未来学

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未来学(みらいがく、: futurology)は、歴史上の状況を踏まえて未来での物事がどう変わっていくかを詳細に調査・推論する学問分野である[1]ドイツ人教授 Ossip K. Flechtheim[2] の造語であり、1940年代中盤に確率論に基づく新たな学問を提唱したものである。

概要[編集]

未来学の基本

他の分野での研究とは、以下の2点で異なる。

  1. 未来学はありうる未来だけでなく、もっともらしい未来、望ましい未来、未知の未来を検討する。
  2. 未来学は、様々な分野における洞察に基づいて、全体的あるいは体系的な視点で考えることが多い。

時間を直線に喩えると、未来は時間線の中で未だ起きていない部分を指す。すなわち、未だ起きていない事象の存在する時空間である。その意味で未来は過去(既に起きた事象と時間の集まり)の反対であり、現在(今起きつつある事象の集まり)の反対でもある。未来学者とは、そのような未来を見通し、何らかの分析を試みようとする人々である。未来学は様々な文化的文脈の中では異なる用語で呼ばれる。foresight未来派futurism)、prospectivefuturiblesフランスでは雑誌名でもある)、prospectivaラテンアメリカで使われる用語)などである。英語圏では future study(未来研究)が一般化しつつある。

未来学者は、ありうべき未来を予測するべく Strategic Foresight(戦略的洞察)の適用を試みる。現在の傾向から未来の状態を予測するのが典型的な方法論だが、逆に想定される未来をもたらすには今どうすべきかを考える backcasting の手法もある。例えば、Global Scenario Group は backcasting の方法論に基づいて、Policy Reform(政策改革)と Eco-Communalismエコ共同体主義)のシナリオを立案した。未来研究を実際に行っている人々は自らをフューチャリスト(futurist)と呼ぶ。

現在のような学際的性格の未来学あるいは未来研究は、1960年代中盤の初期の未来学者、Olaf Helmer、Bertrand de Jouvenel、ガーボル・デーネシュ、Oliver Markley、Burt Nanus、Wendell Bell らによって確立された[3]。未来研究は、現在の選択が将来にどう影響するかを研究するものである。予測を行い、ありうべき未来を描くため、変化と安定の源泉・パターン・原因の分析を試みる。未来研究の対象と方法には、現在についてのありうる変化、もっともらしい変化、望ましい変化、その他の変化の社会的側面と自然的側面が含まれる。未来研究は多角的に未来を予測する。学問分野としては未だ若く、概念や方法論も確立しているとは言いがたい。デニス・メドゥズの成長の限界は、起点としては適している。多くの企業が未来学の成果を長期的な成長に関する戦略立案に役立てている。教育という観点では、アメリカ合衆国1960年代に始まり他の国々に広がりつつある。教科としての未来学は、学生が長期的なものの見方ができるような概念・ツール・プロセスを学習させる。

手法[編集]

未来学者と未来予測する人々[編集]

方法論[編集]

未来研究の実践者は、テクノロジー経済、社会などの現在の傾向から外挿したり、未来の傾向を予言しようとすることがほとんどだった。しかし、最近では社会システムや社会の不確かさを検討し、何らかのシナリオを構築することが増えてきた。外挿やシナリオ以外にも、様々な手法や技法が未来研究で使われている。

一部の作家はフューチャリストとして認識されている。彼らは(主に技術的な)傾向を調べ、そこから自らが導き出した結論を作品に反映させる。従って、フューチャリストと呼ばれる作家は同時にサイエンス・フィクション作家としての面を持つことが多い。実際、アーサー・C・クラークといったSF作家はフューチャリストとしてもそれなりの評価を得ている。もちろん、SF作家の中には技術的あるいは社会的な未来の予測をテーマとせず、単に物語の背景に利用する者も多い。例えば、アーシュラ・K・ル=グウィンは『闇の左手』で予言者、予知能力者、フューチャリストが仕事として予言する世界を描き、「作家の仕事は嘘をつくことだ」とした。

実践者[編集]

講談社現代新書の『アメリカ情報コレクション』のなかの「フューチャリスト」という項目(枝川公一・執筆)では、上記のトフラー、ベル、カーンなどの他に、ピーター・ドラッカーマクルーハンガルブレイスなどが上げられていた。

21世紀以降の年代[編集]

21世紀 2000年代 2010年代 2020年代 2030年代 2040年代 2050年代 2060年代 2070年代 2080年代 2090年代
22世紀 2100年代 2110年代 2120年代 2130年代 2140年代 2150年代 2160年代 2170年代 2180年代 2190年代
23世紀 2200年代 2210年代 2220年代 2230年代 2240年代 2250年代 2260年代 2270年代 2280年代 2290年代
24世紀 2300年代 2310年代 2320年代 2330年代 2340年代 2350年代 2360年代 2370年代 2380年代 2390年代
25世紀 2400年代 2410年代 2420年代 2430年代 2440年代 2450年代 2460年代 2470年代 2480年代 2490年代
26世紀 2500年代 2510年代 2520年代 2530年代 2540年代 2550年代 2560年代 2570年代 2580年代 2590年代
27世紀 2600年代 2610年代 2620年代 2630年代 2640年代 2650年代 2660年代 2670年代 2680年代 2690年代
28世紀 2700年代 2710年代 2720年代 2730年代 2740年代 2750年代 2760年代 2770年代 2780年代 2790年代
29世紀 2800年代 2810年代 2820年代 2830年代 2840年代 2850年代 2860年代 2870年代 2880年代 2890年代
30世紀 2900年代 2910年代 2920年代 2930年代 2940年代 2950年代 2960年代 2970年代 2980年代 2990年代

関連項目[編集]

参考文献[編集]

  • Bindé, J. (2001). Keys to the 21st century. New York: Berghahn Books.
  • Welfare, S. (1989). New connexions. Harmondsworth: Penguin ELT.
  • Shakhnazarov, G. K. (1982). Futurology fiasco: a critical study of non-Marxist concepts of how society develops. Moscow: Progress Publishers.
  • Thompson, A. E. (1979). Understanding futurology: an introduction to futures study. Newton Abbot [Eng.]: David & Charles.
  • Ferkiss, V. C. (1977). Futurology: promise, performance, prospects. A Sage policy paper. Beverly Hills: Sage Publications.
  • Hostrop, R. W. (1973). Foundations of futurology in education. [Homewood, Ill: ETC Publications].
  • Flechtheim, O. K. (1966). History and futurology. Meisenheim am Glan: Hain.

脚注[編集]

  1. ^ futurology. Wordnet.princeton.edu.
  2. ^ http://de.wikipedia.org/wiki/Ossip_K._Flechtheim Ossip K. Flechtheim, The German edition of Wikipedia.
  3. ^ Bell, W. (1997). Foundations of Futures Studies: Volume 1 New Brunswick: Transaction Publishers. ISBN 1-56000-271-9.
  4. ^ Alter our DNA or robots will take over, warns Hawking
  5. ^ Our species must move to another planet