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大須駅

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
大須駅
廃止前の駅入口(2001年)
おおす
ŌSU
八神 (1.5 km)
地図
所在地 岐阜県羽島市桑原町
北緯35度16分14.0秒 東経136度40分48.0秒 / 北緯35.270556度 東経136.680000度 / 35.270556; 136.680000座標: 北緯35度16分14.0秒 東経136度40分48.0秒 / 北緯35.270556度 東経136.680000度 / 35.270556; 136.680000
所属事業者 名古屋鉄道
所属路線 竹鼻線
キロ程 17.0 km(笠松起点)
駅構造 地上駅
ホーム 1面1線
乗降人員
-統計年度-
946人/日
-1992年[1]-
開業年月日 1929年昭和4年)4月1日
廃止年月日 2001年平成13年)10月1日
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大須駅(おおすえき)は、岐阜県羽島市桑原町にあった名鉄竹鼻線廃駅)である。

歴史

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駅構造

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廃止前のホーム(2001年)

開業当時の駅は、廃止時より200 m先の南濃大橋付近にあった。旧駅は島式1面2線のプラットホームを有したが、移転後は片面1面1線となった[2]。片面ホームは旅客専用であり、旧ホームは当初貨物用、留置用に残された(撤去時期不明)[5][2]

片面ホームのホーム長は2両編成分までにしか対応しておらず、4両編成の場合、岐阜方2両がホームからはみ出していた。しかし2+2両の列車が入線することもあり、その場合は全てのドアを開け、岐阜方2両目の一番後ろのドアから乗降していた。

小さな木造の駅舎を有していたが、無人化後出札口や事務室の窓が板で塞がれ、待合室としての機能しか有していなかった。取り壊される直前には、かなり荒れた状態であった。

駅の横には水洗式のトイレがある。これは1998年9月の台風台風7号台風8号)で駅のトイレが崩壊した際、羽島市内の長良川病院の森省三院長が寄贈し、1999年6月25日に完成したものである。当時からトイレが再建されることはないと森が判断して寄贈したもの[6]で、このためか廃線前から廃線後しばらくまでの間は『乗って残そう竹鼻大須線』と書かれた看板が取り付けられていた。

駅や線路は廃線後すぐに撤去作業に着手し、1か月後(11月頃)には作業が完了した。2021年現在、他の竹鼻線廃止区間の中区駅跡の道路転換以外で唯一ホームが撤去されて更地となっている。

配線図

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大須駅 構内配線略図
大須駅 構内配線略図
笠松方面
凡例
出典:1957年配線略図[7]、1986年配線略図[8]
破線は旧駅。移転後しばらくは留置線として使用(撤去時期不明)[2]


利用状況

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  • 『名古屋鉄道百年史』によると1992年度当時の1日平均乗降人員は946人であり、この値は岐阜市内線均一運賃区間内各駅(岐阜市内線・田神線・美濃町線徹明町駅 - 琴塚駅間)を除く名鉄全駅(342駅)中228位、竹鼻線・羽島線(16駅)中8位であった[1]

