「不気味の谷現象」の版間の差分
編集の要約なし |
Assemblykinematics (会話 | 投稿記録) 節構成を再編。森政弘の元論文は参考文献から切り離し、初出の小節で取扱うことに。ひとまず参考文献追加。脚注による出典との対応付けは途中。など。 |
||
1行目: | 1行目: | ||
{{出典の明記|date=2013年6月}} |
{{出典の明記|date=2013年6月}} |
||
⚫ | |||
'''不気味の谷現象'''(ぶきみのたにげんしょう、{{lang-en-short|The Uncanny Valley}})とは[[ロボット]]や他の非人間的対象に対する[[人間]]の[[感情]]的反応に関する[[ロボット工学]]上の[[概念]]である。 |
'''不気味の谷現象'''(ぶきみのたにげんしょう、{{lang-en-short|The Uncanny Valley}})とは[[ロボット]]や他の非人間的対象に対する[[人間]]の[[感情]]的反応に関する[[ロボット工学]]上の[[概念]]である。 |
||
10行目: | 9行目: | ||
このような、外見と動作が「人間にきわめて近い」ロボットと「人間と全く同じ」ロボットによって引き起こされると予想される感情的反応の差をグラフ化した際に現れる強い嫌悪感を表す谷を「不気味の谷」と呼ぶ。人間とロボットが生産的に共同作業を行うためには、人間がロボットに対して親近感を持ちうることが不可欠だが、「人間に近い」ロボットは、人間にとってひどく「奇妙」に感じられ、親近感を持てないことから名付けられた。 |
このような、外見と動作が「人間にきわめて近い」ロボットと「人間と全く同じ」ロボットによって引き起こされると予想される感情的反応の差をグラフ化した際に現れる強い嫌悪感を表す谷を「不気味の谷」と呼ぶ。人間とロボットが生産的に共同作業を行うためには、人間がロボットに対して親近感を持ちうることが不可欠だが、「人間に近い」ロボットは、人間にとってひどく「奇妙」に感じられ、親近感を持てないことから名付けられた。 |
||
== |
== 詳細 == |
||
=== 概念の初出 === |
|||
⚫ | |||
⚫ | |||
⚫ | |||
⚫ | |||
⚫ | |||
⚫ | |||
⚫ | |||
⚫ | 『Energy』は広報誌であり、一般的な企業広報誌と異なり広範で総合的な内容を扱っている。日本国外への紹介は ''The Buddha in the Robot'' などによる。こんにち定訳となっている英訳 "uncanny valley" の初出はJasia Reichardtの1978年の書''Robots: Fact, Fiction, and Prediction''である<ref>[http://spectrum.ieee.org/automaton/robotics/humanoids/an-uncanny-mind-masahiro-mori-on-the-uncanny-valley IEEE Spectrum blog, An Uncanny Mind: Masahiro Mori on the Uncanny Valley and Beyond] より</ref>。 |
||
=== 解説 === |
|||
この現象は次のように説明できる。対象が実際の人間とかけ離れている場合、人間的特徴の方が目立ち認識しやすいため、親近感を得やすい。しかし、対象がある程度「人間に近く」なってくると、非人間的特徴の方が目立ってしまい、観察者に「奇妙」な感覚をいだかせるのである。 |
この現象は次のように説明できる。対象が実際の人間とかけ離れている場合、人間的特徴の方が目立ち認識しやすいため、親近感を得やすい。しかし、対象がある程度「人間に近く」なってくると、非人間的特徴の方が目立ってしまい、観察者に「奇妙」な感覚をいだかせるのである。 |
||
17行目: | 28行目: | ||
<!-- 懸案段落ここまで --> |
<!-- 懸案段落ここまで --> |
||
== 反論 == |
=== 反論 === |
||
森以外のロボット工学者のなかには、人間のようなロボットは現在においては技術の可能性に過ぎず、森のグラフに根拠がないとして、この法則を強く批判する者もいる。恋人の頭部のリアルなコピーロボットを製作した{{仮リンク|デビッド・ハドソン|en|David Hanson}}は、「(不気味の谷のアイデアは)実際には'''[[疑似科学]]'''なのだが、人々がそれを[[科学]]であるかのように扱っている」と述べた<ref name="Hanson, 2005">David Hanson, Andrew Olney, Ismar A. Pereira & Marge Zielke (2005). Upending the Uncanny Valley. PROCEEDINGS OF THE NATIONAL CONFERENCE ON ARTIFICIAL INTELLIGENCE, 20, p. 1728-1729.</ref> 。 |
森以外のロボット工学者のなかには、人間のようなロボットは現在においては技術の可能性に過ぎず、森のグラフに根拠がないとして、この法則を強く批判する者もいる。恋人の頭部のリアルなコピーロボットを製作した{{仮リンク|デビッド・ハドソン|en|David Hanson}}は、「(不気味の谷のアイデアは)実際には'''[[疑似科学]]'''なのだが、人々がそれを[[科学]]であるかのように扱っている」と述べた<ref name="Hanson, 2005">David Hanson, Andrew Olney, Ismar A. Pereira & Marge Zielke (2005). Upending the Uncanny Valley. PROCEEDINGS OF THE NATIONAL CONFERENCE ON ARTIFICIAL INTELLIGENCE, 20, p. 1728-1729.</ref> 。 |
