xz (ファイルフォーマット)
拡張子 | .xz |
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MIMEタイプ | application/x-xz |
マジック ナンバー | FD '7zXZ' 00 |
開発者 | The Tukaani Project |
初版 | 2009年1月14日 |
最新版 | 1.1.0 (2022年12月11日 ) |
オープン フォーマット | Yes |
ウェブサイト | アーカイブ 2023年12月2日 - ウェイバックマシン |
xz は、データ圧縮プログラムのひとつ、およびその圧縮データのフォーマットである。LZMA/LZMA2圧縮アルゴリズムを利用している。xz自身にアーカイブ機能はないのでアーカイブする場合はtarと組み合わせて使用するのが一般的である[1]。xzの登場以前より使われていたgzip、bzip2と比較すると、圧縮時にはより多くの時間とメモリを消費するが、圧縮率では概ね優位で、また伸張速度もgzipより多少遅いがbzip2よりは速い傾向にある。このことから、特にアーカイブ配布用途として、tarとgzipを組み合わせて作成する場合やtarとbzip2を組み合わせる場合と並んで採用され、bzip2を置き換えるケースも増えている[2]。
実装
[編集]XZ Utilsはxzファイルを作成・展開するxzコマンドと、プログラムからxzファイルを扱うためのliblzmaを含んでいる。XZ Utilsバージョン4.999.9beta以降の実装では、GNU LGPL及びGNU GPLでライセンスされている。過去のソフトウェア(例えば、liblzma)はパブリックドメインである[3]。
GNU tarはバージョン1.22から、gzipやbzip2と同様に、透過的にxzファイルを使用することができる[4][5]。bsdtarでも利用可能。
7-Zipはバージョン9.04betaからxzをサポートしている[6]。
批判
[編集]lzipの作者は、xzは以下の設計上の理由で長期的なアーカイブ用途に不適切であるという見解を示した[7]。
- バージョン情報がないなど、実装間の安全な相互運用性が保証されていない
- 拡張性には不合理性があり、問題がある
- フラグや長さフィールドの保護が脆弱である
- LZMA2はオリジナルのLZMAよりデータロスに対して安全でなく効率が悪い
- 無駄な機能を含んでおり、破損の誤認識を増加させる
- 末尾のデータに関して一貫性のない挙動を示す
- エラー検出はbzip2、gzip、lzipに比べ数倍精度が低い
用途の例
[編集]- GNU Core Utilitiesバージョン7.1以上[8]やLinuxカーネル[9]のソースコードのアーカイブの圧縮。
- Fedora[10](Fedora 12から開始された)、FreeBSD、Slackware Linux、CRUX、Funtoo、Debian (.deb[11]) などの圧縮パッケージ。Arch Linux[12]やUbuntuもかつては使用していたがZstandardに切り替えた。
バックドア
[編集]XZ Utils 5.6.0, 5.6.1 にバックドアが仕掛けられていることが判明した[13]。sshdの認証を突破して不正にアクセスされる可能性が有る。発覚直後にGitHubのリポジトリがGitHubにより非公開化されたが、2024-07-22現在は再び公開されている。
参照
[編集]参考文献
[編集]- ^ tarとxzを組み合わせて作成されたアーカイブファイルの拡張子は
.tar.xz
となる。 - ^ LinuxやFreeBSDの配布など。
- ^ “XZ Utils”. 2022年7月26日閲覧。
- ^ “Tar - GNU Project - Free Software Foundation”. 2022年7月26日閲覧。
- ^ “ChangeLog.CVS - tar.git - GNU Tar”. 2022年7月26日閲覧。
- ^ “https://www.7-zip.org/history.txt”. 2022年7月26日閲覧。
- ^ “Xz format inadequate for long-term archiving”. 2022年7月26日閲覧。
- ^ GNU Coreutils files(バージョン7.1以上のファイルが.tar.xzとなっているものがあることを参照)
- ^ Index of /pub/linux/kernel(2011年10月頃から採用され、xzが存在しなかった時期にリリースされたバージョンにも遡って.tar.xzアーカイブが提供されている)
- ^ “Features/XZRpmPayloads - Fedora Project Wiki”. 2022年7月26日閲覧。
- ^ “Debian Changelog dpkg”. Debian (2011年5月4日). 2011年5月22日閲覧。
- ^ “Arch Linux - News: Switching to xz compression for new packages”. 2022年7月26日閲覧。
- ^ “NVD - CVE-2024-3094”. nvd.nist.gov. 2024年3月30日閲覧。
外部リンク
[編集]- Decompressors: Add XZ decompressor module - 肥大化しつつある昨今のLinuxカーネル向けに、新たなカーネルイメージ圧縮専用モジュールとしてxzが採用された(2.6.38以降)。