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[[File:Football Player- Ashleigh Hopkins (Swansea City AFC - Plymouth Argyle FC) The FA UEFA 'A' Licence Coach 2013-04-19 20-52.jpg|thumb|right|250px|サッカー選手。]]
#REDIRECT[[サッカー選手一覧]]
'''サッカー選手'''とは、[[サッカー]]において競技を実際に行う者のことである。2.5億のサッカー選手が世界に存在すると推定されている<ref>[http://www.britannica.com/EBchecked/topic/550852/football ブリタニカ百科事典]</ref>。

== 概要 ==
[[ジャン=ピエール・パパン]]は、サッカーを「世界共通語」と説明している<ref>{{cite news|author1=アンネ=セシーレ・ジャラッセ|author2=K・ユリア|author3=アンドリュー・ブルジェス|title=ジャン=ピエール・パパン「サッカーは世界共通語だ」|url=http://www.cafebabel.co.uk/article/20539/jean-pierre-papin-football-is-a-universal-language.html|work=cafébabel.com|date=30 March 2007}}</ref>。サッカー選手は一般的に、[[下部組織|ユースチーム]]や[[アマチュア]]チームでキャリアをスタートし、[[プロサッカー選手]]を目指す。

== 収入 ==
[[ヨーロッパ]]などのいくつかのプロトップリーグでは、他の仕事より非常に高い収入を得ることができる。[[プレミアリーグ]]の選手は、平均で年間約100万ドルもの収入を得ている<ref>{{cite news|author=ニック・ハリス|title=週給£20から£33,868まで:イングランドサッカーと収入の歴史|url=http://www.sportingintelligence.com/2011/01/20/from-20-to-33868-per-week-a-quick-history-of-english-footballs-top-flight-wages-200101/|work=Sporting Intelligence|date=20 January 2011}}</ref>。その中でも特に裕福なクラブの選手は、平均で年間$600万ドルから$800万ドル<ref>[https://soccermommanual.com/soccer-salaries-how-much-do-soccer-players-make/ ヨーロッパの裕福なクラブの収入 soccermommanual.com]</ref>、最高では年間$7000万ドルもの収入を得ることができる<ref>[http://www.forbes.com/pictures/mlh45egml/no-1-cristiano-ronaldo-real-madrid/ クリスティアーノ・ロナウドの平均収入 forbes.com]</ref>。

しかし、実際にこのレベルでプレーできるのは、一部のプロサッカー選手のみであり、サッカー選手の多くは[[セミプロフェッショナル|セミプロ]]選手である。上記のような収入の多いリーグ以外のリーグでプレーする選手の収入は、比較的一般的な額である。また、ポジションによって年俸に差がある傾向も見られる。例えば、[[アメリカ]]の一部リーグに相当する[[メジャーリーグサッカー]]の[[2013年]]の平均年俸は、148693ドルだったが、そのうち[[ゴールキーパー]]の平均年俸は$85,296ドルに留まったのに対し、[[フォワード]]の選手の平均年俸は$251,805ドルと、$166,509ドルもの差があった<ref>[http://everydaylife.globalpost.com/average-amount-money-professional-soccer-player-per-year-35008.html MLSの選手の平均年俸 everydaylife.globalpost.com]</ref>。また、[[女子サッカー選手]]の平均収入は、男子よりはるかに低い。例えば、アメリカの女子サッカーリーグ、[[ナショナル・ウーマンズ・サッカーリーグ]]に所属する選手の年俸は、$30,000ドルにも満たない<ref>[http://everydaylife.globalpost.com/average-amount-money-professional-soccer-player-per-year-35008.html アメリカの女子サッカー選手の収入 oureverydaylife.com]</ref>。

[[File:Zidane Zizu.jpg|right|250px|thumb|[[ジネディーヌ・ジダン]]は、引退後、古巣[[レアル・マドリード]]の指導者に就任した。]]
引退後、一部のサッカー選手は、[[サッカー指導者]]などとして、サッカー界での仕事を続けることがある。[[1979年]]の研究では、より高いレベルのチームの選手の方が、引退後にサッカークラブの幹部の内の多くを占め、また、多くの所得が得られることが分かった<ref>{{cite journal|author1=アレン・L・サック|author2=ロバート・チール|title=大学サッカーと社会的流動性:ノートルダム大学のサッカー選手の例|journal={{仮リンク|ソーシャルジー・オブ・エデュケーション (雑誌)|label=ソーシャルジー・オブ・エデュケーション|en|Sociology of Education (journal)}}|volume=52|issue=1|pages=60–66|publisher={{仮リンク|SAGE (企業)|label=SAGE|en|SAGE Publications}}|jstor=2112594|date=January 1979|doi=10.2307/2112594}}</ref>。

