タルト・トロペジェンヌ
タルト・トロペジェンヌ | |
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カットしたタルト・トロペジェンヌ | |
別名 | サントロペのタルト、トロペジェンヌ |
種類 | パン |
フルコース | デザート |
発祥地 | フランス |
地域 | サントロペ |
関連食文化 | フランス料理 |
考案者 | アレクサンドル・ミカ |
Cookbook ウィキメディア・コモンズ |
タルト・トロペジェンヌ(フランス語: tarte tropézienne)またはサントロペのタルト(フランス語: la tarte de Saint-Tropez)または単にトロペジェンヌは、フランスの菓子(デザート)である[1]。1955年に第二次世界大戦でサントロペに逃れてきたポーランド人で菓子職人のアレクサンドル・ミカ(英語: Alexandre Micka)[2]が考案したものである。丸いブリオッシュにクリームをはさみ、表面にあられ糖をふったシンプルなお菓子[3]である。
この菓子については、女優のブリジット・バルドーがまだ無名だったときに『素直な悪女』の撮影のためにサントロペに滞在していた際に、このデザートを気に入り[4][5]、当時は名前がついていなかったことから、「サントロペのタルト(フランス語: La Tarte de Saint-Tropez)」という名前を提案したというエピソードがある。それを聞いたミカが名前を「タルト・トロペジェンヌ」と名付け、商標登録した[6]。「トロペジェンヌ(フランス語: tropézienne)」は、「サントロペの」という意味の形容詞である[7]。
ミカの菓子店「ラ・タルト・トロペジェンヌ」[8](フランス語: La Tarte Tropézienne)は現在も営業している。ポーランドのパン職人によれば、この菓子のレシピは彼の祖母から伝わっているとのことである。1970年代以降、同じデザートはチェコ共和国のプラハでも人気であるが、プラハではこの菓子は「プラハ・ケーキ」(チェコ語: Pražský koláč)として知られている。このケーキの発祥について、フランスが早いか、それともプラハがあるボヘミア地方が早いかについては、不明である[9]。
「ラ・タルト・トロペジェンヌ」では、一口サイズのミニサイズから、6-8人用の大型まで各種のタルト・トロペジェンヌが売られている[10]。
日本での展開
[編集]2003年5月11日にフジテレビジョンで放送された「あつあつボンジュール」[6]、および、2016年5月16日にNHKで放送された「グレーテルのかまど」[11]で、タルト・トロペジェンヌが紹介されている。2021年には渋谷にあるフランス産の発酵バター「エシレ」を使ったお菓子専門店が「トロペジェンヌ」をもとにした新製品を発売し話題となった[3][12]。2022年3月29日からはコンビニエンスストアのファミリーマートが全国販売をしている[3]。2022年12月よりフジパンが「とろけるトロペジェンヌ」を販売している[13]。
脚注
[編集]- ^ Daniëlle. “Paris Pastry: Tarte Tropézienne” (フランス語). Paris Pastry. 2022年4月3日閲覧。
- ^ Alex Ledsom (2017年5月5日). “A Brief History of the Tarte Tropézienne, the French Riviera's Favorite Dessert” (英語). culture trip. The Culture Trip Ltd.. 2022年4月3日閲覧。
- ^ a b c 笹木理恵 (2022年4月1日). “マリトッツォの次のブームになれるか!? 南仏生まれのスイーツ「トロぺジェンヌ」がファミマに登場!”. All About. オールアバウト. 2022年4月3日閲覧。
- ^ “La Tarte Tropézienne comes to Paris” (英語). sortiraparis. 2022年4月3日閲覧。
- ^ “【実食】フランス伝統のスイーツ「トロペジェンヌ」大女優が名づけ親!キュートで美味しい実力派”. えん食べ. インターネットコム (2016年11月9日). 2022年4月3日閲覧。
- ^ a b “第44回 2003年5月11日 「タルト・トロペジェンヌ」”. あつあつボンジュール. フジテレビジョン (2003年5月11日). 2022年4月4日閲覧。 “彼女は、とてもこのタルトを気に入り「これは何ていうお菓子なの?」「名前が付いていないのなら『サントロペのタルト』なんて名前を付けるのはどうかしら…」と提案してくれたというのです。それを聞いたミカさんは、早速名前を考え「タルト・トロペジェンヌ」と名付けると、とあるお客さんの勧めで商標登録までしてしまったということなのです。”
- ^ tricolorparis (2013年7月17日). “La Tarte Tropézienne”. トリコロール・パリ. 2022年4月12日閲覧。
- ^ 地球の歩き方編集室『A08 南仏 プロヴァンス コート・ダジュール&モナコ』地球の歩き方〈地球の歩き方〉、2021年1月12日、6頁。ISBN 978-4058012734。
- ^ “Oslaďte si život. Tohle jsou ty nejlepší pražské koláče v... Praze” (チェコ語). フォーブス. (2021年3月13日) 2022年4月3日閲覧。
- ^ 稲葉由紀子『おいしいフランス おいしいパリ』CCCメディアハウス〈フィガロブックス〉、2014年3月20日。ISBN 978-4484142074。
- ^ “BB(べべ)が愛したタルト・トロペジェンヌ”. グレーテルのかまど. 日本放送協会 (2016年5月16日). 2022年4月3日閲覧。
- ^ “仏発酵バター・エシレ専門店の新作「トロペジェンヌ」“エシレバターたっぷり”ブリオッシュ菓子”. ファッションプレス. カーリン (2021年9月22日). 2022年4月3日閲覧。
- ^ “今週新発売のフジパンまとめ!『とろけるトロペジェンヌ』、『カリッとクイニーアマン』など♪ (2022年12月13日)”. エキサイトニュース. 2022年12月15日閲覧。