ゾンビ (映画)

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ゾンビ
Dawn of the Dead
監督 ジョージ・A・ロメロ
製作 クラウディオ・アルジェント
アルフレッド・クオモ
リチャード・P・ルビンスタイン
脚本 ジョージ・A・ロメロ
出演者 デヴィッド・エムゲ
ケン・フォリー
スコット・H・ライニガー
ゲイラン・ロス
音楽 ゴブリン
ダリオ・アルジェント
撮影 マイケル・ゴーニック
公開 1978年9月イタリア
1979年3月日本
上映時間 126分
製作国 アメリカ・イタリア
言語 英語
制作費 US$500,000
興行収入 $55,000,000
前作 ナイト・オブ・ザ・リビングデッド
次作 死霊のえじき 原題"Day of the Dead"
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ゾンビ』(原題『Dawn of the Dead』)とは、ジョージ・A・ロメロ監督のホラー映画作品である。1978年公開。日本での公開は1979年3月。日本公開時のキャッチコピーは『肉をくれ!! もっとやわらかい肉を…』。

当時、無名だったジョージ・A・ロメロは、この作品をきっかけに「マスター・オブ・ホラー」として一躍有名監督となった。ヒットの要因としては、同じくイタリアのホラー監督ダリオ・アルジェントによる功績が大きい。彼はこの映画で製作の一部と音響効果、ヨーロッパ公開版の監修にも関わっている。彼がこの作品のヨーロッパ市場への橋渡し的な役割を果たしたことも特筆すべき点である。

「人間だった頃の習慣」で、巨大なショッピングモールに吸い寄せられるように集まるゾンビたちをアメリカ的巨大消費社会への鋭い皮肉として表したロメロ監督本人は、この作品に「一種のブラックコメディ」の要素があるという。


注意以降の記述で物語・作品・登場人物に関する核心部分が明かされています。


目次

[編集] ストーリー


注意以降の記述で物語・作品・登場人物に関する核心部分が明かされています。


全米各地で突如として死者たちが蘇り生者を襲い始めた。死者に襲われて死亡した者もゾンビとして生き返り、ゾンビの数は刻一刻と増え続けていた。

テレビ局に勤めるフランは、ゾンビが引き起こした大混乱で次第に機能が麻痺してゆく職場を放棄し、恋人のスティーブンと彼のヘリで脱出する決意をする。

同じく、フィラデルフィア市警SWAT隊員のロジャーは、移民系の住民が死体の引渡しを拒否して立てこもるアパートに部隊で突入した際、ゾンビが生者を食らう地獄絵図を目撃し、世の終わりを実感。無差別殺人を続ける狂ったSWAT隊員ウーリーを射殺したピーターに、友人のスティーブンのヘリで都市からの脱出をもちかける。

水上警察が基地を放棄してボートで脱出し、高層ビルの電気も次々消えてゆく混乱を後にして飛び立った4人は、野原を死者がさまよい、ハンターと州兵の集団がおもしろ半分にそれらを射殺する光景などを見て終末感を深めてゆく。

食料を得るため、大型ショッピングモールの屋上にヘリを着陸させる4人。モール内には「生きていたころの習慣」でモールに集まったゾンビが多数入り込んでいた。彼らは最上階のフロアの一部だけ占拠して一応の安全を得るが、ロジャーとピーターはモール全体を占拠しようと考え始め、実行に移す。

4人は大型トラックでショッピングモールの出入り口を塞ぐ事に成功するが、途中でゾンビに襲われて錯乱状態になったロジャーは彼の不注意からゾンビに腕と足を噛まれてしまう。その後4人はモール内の全ゾンビを皆殺しにし、モールは彼らのものとなる。しかし、ロジャーはゾンビ化してしまう。ピーターはロジャーの願い通りに、ゾンビと化して蘇ったロジャーを射殺する。ありあまる食料、衣料品や銃器を手に入れた彼らは一見平穏な日々を過ごすが、ロジャーを失い、行き場もなく、ショッピングセンターに閉じこめられた閉塞感といらだちが、残った3人の心を荒ませる。

