LaTeX

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LaTeX
The LaTeX logo, typeset with LaTeX
作者 レスリー・ランポート
初版 1980年(36年前) (1980代初期
最新版 LaTeX2e Issue 20 / 2011年6月27日(5年前) (2011-06-27
最新評価版 LaTeX3 Issue 08 / 2012年7月29日(3年前) (2012-07-29
対応OS クロスプラットフォーム
対応言語 英語
サポート状況 開発中
種別 組版処理、TeXマクロパッケージ
ライセンス LPPL英語版
公式サイト www.latex-project.org
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LaTeX(ラテック、ラテフ、レイテック、レイテックス)とは、レスリー・ランポートによって開発されたテキストベースの組版処理システムである。電子組版ソフトウェア TeX にマクロパッケージを組み込むことによって構築されており、単体の TeX に比べて、より手軽に組版を行うことができるようになっている。本来の表記は LaTeX であるが、プレーンテキスト電子メールなどでは、大文字と小文字を組み合わせて“LaTeX”と表記する。

なお、LaTeX を基にアスキー日本語処理に対応させたものとして日本語 LaTeX が、さらに縦組み処理にも対応させたものとして pLaTeX がある。

変換の様式。日本においてはdvipdfmではなくその拡張版のdvipdfmxを用いる場合が多い。

名称の読み方[編集]

LaTeX の生みの親レスリー・ランポートは、「LaTeX」の発音について自著の中で、

通常、TeX が「テック」と発音されているので、論理的に考えれば「ラーテック」や「ラテック」、「レイテック」などが妥当なところかもしれない。しかし、言葉というものはつねに論理的とはかぎらないので、「レイテックス」でもかまわない。

と述べている[1]。日本語では「ラテック」あるいは「ラテフ」と呼ばれることが多い。

成立の背景と開発者[編集]

LaTeX 以前に、「TeX」という名の数式の処理に優れる組版ソフトウェアがあり、その TeX を使ってもっと簡単に論文やレポートを作成したいという要望があった。LaTeX はその要望に応えて開発されたものであり、レスリー・ランポートが TeX の上にマクロパッケージを組み込むことで構築したものである。さらに LaTeX では、TeX の煩雑な部分の修正も行っている(たとえば、累乗根分数の設定方法など)。また TeX やそれを基にした LaTeX は主に米国での表記法を基に作られたもので、日本の初等教育中等教育での数式の書き方とは一部異なる[2][3]。例を挙げれば、日本の初等教育・中等教育では等号附き不等号として、「≦」と「≧」が、近似記号として「≒」が、相似記号として「」が用いられる。一方で TeX や LaTeX の標準では、等号附き不等号として「≤」(\leq または \le)と「≥」(\geq または \ge)が、近似記号として「≈」(\approx) や「∼」(\sim)、「≃」(\simeq) が、相似記号として「∼」(\sim) が用いられる。日本で使われる記号を使う必要がある場合は、amssymbパッケージを用いることで「≦」(\leqq)、「≧」(\geqq)、「≒」(\fallingdotseq) が使用できる。

動作環境と各種バージョン[編集]

LaTeX ソフトウェアは、LaTeX Project Public License (LPPL)[4]に規定されたライセンスで提供されたフリーソフトウェアである。現在、Mac OS XSolaris などの UNIXLinux OSBSD 系 OSOpenSolaris などの UNIX 互換 OS、そして Microsoft Windows など、多くのオペレーティングシステム上で利用できる。

現在使われているバージョンは LaTeX2e である。古い LaTeX 2.09 を利用している場合には、LaTeX2e への更新が推奨されている。

  • 1993年、LaTeX の新版である LaTeX2e(ラテック・トゥー・イー)がリリースされた[5]
  • 1995年、日本語 LaTeX2ε (pLaTeX2ε) がリリースされた。

なお、組版処理による表記ができないプレーンテキスト電子メールなどの場合には LaTeX2εを「LaTeX2e」と表記することになっている[6]。また、「pLaTeX2ε」は株式会社アスキー登録商標であり、「ピーラテックツーイー」と読むのが正しいとされている。

特徴[編集]

