幸福駅
幸福駅 | |
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廃止後の敷地に再建されたレプリカ駅舎(2021年5月) | |
こうふく Kōfuku | |
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所在地 | 北海道帯広市幸福町東1線 |
所属事業者 | 日本国有鉄道(国鉄) |
所属路線 | 広尾線 |
キロ程 | 22.0 km(帯広起点) |
駅構造 | 地上駅 |
ホーム | 1面1線 |
乗降人員 -統計年度- |
13人/日 -1981年(昭和56年)- |
開業年月日 | 1956年(昭和31年)11月1日[1] |
廃止年月日 | 1987年(昭和62年)2月2日[2] |
備考 | 広尾線廃線に伴い廃駅 |
幸福駅(こうふくえき)は、北海道(十勝支庁)帯広市幸福町にあった日本国有鉄道(国鉄)広尾線の駅である[2]。事務管理コードは▲111504[3]。
駅名の縁起の良さから乗車券や入場券などでブームを起こした[2]。
歴史
[編集]駅名の由来
[編集]現在の札内川のアイヌ語名「サッナイ(sat-nay)」に「幸震(さつない)」と当て字し、後年音読みの「幸震(こうしん)」を村名としていたが、福井県人の入植が多かった土地であること、また「将来の幸福を願う意味もあって」、「幸福」の地名が生まれたとされている[4]。
駅構造
[編集]廃止時点で、単式ホーム1面1線を有する地上駅であった。ホームは線路の東側(広尾駅方面に向かって左手側)に存在した。転轍機を持たない棒線駅となっていた。
開業時からの無人駅だが、ホーム南側の出入口から東側に少し離れた位置に待合所機能のみの木造駅舎を有した[8]。駅舎内に売店があり、簡易委託駅として乗車券の販売が行われていた。別棟でトイレを有した。駅舎の前には「ようこそ愛の国から幸福へ」と記載されたアーチが設置されていた[9]。
利用状況
[編集]1981年度(昭和56年度)の1日乗降客数は13人[8]。
駅周辺
[編集]「愛の国から幸福へ」ブーム
[編集]1973年3月、NHKの紀行番組『新日本紀行』において「幸福への旅 〜帯広〜」として紹介されたことで当駅の知名度は上昇した。
1972年には7枚しか売れなかった愛国 - 幸福間の切符が、1973年は300万枚、4年間で1000万枚超も売れた[11]。
ブームの最盛期である1974年の営業係数は、前年の704から189と大幅に改善したが、翌1975年には481, 1976年には623と悪化し、一時的なものに留まり広尾線全体の営業改善にはあまり結びつかなかった。
同線は1984年に第2次廃止対象特定地方交通線に指定され、1987年2月2日をもって幸福駅は広尾線とともに廃止となった[2]。
なお、十勝バスも、国鉄広尾線が健在だった当時から、現在に至るまで、地紋を自社仕様にした同様の区間の硬券切符を発売している[12]。
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「愛国から幸福ゆき」切符記念碑
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愛国→幸福の乗車券(十勝バス発行)
駅跡
[編集]広尾線代行バスである、十勝バス広尾線の幸福バス停がある。
交通公園
[編集]駅敷地は廃止後に帯広市によって[13]、「交通公園」となり、幸福地区観光再開発協議会が管理を受託している[14][11]。
敷地内は駅舎、トイレ、ホーム、レール、駅名標が当時とほとんど変わらない状態で保存されていたが[15]、駅舎については2013年(平成24年)9月に、老朽化のため解体され、同年11月16日に、旧駅舎外壁の半分を流用したレプリカの新駅舎に建て替えられた[16]。
1990年代後半には観光バスも利用可能なアスファルト舗装の駐車場やトイレ、花壇などが整備された。
レール上にはキハ22形キハ22 221、キハ22 238の2両の気動車とモーターカー1両が静態保存・展示されている[13][17]。
2012年にはみけおうがデザインをした観光PRキャラクター「みゆき」(幸福駅の駅神)と「めぐみ」(愛国駅の駅神)が登場した[18]。
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建替前の駅舎(2009年8月)
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駅舎と売店(2011年8月)
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幸福の鐘(2011年8月)
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静態保存されているキハ22 221と238(2021年5月)
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除雪用モーターカー(2021年5月)
隣の駅
[編集]脚注
[編集]- ^ a b c 石野哲 編『停車場変遷大事典 国鉄・JR編 II』(初版)JTB、1998年10月1日、890頁。ISBN 978-4-533-02980-6。
- ^ a b c d e 「さようなら 幸福駅」『北海道新聞』1987年2月1日
- ^ 日本国有鉄道営業局総務課 編『停車場一覧 昭和41年3月現在』日本国有鉄道、1966年、236頁。doi:10.11501/1873236 。2022年12月10日閲覧。
- ^ a b 『北海道 駅名の起源』(第1版)日本国有鉄道北海道総局、札幌市、1973年3月25日。ASIN B000J9RBUY。
- ^ 「日本国有鉄道公示第373号」『官報』1956年10月23日。
- ^ 「生まれ変わった幸せの駅舎 旧国鉄広尾線幸福駅で改築の式典」『北海道新聞』2013年11月16日
- ^ 台湾「愛情」と北海道「幸福」が姉妹駅に 日台の恋人の聖地 フォーカス台湾(2016年10月22日)2021年9月29日閲覧※本文は無料表示期間終了
- ^ a b 『国鉄全線各駅停車1 北海道690駅』(小学館、1983年7月)138ページ
- ^ 工藤裕之『追憶の鉄路 北海道廃止ローカル線写真集』(北海道新聞社、2011年12月)234-235ページ
- ^ a b 『北海道道路地図 改訂版』(地勢堂、1980年3月)13ページ
- ^ a b 【五感紀行】幸福駅/幸せへの切符を 願い不変『北海道新聞』日曜朝刊別刷り2021年9月26日1-2面
- ^ 愛国から幸福ゆき切符 - 十勝バス
- ^ a b 白川淳監修『全国保存鉄道III 東日本編』(JTBパブリッシング、1998年11月)66ページ
- ^ <ショット95>幸福駅に人絶えず…張り紙、メッセージ 飽和状態『北海道新聞』1995年3月23日
- ^ 『鉄道廃線跡を歩くVI』(JTBパブリッシング、1999年3月)38-39ページ
- ^ 「恋人の聖地 新たな門出 幸福駅」十勝毎日新聞社ニュース( 2013年11月16日)
- ^ 『新 鉄道廃線跡を歩く1 北海道・北東北編』(JTBパブリッシング、2010年4月)87ページ
- ^ “北海道・幸福駅に萌え駅神誕生「みゆき&めぐみ」が幸せを届ける”. アニメ!アニメ!. (2012年6月22日) 2012年7月16日閲覧。
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]- 「愛の国から幸福へ」愛国駅・幸福駅 - 帯広市による観光情報。
- 帯広観光コンベンション協会
- NHKアーカイブス | 新日本紀行 - 当該番組の冒頭部分を視聴することが出来る。