だが、それも長くは続かなかった。ある日、武装し略奪者と化し生き残っていた暴走族の集団がショッピングセンターを襲撃し、彼らと共に大量のゾンビたちがショッピングセンターに雪崩れ込んで来た。フランを最上階に残し、ピーターとスティーブンは応戦するが……。

[編集] キャスト

  • スティーブン・アンドリュース : デビッド・エンゲ
  • ピーター・ワシントン : ケン・フォリー
  • ロジャー・デマルコ : スコット・H・ライニガー
  • フランシーン・パーカー : ゲイラン・ロス
  • ロイ(SWAT隊員):ロッド・ストファー
  • ウーリー(SWAT隊員) : ジョン・パフィシコ
  • テレビのディレクター:ジョージ・A・ロメロ
  • テレビ局の女性スタッフ:クリスティーン・ロメロ(監督夫人)
  • 暴走族のメンバー:トム・サヴィーニ(特殊メイク担当)
  • 腹を裂かれる暴走族(他ゾンビ数体):タソ・N・スタブラキス(EDクレジット表記はタソ・スタブラコス)
  • 埠頭の偽警官:ジョセフ・ピラトー
  • トラックにひかれるゾンビ:トム・サヴィーニ(特殊メイク担当)
  • ナタで頭を割られるゾンビ:レナード・ライズ
  • M-16ゾンビ:ジェイ・スト-ヴァー
  • 袈裟ゾンビ:マイケル・バーホスキー
  • バンダナ・ガールゾンビ:ナンシー・フリードマン
  • ナースゾンビ:シャロン・セキャティ
  • 太ったゾンビ:リー・カミングス