||
== 問題点 == |
=== 問題点 === |
||
不気味の谷の最大の問題は、V字曲線のように本当に感情的反応の肯定が回復するのかという点である。本当に完全な人間に近づけば好感度が増すのか、そして「人間と全く同じ」になれば好感を持つのかに疑問が残る。「人間と全く同じ」ロボットが作られたことはないため、誰にも分からないためである。たとえ「人間と全く同じ」だとしても、ロボットだと聞けば不快感を持つ可能性もあり、ロボットが完璧すぎると逆に気味が悪く感じる可能性もあるからである。 |
不気味の谷の最大の問題は、V字曲線のように本当に感情的反応の肯定が回復するのかという点である。本当に完全な人間に近づけば好感度が増すのか、そして「人間と全く同じ」になれば好感を持つのかに疑問が残る。「人間と全く同じ」ロボットが作られたことはないため、誰にも分からないためである。たとえ「人間と全く同じ」だとしても、ロボットだと聞けば不快感を持つ可能性もあり、ロボットが完璧すぎると逆に気味が悪く感じる可能性もあるからである。 |
||
== 映画における不気味の谷現象 == |
== 事例 == |
||
=== 映画における不気味の谷現象 === |
|||
この原理はコンピュータ動画のキャラクターに適用されるようになった。アメリカの[[映画評論家]][[ロジャー・エバート]]は、映画中の人間に類する生物のメーキャップと衣装について不気味の谷の概念を適用した。 |
この原理はコンピュータ動画のキャラクターに適用されるようになった。アメリカの[[映画評論家]][[ロジャー・エバート]]は、映画中の人間に類する生物のメーキャップと衣装について不気味の谷の概念を適用した。 |
||
不気味の谷はコンピュータ動画のキャラクターを作るときの難しさの原因であると考えられた。コンピュータ動画を使った映画を批評するとき、ある映画に対する嫌悪感を説明するためにときどき不気味の谷が言及される。この原則によると、人間に良い感情を抱かせるためには、不気味の谷に落ちないように、登場人物には人間的な特徴をより少なくしたほうがよいという結論になる。 |
不気味の谷はコンピュータ動画のキャラクターを作るときの難しさの原因であると考えられた。コンピュータ動画を使った映画を批評するとき、ある映画に対する嫌悪感を説明するためにときどき不気味の谷が言及される。この原則によると、人間に良い感情を抱かせるためには、不気味の谷に落ちないように、登場人物には人間的な特徴をより少なくしたほうがよいという結論になる。 |
||
; トイ・ストーリー |
|||
{{要出典範囲|映画における不気味の谷の存在を否定する意見への1つの反例は、[[ピクサー・アニメーション・スタジオ]]の初期の作品「Tin Toy」である|date=2012年12月}}。この作品に登場する赤ん坊は完全にコンピュータによって作成されていたのだが、人間っぽく見えないので、子供たちにとって恐ろしくまたは不愉快に見えることが分かるだろう。この効果はそのキャラクターが2次元的であることによって軽減されているが、過度に細かく描写されたしわと、唾液の(比較的)初歩的な[[レンダリング (コンピュータ)|レンダリング]]のために、キャラクターは邪悪か、さもなくば非現実的に見える。 |
: {{要出典範囲|映画における不気味の谷の存在を否定する意見への1つの反例は、[[ピクサー・アニメーション・スタジオ]]の初期の作品「Tin Toy」である|date=2012年12月}}。この作品に登場する赤ん坊は完全にコンピュータによって作成されていたのだが、人間っぽく見えないので、子供たちにとって恐ろしくまたは不愉快に見えることが分かるだろう。この効果はそのキャラクターが2次元的であることによって軽減されているが、過度に細かく描写されたしわと、唾液の(比較的)初歩的な[[レンダリング (コンピュータ)|レンダリング]]のために、キャラクターは邪悪か、さもなくば非現実的に見える。 |
||
類似の効果が映画「[[トイ・ストーリー]]」の人形の頭で見られる。それらは本質的には動くデフォルメされた人間の頭であるために、これらのキャラクターもまた子供に恐ろしく感じられることがある。たとえそれが恐ろしくないとしても、それほど人間に似ていないという理由で、たいていの子供はキュートな外見のエイリアンやウッディーの方が好きである。 |
: 類似の効果が映画「[[トイ・ストーリー]]」の人形の頭で見られる。それらは本質的には動くデフォルメされた人間の頭であるために、これらのキャラクターもまた子供に恐ろしく感じられることがある。たとえそれが恐ろしくないとしても、それほど人間に似ていないという理由で、たいていの子供はキュートな外見のエイリアンやウッディーの方が好きである。 |
||
; ファイナルファンタジー |
|||
スクウェア・ピクチャーズの[[2001年]]の映画「[[ファイナルファンタジー (映画)|ファイナルファンタジー]]」は興行的に失敗し、そしてしばしば不気味の谷の犠牲者として引用される。この映画は写実的リアリズムのキャラクターを呼び物にした初の本格的CGI映画であった。不気味の谷理論はファイナルファンタジーのキャラクターの動きで最も顕著であると思われる。キャラクターは、目に見えるような汗をまったくかかないし、目と唇の動きは「奇怪」に見える。これら2つは恐らくコンピュータ動画で達成するべき最も困難なテクニックであろう。 |
