「カンラン石」の版間の差分

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
削除された内容 追加された内容
m 微修正
加筆
17行目: 17行目:


[[マグネシウム]]や[[鉄]]の[[ネソケイ酸塩鉱物]]である。{{chem|Mg|2|SiO|4}}(苦土橄欖石)と {{chem|Fe|2|SiO|4}}(鉄橄欖石)との間の連続[[固溶体]]をなす。
[[マグネシウム]]や[[鉄]]の[[ネソケイ酸塩鉱物]]である。{{chem|Mg|2|SiO|4}}(苦土橄欖石)と {{chem|Fe|2|SiO|4}}(鉄橄欖石)との間の連続[[固溶体]]をなす。

多くのカンラン石は、地球{{ill2|マントル最上部|en|Upper mantle (Earth)}}の大部分を占め、地上に[[火成岩]]として出てきた[[かんらん岩|カンラン岩]](peridotite)もマントル由来である<ref name=DCH>{{cite book |title=Pocket Guide to the Rocks & Minerals of North America |page=23 |first=Sarah |last=Garlick |publisher=[[National Geographic Society]] |year=2014 |isbn=9781426212826}}</ref><ref>{{Cite web |url=http://www.jstage.jst.go.jp/article/jgeography/117/1/117_1_93/_article/-char/ja/ |title=かんらん岩の構造敏感性と弾性的異方性 |access-date=2022-05-26 |last=克禎 |first=道林 |date=2008 |pages=93–109 |doi=10.5026/jgeography.117.93 |publisher=地学雑誌 117 (1), 93-109, 2008}}</ref>。結晶化したものは宝石の[[ペリドット]]である。


== 成分、種類 ==
== 成分、種類 ==
48行目: 50行目:


橄欖石が主要構成鉱物である[[岩石]]を[[かんらん岩|橄欖岩]]という。[[マントル]]の上部は、主に橄欖岩から構成されていると考えられている。
橄欖石が主要構成鉱物である[[岩石]]を[[かんらん岩|橄欖岩]]という。[[マントル]]の上部は、主に橄欖岩から構成されていると考えられている。

;地球外
:月<ref name="MareBasalt1">{{cite web | url=https://curator.jsc.nasa.gov/lunar/letss/mare3.pdf | title=Mare Basalt Volcanism | publisher=[[NASA]] | work=NASA Lunar Petrographic Educational Thin Section Set | date=2003 | access-date=23 October 2016 | author=Meyer, C. | url-status=live | archive-url=https://web.archive.org/web/20161221110429/https://curator.jsc.nasa.gov/lunar/letss/mare3.pdf | archive-date=21 December 2016}}</ref>や火星<ref>[http://www.psrd.hawaii.edu/Nov03/olivine.html Pretty Green Mineral....] {{webarchive|url=https://web.archive.org/web/20070504025123/http://www.psrd.hawaii.edu/Nov03/olivine.html |date=2007-05-04}}[http://deepimpact.umd.edu/gallery/313_635_F3.html Mission Update 2006...] {{webarchive|url=https://web.archive.org/web/20100605183617/http://deepimpact.umd.edu/gallery/313_635_F3.html |date=2010-06-05}} UMD Deep Impact Website, University of Maryland Ball Aerospace & Technology Corp. retrieved June 1, 2010</ref><ref>Hoefen, T.M., et al. 2003. "Discovery of Olivine in the Nili Fossae Region of Mars". ''Science'' 302, 627–30. "{{cite journal |title=Discovery of Olivine in the Nili Fossae Region of Mars |journal=Science |volume=302 |issue=5645 |pages=627–630 |doi=10.1126/science.1089647 |year=2003 |last1=Hoefen |first1=T. M. |url=https://zenodo.org/record/1230836 |bibcode=2003Sci...302..627H |pmid=14576430|s2cid=20122017 }}"</ref>からの隕石、日本の小惑星探査機[[はやぶさ (探査機)|はやぶさ]]が[[イトカワ (小惑星)|小惑星イトカワ]]<ref>[http://www.spaceflightnow.com/news/n1011/16hayabusa/ Japan says Hayabusa brought back asteroid grains...] {{webarchive|url=https://web.archive.org/web/20101118234721/http://www.spaceflightnow.com/news/n1011/16hayabusa/ |date=2010-11-18}} retrieved November 18, 2010</ref>から持ち帰ったサンプルからも確認されている。NASAの[[スピッツァー宇宙望遠鏡]]での観察では、星が生まれる前のガス雲中からも観測されている<ref>{{Cite web |url=https://www.nasa.gov/mission_pages/spitzer/news/spitzer20110526.html |title=NASA - Spitzer Sees Crystal Rain in Infant Star Outer Clouds |access-date=2022-05-26 |website=www.nasa.gov |language=en}}</ref>。