LaTeXでの文書作成と一般的なワープロソフトでの文書作成を比べると以下のような特徴が見られる。

  • ファイル作成時に記述するファイル形式と閲覧ファイル形式が異なる。
    • ソースコードを作成してコンパイル[7]を行うことで、はじめてDVI[8]PDF[9] のような閲覧用のファイルを得ることができる。
    • 一度コンパイルを行わないとどういった出力が得られるかがわかりにくい。
    • ソースコードをインクルード[10]することで、過去の文章を簡単に再利用できる。また、大規模な文書の場合に作業の分割を分割して並行作業することが容易である。
    • 一般的なプログラミング言語におけるライブラリに当たる、スタイルファイルを用いることで文書の表現力を拡張しやすい。
    • PerlLuaなどのプログラミング言語と連携させることがワープロソフトで作成されたファイルと比べて容易である。
  • 組版性能が高い。DTPシステムとして使用するものもいる。
    • 一般向けの出版物の作成にも充分に耐えられるものであり、実際の出版例もある[11]
    • 数式の入力のためのコマンドが豊富に組み込まれており行いやすい。更に数式組版の性能は特に高い。
  • ワープロソフトと比べるとコマンドについての知識が必要となる点で、初心者には扱いにくいと感じられることがある。

数式組版性能が非常に高いという特徴から、自然科学・応用科学系の中でも数学を多用する分野では学会提出の論文の標準形式として広く用いられている。論文誌に掲載するための体裁を整えたテンプレートの配布を行っている学会もある[12]。一方で化学式を多用する分野ではWord形式を奨励し、LaTeXの使用は一般的でないことがある[13]

入力と出力の具体例[編集]

以下は LaTeX 用の入力の例。

\documentclass[12pt]{article}
\title{\LaTeX}
\date{}
\begin{document}
\maketitle \LaTeX{} is a document preparation system for the \TeX{} 
typesetting program. It offers programmable desktop publishing 
features and extensive facilities for automating most aspects of 
typesetting and desktop publishing, including numbering and 
cross-referencing, tables and figures, page layout, bibliographies, 
and much more. \LaTeX{} was originally written in 1984 by Leslie 
Lamport and has become the dominant method for using \TeX; few 
people write in plain \TeX{} anymore. The current version is 
\LaTeXe.
\newline
% This is a comment, it is not shown in the final output.
% The following shows a little of the typesetting power of LaTeX
\begin{eqnarray}
E &=& mc^2                              \\
m &=& \frac{m_0}{\sqrt{1-\frac{v^2}{c^2}}}
\end{eqnarray}
\end{document}

上記のソースコードLaTeX で処理することで、以下のような出力が得られる。

LaTeX 出力例

以上、“ScienceSoft — LaTeX” に掲載されている例である。

脚注[編集]

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  1. ^ Leslie Lamport『文書処理システム LaTeXEdgar Cooke・倉沢良一 監訳、大野俊治・小暮博道・藤浦はる美 訳、アスキー、1990年、5項、ISBN 978-4-7561-0784-8
  2. ^ 日本の初等教育・中等教育での数式表記は JIS Z 8201 を基準にしている。2006年1月20日に確認が行われている JIS Z 8201-1981 (JIS Z 8201:1981) と国際標準である ISO 31-11:1992 とでは、表記が一部異なっている。
  3. ^ 日本の初等教育・中等教育での数式用に記号の形を調整するマクロとして、初等数学プリント作成マクロ emath がある。
  4. ^ LaTeX project: The LaTeX project public license
  5. ^ 奥村 & 黒木 2013, p. 2.
  6. ^ 奥村 & 黒木 2013, p. 4.
  7. ^ ソースコードをDVIなどの文書ファイル形式に変換すること
  8. ^ Microsoft Wordでしか開くことができなかったdocファイルのように処理系に依存しないとされるファイル形式
  9. ^ 処理系に依存しない標準規格
  10. ^ 他のソースコードの記述を自動的に読み込む仕組み
  11. ^ TeX で作られた本 — TeX Wiki
  12. ^ 例えば日本数学会電子情報通信学会
  13. ^ XyMTeXmhchemといったパッケージを利用すれば書けないわけではない

参考文献[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]