[編集] よもやま話

  • ジョージ・A・ロメロのLiving Dead三部作の第2作目とされている。1作目は『ナイト・オブ・ザ・リビングデッドNight of the Living Dead)』、3作目は『死霊のえじきDay of the Dead)』。また、ロメロは4作目の『ランド・オブ・ザ・デッドLand of the Dead)』、5作目の『ダイアリー・オブ・ザ・デッドDairy of the Dead)』も製作しており、6作目の『アイランド・オブ・ザ・デッドIsland of the Dead)』も製作中である。
  • 2004年、同タイトルにてザック・スナイダー監督によりリメイクされる。邦題は『ドーン・オブ・ザ・デッド』。リメイク版のゾンビはスピーディに走り回る設定になっているが、ロメロは雑誌のインタビューで「走るゾンビは気に入らない」とコメントを残している。
  • S・スパロウによるノベライゼーション『死者たちの夜明け』には、主人公たちが拳銃自殺したショッピングセンターの経営者を発見する、クライマックスに登場する暴走族たちの個人名が書かれている等、本編にはないシーンがいくつか描かれている。
  • 日本ヘラルド映画が日本で劇場公開したバージョンでは、本編では明確に説明されなかった“死者たちの復活する理由”を補完するために、オープニングに「ある惑星の爆発で、死体を蘇らせる光線が発せられ、それが地球で眠る死者に影響を与えたため蘇った」という説明のテロップを付加している。このとき同時に付加された、惑星が爆発するシーンの映像は、映画『メテオ』からの流用だとする説がある。
  • トレーラー調達の場面で、ロジャーがゾンビをはね飛ばすのだが、スロー再生するとトランポリンが映ってしまっている。はね飛ばされるゾンビは、後半に暴走族のメンバーとしても登場するトム・サヴィーニが演じている。
  • 本作の熱狂的ファンの一人にクエンティン・タランティーノがいる。無名時代、履歴書に「暴走族の一員役で出演」との嘘の経歴を書いていたほど。また、『フロム・ダスク・ティル・ドーン』の製作総指揮を務める際、トム・サヴィーニに暴走族風の男「セックス・マシーン」役で出演を要請している。
  • 撮影はペンシルベニア州ピッツバーグ郊外のショッピングモール「モンローヴィル・モール」で行われた。モールは現在も営業中で、その様子はインターネットサイトで見ることが出来る。かつての出演者らがゾンビファン向けにツアーを行っており、ケン・フォーリーやエキストラ役だった俳優が撮影話に花を咲かせている様子をYouTubeなどで見ることが出来る。
  • 2007年現在のモンローヴィル・モールにはスケートリンクはなく、食堂街となっている。また、この映画の撮影された当時から残っている店舗は「J.C.ペニー」一店舗のみである。なお、銃器店は元より存在せず、近郊の銃器店を借りてロケ撮影したものをモール内に存在しているかのように編集している。
  • 映画ではモールの屋上はパーキングから入れない設定となっているが、実際はパーキングの裏から屋上へ続くスロープがあり、簡単に歩いて来られる造りとなっている。
  • モール内のゾンビを駆除したあと、主人公たちが商品を物色する箇所の後半、スコット・H・ライニガー演じるロジャーがビン詰の丸い果実のような物を食べるシーンがあるが、瓶詰めの中身はオリーブで、彼自身のアドリブとのこと。
  • 撮影に使用したショッピングモールは、昼間は通常営業をしていたため撮影は営業終了後の夜から早朝にかけて行われた。
  • 銀行のシーンで使われた紙幣や店舗にある貴金属類は、全て本物であった。そのため、撮影は常に店の人間が立合いながら行なわれた。
  • 白昼にモールの駐車場をゾンビが徘徊するシーンは、すべて早朝に撮影されている。当時、あの近辺は朝になると近所のお年寄りが散歩することが多く、ゾンビを目撃した老人がショック死したり、警察に通報されることがないように、撮影は周辺にまったく人がいないことを確認してから慎重に行われたという。
  • トム・サヴィーニ演じる暴走族にナタで頭を割られるゾンビ役のレナード・ライズは、アメリカで開催されているホラー映画コンベンションの常連である。自分のブースでは撮影に使ったナタと同型の模型や自分の頭を割られるシーンをプリントしたTシャツ等を販売、現在もファンを喜ばせているそうである。
  • ホラー系のコンベンションには主人公たち4人もよく参加しており、特にケン・フォーリーのブースは長蛇の列が出来る程の人気。
  • 製作者の一人であったダリオ・アルジェントによると、この映画のヒットを受け、ロメロと共同ですぐに続編の製作を考えていたが、その後『サンゲリアZOMBI2)』をはじめとした続編的な亜流作品が多数出てきたため、製作し辛い状況となってしまった。結局1980年代に入り欧州での米ドルの値上がりを受けアルジェントは映画製作から手を引いてしまったため、コンビでの製作は幻となってしまった。
  • ゾンビに沸いた町のショッピングモールにサバイバルをするという内容でカプコンから発売されたゲーム「デッドライジング」に対し、同作の著作権を所有する映画会社「MKR Group」が同作の著作権を侵害したとして2008年2月27日に訴える騒動が起きた。

[編集] バージョン違い

この映画には3種の大きなバージョン違いがある。 それぞれのバージョンを日本では 「米国劇場公開版」 「ダリオ・アルジェント監修版」 「ディレクターズ・カット完全版」 と呼んでいる。

3種はビデオ・DVDの発売により日本でも容易に視聴可能である。 「ダリオ・アルジェント監修版」「ディレクターズ・カット完全版」のDVDは長らく絶版で、インターネットオークションなどで価格が高騰していたが、2007年12月21日に3バージョンとともに『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』『死霊のえじき』が廉価版として再発された。