: スクウェア・ピクチャーズの[[2001年]]の映画「[[ファイナルファンタジー (映画)|ファイナルファンタジー]]」は興行的に失敗し、そしてしばしば不気味の谷の犠牲者として引用される{{Sfn|植田一博|2013|p=833}}。この映画は写実的リアリズムのキャラクターを呼び物にした初の本格的CGI映画であった。不気味の谷理論はファイナルファンタジーのキャラクターの動きで最も顕著であると思われる。キャラクターは、目に見えるような汗をまったくかかないし、目と唇の動きは「奇怪」に見える。これら2つは恐らくコンピュータ動画で達成するべき最も困難なテクニックであろう。 |
||
; ロード・オブ・ザ・リング |
|||
[[コンピュータアニメーション]]において、それらしい人間の動きを実現し不気味の谷を「跳び越える」最も良い方法は、[[モーションキャプチャ]]と[[キーフレーム法]]の両方が融合された方法であると言われている。前者は広く用いられる技術になったが、キーフレーム法はアニメーション産業全体でまだ広く使われている。 |
: [[コンピュータアニメーション]]において、それらしい人間の動きを実現し不気味の谷を「跳び越える」最も良い方法は、[[モーションキャプチャ]]と[[キーフレーム法]]の両方が融合された方法であると言われている。前者は広く用いられる技術になったが、キーフレーム法はアニメーション産業全体でまだ広く使われている。 |
||
[[J・R・R・トールキン]]の「[[指輪物語]]」を翻案した映画[[ロード・オブ・ザ・リング]]シリーズには[[ゴクリ|ゴラム]]というキャラクターが登場したのだが、この2つのテクニックを融合させて衝撃的な効果を得た(ただし、ゴラムの目と顔はキーフレーム法のみが使用された)。また、ゴラムのアニメーションには(皮膚のきめと唇の周りの唾液のような効果を含めて)キャラクターの外観が不気味の谷の反対側に達するほどの先進的なモデリングが用いられていた。しかしながら、ゴラムに関しての1つの明白な事実は、人物が明らかに人間でない、そして初めから意図して不気味に作られている場合、同じ技法を使って形作られたとしても、人間の姿によって引き起こされるのと同じ反応を必ずしも引き起こさないということである。 |
: [[J・R・R・トールキン]]の「[[指輪物語]]」を翻案した映画[[ロード・オブ・ザ・リング]]シリーズには[[ゴクリ|ゴラム]]というキャラクターが登場したのだが、この2つのテクニックを融合させて衝撃的な効果を得た(ただし、ゴラムの目と顔はキーフレーム法のみが使用された)。また、ゴラムのアニメーションには(皮膚のきめと唇の周りの唾液のような効果を含めて)キャラクターの外観が不気味の谷の反対側に達するほどの先進的なモデリングが用いられていた。しかしながら、ゴラムに関しての1つの明白な事実は、人物が明らかに人間でない、そして初めから意図して不気味に作られている場合、同じ技法を使って形作られたとしても、人間の姿によって引き起こされるのと同じ反応を必ずしも引き起こさないということである。 |
||
; Mr.インクレディブル |
|||
技術の進歩にもかかわらず、[[2004年]]の{{要出典範囲|2つのCGI映画「[[Mr.インクレディブル]]」と「[[ポーラー・エクスプレス]]」に不気味の谷が影響を与えたと言われている|date=2012年12月}}。公開日が近かったために2つの映画は多くの批評家に比較されることになったが、({{要出典範囲|多くの批評家によって「不安を感じさせる」と描写された|date=2012年12月}}){{要出典範囲|「ポーラー・エクスプレス」のより人間に近いキャラクターよりも、意図的に形式化した「Mr.インクレディブル」のキャラクターの方が好まれた|date=2012年12月}}。 |
: 技術の進歩にもかかわらず、[[2004年]]の{{要出典範囲|2つのCGI映画「[[Mr.インクレディブル]]」と「[[ポーラー・エクスプレス]]」に不気味の谷が影響を与えたと言われている|date=2012年12月}}。公開日が近かったために2つの映画は多くの批評家に比較されることになったが、({{要出典範囲|多くの批評家によって「不安を感じさせる」と描写された|date=2012年12月}}){{要出典範囲|「ポーラー・エクスプレス」のより人間に近いキャラクターよりも、意図的に形式化した「Mr.インクレディブル」のキャラクターの方が好まれた|date=2012年12月}}。{{要出典範囲|ピクサーは「Mr.インクレディブル」でキャラクターを形式化した理由は、キャラクターをよりリアルにすることができなかったためではなく、不気味の谷を避ける試みであったと述べた|date=2012年12月}}。 |
||
{{要出典範囲|ピクサーは「Mr.インクレディブル」でキャラクターを形式化した理由は、キャラクターをよりリアルにすることができなかったためではなく、不気味の谷を避ける試みであったと述べた|date=2012年12月}}。 |
|||
; アニマトリックス |
|||
CGアニメーション「[[アニマトリックス]]」中の「ファイナル・フライト・オブ・ザ・オシリス」も同じく不気味の谷の犠牲になった。これは「ファイナルファンタジー」と同じ技術で製作されたものであるが、ある意味不気味になることを狙っていた。「ファイナル・フライト・オブ・ザ・オシリス」で登場するような不気味の谷の特徴を持っているキャラクターのエロチックな映像は、「性的に興奮させる」「人外である」という矛盾するメッセージを与えるために、特に不安を感じさせる。 |
