国鉄タム7200形貨車
| 国鉄タム7200形貨車 | |
|---|---|
| 基本情報 | |
| 車種 | タンク車 |
| 運用者 | 日本国有鉄道 |
| 所有者 | 三井化学工業、日本曹達、ゼネラル瓦斯 |
| 製造所 | 日本車輌製造 |
| 製造年 | 1959年（昭和34年） - 1962年（昭和37年） |
| 製造数 | 8両 |
| 消滅 | 1979年（昭和54年） |
| 常備駅 | 笠寺駅、二本木駅、浮島町駅他 |
| 主要諸元 | |
| 車体色 | ねずみ色1号 |
| 専用種別 | 液化プロピレン→LPガス |
| 化成品分類番号 | 制定前に形式消滅 |
| 軌間 | 1,067 mm |
| 全長 | 15,100 mm |
| 全幅 | 2,400 mm |
| 全高 | 3,840 mm |
| タンク材質 | ボイラー鋼板 |
| 荷重 | 15 t |
| 実容積 | 34.2 m3 - 47.3 m3 |
| 自重 | 28.3 t |
| 換算両数 積車 | 4.5 |
| 換算両数 空車 | 3.0 |
| 台車 | TR41C |
| 車輪径 | 860 mm |
| 軸距 | 1,650 mm |
| 台車中心間距離 | 11,200 mm |
| 最高速度 | 75 km/h |
国鉄タム7200形貨車（こくてつタム7200がたかしゃ）は、かつて日本国有鉄道（国鉄）に在籍した私有貨車（タンク車）である。
本形式と同一の専用種別であるタム7300形（落成時は液化ブタン）、タサ5500形についても本項目で解説する。
タム7200形[編集]
タム7200形は、液化プロピレン専用の15 t積タンク車として1959年（昭和34年）10月17日から1962年（昭和37年）2月22日にかけて8両（タム7200 - タム7207）が日本車輌製造の1社のみにて製作された。
本形式の他に液化プロピレンを専用種別とする形式には、タサ5500形（18両、後述）の1形式のみが存在した。1963年（昭和38年）2月4日に専用種別の名称変更が行われLPガス（最高使用圧力 19 kg/cm2）専用となった。
落成時の所有者は三井化学工業、日本曹達、ゼネラル瓦斯の3社であった。
ドームレス直円筒型のタンク体は、ボイラー鋼板（SB46B、現在のSB450）製で荷役方式はタンク上部にある弁からの上入れ、上出し式である。
塗色はねずみ色1号であり、全長は15,100 mm、全幅は2,400 mm、全高は3,840 mm、台車中心間距離は11,200 mm、実容積は34.2 m3 - 34.5 m3、自重は28.3 t、換算両数は積車4.5、空車3.0、最高運転速度は75 km/h、台車はベッテンドルフ式のTR41Cである。
1979年（昭和54年）6月29日に最後まで在籍した2両（タム7200 , タム7201）が廃車となり同時に形式消滅となった。
タム7300形[編集]
| 国鉄タム7300形貨車 | |
|---|---|
| 基本情報 | |
| 車種 | タンク車 |
| 運用者 | 日本国有鉄道 |
| 所有者 | 出光興産 |
| 製造所 | 富士車輌 |
| 製造年 | 1959年（昭和34年） |
| 製造数 | 1両 |
| 消滅 | 1973年（昭和48年） |
| 常備駅 | 徳山駅 |
| 主要諸元 | |
| 車体色 | ねずみ色1号 |
| 専用種別 | 液化ブタン→LPガス |
| 化成品分類番号 | 制定前に形式消滅 |
| 軌間 | 1,067 mm |
| 全長 | 12,800 mm |
| 全幅 | 2,560 mm |
| 全高 | 3,845 mm |
| タンク材質 | ボイラー鋼板 |
| 荷重 | 15 t |
| 実容積 | 31.2 m3 |
| 自重 | 23.7 t |
| 換算両数 積車 | 4.0 |
| 換算両数 空車 | 2.4 |
| 台車 | TR41C |
| 車輪径 | 860 mm |
| 軸距 | 1,650 mm |
| 台車中心間距離 | 8,700 mm |
| 最高速度 | 75 km/h |
タム7300形は、液化ブタン専用の15 t積タンク車として1959年（昭和34年）9月16日に1両（タム7300）のみが富士車輌にて製作された。
本形式以外に液化ブタンを専用種別とする形式は、他に例が無く、唯一の存在であった。1963年（昭和38年）2月4日に専用種別の名称変更が行われLPガス（最高使用圧力 9 kg/cm2）専用となった。