「米国劇場公開版」
北米で劇場公開されたバージョンで、本編127分。
ソフト化の際に若干、手を加えられており、現在「米国劇場公開版」として発売されているソフトは厳密には米国劇場公開版ではない。
ロメロ独特の暗い味付けが特徴。日本では「ダリオ・アルジェント監修版」を基にしたバージョンが劇場公開されたが、最初にCICビクターよりビデオ発売されたのはこちらの「米国劇場公開版」であった。
「ダリオ・アルジェント監修版」
アジアやヨーロッパなどで劇場公開されたバージョンで、本編119分。
サウンドトラックにゴブリンの曲が全面的に使われている他、音響効果の一部が差し替えられている。アクション映画のような編集が特徴。日本で劇場公開されたのは、このバージョンから残酷なシーンをカットや静止画処理し、オープニングに惑星爆発のシーン(同じヘラルド配給だったパニック映画「メテオ」からの流用シーンらしいが詳細は不明)とそれによるゾンビ登場の説明を加え、エンドクレジットをカットした115分バージョン。テレビ放映の際には、更に残酷シーンやヘリの移動シーン等をカット、惑星爆発シーンをTV用に編集して約90分程に短縮した東京12チャンネル放映バージョンが2種類存在している(下記参照)。
「ディレクターズ・カット版」
ロメロがカンヌ国際映画祭出品のために作ったバージョンで実際には完全版ではない。本編139分。
一般的に用いられるディレクターズ・カットの定義とは若干異なる制作経緯(米国劇場公開版より前に作られている)のため”Cannes Version”や”Rough Cut Version”と呼ばれる事もある。撮影終了から映画祭開催迄の期間が短かったために粗編集しか出来ず、ロメロ監督は後のインタビューで「不満足な出来だ」と公言している。ショッピング・センター内の生活描写や警察署での偽警官たちとの遭遇シーンが長くなっている。また、他のシーンでも秒単位の変更が行われている。
上記のバージョンを元に、ドイツのファンが勝手に全てのシーンを継いだだけの粗編集「ファイナル・カット版」呼ばれるバージョンがある。本編156分。
ディレクターズ・カット版とアルジェント版双方にしかないシーンを足して、音楽はゴブリンのものに統一。音声はドイツ語のみ収録。ドイツではDVDが販売されていたが、海賊版のため日本国内では正規に販売されていない。勿論このバージョンにも惑星爆発のシーンは収録されていない。
真の完全版
本当の「ゾンビ」オリジナル完全版(オールラッシュ版)は約3時間と噂される。ソフト化の可能性は極めて低い。

[編集] テレビ放送バージョ ン

本作は東京12チャンネルの木曜洋画劇場で2回放映され、それぞれが微妙に異なる内容となっている。なお、以下の呼称は暫定的なものであり、一般的な名称は特に無い。 冒頭の惑星爆発シーンは劇場公開版と編集が異なっている。 かつては深夜枠、昼間枠でローカル局などでもたびたび再放送されていた。

深沢哲也版(サスペリア版)
1980年10月16日に放映された初放映バージョン。解説は映画評論家・深沢哲也
タイトルは「衝撃SFサスペンス ゾンビ 地球SOS 死者が甦った日」と銘打たれている。日本劇場公開版から残酷シーンのほとんど、主人公達を乗せたヘリがフィラデルフィアを飛び立ってからショッピングセンターにたどり着くまでの経過などをカットして、約90分に収めている。特徴的なのは音楽で、多くを同じゴブリンが担当した映画『サスペリア』&『ローマ麻薬ルート大追跡』の音楽+源曲が不明なBGM(ショッピングセンターに着陸するあたりで流れる曲)に差し替えている。なお内容を分かりやすくするために日本語吹き替え独自の台詞に変更されており、冒頭のテレビ局で博士が自説を開陳するシーンでは「惑星イオスが爆発したために死者が甦った」などと、オリジナルの設定がさらに強化されている(惑星爆発の映像素材は「メテオ」からの流用)。また、ラスト、ヘリコプターの燃料の残量を聞くピーターの台詞が「赤ん坊を育てる場所を見つけなきゃ」と変えられ、ハッピーエンド色が強くなっている。
河野基比古版
木曜洋画劇場の解説者が映画評論家・河野基比古に交代してから放映されたバージョン。分数や編集はぼ同じ。音楽はオリジナルに即して戻され(一部ロメロ版の音楽が使用されている)、ラストのピーターの台詞もオリジナルに即したものに変更になっている。

[編集] 外部リンク