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オズ (映画)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
オズ
Return to OZ
監督 ウォルター・マーチ
脚本 ウォルター・マーチ
ギル・デニス
製作 ポール・マスランスキー
製作総指揮 ゲイリー・カーツ
出演者 ファルーザ・バーク
ニコール・ウィリアムソン
ジーン・マーシュ
音楽 デヴィッド・シャイア
撮影 デヴィッド・ワトキン
フレディ・フランシス
編集 レスリー・ホッジソン
製作会社 ウォルト・ディズニー・ピクチャーズ
シルバー・スクリーン・パートナーズⅡ
配給 アメリカ合衆国の旗 ブエナ・ビスタ・ディストリビューション
日本の旗 東宝
公開 アメリカ合衆国の旗 1985年6月21日
日本の旗 1986年3月15日
上映時間 109分
製作国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
言語 英語
製作費 $25,000,000
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オズ』(Return to OZ)は1985年公開(日本公開1986年)のディズニー製作のファンタジーアドベンチャー映画。ライマン・フランク・ボームの児童文学作品『オズの魔法使い』の続編作品『オズの虹の国英語版』(The Marvelous Land of Oz)と『オズのオズマ姫英語版』(Ozma of Oz)を原作とする。米国本国の興行は失敗したが、当時最新鋭のSFXが潤沢に使われ、アカデミー賞視覚効果賞他、さまざまな映画賞の部門賞にノミネートされた。

スタッフ

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キャスト

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役名 俳優 日本語吹替
劇場公開版[注釈 1] フジテレビ
ドロシー ファルーザ・バーク 笠原弘子 渕崎ゆり子
ノーム王
ウーレイ医師
ニコール・ウィリアムソン 納谷悟朗 渡部猛
モンビ王女
ウィルソン看護士
ジーン・マーシュ 木村有里 弥永和子
エムおばさん パイパー・ローリー 太田淑子 高島雅羅
ヘンリーおじさん マット・クラーク 村越伊知郎 秋元羊介
ティック・トック(操演) マイケル・サンドン
ティモシー・ローズ
ティック・トック(声) シーン・バレット 熊倉一雄
ビリーナ(操演) マック・ウィルソン
ビリーナ(声) デニス・ブライヤー 沼波輝枝
ジャック・ザ・パンプキンヘッド(操演) ブライアン・ヘンソン
スチュワート・ラランジェ
ジャック・ザ・パンプキンヘッド(声) ブライアン・ヘンソン 島田敏
ガンプ(操演) レイル・コンウェイ
スティーブ・ノーリントン
ガンプ(声) レイル・コンウェイ 高木均
かかし ジャスティン・ケース 納谷六朗
臆病ライオン ジョン・アレキサンダー
ブリキのきこり ディープ・ロイ
オズマ姫 エマ・リドレー 冨永みーな
ホイーラーズのボス
ノーム王の部下
看護士
ポンズ・マール 安原義人
モンビII ソフィー・ワード 勝生真沙子
モンビIII フィオナ・ビクトリー 小宮和枝
  • フジテレビ版:初回放送1990年8月1日『水曜映画劇場』

ストーリー

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1899年秋、オズの国での冒険から無事に故郷のカンザスに帰った少女ドロシー。しかしヘンリーおじさんとエムおばさんにオズの国の話をしても信じてもらえない。そのうえドロシーは謎の不眠症により全く眠れなくなってしまい、おじさんとおばさんはますますドロシーを心配するのだった。

ある晩流れ星を見たドロシー。その翌朝、めんどりビリーナが庭に落ちていた鍵を発見する。鍵にはオズの国のイニシャル"O"と"Z"の印があった。ドロシーはこれをオズの国の友達が送ってきたものだとエムおばさんにうったえるが、おばさんは「竜巻で飛ばされた以前の家の鍵だ」と言って信じなかった。その日の午後、エムおばさんはドロシーに最新式の電気治療を受けさせようと、遠くの街のウーレイ医師の病院へと連れて行く。

ウーレイ医師は「オズの国のことはすべてドロシーの脳の故障が作り出している幻覚で、電気治療をすれば一切忘れ、ぐっすり眠れるようになる」と自信満々に説明する。ドロシーはそのままウーレイ医師の病院に入院することになる。その日の晩、診察室でドロシーの電気治療が始まりかけた時に停電が起き、見知らぬ少女がドロシーを助けに現れる。少女の導きでドロシーは病院から脱出するが、2人は川の濁流に飲まれてしまう。

翌朝ドロシーが目を覚ますと、そこはオズの国だった。そして彼女のそばには、人間の言葉が話せるようになったビリーナがいた。ドロシーはすぐにエメラルド・シティに向かうが、住民はみな石に変えられ、建物は廃墟同然になっていた。王様であるスケアクロウ(かかし)の姿も見当たらない。やがてドロシーは「にわとりを連れている罪」や「ランチの木の実を盗んだ罪」で車輪人間のホイーラーズに追いかけられてしまう。ドロシーはビリーナの見つけた鍵で開く部屋を見つけて逃げ込むが、その部屋で《オズの国の軍隊》のぜんまい仕掛けの兵隊ティック・トックと出会う。ドロシーはティック・トックの力を借り、ホイーラーズのボスを懲らしめ、かかし王の行方は城に住むモンビ王女が知っていると聞き出す。ドロシーとティック・トックは早速モンビ王女に会いに行く。