== パフォーマンスの心理的側面 ==
サッカー選手のパフォーマンスは、一般的にホームチームよりもアウェーチームの方が低下するとされている。これは、[[ホームアドバンテージ]]によるものである。 この現象の原因は科学的には解明されていない<ref>{{cite journal|author=リチャード・ポラード|title=サッカーのホームアドバンテージ:未解決のパズルの現在の状況|journal=The Open Sports Sciences Journal|volume=1|pages=12-14|publisher={{仮リンク|ベンサム・サイエンス・パブリッシャーズ|en|Bentham Science Publishers}}|doi=10.2174/1875399X00801010012|date=June 2008|url=http://dx.doi.org/10.2174/1875399X00801010012|ref=harv|postscript=.}}[http://benthamopen.com/contents/pdf/TOSSJ/TOSSJ-1-12.pdf Pdf.]</ref>。また、別の研究では、[[審判員 (サッカー)|審判]]が[[ペナルティーキック]]のために0.2秒未満の短い[[ホイッスル]]を吹いた後では、長く吹かれた後よりも、ペナルティーキックを失敗する可能性が高いことが分かっている<ref>{{cite journal|author1=ゲイル・ジョーデット|author2=エスター・ハートマン|author3=エイナー・サイモンスタッド|title=代表戦におけるPK戦でのプレッシャー|journal=Psychology of Sport and Exercise|volume=10|issue=6|pages=621–627|publisher=[[エルゼビア]]|doi=10.1016/j.psychsport.2009.03.004|date=November 2009|url=http://dx.doi.org/10.1016/j.psychsport.2009.03.004|ref=harv|postscript=.}} [http://bps-research-digest.blogspot.com/2009/09/football-players-who-rush-penalty-kicks.html PKを蹴るのを急ぐ選手は失敗しやすい。2016年10月]</ref>。

== 健康への影響 ==
[[File:Kopfbälle.jpg|right|thumb|250px|ヘディングは、慢性脳損傷の発生率を増加させる。]]
[[2002年]]の[[アイルランド]]の研究機関の発表では、サッカー選手は「物理的性能の全ての分野で、高いレベルの体力と筋肉を備えている人間」と表現している<ref>{{cite journal|author1=A・ストラドウィック|author2=T・レイリー|author3=D・ドラン|title=優れたサッカー選手のフィジカルデータ|journal=The Journal of Sports Medicine and Physical Fitness|volume=42|issue=2|pages=239–242|publisher={{仮リンク|ヨーロッパ・パブメッド・セントラル|en|Europe PubMed Central}}|pmid=12032422|date=June 2002|url=http://europepmc.org/abstract/MED/12032422/reload=0;jsessionid=NPCiMZG7kKrWxI4wXOL0.4|ref=harv|postscript=.}}</ref>。