『岐阜県統計書』『羽島市統計書』各号によると、年間乗車人員、年間乗降人員、一日平均乗降人員の推移は以下の通りである。

乗車人員・乗降人員の推移
年間統計一日平均
乗降人員
備考
乗車人員乗降人員
1929(昭和04)年度3611173425[9]
1930(昭和05)年度3042961873[10]
1931(昭和06)年度2705655002[11]
1932(昭和07)年度2395343070[12]
1933(昭和08)年度2730949319[13]
1934(昭和09)年度3059255470[14]
1935(昭和10)年度3156155307[15]
1936(昭和11)年度
1937(昭和12)年度
1938(昭和13)年度
1939(昭和14)年度
1940(昭和15)年度
1941(昭和16)年度
1942(昭和17)年度
1943(昭和18)年度
1944(昭和19)年度
1945(昭和20)年度
1946(昭和21)年度
1947(昭和22)年度
1948(昭和23)年度
1949(昭和24)年度
1950(昭和25)年度
1951(昭和26)年度
1952(昭和27)年度
1953(昭和28)年度
1954(昭和29)年度
1955(昭和30)年度333233668626[16]
1956(昭和31)年度342001680930[17]
1957(昭和32)年度348899695658[18]
1958(昭和33)年度361775721975[19]
1959(昭和34)年度383964764164[20]
1960(昭和35)年度427584854587[21]
1961(昭和36)年度479977957769[22]
1962(昭和37)年度5471371095959[23]
1963(昭和38)年度5797201161011[24]
1964(昭和39)年度5941001190526[25]
1965(昭和40)年度5946571192706[26]
1966(昭和41)年度5506641103408[27]
1967(昭和42)年度5507261107300[28]
1968(昭和43)年度5221541051263[29]
1969(昭和44)年度488486[30]
1970(昭和45)年度454000[31]
1971(昭和46)年度396000[32]
1972(昭和47)年度344000[33]
1973(昭和48)年度
1974(昭和49)年度
1975(昭和50)年度
1976(昭和51)年度
1977(昭和52)年度
1978(昭和53)年度335000679000[34]
1979(昭和54)年度333000679000[34]
1980(昭和55)年度327000669000[34]
1981(昭和56)年度321000656000[35]
1982(昭和57)年度297000605000[35]
1983(昭和58)年度
1984(昭和59)年度
1985(昭和60)年度213000434000[36]
1986(昭和61)年度217000441000[36]
1987(昭和62)年度213000430000[36]
1988(昭和63)年度208000420000[37]
1989(平成元)年度199000401000[37]
1990(平成02)年度190000383000[37]
1991(平成03)年度183000371000[38]
1992(平成04)年度169000342000[38]
1993(平成05)年度162144328070909[39]
1994(平成06)年度146287296589821[39]
1995(平成07)年度137449278356771[39]
1996(平成08)年度128939261437724[39]
1997(平成09)年度121783246391682[39]

斜体の値は千人単位(千人未満四捨五入)

駅周辺

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大須駅跡(2019年6月)
左手に代替バス車庫。正面に公衆トイレ
駅跡地の前に停まる代替バス(2019年6月)

主な施設

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接続するバス

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かつては、当駅とお千代保稲荷、海津市歴史民俗資料館を結ぶ岐阜バスお千代保稲荷線が存在した。

2001年竹鼻線江吉良駅 - 当駅間の営業廃止後も存続し、羽島市代替バス(竹鼻線代替バス)と接続していたが、2002年9月30日に廃止された。

廃止後は広域バスお千代保稲荷線(当駅 - お千代保稲荷 - 海津市歴史民俗資料館)が同区間を運行していたが、2009年4月1日の路線再編により海津市コミュニティバスの一部に変更されている。