モンビ王女は、シティを征服したノーム王が、かかしを王の領地の山へ連れ去ったことを教えてくれるが、ドロシーの“”を自身のコレクションに欲しがる。モンビは好みの“首”を集めては着替えて楽しむ魔女だった。そしてドロシーは城の塔の上の物置部屋に閉じ込めてられてしまう。その部屋でドロシーは新たな仲間ジャック・ザ・パンプキンヘッド(かぼちゃ頭のジャック)と出会う。ジャックはモンビの持つ「いのちの粉」の実験で生命を与えられたと話す。ドロシーはその夜に“首”のコレクションルームに忍び込み、「いのちの粉」を手に入れ、ガンプ(鹿の首の剥製)を空飛ぶソファにして、モンビ王女・ホイーラーズから逃れた。

ドロシーたちは空飛ぶソファで、夜空を飛行して死の砂漠を飛び超えて、ノーム山に不時着した。ノーム山でノーム王に捕らえれたドロシーたちは、置物のコレクションに変えられたスケアクロウを取り戻すために、命懸けのゲームに挑戦する。辛くもゲームに成功して、仲間たちを取り戻したドロシーに激怒したノーム王は、ジャックを食い殺そうとして口を開いた瞬間、ジャックの頭にかくれていたビリーナの産んだ卵を飲み込んでしまう。ノームたちにとっては、にわとりの卵が毒で唯一の弱点だった。崩れ落ちるノーム王から魔法のルビーの靴(原作:銀の靴)を取り戻したドロシーは靴の力を使って、エメラルドシティーの復活とノームの山からの脱出に成功した。 

かつての輝きと賑わいを取り戻したエメラルドシティーの王宮に、凱旋したドロシーたちは、鏡の世界に囚われていたオズマ姫を開放した。ドロシーは、ルビーの靴をオズマ姫に返して、オズの仲間たちに別れを告げて、靴の力で故郷のカンザスへ帰っていった。

カンザスでは、あのウーレイ医師の病院が雷で焼失し医師は死亡、怪しい治療していた罪でウィルソン看護士は捕らえられていた。新しく建てられた家のドロシーの部屋の鏡は、エメラルドシティーの王宮に繋がっていてオズマ姫とドロシーは楽しげに秘密を共有した。そして優しいヘンリーおじさんとエムおばさん、愛犬トトといっしょにカンザスでの暮らしが続いていった。

解説

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  • オズ・シリーズ第2巻『オズの虹の国』と第3巻『オズのオズマ姫』の2つの物語を、設定・エピソード・登場人物を再構成して1つの話にまとめている。ドロシーの不眠症や入院、病院、医者達については本作のオリジナルである。
  • 1939年MGM製作の映画『オズの魔法使』から「ルビーの靴」の設定と"There's no place like home."(「わが家にまさるところなし」)の呪文の台詞を引用した非公式の続編である。オズの国とカンザスの登場人物を同じ俳優の二役とする配役も踏襲している。一方で本作にミュージカル要素はない。
  • 製作総指揮のゲイリー・カーツを仲介にした流れで、1982年の映画『ダーククリスタル』の造型・美術スタッフが多数参加している。ほとんど画面に映らないような造形物まで丁寧に作りこむことで、異世界らしさを作り上げていく手法に共通点が見られる。
  • ノーム王やノームの民の岩石が精巧に変形し演技する表現はウィル・ビントンスタジオの"Claymation"技法による。アカデミー賞ノミネートはこの部分が評価された。
  • ジャック、ビリーナ、ガンプ、ティック・トックには精巧なアニマトロニクスが用いられている。
  • ロケとスタジオセット撮影はイギリスで行われた。当初世界各地でのロケを予定したが予算が縮小された。
  • 日本公開時には、タケカワユキヒデの「KEEP ON DREAMIN'」というイメージソングが作成されてCM等で使用された。オール英語の楽曲だが映画本編には使用されていない。

DVD/Blu-ray

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以前は日本市場向けのVHS版・LD版が発売されたが、2022年現在日本語字幕または日本語吹き替え音声付DVDBlu-ray Discは販売されていない。米国では英語版が2004年にDVDが、2015年に30周年記念リマスター版Blu-ray Discがそれぞれ発売されている。

配信サービス

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ディズニー公式チャンネルディズニープラスにて、日本語吹き替え版がブルーレイ画質で視聴ができる。

脚注

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注釈

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  1. ^ ポニーバンダイ版のVHSやDisney+の配信に使用されている。

外部リンク

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