引退したサッカー選手が[[うつ病]]などを発症する確率は[[一般人]]とほぼ同じである<ref>{{cite journal|author1=T.L.シュベンク|last2=D.W.ゴレンブロ|author2=|author3=R.R.ドップ|last4=E.ヒップル|title=元サッカー選手のうつ病発生率|journal=Medicine and Science in Sports and Exercise|volume=39|issue=4|pages=599–605|pmid=17414796|date=April 2007|url=http://www.medscape.com/viewarticle/555786|ref=harv|postscript=.|doi=10.1249/mss.0b013e31802fa679}}</ref>。また、2009年の研究では、サッカーは成長期の睡眠や心理的機能に良い効果をもたらすことがわかった<ref>{{cite journal|author1=セルジ・ブランド|author2=ヨハネス・ベック|last3=Gerber|first3=Markus|author4=マルティン・ハッツィンガー|last5=ホルスベア=トラッシュスラー。ガーバー、マルクス;|first5=Edith|title=サッカーはあなたの睡眠に良い影響を与える。|journal={{仮リンク|ジャーナル・オブ・ヘルス・サイコロジー|en|Journal of Health Psychology}}|volume=14|issue=8|pages=1144–1155|publisher={{仮リンク|SAGE (企業)|label=SAGE|en|SAGE Publications}}|pmid=19858334|doi=10.1177/1359105309342602|date=November 2009|url=http://dx.doi.org/10.1177/1359105309342602|ref~harv|postscript=.}}</ref>。しかし、プロサッカー選手の[[平均寿命]]は、一般人と比較すると短いことが分かっている。[[2011年]]の[[ドイツ]]の研究では、[[サッカードイツ代表]]の選手の平均寿命は、一般の男性よりも2年程度短いことが分かった<ref>
{{cite journal|和書|author1=オリバー・キス|author2=アレクサンダー・クルティグ|author3=カリン・H・グレイザー|title=サッカー選手の寿命|journal =Scandinavian Journal of Medicine & Science in Sports|volume=21|issue=6|pages=e260–e265|publisher={{仮リンク|ワイリー・ブラックウェル|en|Wiley-Blackwell}}|doi=10.1111/j.1600-0838.2010.01269.x|date=December 2011|url=http://dx.doi.org/10.1111/j.1600-0838.2010.01269.x|ref=harv|postscript=.}}[http://www.oliverkuss.de/science/publications/Kuss_Longevity_of_Soccer_Players_An_Investigation_of_all_German_Internationals_from_1908-2006.pdf Pdf.]</ref>。元サッカ-選手は、現役時代の心身の負荷([[スポーツ障害|オーバーユーズ]])によって、引退後に慢性的な痛みに悩まされることがある。

[[2000年]]のサッカーの[[怪我]]に関する研究<ref>{{cite journal|author1=イジー・コーマック|author2=アストリッド・ユンゲ|author3=ラース・ペーターソン|author4=イジー・ドヴォルザーク|title=サッカー選手の怪我の要因|journal={{仮リンク|アメリカン・ジャーナル・オブ・スポーツ・メディシン|en|American Journal of Sports Medicine}}|volume=28|issue=s5|pages=s58–s68|publisher={{仮リンク|SAGE (企業)|label=SAGE|en|SAGE Publications}}|doi=10.1177/28.suppl_5.S-58|date=September 2000|url=http://dx.doi.org/10.1177/28.suppl_5.S-58|ref=harv|postscript=.}}</ref>によれば、怪我の原因の81.5%は外傷、18.5%は[[スポーツ障害|オーバーユース]]である。怪我の種類は、[[捻挫]]が30%を占め、続いて[[骨折]](16%)、[[肉離れ]](15%)、[[靭帯損傷]](12%)、[[半月板損傷]](8%)となっている。部位別にみると、[[膝]]の怪我が最も多くを占め(29%)、[[足首]](19%)、[[脊椎]](9%)と続いている。また、[[2012年]]の研究では、全ての怪我の19%は筋肉系の怪我であることが示されている<ref name=Heidelberg>{{cite journal|author=ヤン・エクストランド|doi=10.1007/978-3-642-15630-4_111|title=UEFAによるプロサッカー選手の怪我に関する研究|journal=Sports Injuries prevention, diagnosis, treatment and rehabilitation|pages=871–875|year=2012|isbn=978-3-642-15629-8|publisher=Springer-Verlag Berlin Heidelberg|location=Heidelberg New York}}</ref>。

