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スペースX CRS-26

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
スペースX CRS-26
CRS-26の打ち上げ前準備
名称SpX-26
任務種別ISS物資補給
運用者スペースX
COSPAR ID2022-159A
任務期間45日 14時間 59分
特性
宇宙機カーゴドラゴン C211[1]
製造者スペースX
燃料無重量9,525 kg (20,999 lb)
寸法全高:8.1 m (27 ft)
直径:4 m (13 ft)
任務開始
打ち上げ日2022年11月26日 19:20:42 UTC[2]
ロケットファルコン9ブロック5B1076.1
打上げ場所ケネディ宇宙センターLC-39A
打ち上げ請負者スペースX
任務終了
回収担当ミーガン
着陸日2023年1月11日 10:19 UTC[3]
着陸地点メキシコ湾
軌道特性
参照座標地球周回軌道
体制低軌道
傾斜角51.66°
ISSのドッキング(捕捉)
ドッキング ハーモニー 天頂側
ドッキング(捕捉)日 2022年11月27日 12:39 UTC
分離日 2023年1月9日 22:05 UTC
ドッキング時間 43日 9時間 26分

スペースX CRS-26の徽章
スペースX CRS-26
COSPAR ID2022-159A

SpX-26としても知られるスペースX CRS-26は、2022年11月26日に打ち上げられた国際(ISS)への商業補給サービスミッション [2]。 このミッションはNASAによって契約され、スペースXカーゴドラゴンを使用して実施した。 これは2016年1月に締結されたNASAのCRSフェイズ2契約に基づくにスペースXによる6回目のフライトだった。

カーゴドラゴン

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スペースXは、カーゴドラゴンの各機体を最大5回まで再利用することを計画している。カーゴドラゴンにはクルードラゴンで必要となるスーパー・ドラコ緊急脱出エンジン、座席、操縦制御および生命維持システムは搭載されていない[4][5]ドラゴン2は、改修時間が短縮されることによってフライト間の期間が短縮されるなど、いくつかの点でドラゴン1から改善されている[6]

NASAのCRSフェイズ2に基づくカーゴドラゴンのカプセルは、フロリダ近海に着水した[4][6]

ペイロード

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NASAはスペースXとCRS-26ミッションの契約を結び、カーゴドラゴンの主なペイロード、打ち上げ日および軌道パラメーターを決定した [7]

ISS伸展式太陽電池アレイ(iROSA)

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XTJ Prime宇宙太陽電池を用いた2対目の新しい太陽電池アレイ。このアレイはカーゴドラゴン宇宙船の非与圧トランクで宇宙ステーションに運ばれた[8]

4Aおよび3Aと指定された新しい太陽電池アレイの設置には2回の船外活動が必要となった。1回目で改造キットを使用して作業場所を準備し、2回目で新しいパネルを取り付けた[8][9]

研究

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NASAグレン研究センターの研究:[10]

欧州宇宙機関(ESA)の研究および活動:[11]

  • ESAの宇宙での縫合実験では、無重量状態で組織がどのように治癒するのかが調べられる。生検で得られた生きている組織は治癒メカニズムを監視するために宇宙飛行士が組織を活性化させる前に切断されて縫い合わされてから宇宙に送られる[12]
  • ESAの造骨細胞実験は、宇宙飛行中の骨形成障害のメカニズムと、微小重力条件が生体外で骨芽細胞機能を変化させるかどうかを調査することを目的としている
  • 研究ペイロードの一部として、ESA Orbit Your Thesis計画[1]の「微小重力下での動脈[2]」がICE Cubes施設内に設置される[3]

CubeSats

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このミッションでは複数のCubeSatが運搬され、NRCSD#24およびJ-SSOD#24から放出された(ELaNa 49も含まれていた):[13][14][15]

