ヒースロー・コネクト

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ヒースロー・コネクト

ヒースロー・コネクト (Heathrow Connect) はイギリスロンドン・ヒースロー空港ロンドン都心とを結ぶ列車の名称であり、またその列車運行会社英語版であるファースト・グレート・ウェスタンヒースロー・エクスプレス・オペレーティング・カンパニーとの共同企業体の名称である。

30分間隔の運行で、所要時間は32分。同区間を走るヒースロー・エクスプレスよりは時間がかかるが、運賃はヒースロー・エクスプレスと比べて安く設定されている。

概要[編集]

ロンドン都心のターミナル駅のひとつであるパディントン駅から、ヒースロー空港内にあり空港ターミナルに連絡しているヒースロー・セントラル駅を結ぶ。2005年6月12日に運行を開始した。

パディントン駅と空港の間にはヒースロー・コネクトと同じルートでヒースロー・エクスプレスが運行されているが、「エクスプレス」がパディントン駅と空港をノン・ストップで結ぶのに対して、「コネクト」は中間駅のほとんどに停車する。ロンドン西部のいくつかの地域とロンドン都心もしくは空港とを結び、またロンドン西部内の各地域を相互に結ぶ役割も担う。運行開始に際して、それ以前はファースト・グレート・ウェスタン・リンク英語版)により運行されていたいくつかの列車が置き換えられた。

ヒースロー空港内には、ヒースロー・セントラル駅(2008年にヒースロー・ターミナルズ1・2・3駅から改称)、ヒースロー・ターミナル4駅ヒースロー・ターミナル5駅(2008年開業)があり、ヒースロー・コネクトは当初ヒースロー・ターミナルズ1・2・3駅(当時)を経由してターミナル4駅に発着していた。しかし、2010年12月12日のダイヤ改正以降、基本的にヒースロー・セントラル駅発着となり、ターミナル4へはヒースロー・エクスプレス・シャトルに乗り換えることとなった[1]。また、ターミナル5駅には開業当初からヒースロー・セントラル駅でヒースロー・エクスプレスに乗り換える必要がある。ただし、月曜日から土曜日の早朝深夜の一部列車と日曜日の全列車は2010年までと同じようにヒースロー・ターミナル4駅発着となるほか、月曜日から木曜日の夜間にはヒースロー・ターミナル5駅始発のパディントン駅行が2本設定されている。なお、空港ターミナル駅相互間の移動は、ヒースロー・エクスプレス、ヒースロー・コネクトともに無料で利用できる。

運賃[編集]

パディントン駅とヘイズ・アンド・ハーリントン駅との間の運賃はファースト・グレート・ウェスタンの運行列車と同じ値段とされているが、ヘイズ・アンド・ハーリントン駅とヒースロー空港との間は片道5.90ポンド必要である。トラベルカードオイスターカードはパディントン駅とヘイズ・アンド・ハーリントン駅の間では有効だが、ヘイズ・アンド・ハーリントン駅とヒースロー空港との間では利用できない。

この列車の運行は主に空港職員の利用とロンドン西部地域からヒースロー空港への地域利用を想定しており、空港職員の身分証を持つ者にはヘイズ・アンド・ハーリントン駅とヒースロー空港の間の運賃に割引運賃が適用される。元々はパディントン駅からヒースロー空港までのヒースロー・エクスプレスに対して割安な代替手段としての利用は想定されていなかった。早朝の一列車を除き「コネクト」は途中で「エクスプレス」に追い抜かれ、またパディントン駅では列車はヘイズ・アンド・ハーリントン駅経由でヒースロー空港に至ると発車掲示板に表示される。

運行[編集]

ヒースロー・コネクトは通常パディントン駅12番線から発車する。パディントン駅からはグレート・ウェスタン本線 (GWML) の緩行線 (the slow lines) をAirport Junction(空港方面への分岐点)まで走行する。

GWMLは急行線・緩行線ともこの分岐点以西は非電化であるが、パディントン駅から分岐点までの緩行線は、もともと急行線 (the fast line) を走るヒースロー・エクスプレスの一部の代替ルートとして使えるよう交流2万5千ボルト・架空電車線方式電化され、ATPが導入されている。

