽(鉢植え含む)は規制になっています”. 白井市. 2024年1月3日閲覧。
- ^ “一宮町なし赤星病防止条例”. 一宮町. 2024年1月12日閲覧。
- ^ “広報はすだ2023年12月号・情報ページ”. 蓮田市. 2024年1月3日閲覧。
- ^ “ナシを赤星病から守りましょう”. 春日部市. 2024年1月3日閲覧。
- ^ “白岡市なし赤星病防止条例”. 白岡市. 2024年1月3日閲覧。
- ^ “市特産の梨を赤星病の被害から守りましょう”. 久喜市. 2024年1月3日閲覧。
- ^ “羽島市の概要”. 羽島市. 2024年1月3日閲覧。
- ^ “市民憲章、市の木・花・鳥、栗東市章”. 栗東市. 2024年1月3日閲覧。
- ^ “貝塚市について”. 貝塚市. 2024年1月3日閲覧。
- ^ “早島町まちづくり憲章”. 早島町. 2024年1月3日閲覧。
- ^ “学校のシンボル「カイヅカイブキ」は親日残滓、一斉伐採の危機”. 朝鮮日報 (019-06-07). 2019年6月8日閲覧。
参考文献
[編集]- 宮内泰之 監修、成美堂出版 編『見わけがすぐつく樹木図鑑』成美堂出版、2023年5月20日。ISBN 978-4-415-33237-6。