2019年現在、駅跡地の前に代替バス路線(羽島市コミュニティバス海津市コミュニティバス)が発着する。

隣の駅

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名古屋鉄道
竹鼻線(廃止区間)
八神駅 - 大須駅

脚注

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  1. ^ a b 名古屋鉄道広報宣伝部(編)『名古屋鉄道百年史』名古屋鉄道、1994年、651-653頁。 
  2. ^ a b c d 徳田耕一『名鉄の廃線を歩く』JTB、2001年、28頁。ISBN 978-4533039232 
  3. ^ 名古屋鉄道広報宣伝部(編)『名古屋鉄道百年史』名古屋鉄道、1994年、340頁。 
  4. ^ 名古屋鉄道広報宣伝部(編)『名古屋鉄道百年史』名古屋鉄道、1994年、875頁。 
  5. ^ 徳田耕一『名鉄 昭和のスーパーロマンスカー』JTBパブリッシング、2015年、59頁。ISBN 978-4533106392 
  6. ^ 『西美濃わが街』2001年6月号(289号)
  7. ^ 清水武、田中義人『名古屋鉄道車両史 下巻』アルファベータブックス、2019年、187頁。ISBN 978-4865988482 
  8. ^ 電気車研究会、『鉄道ピクトリアル』通巻第473号 1986年12月 臨時増刊号 「特集 - 名古屋鉄道」、付図「名古屋鉄道路線略図」
  9. ^ 岐阜県知事官房統計係(編)『岐阜県統計書 昭和4年』、岐阜県、1931年、5 交通及運輸
  10. ^ 岐阜県知事官房統計係(編)『岐阜県統計書 昭和5年』、岐阜県、1932年、5 交通及運輸
  11. ^ 岐阜県知事官房統計係(編)『岐阜県統計書 昭和6年』、岐阜県、1933年、5 交通及運輸
  12. ^ 岐阜県知事官房統計係(編)『岐阜県統計書 昭和7年』、岐阜県、1934年、5 交通及運輸
  13. ^ 岐阜県知事総務部統計課(編)『岐阜県統計書 昭和8年』、岐阜県、1935年、5 交通及運輸
  14. ^ 岐阜県総務部統計課(編)『岐阜県統計書 昭和9年』、岐阜県、1936年、5 交通及運輸
  15. ^ 岐阜県総務部統計課(編)『岐阜県統計書 昭和10年』、岐阜県、1937年、5 交通及運輸
  16. ^ 岐阜県総務部統計課(編)『岐阜県統計書 昭和30年』、岐阜県、1957年、10 運輸・通信
  17. ^ 岐阜県総務部統計課(編)『岐阜県統計書 昭和31年』、岐阜県、1958年、11 運輸・通信
  18. ^ 岐阜県総務部統計課(編)『岐阜県統計書 昭和32年』、岐阜県、1959年、12 運輸・通信
  19. ^ 岐阜県総務部統計課(編)『岐阜県統計書 昭和33年』、岐阜県、1960年、12 運輸・通信
  20. ^ 岐阜県総務部統計課(編)『岐阜県統計書 昭和34年』、岐阜県、1961年、12 運輸・通信
  21. ^ 岐阜県総務部統計課(編)『岐阜県統計書 昭和35年』、岐阜県、1962年、12 運輸・通信
  22. ^ 岐阜県総務部統計課(編)『岐阜県統計書 昭和36年』、岐阜県、1963年、12 運輸・通信
  23. ^ 岐阜県企画管理部統計課(編)『岐阜県統計書 昭和37年』、岐阜県、1964年、12 運輸・通信
  24. ^ 岐阜県企画管理部統計課(編)『岐阜県統計書 昭和38年』、岐阜県、1965年、12 運輸・通信
  25. ^ 岐阜県企画管理部統計課(編)『岐阜県統計書 昭和39年』、岐阜県、1966年、270頁
  26. ^ 岐阜県企画管理部統計課(編)『岐阜県統計書 昭和40年』、岐阜県、1967年、276頁
  27. ^ 岐阜県企画部統計課(編)『岐阜県統計書 昭和41年』、岐阜県、1968年、256頁
  28. ^ 岐阜県企画部統計課(編)『岐阜県統計書 昭和42年』、岐阜県、1969年、286頁
  29. ^ 岐阜県企画開発部統計課(編)『岐阜県統計書 昭和43年』、岐阜県、1970年、278頁
  30. ^ 岐阜県企画開発部統計課(編)『岐阜県統計書 昭和44年』、岐阜県、1971年、11 運輸・通信
  31. ^ 岐阜県企画開発部統計課(編)『岐阜県統計書 昭和45年』、岐阜県、1972年、11 運輸・通信
  32. ^ 岐阜県企画部統計課(編)『岐阜県統計書 昭和46年』、岐阜県、1973年、280頁
  33. ^ 岐阜県企画部統計課(編)『岐阜県統計書 昭和48年』、岐阜県、1974年、11 運輸・通信
  34. ^ a b c 羽島市企画部(編)『羽島市統計書 昭和56年版』、羽島市、1981年、28頁
  35. ^ a b 羽島市総務部(編)『羽島市統計書 昭和58年版』、羽島市、1984年、28頁
  36. ^ a b c 羽島市総務部(編)『羽島市統計書 昭和63年版』、羽島市、1989年、28頁
  37. ^ a b c 羽島市総務部(編)『羽島市統計書 平成3年版』、羽島市、1992年、28頁
  38. ^ a b 羽島市総務部総務課(編)『羽島市統計書 平成5年版』、羽島市、1993年、44頁
  39. ^ a b c d e 羽島市総務部総務課(編)『羽島市統計書 平成10年版』、羽島市、1999年、40頁

関連項目

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外部リンク

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