== 性質、特徴 ==
== 性質、特徴 ==
56行目: 61行目:


[[ガラス光沢]]で、色は[[黄緑色]]。形状は、粒状または短柱状結晶。
[[ガラス光沢]]で、色は[[黄緑色]]。形状は、粒状または短柱状結晶。

;高圧多形
:高圧環境下で[[オリビン構造]]から[[スピネル#スピネル型結晶構造|スピネル構造]]に変化する。高圧多型鉱物は{{ill2|ウォズレアイト|en|Wadsleyite}}と呼ばれ、さらに加圧されると{{ill2|リングウッダイト|en|Ringwoodite}}となる<ref>{{Cite web |url=https://www.nature.com/articles/nature13080 |title=Hydrous mantle transition zone indicated by ringwoodite included within diamond |access-date=2022-05-26 |last=Pearson |first=D. G. |date=2014-03 |website=Nature |pages=221–224 |language=en |doi=10.1038/nature13080}}</ref><ref>{{Cite web |url=https://www.afpbb.com/articles/-/3010247 |title=地球内部に大量の水か、ダイヤからマントル由来の鉱物発見 |access-date=2022-05-26 |website=www.afpbb.com |language=ja}}</ref>。

;風化・蛇紋岩化
:地上や水中で、他の鉱物より二酸化炭素と反応し急速に風化しやすい<ref>{{Cite web |url=https://doi.org/10.18999/sumrua.24.168 |title=ケイ酸塩岩も14C年代測定の対象となるか? : 岩石の粉砕反応によるC02の迅速吸収 |access-date=2022-05-26 |last=田中 |first=剛 |date=2013-03 |publisher=名古屋大学年代測定資料研究センター |language=ja |doi=10.18999/sumrua.24.168}}</ref>。
:[[海洋プレート]]が沈み込んだ[[スラブ (プレート)|スラブ]]では、高圧力環境で熱水と反応し[[蛇紋岩]]化する<ref>[https://warp.da.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/508802/www.geog.or.jp/journal/back/pdf117-1/p253-267.pdf 海洋下部地殻および上部マントルの変質作用と変質鉱物] 著者:野坂俊夫、出版者:東京地学協会。出版年月日:2008。掲載雑誌名:地学雑誌. 117(1) p253-267</ref>。

:蛇紋岩化では、非常にもろい[[滑石]]への変化と圧力勾配の変化が行われ、[[地震]]発生の原因ともなると考えられている<ref>{{Cite web |url=https://www.hiroshima-u.ac.jp/sci/news/48652 |title=【研究成果】水を含んだマントル岩石が,地震発生の原因となる可能性を発見 |access-date=2022-05-26 |website=理学部 | 広島大学 |publisher=広島大学 |language=ja}}</ref><ref>{{Cite web |url=https://www.nature.com/articles/s41598-018-35290-x |title=Physical mechanisms of oceanic mantle earthquakes: Comparison of natural and experimental events |access-date=2022-05-26 |last=Kita |first=Saeko |date=2018-11-19 |website=Scientific Reports |publisher=[[ネイチャー]] |pages=17049 |language=en |doi=10.1038/s41598-018-35290-x}}</ref><ref>{{cite journal|doi=10.1029/2006GL026194|title=Olivine hydration in the deep upper mantle: Effects of temperature and silica activity|year=2006|last1=Smyth|first1=J. R.|last2=Frost|first2=D. J.|last3=Nestola|first3=F.|last4=Holl|first4=C. M.|last5=Bromiley|first5=G.|journal=Geophysical Research Letters|volume=33|issue=15|pages=L15301|bibcode=2006GeoRL..3315301S|url=http://ruby.colorado.edu/~smyth/Research/Papers/Hydrolivine.pdf|url-status=dead|archive-url=https://web.archive.org/web/20170809105549/http://ruby.colorado.edu/%7Esmyth/Research/Papers/Hydrolivine.pdf|archive-date=2017-08-09|citeseerx=10.1.1.573.4309|access-date=2017-10-26}}</ref>。