[[ヘディング]]は、[[筋萎縮性側索硬化症]]の発生率の増加につながることが示されている<ref>{{cite journal||author1=アドリアーノ・キオ|author2=ジャンマルティーノ・ベンジ|author3=マウリジア・ドッセーナ|author4=ロベルト・ムターニ|author5=ガブリエレ・モラ|title=イタリアのプロサッカー選手における筋萎縮性側索硬化症のリスク|journal={{仮リンク|ブレイン (雑誌)|label=ブレイン|en|Brain (journal)}}|volume=128|issue=3|pages=472–476|publisher=[[オックスフォード大学出版局]]|pmid=15634730|doi=10.1093/brain/awh373|date=January 2005|url=http://dx.doi.org/10.1093/brain/awh373|ref=harv|postscript=.}}</ref>。1987年の元[[サッカーノルウェー代表]]の選手を対象とした研究では、三人に一人に[[外傷性脳損傷]]や[[脳挫傷]]などの脳損傷が発見された<ref>{{cite journal|author1=O.ソートランド|author2=A.T.ティッシャー|title=元サッカー代表選手の脳損傷:コンピュータ断層撮影による検査|journal=Neuroradiology|volume=31|issue=1|pages=44–48|publisher=[[シュプリンガー・サイエンス・アンド・ビジネス・メディア|シュプリンガー]]|pmid=2717003|doi=10.1007/BF00342029|date=March 1989|url=http://dx.doi.org/10.1007/BF00342029|ref=harv|postscript=.| doi-broken-date = 2016-01-20}}</ref>。また、特に脆弱な部分である[[前十字靭帯]]に、[[タックル]]などによって[[前十字靭帯損傷]]などが引き起こされることがあるほか、引退後の選手の[[股関節]]に[[変形性関節症]]が見られることも多い<ref>{{cite journal|author1=クート・B・クリュンダー|author2=ブジャーン・ルダ|last3=イェルゲン・ハンセン|title=元サッカー選手における変形性関節症|journal=Acta Orthopaedica Scandinavica|volume=51|issue=1–6|pages=925–927|publisher=[[テイラー・アンド・フランシス]]|pmid=7211298|doi=10.3109/17453678008990896|date=December 1980|url=http://dx.doi.org/10.3109/17453678008990896|ref=harv|postscript = .}} [http://www.tandfonline.com/doi/pdf/10.3109/17453678008990896 Pdf.]</ref>。また、[[太腿]]の怪我は筋肉系の怪我の54%を占めることが分かっている<ref name=Heidelberg/>。[[国際サッカー連盟|FIFA]]は2012年、これらのサッカー選手の怪我の要因について記したレポートを発表した<ref>{{cite journal|author1=コリン・W・ファラー
|author2=アストリッド・ユンゲ|author3=イジー・ドヴォルザーク|title=サッカー選手の健康を維持するためのFIFAのアプローチ|journal={{仮リンク|ブリティッシュ・ジャーナル・オブ・スポーツ・メディシン|en|British Journal of Sports Medicine}}|volume = 46|issue=1|pages=11–17|publisher={{仮リンク|BMJグループ|label=BMJ|en|BMJ (Company)}}|doi=10.1136/bjsports-2011-090634|date=January 2012|url=http://dx.doi.org/10.1136/bjsports-2011-090634|ref=harv|postscript=.}}</ref>。

== 関連項目 ==
*[[サッカー選手一覧]]

== 出典 ==
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[[Category:サッカー]]
[[Category:サッカー選手|*]]
[[Category:サッカー選手一覧|*]]

2016年11月6日 (日) 07:46時点における版

サッカー選手。

サッカー選手とは、サッカーにおいて競技を実際に行う者のことである。2.5億のサッカー選手が世界に存在すると推定されている[1]

概要

ジャン=ピエール・パパンは、サッカーを「世界共通語」と説明している[2]。サッカー選手は一般的に、ユースチームアマチュアチームでキャリアをスタートし、プロサッカー選手を目指す。

収入

ヨーロッパなどのいくつかのプロトップリーグでは、他の仕事より非常に高い収入を得ることができる。プレミアリーグの選手は、平均で年間約100万ドルもの収入を得ている[3]。その中でも特に裕福なクラブの選手は、平均で年間$600万ドルから$800万ドル[4]、最高では年間$7000万ドルもの収入を得ることができる[5]

しかし、実際にこのレベルでプレーできるのは、一部のプロサッカー選手のみであり、サッカー選手の多くはセミプロ選手である。上記のような収入の多いリーグ以外のリーグでプレーする選手の収入は、比較的一般的な額である。また、ポジションによって年俸に差がある傾向も見られる。例えば、アメリカの一部リーグに相当するメジャーリーグサッカー2013年の平均年俸は、148693ドルだったが、そのうちゴールキーパーの平均年俸は$85,296ドルに留まったのに対し、フォワードの選手の平均年俸は$251,805ドルと、$166,509ドルもの差があった[6]。また、女子サッカー選手の平均収入は、男子よりはるかに低い。例えば、アメリカの女子サッカーリーグ、ナショナル・ウーマンズ・サッカーリーグに所属する選手の年俸は、$30,000ドルにも満たない[7]