  • TJREVERB、トーマス・ジェファーソン科学技術高校英語版の生徒が組み立てた2UサイズのCubeSat。TJREVERBは低周回軌道でのイリジウムの受動的磁気安定化を試験する。
  • ORCASat、世界中の主要な天文台(特にチリのNSFヴェラ・C・ルービン天文台とハワイのパンスターズ)の精密な測光校正用の2UサイズのCubeSat。
  • MARIO(Measurement of Actuator Response and Impedance on Orbit、軌道上でのアクチュエーター応答及びインピーダンス測定)はミシガン大学ミシガン探査研究所(XML)、Extreme Diagnositcsおよびミシガンの能動知性および多機能構造(AIMS)研究所と、NASAが協業した3UサイズのCubeSat。ミッションの目的は低周回軌道条件でのピエゾアクチュエーターおよび健康監視システムのパフォーマンスを特徴づけることにある。得られたデータは将来の進歩した宇宙装備の開発に役立つ。
  • NUTSatはNFU、Let'scom、Gran SystemsおよびNSPOによる、システム エンジニアリングのトレーニングおよび民間航空機の安全技術のデモンストレーション・ミッション用の2UサイズのCubeSat。
  • ダルハウジー大学のLORIS(Low Orbit Reconnaissance Imagery Satellite、低軌道監視画像衛星)はカナダ宇宙機関によって打ち上げられる、カナダ大西洋州からの始めたのCubeSat。このミッションの目的は搭載カメラを用いて写真を撮ることで、海岸線と海洋生物の活動を調査および監視するために使用される[4]
  • petitSat、ゴダード宇宙飛行センターのCubeSat。
  • SPORT(Scintillation Prediction Observations Research Task、シンチレーション予測観測研究タスク)は、ブラジル宇宙機関(AEB)、ブラジル航空技術大学英語版(ITA)、ブラジル国立宇宙研究所(INPE)およびNASAのマーシャル宇宙飛行センターの協業によるCubeSat。SPORTは6UサイズのCubeSatで、日没前後の電離圏構造の性質と進化に関する理解を深め、無線伝搬と電気通信信号に影響を与える妨害の予測を改善する[16]
  • DanteSat、NPC SpaceMindのCubeSat。
  • Surya Sattelite-1(SS-1)、スーリヤ大学英語版による1UサイズのCubeSat。
  • OPTIMAL-1、ArkEdge Spaceによる3UサイズのCubeSat。
  • HSKSAT、原田精機による3UサイズのCubeSat[17]

関連項目

[編集]

脚注

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  1. ^ Kanayama, Lee (2022年9月16日). “SpaceX and NASA in final preparations for Crew-5 mission” (英語). NASASpaceFlight.com. 2022年9月17日閲覧。
  2. ^ a b Navin, Joseph (2022年11月27日). “NASA, SpaceX launch and dock CRS-26 mission to ISS” (英語). NASASpaceFlight.com. 2022年11月27日閲覧。
  3. ^ Garcia, Mark (11 January 2023). “Dragon Resupply Ship Splashes Down Returning Critical Science”. NASA. 11 January 2023閲覧。
  4. ^ a b Office of Inspector General (26 April 2018). Audit of Commercial Resupply Services to the International Space Center (PDF) (Report). Vol. IG-18-016. NASA. pp. 24, 28–30. 2021年4月4日閲覧  この記述には、アメリカ合衆国内でパブリックドメインとなっている記述を含む。
  5. ^ Dragon 2 modifications to Carry Cargo for CRS-2 missions”. Teslarati. 4 April 2021閲覧。
  6. ^ a b Clark, Stephen (2 August 2019). “SpaceX to begin flights under new cargo resupply contract next year”. Spaceflight Now. 4 April 2021閲覧。
  7. ^ SpaceX Commercial Resupply”. ISS Program Office. NASA (1 July 2019). 4 April 2021閲覧。  この記述には、アメリカ合衆国内でパブリックドメインとなっている記述を含む。
  8. ^ a b Clark, Stephen (21 November 2022). “Second pair of new space station solar arrays set for launch on Dragon cargo ship”. Spaceflight Now. 11 January 2023閲覧。
  9. ^ Clark, Stephen (13 January 2021). “Boeing says assembly complete on first set of new space station solar arrays”. Spaceflight Now. 14 January 2021閲覧。
  10. ^ ISS Research Program”. Glenn Research Center. NASA (1 January 2020). 4 April 2021閲覧。  この記述には、アメリカ合衆国内でパブリックドメインとなっている記述を含む。
  11. ^ https://www.esa.int
  12. ^ https://www.esa.int/esatv/Videos/2020/12/Thomas_Pesquet_Alpha_mission_training/Suture_in_space_for_Alpha_with_Thomas_Pesquet
  13. ^ Upcoming SpaceX-26 Mission to Launch Several Nanoracks Customer Payloads to the ISS”. Nanoracks (21 November 2022). 22 November 2022閲覧。
  14. ^ Past ElaNa CubeSat Launches”. NASA (14 December 2022). 11 January 2023閲覧。  この記述には、アメリカ合衆国内でパブリックドメインとなっている記述を含む。
  15. ^ 「きぼう」から超小型衛星3機放出に成功!”. JAXA (11 January 2023). 11 January 2023閲覧。
  16. ^ The Scintillation Prediction Observation Research Task”. Documentation and Information Center, São Paulo Research Foundation. November 30, 2022閲覧。
  17. ^ 1月6日 原田精機株式会社超小型衛星「HSKSAT」のISSからの放出完了” (2023年1月24日). 2023年3月15日閲覧。

外部リンク

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