ラーコシ・マーチャーシュ

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Flag of Hungary.svg この項目では、ハンガリー語圏の慣習に従い、名前を姓名順で表記していますが、印欧語族風にマーチャーシュ・ラーコシと表記することもあります。
ラーコシ・マーチャーシュ
Rákosi Mátyás
Matyas Rakosi.jpg
ラーコシ・マーチャーシュ

任期 1952年8月14日1953年7月4日

出生 1892年3月14日
Flag of Austria-Hungary (1869-1918).svg オーストリア=ハンガリー帝国
アダ
死去 1971年2月5日(満78歳没)
ソビエト連邦の旗 ソビエト連邦・ゴーリキー
政党 ハンガリー勤労者党

ラーコシ・マーチャーシュRákosi Mátyás, 1892年3月14日 - 1971年2月5日)は、ユダヤ系ハンガリー人の政治家。ハンガリー共産党書記長。誕生時の名前はローゼンフェルト・マーチャーシュRosenfeld Mátyás)。

歴史[編集]

ラーコシはオーストリア=ハンガリー帝国(現在のセルビア)のアダ市で、信仰心の薄いユダヤ人食料雑貨商の6番目の息子として生まれた。第一次世界大戦中には、オーストリア=ハンガリー軍に従軍し、東部戦線で捕虜となった。ハンガリー評議会共和国へ帰国したのち、クン・ベーラ政権に参加したが、すぐに政権が崩壊し、後にソビエト連邦へと亡命した。1924年ハンガリー王国への帰国後、彼は逮捕されたが、1849年にロシア軍がヴィラゴスで奪ったハンガリー革命旗と交換に1940年に釈放され、再びソ連へ出国した。ソ連において彼はコミンテルンの指導者となり、赤軍とともにハンガリーへ帰国した。

1945年2月、ラーコシはハンガリー共産党書記長に選出され、また共産党を左翼連立政権の一角に組み入れ、その影響力を保持した。1948年、共産党は社会民主党を合流させて、ハンガリー勤労者党を創設した。このとき、ラーコシは民主的政治の全ての体裁を払落とし、そしてハンガリーは完全に共産党一党独裁制となった[1]

ラーコシは自らを「スターリンの最も優秀なハンガリーの弟子」、「スターリンの最も優秀な生徒」と呼ぶスターリン主義者であった。また、対抗勢力をサラミを薄切りするように徐々に抹殺していく、「サラミ戦術」の創始者でもあった。支配体制の最盛期において、自らに対しての強力な個人崇拝(自身の小スターリン化)を発展させた。

ラーコシは、徹底的な恐怖政治をハンガリーに布いた。かつてスターリンが行ったような粛清の波の中、ライク・ラースロー外相を含め、自身の政治的ライバルを逮捕・投獄し、そして処刑した。 国民に対しても秘密警察であるハンガリー国家保衛庁を使って不満を押さえつけた。その結果として、ハンガリーは衰退することになる。1952年8月、彼はハンガリーの首相をも兼ねたが、1953年6月13日には、ソ連共産党政治局の怒りを和らげるために、その職をナジ・イムレに譲らざるを得なかった。ただし、第一書記の職は残された。その後1956年6月(ニキータ・フルシチョフ秘密報告の直後)、ラーコシはソ連政治局の圧力により、党第一書記も辞職させられ、ゲレー・エルネーと交代した。ハンガリー政治の舞台からの退場により、1956年ソビエト政治局はラーコシに対し、「病気の治療のため」という公的筋書きを添え、ソ連への出国を命じた。彼はその余生を、ソ連のキルギス・ソビエト社会主義共和国で過ごすこととなった。1970年、死の前年に、一切の政治的活動を行わない事を条件にハンガリーへの帰国を許されたが、彼はこの提案を拒否し、ゴーリキーにおいて死去するまでソビエトに留まった。

彼の死後、遺体はハンガリーに返還され、ブダペストに埋葬された。

ラーコシ・マーチャーシュを扱った作品[編集]

映像作品[編集]

書籍[編集]

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  1. ^ Video: Hungary in Flames(炎に包まれるハンガリー), {{[1] 制作者: CBS (1958) - Fonds 306, Audiovisual Materials Relating to the 1956 Hungarian Revolution(1956年のハンガリー革命に関連する映像資料) , OSA Archivum, ブダペスト, ハンガリー ID number: HU OSA 306-0-1:40}}
先代:
-
ハンガリー共産党書記長
1945年 - 1948年
次代:
(社会民主党と合同)
先代:
-
ハンガリー勤労者党第一書記
1948年 - 1956年
次代:
ゲレー・エルネー
先代:
ドビ・イシュトヴァーン
ハンガリー首相
1952年 - 1953年
次代:
ナジ・イムレ