ジネディーヌ・ジダンは、引退後、古巣レアル・マドリードの指導者に就任した。

引退後、一部のサッカー選手は、サッカー指導者などとして、サッカー界での仕事を続けることがある。1979年の研究では、より高いレベルのチームの選手の方が、引退後にサッカークラブの幹部の内の多くを占め、また、多くの所得が得られることが分かった[8]

パフォーマンスの心理的側面

サッカー選手のパフォーマンスは、一般的にホームチームよりもアウェーチームの方が低下するとされている。これは、ホームアドバンテージによるものである。 この現象の原因は科学的には解明されていない[9]。また、別の研究では、審判ペナルティーキックのために0.2秒未満の短いホイッスルを吹いた後では、長く吹かれた後よりも、ペナルティーキックを失敗する可能性が高いことが分かっている[10]

健康への影響

ヘディングは、慢性脳損傷の発生率を増加させる。

2002年アイルランドの研究機関の発表では、サッカー選手は「物理的性能の全ての分野で、高いレベルの体力と筋肉を備えている人間」と表現している[11]

引退したサッカー選手がうつ病などを発症する確率は一般人とほぼ同じである[12]。また、2009年の研究では、サッカーは成長期の睡眠や心理的機能に良い効果をもたらすことがわかった[13]。しかし、プロサッカー選手の平均寿命は、一般人と比較すると短いことが分かっている。2011年ドイツの研究では、サッカードイツ代表の選手の平均寿命は、一般の男性よりも2年程度短いことが分かった[14]。元サッカ-選手は、現役時代の心身の負荷(オーバーユーズ)によって、引退後に慢性的な痛みに悩まされることがある。

2000年のサッカーの怪我に関する研究[15]によれば、怪我の原因の81.5%は外傷、18.5%はオーバーユースである。怪我の種類は、捻挫が30%を占め、続いて骨折(16%)、肉離れ(15%)、靭帯損傷(12%)、半月板損傷(8%)となっている。部位別にみると、の怪我が最も多くを占め(29%)、足首(19%)、脊椎(9%)と続いている。また、2012年の研究では、全ての怪我の19%は筋肉系の怪我であることが示されている[16]

ヘディングは、筋萎縮性側索硬化症の発生率の増加につながることが示されている[17]。1987年の元サッカーノルウェー代表の選手を対象とした研究では、三人に一人に外傷性脳損傷脳挫傷などの脳損傷が発見された[18]。また、特に脆弱な部分である前十字靭帯に、タックルなどによって前十字靭帯損傷などが引き起こされることがあるほか、引退後の選手の股関節変形性関節症が見られることも多い[19]。また、太腿の怪我は筋肉系の怪我の54%を占めることが分かっている[16]FIFAは2012年、これらのサッカー選手の怪我の要因について記したレポートを発表した[20]