: CGアニメーション「[[アニマトリックス]]」中の「ファイナル・フライト・オブ・ザ・オシリス」も同じく不気味の谷の犠牲になった。これは「ファイナルファンタジー」と同じ技術で製作されたものであるが、ある意味不気味になることを狙っていた。「ファイナル・フライト・オブ・ザ・オシリス」で登場するような不気味の谷の特徴を持っているキャラクターのエロチックな映像は、「性的に興奮させる」「人外である」という矛盾するメッセージを与えるために、特に不安を感じさせる。 |
||
; A.I. |
|||
不気味の谷はロボティックスを扱った映画の筋として用いられることもある。「[[A.I.]]」は新型のアンドロイドがリアルに作られていることに多くの人々が不安を感じている未来世界を描いている。例えば、「肉体祭り」と呼ばれるロボット破壊競技を見て大喜びする騒々しい群衆が、次の引き裂かれる対象がリアルな少年のロボットであると、急に愛らしい人間のように思われて静まり返る。 |
: 不気味の谷はロボティックスを扱った映画の筋として用いられることもある。「[[A.I.]]」は新型のアンドロイドがリアルに作られていることに多くの人々が不安を感じている未来世界を描いている。例えば、「肉体祭り」と呼ばれるロボット破壊競技を見て大喜びする騒々しい群衆が、次の引き裂かれる対象がリアルな少年のロボットであると、急に愛らしい人間のように思われて静まり返る。 |
||
; アイ,ロボット |
|||
「[[アイ,ロボット]]」では、USロボティックス社の最新型ロボットは表情と外観がよりいっそう人間に類似している。これが、旧型の箱型金属ロボットに悩ませられていた主人公デル・スプーナをより不安にさせる。「なぜ彼らに顔を付けた?」彼は一面に並ぶまったく同じ外見の新型ロボットを凝視しながらロボットのプログラマーの1人に尋ねる。そして彼は拳銃を至近距離からロボットの「顔面」に発砲、撃ち壊すのだが、それは、彼が「人間」を「処刑」する光景に息をのむであろう映画の観客に、彼の不安が正しいことを効果的に表す。 |
: 「[[アイ,ロボット]]」では、USロボティックス社の最新型ロボットは表情と外観がよりいっそう人間に類似している。これが、旧型の箱型金属ロボットに悩ませられていた主人公デル・スプーナをより不安にさせる。「なぜ彼らに顔を付けた?」彼は一面に並ぶまったく同じ外見の新型ロボットを凝視しながらロボットのプログラマーの1人に尋ねる。そして彼は拳銃を至近距離からロボットの「顔面」に発砲、撃ち壊すのだが、それは、彼が「人間」を「処刑」する光景に息をのむであろう映画の観客に、彼の不安が正しいことを効果的に表す。 |
||
== 猿における不気味の谷 == |
=== 猿における不気味の谷 === |
||
不気味の谷現象は[[サル|猿]]にも見られる。[[プリンストン大学]]のShawn A. SteckenfingerとAsif A. Ghazanfarが行った研究によると、5匹の[[カニクイザル]]に対し、猿の顔の[[デフォルメ]]画像、実物に近いCG画像、実物写真をそれぞれ見せたところ、実物に近いCG画像を凝視する回数が有意に少ないということが明らかになった |
不気味の谷現象は[[サル|猿]]にも見られる。[[プリンストン大学]]のShawn A. SteckenfingerとAsif A. Ghazanfarが行った研究によると、5匹の[[カニクイザル]]に対し、猿の顔の[[デフォルメ]]画像、実物に近いCG画像、実物写真をそれぞれ見せたところ、実物に近いCG画像を凝視する回数が有意に少ないということが明らかになった |
||
<ref>[http://www.pnas.org/content/early/2009/10/07/0910063106.full.pdf Monkey visual behavior falls into the uncanny valley]</ref><ref>{{cite web|url=http://wired.jp/2009/10/14/リアルすぎる不安:『不気味の谷』現象をサルで/|title=リアルすぎる不安:『不気味の谷』現象をサルで|publisher=wired.jp|accessdate=2013-11-21}}</ref>。 |
<ref>[http://www.pnas.org/content/early/2009/10/07/0910063106.full.pdf Monkey visual behavior falls into the uncanny valley]</ref><ref>{{cite web|url=http://wired.jp/2009/10/14/リアルすぎる不安:『不気味の谷』現象をサルで/|title=リアルすぎる不安:『不気味の谷』現象をサルで|publisher=wired.jp|accessdate=2013-11-21}}</ref>。 |
||
== |
=== アナロジーとしての不気味の谷 === |
||
ESPNの「ページ2」では、コラムニストのパトリック・ハルビー (Patrick Hurby) が伝統的なセンスにおける不気味の谷を説明している<ref>{{ |
