ピアノ協奏曲第1番 (ベートーヴェン)

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ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンピアノ協奏曲第1番作品15は作曲者2番目のピアノ協奏曲第2番の協奏曲が先に作曲されたため、作曲技術としては前作よりも自身の個性を打ち出したものとなっている。

作曲年は1794年から翌年にかけて。出版年は1801年。初演は1795年に師のアントニオ・サリエリの指揮の下、作曲者の独奏にて行われている。

楽器編成[編集]

フルート1、オーボエ2、クラリネット2、ファゴット2、ホルン2、トランペット2、ティンパニ弦五部

曲の構成[編集]

3楽章からなる。全曲で約35分。

協奏的ソナタ形式ピアノソナタ第21番「ヴァルトシュタイン」にもつながる明朗快活な楽章。主題は溌剌としたC音の連打と上昇音階。
モーツァルトの影響が強いものの、中間部で遠隔調変ホ長調を採用する点にロマン的な萌芽が認められる。しかしカデンツァは作者のもの(3曲残され、1曲は未完成)、カール・ライネッケのものもあるが、いずれも第3番と同様に奏者に任せる伝統的な形になっている。本来演奏者の自由であるカデンツァにまで作曲者の強い意思を貫くのは第5番「皇帝」においてである。
再現部の前のピアノの独奏移行部は非常に演奏が困難であるが、演奏の際には多くの場合、右手のみのグリッサンドで演奏される。
三部形式。落ち着いた緩徐楽章。随所にピアノの華麗な音階進行を取り入れている。
ロンド形式。楽しげなロンド。独奏と管弦楽との掛け合いがにぎやかな演出をしている。最後のベートーヴェン特有のティンパニの連打は史上最初の打楽器ソロの難解なパッセージである。