川中島将棋

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川中島将棋(かわなかじましょうぎ、「川中嶋将棊」とも)は将棋類の一種で、シャンチー日本流にアレンジしたものである。1894年(明治27年)に日本で売り出されたとされる[1]

ルール[編集]

初期配置図。自陣中央の二重枠で囲まれた3×3マスの領域が中堅(本丸)である。

初期配置と盤面[編集]

初期配置は右の図の通りで、盤面は横9マス、縦10マスとなる。それぞれ黒と白に色分けされた円形の駒を持ち、先手が黒(越軍)、後手が白(甲軍)となる。駒は日本将棋のようにマスの中に置く。

日本将棋やシャンチーと同様、将軍(日本将棋の玉将やシャンチーの将の駒に相当)を詰めれば勝ちとなる。シャンチーの「河」や「九宮」に相当するものとして、「河」と「中堅(本丸)」[2]がある。士官は河を越えられず、将軍および近衛は中堅から出られない。

駒の動き[編集]

将軍(将)
シャンチーの「将・帥」に相当。前後左右に1マスずつ動けるが、中堅から出られない。
近衛(近)
シャンチーの「士・仕」に相当。斜めに1マスずつ動けるが、中堅から出られない。
士官(士)
シャンチーの「象・相」に相当。斜めに2マスずつ動ける。河を越えられない。
軍曹(軍)
シャンチーの「馬・傌」に相当。チェスのナイトのように8方向に桂馬飛びするが、隣に駒がある方向には動けない。
騎兵(騎)
シャンチーの「車・俥」に相当。縦横に何マスでも動ける。他の駒を飛び越して進むことはできない。
砲兵(砲)
シャンチーの「砲・炮」に相当。縦横に何マスでも動ける。相手の駒を取るときのみ、他の駒を飛び越して進む(他の駒を飛び越さないと、相手の駒を取れない)。
歩兵(歩)
シャンチーの「卒・兵」に相当。前方に1マスずつ進み、河を越えると前と左右に1マスずつ動けるようになる。
駒の動き
将軍(将)
     
       
   
       
         
近衛(近)
     
     
       
     
         
士官(士)
 
  ×   ×  
       
  ×   ×  
     
軍曹(軍)
     
  ×  
  × ×  
  ×  
     

※×の位置に駒(敵・味方問わず)があるときは、その先の○には移動できない。

騎兵(騎)
       
       
       
砲兵(砲)
       
       
       

※敵の駒を取るときのみ、他の駒(敵・味方問わず)を飛び越して進む。

歩兵(歩)(河を越える前)
 
       
       
         
         
歩兵(歩)(河を越えた後)
     
       
   
         
         

脚注[編集]

  1. ^ 梅林勲『世界の将棋』(将棋天国社、1997年)、248ページ。同書では「川中嶋将棊」の表記を採用している。
  2. ^ 『世界の将棋』では「中堅」の表記を、高橋による解説ページでは「本丸」の表記を採用している。

関連項目[編集]

参考文献[編集]

  • 『世界の将棋 古代から現代まで』梅林勲、将棋天国社、1997年

外部リンク[編集]