== 用途 ==
== 用途 ==
苦土橄欖石のうち緑色で特に美しいものは、[[ペリドット]]とよばれ、[[宝石]]にされる。
苦土橄欖石のうち緑色で特に美しいものは、[[ペリドット]]とよばれ、[[宝石]]にされる。

;二酸化炭素の吸収
:水がある環境下で二酸化炭素と急速に反応して風化することから、[[温暖化対策]]に砕いたカンラン石を浜辺に敷き詰める {{ill2|Project Vesta|en|Project Vesta}} という試みが行われている<ref>{{Cite web |url=https://gigazine.net/news/20190715-project-vesta/ |title=なぜ緑色の石を浜辺に敷き詰めることで地球温暖化を防ぐことができるのか? |access-date=2022-05-26 |website=GIGAZINE |language=ja}}</ref>。ただ、この方法は大量に風化させても効果が薄くカンラン石の採掘は非効率、海の環境も変わり特定種の植物プランクトンに優勢な状況を作り出してしまうことから環境破壊にもなりかねないという批判も出ている<ref>{{Cite web |url=https://www.afpbb.com/articles/-/2922564 |title=海洋に石散布する温暖化対策に「多くの欠陥」、独研究 |access-date=2022-05-26 |website=www.afpbb.com |language=ja}}</ref>。


== 名前の由来 == <!-- 鉱物にまつわる話や語源・名前の由来など -->
== 名前の由来 == <!-- 鉱物にまつわる話や語源・名前の由来など -->
[[ラテン語]]の {{Lang|la|oliva}}([[オリーブ]])が語源で、[[オリーブ色]](濃緑色)をしていることによる。[[1790年]][[アブラハム・ゴットロープ・ウェルナー|ウェルナー]]の命名。{{Lang|en|olivine}}を橄欖石と訳したのは、[[日本]]の[[地質調査所]]の人々らしく、文献で最も古いのは『20万分の1伊豆図幅地質説明書』(西山正吾、[[1886年]])である。
[[ラテン語]]の {{Lang|la|oliva}}([[オリーブ]])が語源で、[[オリーブ色]](濃緑色)をしていることによる。[[1790年]][[アブラハム・ゴットロープ・ウェルナー|ウェルナー]]の命名。{{Lang|en|olivine}}を橄欖石と訳したのは、[[日本]]の[[地質調査所]]の人々らしく、文献で最も古いのは『20万分の1伊豆図幅地質説明書』(西山正吾、[[1886年]])である。


