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== 形態 ==
== 形態 ==
最長種は[[ウスタレカメレオン]]で全長69cm。最重量種は[[パーソンカメレオン]]。最小種は[[ブロケシア・ミクラ]]で、体長は最大でおよそ29mm程度<ref>{{Cite journal | last1 = Glaw | first1 = F. | last2 = Köhler | first2 = J. R. | last3 = Townsend | first3 = T. M. | last4 = Vences | first4 = M. | editor1-last = Salamin | editor1-first = Nicolas | title = Rivaling the World's Smallest Reptiles: Discovery of Miniaturized and Microendemic New Species of Leaf Chameleons (Brookesia) from Northern Madagascar | doi = 10.1371/journal.pone.0031314 | journal = PLoS ONE | volume = 7 | issue = 2 | pages = e31314 | year = 2012 | pmid = | pmc = | language = 英語}}</ref>。
最長種は[[ウスタレカメレオン]]で全長69cm。最重量種は[[パーソンカメレオン]]。最小種は[[ミニマヒメカメレオン]]で全長3cm。体形は側偏する。


種にもよるが気分や体調により体色を'''限定的'''ながら変色させることができる。例を挙げると
種にもよるが気分や体調により体色を'''限定的'''ながら変色させることができる。例を挙げると

2012年2月28日 (火) 14:51時点における版

カメレオン科
チチュウカイカメレオン
チチュウカイカメレオン
Chamaeleo chamaeleon
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 爬虫綱 Reptilia
: 有鱗目 Squamata
亜目 : トカゲ亜目 Sauria
下目 : イグアナ下目 Iguania
: カメレオン科 Chamaeleonidae
亜科、属

カメレオン科(カメレオンか、Chamaeleonidae)は、動物界脊索動物門爬虫綱有鱗目に属する科。模式属カメレオン属

分布

アフリカ大陸ユーラシア大陸南西部、スリランカマダガスカル

形態

最長種はウスタレカメレオンで全長69cm。最重量種はパーソンカメレオン。最小種はブロケシア・ミクラで、体長は最大でおよそ29mm程度[1]

種にもよるが気分や体調により体色を限定的ながら変色させることができる。例を挙げると

  • 黒ずむ - 体調不良。体温が低い(色を黒くすることで熱を吸収しやすくなる。)
  • 白くなる - 体温が高い(日光を反射させる。)
  • 派手になる - 興奮している時

種により変色の幅は異なり、ほとんど変色しない種もいる。体色による性的二型が顕著な種もいる一方で、雌雄で体色があまり変わらない種もいる。一般にはカメレオンは周囲の色に合わせて自在に体色を変えられるという誤った俗説があるが、種によって変わる色は決まっている[2]

頭部には、前方に角が生える種もいる。左右の目を360度、別々に動かすことができる。近い位置に獲物を見つけると顔と両目を獲物に向けて立体視をおこない、狙いを定める。蛇腹状、またはゴムの様に筋肉が収縮している。舌骨を押し出すことで縮んでいた筋肉が急激に弛緩し、前方に射出される。舌は粘着質で覆われており、獲物を付着させることができる。

趾指は5本だが、前肢は内側の3本の指と外側の2本の指、後肢は内側の2本の趾と外側の3本の趾が癒合し二股になっている。これにより木の枝を掴むことができる。趾指の先には爪があり、枝に食い込ませることで体を支えることができる。

分類

系統的にはアガマ科に近縁とされる。ヨーロッパの中新世の地層からも化石が発見されている。

ヒメカメレオン亜科 Brookesiinae

カメレオン亜科 Chamaeleoninae

生態

主に森林に生息する。しかしヒメカメレオン亜科やナマクアカメレオンは地表棲で、後者は砂漠に生息する。動きは一般的には緩怠だが、たとえばナマクアカメレオンなど、砂の上を時速5km/h程度で走ることができる種類もある。

食性は動物食で主に昆虫類節足動物、大型種は小型爬虫類、鳥類、小型哺乳類も食べる。エボシカメレオンは補助的に果実などの植物質も摂取する。

繁殖形態は主に卵生だが、カメレオン属には卵胎生の種もいる。

ラボードカメレオンは、約9か月間を卵で過ごした後、孵化して2か月で成熟して繁殖し、4-5か月で死ぬ[3]。これは2008年時点で知られている四肢動物としては最も短い寿命といわれる。

人間との関係

開発による生息地の破壊、ペット用の乱獲などにより生息数が減少している種もいる。コノハカメレオン属を除いた全ての属が属単位でワシントン条約に掲載され、ロゼッタカメレオンはワシントン条約附属書I類に掲載されている。

ペットとして飼育されることもあり、日本にも輸入されている。主に野生個体が流通するが、一部の種では飼育下繁殖個体も流通する。

表記

漢字では「避役」と書く。これは、古代中国の幻獣にいたとされている、カメレオンと同じく姿を消すことができる幻獣の「避役」が由来となっている。なお、中国では「避役」の他に「変色竜」(繁体字: 變色龍簡体字: 变色龙)とも呼ばれる。

脚注

  1. ^ Glaw, F.; Köhler, J. R.; Townsend, T. M.; Vences, M. (2012). Salamin, Nicolas. ed. “Rivaling the World's Smallest Reptiles: Discovery of Miniaturized and Microendemic New Species of Leaf Chameleons (Brookesia) from Northern Madagascar” (英語). PLoS ONE 7 (2): e31314. doi:10.1371/journal.pone.0031314. 
  2. ^ Wiiの間で配信されている番組『トンデモ!さいえんす』の第12回ではカメレオンを使った実験を行っているが、緑色のカメレオンを青・赤・黄の箱の中に入れて長時間放置しても全く色に変化は無かった。しかし、樹上では皮膚が太陽光に反応して緑色の濃さが変わることでカモフラージュ効果があると説明している。
  3. ^ Kristopher B. Karsten, Laza N. Andriamandimbiarisoa, Stanley F. Fox, and Christopher J. Raxworthy, "A unique life history among tetrapods: An annual chameleon living mostly as an egg", PNAS 105, 8980-8984 (2008). doi:10.1073/pnas.0802468105

カメレオンが登場する作品

参考文献

  • 千石正一 「カメレオンの分類 第1回」『クリーパー』第8号、クリーパー社、2001年、4-7、32-33頁。
  • 千石正一監修 長坂拓也編著 『爬虫類・両生類800種図鑑 第3版』、ピーシーズ、2002年、43-52頁。
  • 千石正一 「カメレオンの分類 第4回 ~ミツヅノカメレオン亜属(Triceros)~」『クリーパー』第16号、クリーパー社、2003年、24-29、48-51頁。
  • 『小学館の図鑑NEO 両生類はちゅう類』、小学館、2004年、88-89頁。

関連項目

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