糞尿愛好症

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内検索

糞尿愛好症(ふんにょうあいこうしょう、英語:Coprophilia)とは、排泄行為、及び排泄物に対し著しい性的な興奮を得てそれが固着した性的倒錯である。糞便に対してのフェティシズムとして称され、尿に対するフェティシズムと区別されることが多いが、元来どちらの要素も含んだ言葉である。排泄行為をする性的パートナーに対する執着はパラフィリアに分類され、排泄物そのものに対する執着はフェティシズムに分類される。

概要[編集]

排泄器官が、性器とも非常に密接な位置にある(男性は兼用)ことから、精神の発達段階において、排泄行為と性行為の興味関心は関連し合うと考えられていた。フロイトの小児性欲の概念にも、肛門期なるものが想定されていた。また、兄弟姉妹のいる家庭においては、おねしょやおもらしなどにより普段は隠されるべき性器が晒されることにより、性的な意識の萌芽を起こすことがまれにある。そういった性的な刺激を得やすい条件が揃っているために、こうした性的倒錯は散見される。

また、近代になって衛生観念が発達したこともあって、こうした糞便に対する禁忌は激しくなったともいえ、年少児童の糞尿に対する好奇心や興味が抑制されたまま、固着をするケースも散見される。もともと排泄行為はある種の解放感を抱き、なおかつ意図的に排泄行為を抑制し続けることが困難なため、強制しやすいという特徴を持つ。

また、排泄が恥ずかしい行為と認識するのは教育によるものであり、そうした教育を受けた社会的地位のある性的パートナーに強要することで、相手の自尊心を貶める目的の場合は、BDSMの分野の嗜好に分類される。

失禁フェティシズムについて[編集]

糞尿愛好症の中で、比較的性風俗産業などで取り入れられた嗜好の一つである。性的パートナーに随意、不随意を問わず排尿(失禁)させる、あるいはさせられることに性的興奮を覚える性的倒錯である。英語圏では、特に尿に特化した性的嗜好をUrolagniaと称している。ポルノビデオなどに見られる、英語の隠語スラング)として「ウォータースポーツ」という呼び方も存在する。

嗜好の傾向[編集]

どちらもいくつかの傾向に分類される。こうした傾向は排泄行為の前後の状況を含めた固着であり、相手の羞恥の姿に興奮するのは通常の性的嗜好の範疇であり、性的倒錯と言うほどではない。

衆目の中で着衣・パンツのまま失禁(脱糞)する、させる
前者は汚損愛好症露出症にもクロスオーバーする。後者はBDSMディシプリンにオーバーラップする。
失禁・脱糞
誰もいない便所以外の場所で着衣・パンツのまま失禁(脱糞)する。自慰に近い行為。汚損愛好症とオーバーラップする。
衆目の中で裸で失禁(脱糞)する、させる
露出症、強制露出と呼ばれ、恥ずかしい行為としての失禁なのか、失禁が目的かの切り分けが曖昧にある。
誰もいない便所以外の場所で裸のまま失禁(脱糞)する。
自慰に近い行為。露出症とよりオーバーラップする。
糞尿を食べる・飲む
相手、自分の糞尿を食べる・飲む事によって愛情表現をする。
羊水
また特殊な事例として妊婦の羊水に性的嗜好を覚える例もある。これは妊婦及び胎児の健康にも深く関わるものであり、専門的知識のない人はやるべきではないとされている。

切り分け[編集]

糞尿はいらないもの、汚いものなど社会的な意味付けがなされる傾向にあるため、どこまでが糞尿愛好症と言えるかは難しい。下記のように他の趣味嗜好の変形と見なせる場合もある。

大便そのものに興味がある
男性のもの女性のもの関わらず性的興奮を覚えるとすれば強い糞尿愛好症と言えるが、女性の糞尿限定の場合、サドマゾヒズムなど別な嗜好の変形とも見なすことが出来る。また食糞の傾向を持つ場合はマゾヒズムなどの変形とも考えることが出来る。
汚いものに興味がある
汚物としての糞尿にこだわる場合は鼻水など一般的に汚いとされるものに対する偏愛(スカトロジー)と言える。しかし汚物の付着によってそのものの価値を損なう、という考えのもとではサドマゾヒズムの変形とも考えることができる。
排泄行為を見たい
普段隠されるべき行為を見たい、という場合窃視症の変形とも考えることが出来る。行為における対象の羞恥を見たい場合はサディズムの変形とも考えることが出来る。大便そのものには不快感を覚える場合はなおさらである。タブーを犯すことに興味がある、美しい女性の排泄を見たいという場合はニーチェのいうルサンチマンに近しい概念であり、糞尿ではなく排泄行為により弱体化した女性を見ることにより優越感を得るものとも考えることができる。

風俗産業との関わり[編集]

性風俗産業の一部店舗において、サービスのオプションメニューとして、こうした嗜好を満たすプレイを取り入れている場合がある。主にSMクラブに多い。以下に主なものについて記す。

  • 放尿プレイ - 風俗嬢の放尿姿を見せる。
  • おもらしプレイ - 利尿剤ビール等で尿意を促し、バイブレーターで刺激を与えて尿失禁させる。
  • 人間便器 - 客を便器に見立て、仰向けになって口を開けたところへ排泄をする。近年はSMクラブM女も行うようになった。
  • 飲尿プレイ- 人間便器の場合口の中に溜めるだけで終わる場合もあるが、この場合出された尿を飲み込む。大便を食べる場合は食糞という。SMクラブでは飲尿は常識化している。
  • 糞尿舐め・塗り・食糞 - 非常に高価な値段で10万円から30万円単位で設定されている事が多く、価格的にプレイするのは困難である。
  • 尿顔射尿シャワー - 顔射は精液を顔にかけるがこの場合は尿を直接顔に浴びせる。頭のてっぺんや髪の毛、体に尿をかける。

特殊な場合[編集]

放尿は肉体の自然な欲求であるため、商業サービスとしては常に同質のサービスが提供し辛い場合には、事前に食塩水を浣腸器などで膀胱内に注入し、それを出してみせるプレイもあるという。特に女性の尿道は、男性のそれと比較して短く太く、注入も容易であるといわれている。これらは客に知らせず、本物の尿であるとしている場合もあるようだが、中には男性客に店側の女性従業員へ注入させるというサービスを提供している所もあり、こちらは浣腸プレイの変形と見なす事が出来る。

なお、このプレイを男性が行うと、尿道が狭く長い事も在って、炎症を起こす事がある。当然、不衛生な器具で注入すれば、女性でも膀胱炎になる危険性があるが、一般的に女性の膀胱炎は男性のそれと比べて予後が良い事もあり、あまり気にされないのが現状だという。[要出典]


アダルトビデオ[編集]

スカトロを専門・メインにしているアダルトビデオメーカーもある

注意点[編集]

健康な人間の尿はほぼ無菌である事から、糞便を扱うのは衛生面で抵抗のある人が、ソフトスカトロプレイとして行う事もあるとされるが、膀胱炎、尿道炎等を患っている人間の尿は無菌では無い事から、健康を害する恐れもある。大便に関しては大腸菌以下の雑菌が混入する場合もある。 浣腸は内臓に疾患がある人は注意する事、お腹が激痛になることがある。

関連項目[編集]