ペパーミント

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内検索
ペパーミント
Mentha × piperita - Köhler–s Medizinal-Pflanzen-095.jpg
分類
: 植物界 Plantae
: 被子植物門 Magnoliophyta
: 双子葉植物綱 Magnolopsida
: シソ目 Lamiales
: シソ科 Lamiaceae
: ハッカ属 Mentha
: ペパーミント Peppermint
学名
Mentha x piperita L.
和名
コショウハッカ
セイヨウハッカ
英名
Peppermint

ペパーミント(英名:Peppermint、学名:Mentha x piperita L.)は、シソ科ハッカ属多年草。和名はコショウハッカセイヨウハッカ。スペアミントとウォーターミントの交雑種であるといわれる[1]。原産地はヨーロッパ大陸である。ハーブの一種であり、独特のメントール臭がする。ニホンハッカに比べると、メントール(ハッカ脳)の含有量は50 - 60%と低い[1]

ヨーロッパ、アラビアで、葉を摘み取って乾燥させたものをハーブ(薬草)や薬味として使用したり、花を枝ごと水蒸気蒸留して精油を抽出して香料として利用されてきた。ペパーミント由来の香料は菓子に広く使われ、またハーブティーにも用いられる。

同名の青緑色をした酒はリキュールの一種でペパーミント油をアルコール液に溶かし、砂糖および各種の芳香油エッセンスなどを基礎とし、オリーブ緑、マラキット緑などの色素で着色する。

栽培方法[編集]

種は、水気のある状態を保てば容易に発芽する。また、種の他に地下茎でも爆発的に増えるので、苗から育てる場合は1株購入すれば充分である。注意点として、雑草以上に生命力が強いハーブであることが挙げられる。地下茎は柔らかくて切れやすいので、増えすぎたものを引き抜いても、地中に地下茎が一部でも残っていればあっというまに増殖する。したがって、他の花と一緒に花壇に植える場合は、共存させるために工夫が必要となる。植える範囲を限定したい場合は、あらかじめ波形プラスチック板や木製の合板などを用意して、深さ20~30cmほどの仕切りをもうけておくとよい。また、アップルミントApple mint)と寄せ植えを行なう場合、ペパーミントよりもアップルミントの方が更に繁殖力が強いためアップルミントに駆逐されてしまうので、その点も注意を要する。

利用[編集]

ハーブとしての利用[編集]

ペパーミントやスペアミントなどのハッカ属は、古代ギリシアローマで浴用香料として、また食物や飲料の風味付けに使われた[2]。ローマ人がイギリスに持ち込んだハーブの内、ハッカ類は一番の人気を保ち、9世紀に修道院の庭で栽培されていた[2]。ペパーミントは、西洋では古くから軽い病気の薬として、健胃、制吐、抗痙攣、発汗を促して体を冷やす、病後の回復などの目的で使われた[3]

精油の利用[編集]

精油やこれに含まれるメントールは、イギリスでは消化不良や気管支炎過敏性腸症候群の治療薬として、いくつかの医薬品に使われている。ただし、過敏性腸症候群への有効性には疑問が残るといわれる[4]。また、局所麻酔や筋肉痛時の反対刺激剤としても用いられる。アロマテラピーでは気分をリフレッシュさせる、高揚させる、落ち着かせる、またニキビ皮膚炎喘息、消化不良、歯痛など様々な効能が唱えられている。2011年時点では、アロマテラピーでいわれる精油の効能は科学的に証明されていない[4]

毒性[編集]

精油は皮膚に対して刺激性がある可能性があり、紅斑性皮疹、頭痛、徐脈、筋肉の震顫および運動失調などの過敏性反応が報告されている[4]。特発性心房細動、喘息の悪化を引き起こした例がある。多くの報告で、メントールが幼児に毒性を有する可能性が示されており、ミントティーによる幼児の中毒例が2例報告され、うち1例では死亡している[4]。乳幼児には精油を直接用いることはもちろん、近くで使うことすら危険である。メントールを含む軟膏を使用したことによる呼吸器の強い痛みも見られ、少数ではあるがチアノーゼも報告されている[4]

脚注[編集]

  1. ^ a b ハッカの種類 北見ハッカ通商
  2. ^ a b A.W.ハットフィールド 『ハーブのたのしみ』 山中雅也、山形悦子 訳、八坂書房、1993年
  3. ^ 衣川湍水 著 『ハーブはやさしい家庭薬』 同文書院、1998年
  4. ^ a b c d e マリア・リス・バルチン 著 『アロマセラピーサイエンス』 田邉和子 松村康生 監訳、フレグランスジャーナル社、2011年

関連項目[編集]