ESPNの「ページ2」では、コラムニストのパトリック・ハルビー (Patrick Hurby) が伝統的なセンスにおける不気味の谷を説明している<ref>{{Cite news|url= http://sports.espn.go.com/espn/page2/story?page=hruby/051122|title=Reality Bytes |newspaper=ESPN|author=Partrick Hurby|date=2005-11-22|accessdate=2013-11-21}}</ref>。ここでは"[[マッデンNFL]] 06"のプレーヤーが、多くのCGI映画を脅かしている困惑するほど人間そっくりなキャラクターの特徴を示すことを指摘している。このコラムでは不気味の谷という用語を、毎年最下位のチームのファンと毎年準優勝するチームのファンのどちらがより多く経験するかについての、きちんと文書で立証された類似性の討論に拡張した。ハルビーは、[[レッドソックス]]ネーションのような毎年準優勝するチームのファンの方が、チームの明白な優勝の可能性と、優勝を目前にしてわずかに達しない歴史の間に横たわる「不気味の谷」のために一層苦しむと考えた。 |
||
{{要出典範囲|drunkenblogの論文では、多くのコンピュータ・プログラマが[[AppleScript]]プログラミング言語を使うとき経験するフラストレーションを表現するために、不気味の谷のアナロジーを使う。|date=2013年11月}} |
{{要出典範囲|drunkenblogの論文では、多くのコンピュータ・プログラマが[[AppleScript]]プログラミング言語を使うとき経験するフラストレーションを表現するために、不気味の谷のアナロジーを使う。|date=2013年11月}} |
||
71行目: | 82行目: | ||
== 参考文献 == |
== 参考文献 == |
||
⚫ | |||
⚫ | |||
⚫ | |||
⚫ | |||
⚫ | *{{Cite journal|url= http://www.androidscience.com/proceedings2005/MacDormanCogSci2005AS.pdf |title=Androids as an experimental apparatus: Why is there an uncanny valley and can we exploit it?|author=[http://www.macdorman.com MacDorman, K. F.]|year=2005|journal=[http://www.androidscience.com CogSci-2005 Workshop: Toward Social Mechanisms of Android Science]|pages=106-118|ref=harv}} (An English translation of Mori's "The Uncanny Valley" made by Karl MacDorman and Takashi Minato appears in Appendix B of the paper.) |
||
⚫ | |||
⚫ | *{{Cite journal|url= http://www.macdorman.com/kfm/writings/pubs/MacDorman2006AndroidScience.pdf |title=The uncanny advantage of using androids in cognitive science research|author=MacDorman, Karl F.|author2=Ishiguro, H.|journal=Interaction Studies|volume=7|number=3|year=2006|pages=297-337|ref=harv}} |
||
⚫ | |||
⚫ | *{{Cite journal|url= http://www.macdorman.com/kfm/writings/pubs/MacDorman2006SubjectiveRatings.pdf |title=Subjective ratings of robot video clips for human likeness, familiarity, and eeriness: An exploration of the uncanny valley|journal=ICCS/CogSci-2006 Long Symposium: Toward Social Mechanisms of Android Science July 26, 2005. Vancouver, Canada. |year=2006|author=MacDorman, K. F.|ref=harv}} |
||
⚫ | |||
*{{Cite web|url= http://robonable.typepad.jp/robot/2007/ |title=ココロ「不気味の谷」を越えるレベルにまで到達したのではないでしょうか|author=山田尚子|date=2007-10-22|work=ロボット業界最前線|publisher=robonable|accessdate=2015-01-19}} |
|||
⚫ | |||
*{{Cite journal|url= http://dx.doi.org/10.1111/j.1468-5884.2012.00538.x |author=Yuki Yamada|author2=Takahiro Kawabe|author3=Keiko Ihaya|title=Categorization difficulty is associated with negative evaluation in the “uncanny valley” phenomenon|journal=Japanese Psychological Research|volume=55|number=1|year=2013|pages=20-32|ref=harv}} |
|||
⚫ | |||