ドームレス直円筒型のタンク体は、ボイラー鋼板（SB42B、現在のSB410）製で、荷役方式はタンク上部にある弁からの上入れ、上出し式である。
塗色はねずみ色1号であり、全長は12,800 mm、全幅は2,560 mm、全高は3,845 mm、軸距は8,700 mm、実容積は31.2 m3、自重は23.7 t、換算両数は積車4.0、空車2.4、最高運転速度は75 km/h、台車はベッテンドルフ式のTR41Cである。
1973年（昭和48年）7月28日に廃車となり、同時に形式消滅となった。
タサ5500形[編集]
| 国鉄タサ5500形貨車 | |
|---|---|
| 基本情報 | |
| 車種 | タンク車 |
| 運用者 | 日本国有鉄道 |
| 所有者 | 三井化学工業、日本石油輸送、三菱石油、日本曹達、セントラル石油瓦斯、ゼネラル瓦斯 |
| 製造所 | 三菱重工業、日本車輌製造、日立製作所 |
| 製造年 | 1961年（昭和36年） - 1962年（昭和37年） |
| 製造数 | 18両 |
| 消滅 | 1982年（昭和57年） |
| 常備駅 | 笠寺駅、沼垂駅、二本木駅他 |
| 主要諸元 | |
| 車体色 | ねずみ色1号 |
| 専用種別 | 液化プロピレン→LPガス |
| 化成品分類番号 | 燃(G)23 |
| 軌間 | 1,067 mm |
| 全長 | 17,580 mm |
| 全幅 | 2,420 mm |
| 全高 | 3,867 mm |
| タンク材質 | ボイラー鋼板 |
| 荷重 | 20 t |
| 実容積 | 45.5 m3 - 45.7 m3 |
| 自重 | 33.1 t - 34.0 t |
| 換算両数 積車 | 5.5 |
| 換算両数 空車 | 3.5 |
| 台車 | TR41C |
| 車輪径 | 860 mm |
| 軸距 | 1,650 mm |
| 台車中心間距離 | 13,400 mm |
| 最高速度 | 75 km/h |
タサ5500形は、液化プロピレン専用の20t積タンク車として1961年（昭和36年）8月1日から1962年（昭和37年）6月2日にかけて18両（オタサ5500 - オタサ5517）が三菱重工業、日本車輌製造、日立製作所の3社にて製作された。記号番号表記は特殊標記符号「オ」（全長 16 m 以上）を前置し「オタサ」と標記する。
落成時の所有者は三井化学工業、日本石油輸送、三菱石油、日本曹達、セントラル石油瓦斯、ゼネラル瓦斯の6社であった。
1963年（昭和38年）2月4日に専用種別の名称変更が行われLPガス（最高使用圧力 19kg/cm2）専用となった。
1979年（昭和54年）10月より化成品分類番号「燃(G)23」（燃焼性の物質、高圧ガス、高圧ガス、可燃性のもの）が標記された。専用種別の「LPガス」と化成品分類番号の「燃」は赤色で標記されている。更にタンク体右側形式番号上に「連結注意」が標記された。
ドームレス直円筒型のタンク体は、ボイラー鋼板（SB46B、現在のSB450）製で荷役方式はタンク上部にある弁からの上入れ、上出し式である。
塗色はねずみ色1号であり、全長は17,580mm、全幅は2,420mm、全高は3,867mm、軸距は13,400mm、実容積は45.5m3 - 45.7m3、自重は33.1t - 34.0t、換算両数は積車5.5、空車3.5、最高運転速度は75km/h、台車はベッテンドルフ式のTR41C、TR41Dである。
1982年（昭和57年）2月9日に最後まで在籍した5両が廃車となり同時に形式消滅となった。
参考文献[編集]
- 『Rail Magazine』 2002年8月号 Vol.227 ネコ・パブリッシング刊
- 『Rail Magazine』 2002年9月号 Vol.228 ネコ・パブリッシング刊
- 『Rail Magazine』 2003年4月号 Vol.235 ネコ・パブリッシング刊
- 『Rail Magazine』 2003年5月号 Vol.236 ネコ・パブリッシング刊
- 吉岡心平 『プロフェッサー吉岡の私有貨車図鑑（復刻増補）』 2008年、ネコ・パブリッシング刊 ISBN 978-4-7770-0583-3
- 『日本の貨車-技術発達史-』（貨車技術発達史編纂委員会編著、社団法人 日本鉄道車輌工業会刊、2008年）