バイオトイレ

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Composting toilet zoom.jpg

バイオトイレは、便所の方式の一つ。英語ではComposting toiletというのが一般的である。日本では「バイオ・トイレ」のほかに「コンポスト・トイレ」「コンポスティング・トイレ」とも呼ばれる。

構造[編集]

便槽の中にオガクズなどを詰め込んであり、排泄された糞尿を、オガクズなどとともに攪拌して好気性微生物を活発化させ、分解・堆肥化させる。大きくわけて電気ヒーターなどにより高温加熱する方式と加熱しない方式に分類できる。また、糞尿をすべて一緒に処理する方式と、固形分と尿分を分けて処理する方式に分類できる。糞尿に含まれる水分は、蒸発し放出させるか、または別にわけて処理する。残った有機物をオガクズの中に住み込んでいる好気性のバクテリアが分解する。最終的には、土化したオガクズ、または再利用可能な堆肥を生成する。 処理機内のオガクズの量は、その処理能力によって様々であるが、日当処理数×0.01m³程度が必要である。処理能力相応の使用状態での、オガクズ寿命は6ヶ月程度であるが、処理能力を上回る使用下での寿命は著しく低下する。 好気性微生物の活性化のため、便槽の撹拌が必要であり、手動ハンドルなどによって撹拌するものと、電気モーターで撹拌するものとに分類される。

オガクズ使用前後比較サンプル

原理的にはコンポスターと同様であるため、生ごみ処理機としても利用できる場合もある。故障防止のため、骨などの固形物を細かく砕なければならない場合がある。ほか、ペット用バイオトイレ、室内設置用の家具調バイオトイレ、家畜用バイオトイレなどもある。家畜用バイオトイレは、堆肥小屋などの近隣への悪臭対策として畜産業者に期待されている。

「水を使わないトイレ」として、NETIS(新技術情報提供システム)に登録された技術である(登録No.HK-040017)

バイオトイレ処理機本体(メーカー事務所の地下スペースに収納)
家畜用バイオトイレ
室内設置用バイオトイレ(南極昭和基地にも設置された)
室内設置用バイオトイレ(一体型、少人数向け)

特徴[編集]

水洗式でないために、どんな場所にでも設置できるという点である。(加熱式の場合は電源が必要。)また、汲取り作業を必要としないため、汲取り車両の立ち入れない場所への設置も可能。排泄物を垂れ流す事も無いため、近年問題になっている登山愛好者の排泄物問題解決の糸口としても注目されている。実際に山小屋などにバイオトイレの設置、稼働させている場所もあり、環境負荷の軽減に効果を発揮している。 間接的ではあるが、汲取り費用が不要になり、恒常的なランニングコストの低減も期待できる。

設置は比較的簡単であり、都市公園のトイレなどに設置されている例も見受けられる。個人宅のトイレにも設けられることがある。水回りの工事が不要となるため、経済的な面でも注目されている。保温用、攪拌用の電力料金は使用頻度や機種によってかなり高額になることもある。使用条件をよく検討する必要がある。 電気の使用については、選択肢として下記が考えられる。

  • ヒーター・モーターともに電力供給

 攪拌用のモーターを駆動させる場合は、一時的ではあるが(数分間)数100Wの電力が必要である。また、水分を蒸発させるために電気式ヒーターで加熱する場合は、恒常的に数100W規模の電力が必要になる。  この場合、太陽光や風力などの自家発電装置でまかなうことは現実的にはほとんどの場合不可能となる。

  • ヒーター電源のみ供給

 攪拌は手回しや足漕ぎ等の人力でおこない、加熱・保温用のヒーターは供給電力で作動させる場合。必要電力は数100Wとなる。モーターを駆動させる場合に比べれば必要電力は少ないが、太陽光や風力などの自家発電装置でまかなうことは難しい。

  • 電源なし

 撹拌を手回し・足漕ぎ等の人力で賄い、加熱も行なわずに自然の状態で分解・堆肥化を図る方法。ただし、好気性微生物を育てるための空気循環、および強制排気のためのファンは必要と思われる。ファンの必要電力は一般的に数10Wであるので、小さなソーラーや風力などの簡易な発電設備があれば対応できる。