*{{Cite journal|和書|url= http://dx.doi.org/10.7210/jrsj.31.833 |title=アニマシー知覚:人工物から感じられる生物らしさ|author=植田一博|journal=日本ロボット学会誌|volume=31|number=9|year=2013|month=11|pages=833-835|ref=harv}} |
|||
⚫ | |||
⚫ | * |
||
⚫ | |||
⚫ | * |
||
⚫ | 『Energy』は広報誌 |
||
== 関連項目 == |
== 関連項目 == |
||
98行目: | 104行目: | ||
== 外部リンク == |
== 外部リンク == |
||
* [http://www.is.sys.es.osaka-u.ac.jp/research/0007/index.ja.html アンドロイドと「不気味の谷」] 大阪大学知能ロボット学研究室 |
* [http://www.is.sys.es.osaka-u.ac.jp/research/0007/index.ja.html アンドロイドと「不気味の谷」] 大阪大学知能ロボット学研究室{{リンク切れ|date=2015年1月}} |
||
* [http://j-net21.smrj.go.jp/develop/techno/entry/2009100801.html 不気味の谷 J- Net21 中小企業ビジネス支援サイト] 中小企業基盤整備機構 |
* [http://j-net21.smrj.go.jp/develop/techno/entry/2009100801.html 不気味の谷 J- Net21 中小企業ビジネス支援サイト] 中小企業基盤整備機構 |
||
{{ |
{{デフォルトソート:ふきみのたに}} |
||
[[Category:ロボット工学]] |
[[Category:ロボット工学]] |
||
[[Category:心理学]] |
[[Category:心理学]] |
2015年1月19日 (月) 03:41時点における版
![]() |
不気味の谷現象(ぶきみのたにげんしょう、英: The Uncanny Valley)とはロボットや他の非人間的対象に対する人間の感情的反応に関するロボット工学上の概念である。
![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/c/c0/Wpdms_fh_uncanny_valley.jpg)
概要
ロボット工学者の森政弘・東京工業大学名誉教授が1970年に提唱した。森は、人間のロボットに対する感情的反応について、ロボットがその外観や動作において、より人間らしく作られるようになるにつれ、より好感的、共感的になっていくが、ある時点で突然強い嫌悪感に変わると予想した。人間の外観や動作と見分けがつかなくなると再びより強い好感に転じ、人間と同じような親近感を覚えるようになると考えた。
このような、外見と動作が「人間にきわめて近い」ロボットと「人間と全く同じ」ロボットによって引き起こされると予想される感情的反応の差をグラフ化した際に現れる強い嫌悪感を表す谷を「不気味の谷」と呼ぶ。人間とロボットが生産的に共同作業を行うためには、人間がロボットに対して親近感を持ちうることが不可欠だが、「人間に近い」ロボットは、人間にとってひどく「奇妙」に感じられ、親近感を持てないことから名付けられた。
詳細
概念の初出
- 森政弘「不気味の谷」『Energy』第7巻第4号、エッソスタンダード石油(株)、1970年、33-35頁。
- ブログgetroboにて再録(著者公認) http://www.getrobo.com
- ロボコンマガジンによる再録 森政弘「ロボット博士の創造への扉 第27回 不気味の谷:人型ロボットデザインへの注意」『ロボコンマガジン』、28号、(株)オーム社、2003年、49 - 51頁。
- 英訳 doi:10.1109/MRA.2012.2192811 (IEEE Robotics & Automation Magazine誌掲載)
- 上記英訳のオンライン公開版 The Uncanny Valley (K. F. MacDorman & Norri Kageki, Trans., 2012)
- 関連インタビュー An Uncanny Mind: Masahiro Mori on the Uncanny Valley and Beyond
- 以前の英訳 The uncanny valley (K. F. MacDorman & T. Minato, Trans., 2005)
『Energy』は広報誌であり、一般的な企業広報誌と異なり広範で総合的な内容を扱っている。日本国外への紹介は The Buddha in the Robot などによる。こんにち定訳となっている英訳 "uncanny valley" の初出はJasia Reichardtの1978年の書Robots: Fact, Fiction, and Predictionである[1]。
解説
この現象は次のように説明できる。対象が実際の人間とかけ離れている場合、人間的特徴の方が目立ち認識しやすいため、親近感を得やすい。しかし、対象がある程度「人間に近く」なってくると、非人間的特徴の方が目立ってしまい、観察者に「奇妙」な感覚をいだかせるのである。
他に、ヒューマノイドが多くの不自然な外観を見せる点で、病人や死体と共通するために、ロボットに対して同じような警戒感や、嫌悪感を抱くことが考えられる。死体の場合、その気持ち悪さはわかりやすいが、ロボットの場合は、それがいったいなぜ気持ち悪いのか、明確な理由がわからないために、実際には死体よりも不気味に感じることもあるだろう。動作の不自然さもまた、病気や神経症、精神障害などを思い起こさせ、否定的な印象を与える。
