メタジェノミクス

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メタジェノミクス(メタゲノミクス)は環境サンプルから直接に回収されたゲノムDNAを扱う研究分野である。広義には環境ゲノミクス群集ゲノミクスにも言及する[1]。従来の微生物のゲノム解析では単一菌種の分離・培養過程を経てゲノムDNAを調製していたが、メタゲノム解析は単一菌種の分離・培養過程を経ずに、微生物の集団から直接そのゲノムDNAを調製し、そのヘテロなゲノムDNAをそのままシークエンシングする。そのため、メタゲノム解析により従来の方法では困難であった難培養菌のゲノム情報が入手可能となった。地球上に棲息する細菌の99%以上は単独では培養できない菌種であると推察されており[2]、メタゲノム解析は環境中に埋没する膨大な数の未知の細菌、未知の遺伝子を解明する手法として期待されている。DNAシーケンスのコストが年々安価になっていることから、メタゲノミクスは微生物学において、より大規模で詳細な研究が行われることも見込まれる。

「メタゲノム」という用語は「ゲノム」に高次元の「メタ」という言葉を付け加えて命名された。ヒトの腸内細菌叢、海中の微生物群、海底の鯨骨細菌群、農場土壌の細菌群、鉱山廃水中のバイオフィルム、メタン酸化古細菌群などを対象としたメタゲノム解析が論文として報告されている。

脚注[編集]

  1. ^ 木暮(2011). "海洋における環境ゲノミクス". 地球環境 Vol. 16 No. 1 71-79.
  2. ^ 工藤俊章 『難培養微生物の利用技術』 シーエムシー出版、2010年、はじめに

外部リンク[編集]

日本ゲノム微生物学会