[[カンラン (カンラン科)|橄欖]]([[カンラン科]])とは、[[ベトナム]]原産の[[東南アジア]]一帯で栽培されている<!--、日本の[[ムクロジュ]]に似ている[[果木]]で、-->。果肉を食用にし、種子から[[油]]を取るほか、[[薬用]]にも用いる。この木は、果実は[[ヨーロッパ]]([[地中海盆地|地中海地方]])のオリーブ([[モクセイ科]])にやや似ているが、全く別[[科 (分類学)|科]]の植物。しかし、[[幕末]]に実だけをみて同じと誤認されたらしく、[[聖書]]を[[漢訳]]した文久2年(1862)、オリーブの訳にこの語があてられ、そのまま伝えられたもの。{{Main|カンラン科}}
[[カンラン (カンラン科)|橄欖]]([[カンラン科]])とは、[[ベトナム]]原産の[[東南アジア]]一帯で栽培されている<!--、日本の[[ムクロジュ]]に似ている[[果木]]で、-->。果肉を食用にし、種子から[[油]]を取るほか、[[薬用]]にも用いる。この木は、果実は[[ヨーロッパ]]([[地中海盆地|地中海地方]])のオリーブ([[モクセイ科]])にやや似ているが、全く別[[科 (分類学)|科]]の植物。しかし、[[幕末]]に実だけをみて同じと誤認されたらしく、[[聖書]]を[[漢訳]]した文久2年(1862)、オリーブの訳にこの語があてられ、そのまま伝えられたもの。
<gallery>
File:Olivine-gem7-10a.jpg|かんらん石(Olivine)。宝石名[[ペリドット]]
File:橄榄树.jpg|橄欖(かんらん)
File:Olive_z03.jpg|オリーブの実
</gallery>


== 脚注 ==
== 脚注 ==
107行目: 129行目:
* [[かんらん岩]](岩石名)
* [[かんらん岩]](岩石名)
* [[オリビン構造]]
* [[オリビン構造]]
* {{ill2|マントル遷移層|en|Transition zone (Earth)}}
* {{ill2|炭酸塩-ケイ酸塩サイクル|en|Carbonate–silicate cycle}}
* [[プレートテクトニクス]]
* {{ill2|Goldich dissolution series|en|Goldich dissolution series}} - 地表の風化速度を予測する手法。高圧・高温環境にあった鉱物は、地表の低圧低温環境で脆くなる傾向がある。
* {{ill2|ボーウェンの反応系列|en|Bowen's reaction series}} - マグマの結晶作用によって形成される鉱物順序を説明するもの。


== 外部リンク == <!-- {{Cite web}} -->
== 外部リンク == <!-- {{Cite web}} -->
121行目: 148行目:
}}
}}
* [http://home.hiroshima-u.ac.jp/yhiraya/er/Mn/Mn_KLG_oli.html Olivine〔橄欖石〕グループ] - [[広島大学]] 大学院総合科学研究科 地球資源論研究室 福岡正人
* [http://home.hiroshima-u.ac.jp/yhiraya/er/Mn/Mn_KLG_oli.html Olivine〔橄欖石〕グループ] - [[広島大学]] 大学院総合科学研究科 地球資源論研究室 福岡正人



{{Normdaten}}
{{Normdaten}}

2022年5月26日 (木) 08:32時点における版

玄武岩中のカンラン岩ゼノリス

カンラン石[1][2] (かんらんせき、橄欖石、olivine、オリビン)[3]は、鉱物ケイ酸塩鉱物)のグループ名。

マグネシウムネソケイ酸塩鉱物である。Mg2SiO4(苦土橄欖石)と Fe2SiO4(鉄橄欖石)との間の連続固溶体をなす。

多くのカンラン石は、地球マントル最上部英語版の大部分を占め、地上に火成岩として出てきたカンラン岩(peridotite)もマントル由来である[4][5]。結晶化したものは宝石のペリドットである。

成分、種類

ファイル:2668-004-D6ADA523.png
カンラン石の分類
苦土橄欖石[1][2][6](白橄欖石、forsterite、フォルステライト)
化学式 - Mg2SiO4。色 - 白色、黄緑色、条痕 - 白色。ガラス光沢。劈開なし。硬度 7。比重 3.2。
鉄橄欖石[1][2][6]fayalite、黒橄欖石、ファイアライト)
化学式 - Fe2SiO4。色 - 褐色、黒色、条痕 - 淡褐色。ガラス光沢。劈開なし。硬度 6.5。比重 4.4。
テフロ石[2][6](マンガン橄欖石[6]tephroite、テフロアイト)
化学式 - Mn2SiO4。色 - 灰色、帯青灰色、帯緑灰色(光が当たると退色する)。条痕 - 灰色。ガラス光沢。劈開なし。硬度 6.5、比重 4.1。産出は限られる。石英とは共存しない。
モンチセリ橄欖石[1](モンチセリ石[6]monticellite、モンティセライト)
化学式 - CaMgSiO4。色 - 白色、帯緑灰色、灰色。条痕 - 白色。ガラス光沢。劈開なし。硬度 5、比重 3.2。石灰岩スカルンから産出するが、場所は限られる。