反論
森以外のロボット工学者のなかには、人間のようなロボットは現在においては技術の可能性に過ぎず、森のグラフに根拠がないとして、この法則を強く批判する者もいる。恋人の頭部のリアルなコピーロボットを製作したデビッド・ハドソンは、「(不気味の谷のアイデアは)実際には疑似科学なのだが、人々がそれを科学であるかのように扱っている」と述べた[2] 。
問題点
不気味の谷の最大の問題は、V字曲線のように本当に感情的反応の肯定が回復するのかという点である。本当に完全な人間に近づけば好感度が増すのか、そして「人間と全く同じ」になれば好感を持つのかに疑問が残る。「人間と全く同じ」ロボットが作られたことはないため、誰にも分からないためである。たとえ「人間と全く同じ」だとしても、ロボットだと聞けば不快感を持つ可能性もあり、ロボットが完璧すぎると逆に気味が悪く感じる可能性もあるからである。
事例
映画における不気味の谷現象
この原理はコンピュータ動画のキャラクターに適用されるようになった。アメリカの映画評論家ロジャー・エバートは、映画中の人間に類する生物のメーキャップと衣装について不気味の谷の概念を適用した。
不気味の谷はコンピュータ動画のキャラクターを作るときの難しさの原因であると考えられた。コンピュータ動画を使った映画を批評するとき、ある映画に対する嫌悪感を説明するためにときどき不気味の谷が言及される。この原則によると、人間に良い感情を抱かせるためには、不気味の谷に落ちないように、登場人物には人間的な特徴をより少なくしたほうがよいという結論になる。
- トイ・ストーリー
- 映画における不気味の谷の存在を否定する意見への1つの反例は、ピクサー・アニメーション・スタジオの初期の作品「Tin Toy」である[要出典]。この作品に登場する赤ん坊は完全にコンピュータによって作成されていたのだが、人間っぽく見えないので、子供たちにとって恐ろしくまたは不愉快に見えることが分かるだろう。この効果はそのキャラクターが2次元的であることによって軽減されているが、過度に細かく描写されたしわと、唾液の(比較的)初歩的なレンダリングのために、キャラクターは邪悪か、さもなくば非現実的に見える。
- 類似の効果が映画「トイ・ストーリー」の人形の頭で見られる。それらは本質的には動くデフォルメされた人間の頭であるために、これらのキャラクターもまた子供に恐ろしく感じられることがある。たとえそれが恐ろしくないとしても、それほど人間に似ていないという理由で、たいていの子供はキュートな外見のエイリアンやウッディーの方が好きである。
- ファイナルファンタジー
- スクウェア・ピクチャーズの2001年の映画「ファイナルファンタジー」は興行的に失敗し、そしてしばしば不気味の谷の犠牲者として引用される[3]。この映画は写実的リアリズムのキャラクターを呼び物にした初の本格的CGI映画であった。不気味の谷理論はファイナルファンタジーのキャラクターの動きで最も顕著であると思われる。キャラクターは、目に見えるような汗をまったくかかないし、目と唇の動きは「奇怪」に見える。これら2つは恐らくコンピュータ動画で達成するべき最も困難なテクニックであろう。
- ロード・オブ・ザ・リング
- コンピュータアニメーションにおいて、それらしい人間の動きを実現し不気味の谷を「跳び越える」最も良い方法は、モーションキャプチャとキーフレーム法の両方が融合された方法であると言われている。前者は広く用いられる技術になったが、キーフレーム法はアニメーション産業全体でまだ広く使われている。
- J・R・R・トールキンの「指輪物語」を翻案した映画ロード・オブ・ザ・リングシリーズにはゴラムというキャラクターが登場したのだが、この2つのテクニックを融合させて衝撃的な効果を得た(ただし、ゴラムの目と顔はキーフレーム法のみが使用された)。また、ゴラムのアニメーションには(皮膚のきめと唇の周りの唾液のような効果を含めて)キャラクターの外観が不気味の谷の反対側に達するほどの先進的なモデリングが用いられていた。しかしながら、ゴラムに関しての1つの明白な事実は、人物が明らかに人間でない、そして初めから意図して不気味に作られている場合、同じ技法を使って形作られたとしても、人間の姿によって引き起こされるのと同じ反応を必ずしも引き起こさないということである。
- Mr.インクレディブル
- 技術の進歩にもかかわらず、2004年の2つのCGI映画「Mr.インクレディブル」と「ポーラー・エクスプレス」に不気味の谷が影響を与えたと言われている[要出典]。公開日が近かったために2つの映画は多くの批評家に比較されることになったが、(多くの批評家によって「不安を感じさせる」と描写された[要出典])「ポーラー・エクスプレス」のより人間に近いキャラクターよりも、意図的に形式化した「Mr.インクレディブル」のキャラクターの方が好まれた[要出典]。ピクサーは「Mr.インクレディブル」でキャラクターを形式化した理由は、キャラクターをよりリアルにすることができなかったためではなく、不気味の谷を避ける試みであったと述べた[要出典]。
- アニマトリックス
- CGアニメーション「アニマトリックス」中の「ファイナル・フライト・オブ・ザ・オシリス」も同じく不気味の谷の犠牲になった。これは「ファイナルファンタジー」と同じ技術で製作されたものであるが、ある意味不気味になることを狙っていた。「ファイナル・フライト・オブ・ザ・オシリス」で登場するような不気味の谷の特徴を持っているキャラクターのエロチックな映像は、「性的に興奮させる」「人外である」という矛盾するメッセージを与えるために、特に不安を感じさせる。
- A.I.