関連項目

出典

  1. ^ ブリタニカ百科事典
  2. ^ アンネ=セシーレ・ジャラッセ; K・ユリア; アンドリュー・ブルジェス (2007年3月30日). “ジャン=ピエール・パパン「サッカーは世界共通語だ」”. cafébabel.com. http://www.cafebabel.co.uk/article/20539/jean-pierre-papin-football-is-a-universal-language.html 
  3. ^ ニック・ハリス (2011年1月20日). “週給£20から£33,868まで:イングランドサッカーと収入の歴史”. Sporting Intelligence. http://www.sportingintelligence.com/2011/01/20/from-20-to-33868-per-week-a-quick-history-of-english-footballs-top-flight-wages-200101/ 
  4. ^ ヨーロッパの裕福なクラブの収入 soccermommanual.com
  5. ^ クリスティアーノ・ロナウドの平均収入 forbes.com
  6. ^ MLSの選手の平均年俸 everydaylife.globalpost.com
  7. ^ アメリカの女子サッカー選手の収入 oureverydaylife.com
  8. ^ アレン・L・サック; ロバート・チール (January 1979). “大学サッカーと社会的流動性:ノートルダム大学のサッカー選手の例”. ソーシャルジー・オブ・エデュケーション英語版 (SAGE英語版) 52 (1): 60–66. doi:10.2307/2112594. JSTOR 2112594. 
  9. ^ リチャード・ポラード (June 2008). “サッカーのホームアドバンテージ:未解決のパズルの現在の状況”. The Open Sports Sciences Journal (ベンサム・サイエンス・パブリッシャーズ英語版) 1: 12-14. doi:10.2174/1875399X00801010012. http://dx.doi.org/10.2174/1875399X00801010012. Pdf.
  10. ^ ゲイル・ジョーデット; エスター・ハートマン; エイナー・サイモンスタッド (November 2009). “代表戦におけるPK戦でのプレッシャー”. Psychology of Sport and Exercise (エルゼビア) 10 (6): 621–627. doi:10.1016/j.psychsport.2009.03.004. http://dx.doi.org/10.1016/j.psychsport.2009.03.004.  PKを蹴るのを急ぐ選手は失敗しやすい。2016年10月
  11. ^ A・ストラドウィック; T・レイリー; D・ドラン (June 2002). “優れたサッカー選手のフィジカルデータ”. The Journal of Sports Medicine and Physical Fitness (ヨーロッパ・パブメッド・セントラル英語版) 42 (2): 239–242. PMID 12032422. http://europepmc.org/abstract/MED/12032422/reload=0;jsessionid=NPCiMZG7kKrWxI4wXOL0.4. 
  12. ^ T.L.シュベンク; D.W.ゴレンブロ; R.R.ドップ; E.ヒップル (April 2007). “元サッカー選手のうつ病発生率”. Medicine and Science in Sports and Exercise 39 (4): 599–605. doi:10.1249/mss.0b013e31802fa679. PMID 17414796. http://www.medscape.com/viewarticle/555786. 
  13. ^ セルジ・ブランド; ヨハネス・ベック; Gerber, Markus; マルティン・ハッツィンガー; ホルスベア=トラッシュスラー。ガーバー、マルクス;, Edith (November 2009). “サッカーはあなたの睡眠に良い影響を与える。”. ジャーナル・オブ・ヘルス・サイコロジー英語版 (SAGE英語版) 14 (8): 1144–1155. doi:10.1177/1359105309342602. PMID 19858334. http://dx.doi.org/10.1177/1359105309342602. 
  14. ^ オリバー・キス、アレクサンダー・クルティグ、カリン・H・グレイザー「サッカー選手の寿命」『Scandinavian Journal of Medicine & Science in Sports』第21巻第6号、ワイリー・ブラックウェル英語版、2011年12月、e260–e265、doi:10.1111/j.1600-0838.2010.01269.x. Pdf.
  15. ^ イジー・コーマック; アストリッド・ユンゲ; ラース・ペーターソン; イジー・ドヴォルザーク (September 2000). “サッカー選手の怪我の要因”. アメリカン・ジャーナル・オブ・スポーツ・メディシン英語版 (SAGE英語版) 28 (s5): s58–s68. doi:10.1177/28.suppl_5.S-58. http://dx.doi.org/10.1177/28.suppl_5.S-58. 
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  17. ^ アドリアーノ・キオ; ジャンマルティーノ・ベンジ; マウリジア・ドッセーナ; ロベルト・ムターニ; ガブリエレ・モラ (January 2005). “イタリアのプロサッカー選手における筋萎縮性側索硬化症のリスク”. ブレイン英語版 (オックスフォード大学出版局) 128 (3): 472–476. doi:10.1093/brain/awh373. PMID 15634730. http://dx.doi.org/10.1093/brain/awh373. 
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  20. ^ コリン・W・ファラー; アストリッド・ユンゲ; イジー・ドヴォルザーク (January 2012). “サッカー選手の健康を維持するためのFIFAのアプローチ”. ブリティッシュ・ジャーナル・オブ・スポーツ・メディシン英語版 (BMJ英語版) 46 (1): 11–17. doi:10.1136/bjsports-2011-090634. http://dx.doi.org/10.1136/bjsports-2011-090634.