留意事項[編集]

バクテリアによる生分解に依存しているため、便座クリーナーや洗剤などの除菌作用のあるものの使用はNGである。 攪拌スクリューやモーターの故障につながるため、硬い物・衣類などの投入は厳禁である。生理用品や紙オムツ、タバコの吸殻の投入も好ましくない。 長期的に使用しない場合は、ヒーターによるオガクズの過熱防止のため、電源を切る必要がある。 シャワー付便座は禁止事項ではないが、水分過多によるオガクズの処理能力低下が懸念されるため、あまり推奨できない。

メンテナンス[編集]

定期的にオガクズを交換する必要がある。使用頻度や処理容量にもよるが、概ね3~6ヶ月程度に1回の交換が目安である。オガクズの交換そのものには、専門知識は不要である。モーターやスクリューなどは、通常使用下はメンテナンスなしでOKだが、変形や焼付などの場合は交換が必要となるため、専門の技術者を要する。

進化するバイオトイレ[編集]

原理[編集]

バイオトイレ=バイオの力でし尿を発酵分解して処理するトイレとなれば、方式は様々考えられる。バクテリアの種類、菌床の種類も一つではない。 しかし、し尿の発酵分解を促進し、悪臭の発生を防いでメンテナンスに負担をかけない方法は、原理的にほぼ決まっている。 人間の腸の中には嫌気性のバクテリアが生息し、発酵分解により消化吸収を助けている。その結果、分解されずに排出されるのが大便である。それを、完全に発酵分解出来るのは自然界にいる好気性バクテリアで、土中などに広く分布する。

処理能力[編集]

限られた処理槽の中では、発酵分解出来る量は微量である。そのため、連続して能力以上に使用すると、分解しきれない汚泥が溜まり悪臭が発生して、菌床の交換をせざるをえない状態になる。年に何回かと言っても、それは人力で行うしかなく、大変な負担であり、べたべたした状態でのコンポスト使用は、環境衛生上問題になる。 また、災害時・イベント等で1日の使用限度を超えた使用を続けると、溜の状態になり汲み取りが必要となる。これではバイオトイレとは言えない。

解決方法[編集]

有力な解決方法としては、油成分まで分解できる好気性バクテリアを菌床に初期投入して、完全にし尿・トイレットペーパーの発酵分解ができれば、悪臭が発生せず菌床の交換も必要なくなる。

バイオトイレでの温水洗浄便座使用例

さらに、発酵分解を促進する環境を整えることにより、性能がアップされる。バクテリアの発酵分解には、水分・酸素・温度のバランスが重要になってくる。温度は自動調節、酸素は処理槽中心のスクリューを回転させることで全体に含ませる。トイレットペーパー使用後に、スイッチを押しての回転とタイマー設定で一定時間に1回は回転させる。

し尿分離型バイオトイレ

最もネックになるのは、水分の調節である。好気性バクテリアは、水分の多い状態では分解力が低下するため、一定量を超えた水分は処理槽に流れないよう、分離する必要がある。水分量が減少したところで処理槽に戻して蒸発させれば、設備内で完全にし尿処理することができる。菌床をコンポストとして使用するにも安全である。 もちろん、菌床を交換する必要はなく、定期的な点検のみで使用できる。ただし、尿の使用量が著しく多い場合は処理槽での蒸発が間に合わず、尿タンクに貯まる量が増加する。

産学の共同研究開発[編集]

現在、産学の共同研究開発により、尿を安全な水にして大地に戻す研究が進んでいる。(特許出願中)近い将来実用化されれば、一般住宅・公衆トイレ・災害時トイレ・山岳トイレ等に、大きな革命をもたらす可能性が大きい。

エコロジカルサニテーション[編集]

 海外ではかなり以前からし尿を分離し、大便は殺菌処理して土壌改良材に、尿は水で薄めて優良な液肥として使用している。し尿を分離するには、専用のセパレート便器が必要である。

し尿分離型専用セパレート便器

下水処理の発達している日本では、耳慣れない言葉であるが、し尿に含まれる植物が必要とする栄養分を土に戻して活用するという、自然循環の基本である。

バイオトイレ メーカー[編集]