GWMLから空港支線 (the airport spur) へ分岐する地点では、空港支線の空港方面へ向かう線路は東西に伸びるGWMLの急行線から南側に分かれて南に進む経路を取り、南の空港方面から来る線路は急行線を立体交差で越えて急行線(南側)と緩行線(北側)の間に入り、急行と緩行線の双方に合流する。

緩行線を走る「コネクト」がGWMLと空港支線とを行き来する際には、急行線との平面交差を避けるため、空港方面・パディントン駅方面の双方向の列車が本来パディントン駅方面の列車(「エクスプレス」)のために建設された線路である空港方面から急行線と緩行線の間に立体交差で入る線路を用いる。したがって「コネクト」のヒースローに向かう列車は通常の運行とは逆方向に立体交差を使用しなければならない。また、ヒースローからの列車は、立体交差が直接緩行線のパディントン駅方面の線路につながっていないため、平面交差でパディントン駅方面からの緩行線と交差しなければならない。将来クロスレールがヒースロー空港に乗り入れる計画があり、この計画が進展した際には、この問題の解消のために立体交差は再築される見込みである。

ヒースローでは、列車は現在ヒースロー・セントラル駅を越えた'Down'ターミナル5トンネルで折り返す。

ターミナル5駅が開業した2008年3月27日から2010年までは、30分間隔で運行する列車でヒースロー・セントラル駅からターミナル4へのシャトル運行を15分間隔で提供するために、ヒースロー・コネクトは、以下の表のように走っていた。

パディントン駅 ヒースロー・セントラル駅 ヒースロー・
ターミナル4駅
ヒースロー・セントラル駅
ヒースロー・
ターミナル4駅
パディントン駅 ヒースロー・セントラル駅

クロスレールが空港に乗り入れるようになった際には、ヒースロー・コネクトの運行はクロスレールに吸収され、運行経路がシェンフィールドおよびアビー・ウッドへ延伸される見込みである[2]

車両[編集]

車両はドイツのシーメンスで製造された新製のクラス360/2動力分散方式電車5両編成を使用する。

形式 画像 方式 最高速度 運行区間 製造年
マイル/h km/h
クラス360電車 Desiro 360204 at Ealing Broadway.jpg 動力分散方式 100 160 5 ロンドン・パディントン駅 - ヒースロー・セントラル駅 2002 - 2003

停車駅一覧[編集]

2013年12月8日改正ダイヤによる停車駅は次の表のとおり[3]

駅名 日本語訳 H
E
H
E
S
H
C
乗換路線・備考
Paddington パディントン駅 サークル線
ディストリクト線
ハマースミス&シティー線
ベーカールー線
Acton Main Line アクトン・メイン・ライン駅
Ealing Broadway イーリング・ブロードウェイ駅 ディストリクト線
セントラル線
West Ealing ウェスト・イーリング駅 グリーンフォード支線(分岐)
Hanwell ハンウェル駅
Southall サウスオール駅
Hayes and Harlington ヘイズ・アンド・ハーリントン駅 グレート・ウェスタン本線(分岐)
Heathrow Central
Terminals 1, 2 & 3
ヒースロー・セントラル駅
(旧・ヒースロー・ターミナルズ1・2・3駅)
ピカデリー線
Heathrow Terminal 4 ヒースロー・ターミナル4駅 ピカデリー線
Heathrow Terminal 5 ヒースロー・ターミナル5駅 ピカデリー線
凡例
HE…ヒースロー・エクスプレス
HES…ヒースロー・エクスプレス・シャトル
HC…ヒースロー・コネクト
●…停車駅(▲…平日の最終パディントン行のみ停車、◎…早朝深夜と日曜全列車が通過、○…平日早朝深夜の一部列車と日曜の全列車が発着、△月曜日から木曜日夜間のパディントン行2本のみ発車)|…通過駅∥…経由せず

参照[編集]

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  1. ^ European Rail Timetable. Thomas Cook Publishing. (2010-12). 
  2. ^ alwaystouchout.com Heathrow Connect
  3. ^ "National Rail Timetable(Sunday 08 Dec 2013 to Saturday 17 May 2014)" Table 117及びTable 118

関連項目[編集]

外部リンク[編集]