産出地

玄武岩などの塩基性岩超塩基性岩に多く含まれる。鉄橄欖石質の橄欖石は、ソレアイトマグマの分化で晶出し、ソレアイト質流紋岩花崗岩などに含まれることもある。

橄欖石が主要構成鉱物である岩石橄欖岩という。マントルの上部は、主に橄欖岩から構成されていると考えられている。

地球外
[7]や火星[8][9]からの隕石、日本の小惑星探査機はやぶさ小惑星イトカワ[10]から持ち帰ったサンプルからも確認されている。NASAのスピッツァー宇宙望遠鏡での観察では、星が生まれる前のガス雲中からも観測されている[11]

性質、特徴

a軸側から見た橄欖石の結晶構造

一般式は (Mg,Fe)2SiO4MnNiTi を少量含む。

結晶系斜方晶系比重は3.2 - 3.8。モース硬度は7。

ガラス光沢で、色は黄緑色。形状は、粒状または短柱状結晶。

高圧多形
高圧環境下でオリビン構造からスピネル構造に変化する。高圧多型鉱物はウォズレアイト英語版と呼ばれ、さらに加圧されるとリングウッダイト英語版となる[12][13]
風化・蛇紋岩化
地上や水中で、他の鉱物より二酸化炭素と反応し急速に風化しやすい[14]
海洋プレートが沈み込んだスラブでは、高圧力環境で熱水と反応し蛇紋岩化する[15]
蛇紋岩化では、非常にもろい滑石への変化と圧力勾配の変化が行われ、地震発生の原因ともなると考えられている[16][17][18]

用途

苦土橄欖石のうち緑色で特に美しいものは、ペリドットとよばれ、宝石にされる。

二酸化炭素の吸収
水がある環境下で二酸化炭素と急速に反応して風化することから、温暖化対策に砕いたカンラン石を浜辺に敷き詰める Project Vesta英語版 という試みが行われている[19]。ただ、この方法は大量に風化させても効果が薄くカンラン石の採掘は非効率、海の環境も変わり特定種の植物プランクトンに優勢な状況を作り出してしまうことから環境破壊にもなりかねないという批判も出ている[20]

名前の由来

ラテン語olivaオリーブ)が語源で、オリーブ色(濃緑色)をしていることによる。1790年ウェルナーの命名。olivineを橄欖石と訳したのは、日本地質調査所の人々らしく、文献で最も古いのは『20万分の1伊豆図幅地質説明書』(西山正吾、1886年)である。

橄欖カンラン科)とは、ベトナム原産の東南アジア一帯で栽培されている。果肉を食用にし、種子からを取るほか、薬用にも用いる。この木は、果実はヨーロッパ地中海地方)のオリーブ(モクセイ科)にやや似ているが、全く別の植物。しかし、幕末に実だけをみて同じと誤認されたらしく、聖書漢訳した文久2年(1862)、オリーブの訳にこの語があてられ、そのまま伝えられたもの。

