ヨハン・ガルトゥング
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(ガルトゥングから転送)
人物情報 | |
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全名 | ヨハン・ヴィンセント・ガルトゥング |
生誕 |
1930年10月24日 ノルウェー オスロ |
死没 |
2024年2月17日(93歳没) ノルウェー バールム |
出身校 | オスロ大学 |
学問 | |
研究分野 | 社会学、平和学、未来学、数学 |
研究機関 |
コロンビア大学 オスロ大学 オスロ国際平和研究所 |
学位 | 博士(社会学、数学) |
特筆すべき概念 | 構造的暴力、積極的平和、en:Conflict triangle |
主な受賞歴 | ライト・ライブリフッド賞 |
ヨハン・ヴィンセント・ガルトゥング(Johan Vincent Galtung、1930年10月24日 - 2024年2月17日)は、ノルウェーの社会学者・数学者。
人物・来歴
[編集]ヴァイキングの時代から続く貴族の家系に生まれ、父は医者、陸軍少尉、オスロ副市長も歴任した人物である[1]。オスロ大学にて、1956年に数学で、翌年には社会学で博士号を取得[2]。20代半ばの頃には、良心的兵役拒否者として12カ月間の単純労働に従事した[1]。その後、労働期間の延長を拒んだために労働刑務所に6カ月間収監された[1]。
略歴
[編集]- 1930年10月24日 オスロに生まれ
- オスロ大学で数学と社会学の博士号を取得。
- 1959年 - オスロ国際平和研究所(PRIO)を創設し、1970年まで代表を務める。
- 1964年 - 雑誌 Journal of Peace Research を創設し、編集長として、ヨーロッパにおける平和研究を主導した[3]。
- 1987年 - ライト・ライブリフッド賞を受賞。
- 1993年 - 平和的手段による紛争解決のための国際NGO、TRANSCEND International(トランセンド・インターナショナル)を創設[4]。
- 2024年2月17日の朝にバールムの保健機関で死去。93歳没[5]。
主張
[編集]→詳細は「平和学」を参照
戦争のない状態を平和と捉える「消極的平和」に対し、貧困、抑圧、差別など構造的暴力のない状態を「積極的平和」とする概念を提起した。これまでに、スリランカ、アフガニスタン、北コーカサス、エクアドルなど、世界で40ヶ所以上の紛争の仲介者をした。日本においても中央大学、国際基督教大学 (ICU) 、関西学院大学、立命館大学、創価大学などで客員教授を務める。安倍晋三が主張した「積極的平和主義」に関しては、自身の唱える積極的平和とは真逆であると述べた[6]。
尖閣諸島の領有権を巡って日中が対立している状況に対し、中国と日本がそれぞれ40%ずつの権益を分けあい、残りの20%を北東アジア共同体のために使うという解決案を示している[7]。
邦訳著書
[編集]単著
[編集]- 『90年代日本への提言―平和学の見地から』、中央大学出版部、1989年
- 『平和への新思考』(高柳先男・塩屋保訳)、勁草書房、1989年
- 『仏教――調和と平和を求めて』、東洋哲学研究所、1990年
- 『構造的暴力と平和』(高柳先男・塩屋保・酒井由美子訳)、中央大学出版部、1991年
- 『市民・自治体は平和のために何ができるか――ヨハン・ガルトゥング平和を語る』、国際書院、1991年
- 『平和的手段による紛争の転換――超越法』(伊藤武彦編集、奥本京子訳)、平和文化、2000年
- 『平和を創る発想術――紛争から和解へ』京都YWCAほーぽのぽの会訳、岩波書店、2003年
- 『グローバル化と知的様式――社会科学方法論についての七つのエッセー』矢澤修次郎・大重光太郎訳、東信堂、2004年
- 『ガルトゥングの平和理論――グローバル化と平和創造』(木戸衛一・藤田明史・小林公司訳)、法律文化社、2006年
- 『ガルトゥング紛争解決学入門――コンフリクト・ワークへの招待』藤田明史・奥本京子監訳、トランセンド研究会訳、法律文化社、2014年
- 『日本人のための平和論』御立英史訳、ダイヤモンド社、2017年
- 『ガルトゥング平和学の基礎』藤田明史編訳、法律文化社、2019年
共編著
[編集]- 『平和への選択――対談』(池田大作)、毎日新聞社、1995年
- 『日本は危機か』(安斎育郎)、かもがわ出版、1999年
- 『ガルトゥング平和学入門』 (ヨハン・ガルトゥング+藤田明史編著、安斎育郎、奥本京子、西山俊彦、伊藤武彦、中野克彦)、法律文化社、2003年
脚注
[編集]- ^ a b c “「紛争調停人」の仕事とは何か?--キーワードで読み解くガルトゥング平和論<4> 人物・行動・思想編”. ダイヤモンド・オンライン. 2022年7月24日閲覧。
- ^ 「ガルトゥング」『日本大百科全書(ニッポニカ)』 。コトバンクより2022年7月24日閲覧。
- ^ Journal of Peace Research 公式ウェブサイト - Journal of Peace Research
- ^ Transcend International(平和的手段による紛争転換)公式ウェブサイト - TRANSCEND International
- ^ “Johan Galtung er død” (ノルウェー語). dagbladet.no (2024年2月17日). 2024年2月17日閲覧。
- ^ 首相は積極的平和の言葉「盗用」 平和学の父・ガルトゥング氏 琉球新報2015年8月23日
- ^ 志葉玲. “「安保法案では平和にはならない」“平和学の父”ガルトゥング博士インタビュー”. 2015.09.17 ニュース. 2016年9月17日閲覧。
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]- トランセンド研究会 公式ウェブサイト - トランセンド研究会