- 不気味の谷はロボティックスを扱った映画の筋として用いられることもある。「A.I.」は新型のアンドロイドがリアルに作られていることに多くの人々が不安を感じている未来世界を描いている。例えば、「肉体祭り」と呼ばれるロボット破壊競技を見て大喜びする騒々しい群衆が、次の引き裂かれる対象がリアルな少年のロボットであると、急に愛らしい人間のように思われて静まり返る。
- アイ,ロボット
- 「アイ,ロボット」では、USロボティックス社の最新型ロボットは表情と外観がよりいっそう人間に類似している。これが、旧型の箱型金属ロボットに悩ませられていた主人公デル・スプーナをより不安にさせる。「なぜ彼らに顔を付けた?」彼は一面に並ぶまったく同じ外見の新型ロボットを凝視しながらロボットのプログラマーの1人に尋ねる。そして彼は拳銃を至近距離からロボットの「顔面」に発砲、撃ち壊すのだが、それは、彼が「人間」を「処刑」する光景に息をのむであろう映画の観客に、彼の不安が正しいことを効果的に表す。
猿における不気味の谷
不気味の谷現象は猿にも見られる。プリンストン大学のShawn A. SteckenfingerとAsif A. Ghazanfarが行った研究によると、5匹のカニクイザルに対し、猿の顔のデフォルメ画像、実物に近いCG画像、実物写真をそれぞれ見せたところ、実物に近いCG画像を凝視する回数が有意に少ないということが明らかになった [4][5]。
アナロジーとしての不気味の谷
ESPNの「ページ2」では、コラムニストのパトリック・ハルビー (Patrick Hurby) が伝統的なセンスにおける不気味の谷を説明している[6]。ここでは"マッデンNFL 06"のプレーヤーが、多くのCGI映画を脅かしている困惑するほど人間そっくりなキャラクターの特徴を示すことを指摘している。このコラムでは不気味の谷という用語を、毎年最下位のチームのファンと毎年準優勝するチームのファンのどちらがより多く経験するかについての、きちんと文書で立証された類似性の討論に拡張した。ハルビーは、レッドソックスネーションのような毎年準優勝するチームのファンの方が、チームの明白な優勝の可能性と、優勝を目前にしてわずかに達しない歴史の間に横たわる「不気味の谷」のために一層苦しむと考えた。
drunkenblogの論文では、多くのコンピュータ・プログラマがAppleScriptプログラミング言語を使うとき経験するフラストレーションを表現するために、不気味の谷のアナロジーを使う。[要出典]
また自然言語処理、具体的には、音声認識、日本語入力での誤変換、翻訳ソフトに対する過剰ないらだちも、なまじ人間に近いが不完全な結果を出す、という点で類似点がある[要出典]。
森正弥は、E-Commerce等で広く使用されるレコメンデーションシステムにおいても同様の現象があると指摘している。ユーザーの好みに近い情報や商品を提示していくレコメンデーションも最初は興味をもってユーザーは反応してくれるが、あまりにもユーザーの好みやコンテキストを捉えすぎると、強い嫌悪感を誘発しかねない。いわゆるビッグデータの活用等によるレコメンデーションシステムもこの「不気味の谷」が提起している問題に十分に配慮する必要があるのではないかということである[7]。
脚注
- ^ IEEE Spectrum blog, An Uncanny Mind: Masahiro Mori on the Uncanny Valley and Beyond より
- ^ David Hanson, Andrew Olney, Ismar A. Pereira & Marge Zielke (2005). Upending the Uncanny Valley. PROCEEDINGS OF THE NATIONAL CONFERENCE ON ARTIFICIAL INTELLIGENCE, 20, p. 1728-1729.
- ^ 植田一博 2013, p. 833.
- ^ Monkey visual behavior falls into the uncanny valley
- ^ “リアルすぎる不安:『不気味の谷』現象をサルで”. wired.jp. 2013年11月21日閲覧。
- ^ Partrick Hurby (2005年11月22日). “Reality Bytes”. ESPN 2013年11月21日閲覧。
- ^ 研究開発リーダー2014年12月号「特集『ビッグデータの分析から見えてくる研究開発テーマの発掘』」(技術情報協会) ISSN 1349-1393
参考文献
![]() |
- H. Ishiguro (2005). “Android science: Toward a new cross-disciplinary framework”. CogSci-2005 Workshop: Toward Social Mechanisms of Android Science: pp.1–6 .
- MacDorman, K. F. (2005). “Androids as an experimental apparatus: Why is there an uncanny valley and can we exploit it?”. CogSci-2005 Workshop: Toward Social Mechanisms of Android Science: 106-118 . (An English translation of Mori's "The Uncanny Valley" made by Karl MacDorman and Takashi Minato appears in Appendix B of the paper.)
- MacDorman, Karl F.; Ishiguro, H. (2006). “The uncanny advantage of using androids in cognitive science research”. Interaction Studies 7 (3): 297-337 .
- MacDorman, K. F. (2006). “Subjective ratings of robot video clips for human likeness, familiarity, and eeriness: An exploration of the uncanny valley”. ICCS/CogSci-2006 Long Symposium: Toward Social Mechanisms of Android Science July 26, 2005. Vancouver, Canada. .
- 山田尚子 (2007年10月22日). “ココロ「不気味の谷」を越えるレベルにまで到達したのではないでしょうか”. ロボット業界最前線. robonable. 2015年1月19日閲覧。
- Yuki Yamada; Takahiro Kawabe; Keiko Ihaya (2013). “Categorization difficulty is associated with negative evaluation in the “uncanny valley” phenomenon”. Japanese Psychological Research 55 (1): 20-32 .
- 植田一博「アニマシー知覚:人工物から感じられる生物らしさ」『日本ロボット学会誌』第31巻第9号、2013年11月、833-835頁。
関連項目
外部リンク
- アンドロイドと「不気味の谷」 大阪大学知能ロボット学研究室[リンク切れ]
- 不気味の谷 J- Net21 中小企業ビジネス支援サイト 中小企業基盤整備機構