脚注

  1. ^ a b c d 文部省編『学術用語集 地学編日本学術振興会、1984年。ISBN 4-8181-8401-2http://sciterm.nii.ac.jp/cgi-bin/reference.cgi 
  2. ^ a b c d 日本地質学会編『地質学用語集 - 和英・英和』共立出版、2004年。ISBN 4-320-04643-9 
  3. ^ 橄欖」の漢字が難しいので、通常はかんらん石あるいはカンラン石と書かれるか、英名そのままでオリビンと呼ばれる。
  4. ^ Garlick, Sarah (2014). Pocket Guide to the Rocks & Minerals of North America. National Geographic Society. p. 23. ISBN 9781426212826 
  5. ^ 克禎, 道林 (2008年). “かんらん岩の構造敏感性と弾性的異方性”. 地学雑誌 117 (1), 93-109, 2008. pp. 93–109. doi:10.5026/jgeography.117.93. 2022年5月26日閲覧。
  6. ^ a b c d e 松原聰宮脇律郎『日本産鉱物型録』東海大学出版会国立科学博物館叢書〉、2006年。ISBN 978-4-486-03157-4 
  7. ^ Meyer, C. (2003年). “Mare Basalt Volcanism”. NASA Lunar Petrographic Educational Thin Section Set. NASA. 2016年12月21日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年10月23日閲覧。
  8. ^ Pretty Green Mineral.... Archived 2007-05-04 at the Wayback Machine.Mission Update 2006... Archived 2010-06-05 at the Wayback Machine. UMD Deep Impact Website, University of Maryland Ball Aerospace & Technology Corp. retrieved June 1, 2010
  9. ^ Hoefen, T.M., et al. 2003. "Discovery of Olivine in the Nili Fossae Region of Mars". Science 302, 627–30. "Hoefen, T. M. (2003). “Discovery of Olivine in the Nili Fossae Region of Mars”. Science 302 (5645): 627–630. Bibcode2003Sci...302..627H. doi:10.1126/science.1089647. PMID 14576430. https://zenodo.org/record/1230836. "
  10. ^ Japan says Hayabusa brought back asteroid grains... Archived 2010-11-18 at the Wayback Machine. retrieved November 18, 2010
  11. ^ NASA - Spitzer Sees Crystal Rain in Infant Star Outer Clouds” (英語). www.nasa.gov. 2022年5月26日閲覧。
  12. ^ Pearson, D. G. (2014年3月). “Hydrous mantle transition zone indicated by ringwoodite included within diamond” (英語). Nature. pp. 221–224. doi:10.1038/nature13080. 2022年5月26日閲覧。
  13. ^ 地球内部に大量の水か、ダイヤからマントル由来の鉱物発見”. www.afpbb.com. 2022年5月26日閲覧。
  14. ^ 田中, 剛 (2013年3月). “ケイ酸塩岩も14C年代測定の対象となるか? : 岩石の粉砕反応によるC02の迅速吸収”. 名古屋大学年代測定資料研究センター. doi:10.18999/sumrua.24.168. 2022年5月26日閲覧。
  15. ^ 海洋下部地殻および上部マントルの変質作用と変質鉱物 著者:野坂俊夫、出版者:東京地学協会。出版年月日:2008。掲載雑誌名:地学雑誌. 117(1) p253-267
  16. ^ 【研究成果】水を含んだマントル岩石が,地震発生の原因となる可能性を発見”. 理学部. 広島大学. 2022年5月26日閲覧。
  17. ^ Kita, Saeko (2018年11月19日). “Physical mechanisms of oceanic mantle earthquakes: Comparison of natural and experimental events” (英語). Scientific Reports. ネイチャー. pp. 17049. doi:10.1038/s41598-018-35290-x. 2022年5月26日閲覧。
  18. ^ Smyth, J. R.; Frost, D. J.; Nestola, F.; Holl, C. M.; Bromiley, G. (2006). “Olivine hydration in the deep upper mantle: Effects of temperature and silica activity”. Geophysical Research Letters 33 (15): L15301. Bibcode2006GeoRL..3315301S. doi:10.1029/2006GL026194. オリジナルの2017-08-09時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20170809105549/http://ruby.colorado.edu/%7Esmyth/Research/Papers/Hydrolivine.pdf 2017年10月26日閲覧。. 
  19. ^ なぜ緑色の石を浜辺に敷き詰めることで地球温暖化を防ぐことができるのか?”. GIGAZINE. 2022年5月26日閲覧。
  20. ^ 海洋に石散布する温暖化対策に「多くの欠陥」、独研究”. www.afpbb.com. 2022年5月26日閲覧。

参考文献

関連項目

外部リンク