CD-i

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コンパクトディスクインタラクティブCD-i)とは、コンパクトディスクを用いた対話的環境のための規格である。最後の"i"は以前は大文字で、現在は小文字になっている。

規格書[編集]

表紙が緑色であり、グリーンブックと呼ばれる。

規格の内容[編集]

CD-i ロゴ

CDで対話的環境を構築するための、CDに記録すべき内容。対話的(インタラクティブ)なアプリケーションとは、利用者の操作内容に対応して、さまざまな情報を再生するようなCDソフトを指し、判り易い具体的な例としてはゲームソフトが該当する。このためには、単なるCDプレーヤーではなく、コンピュータを内蔵した再生機器が必要であり、この再生機器の仕様についても定義されている。 またサブセットとしてインタラクティブ機能を省いた、CD-BGM規格も存在している。

なおCD-DAとの互換性を確保することを目的とした独自規格CD-Ready(CD+)も別に存在した。

CD-iプレーヤー[編集]

再生機器の規格[編集]

再生機器は、CD-iプレーヤーと呼ぶ。構造は、組み込みコンピュータを内蔵したCDプレーヤーである。CPUはモトローラMC680x0、及びフィリップス社製SCC68070等のアーキテクチャ互換MPU、OSはCD-RTOSを使用する事と定められている。

CD-RTOS[編集]

CD-RTOSとは、CompactDisk - Real-Time Operating Systemの略である。アメリカのMicroware社(現RadySys社)が販売しているOS-9/68000 Ver.2.3が元に、主要な版であるCD-RTOS Ver.1.1は、OS-9 Ver.2.4.3がベースとなっている。実際は、CD-iのためのモジュールをいくつか追加したOS-9そのものである。追加されたファイルマネージャは、UCM(DSM+PSL)、CDFM、NVFMである。 動画再生機能は、CD-i/RAVE(RealTime Audio/Visual Extension)と呼ばれる別のモジュールで提供される。

CD-RTOSの特徴[編集]

  • リアルタイム・マルチタスク - ゲーム中CDの読み込みなど待たされずに操作が可能。
  • モジュール構造 - ビデオ再生機能、ユーザインタフェース機能など、自由に交換、更新が可能。
  • 安定性 - 充分に枯れたOSを基本としているため、フリーズなどとは無縁。

通常のOS-9から追加されたモジュール[編集]

  • UCM(User Communication Manager) - グラフィック、MMIを管理する。
  • CDFM(CompactDisk File Manager) - グリーンブック規格のCDの読み込みを行う
  • CSD(Configuration Status Descriptor) - CD-iプレイヤーの機種ごとの差異を吸収するための管理データを保持する。
  • NVFM(Non-volatile File Manager) - セーブデータを管理するためのデータファイルを保持する不揮発性ファイルマネージャ。
  • MPFM - MPEG-1ファイルを再生するためのファイルマネージャモジュール、実際のMPEG再生LSIのドライバと分離した構造になっており、汎用性が高い。

CD-iプレーヤーの特徴[編集]

  • ビデオ出力つきで、NTSCPAL規格のテレビジョン受像機に接続可能。
  • 7.6MHz(3.579545MHz×2)駆動のMC68000以上の速度の32ビットMPUを搭載。
  • 動画再生機能はオプション、または標準装備であり、ISO11172規格に基づくMPEG-1、ビデオCDの再生が可能。
  • マウスジョイパッドトラックボール等の入力機器をシームレスに同時使用可能。
  • 曲目等のデータを表示、保存できる高機能CD再生機能を装備。

実際に発売されたCD-iプレーヤー[編集]

フィリップスCDI450
  • フィリップス - 一般市場向けに各種のCD-iプレーヤーを発売した。
    • CDI450 - TVゲーム機風の筐体を持つCD-iプレーヤー。最廉価な形式だが、日本国内では、3~4万円程度した。
    • CDI550 - CDI450に、動画再生機能を付加したもの。
  • ソニー - 業務用ポータブルCD-iプレーヤーを発売した。一般向けには販売されなかった。
  • マスプロ電工 - 日本でカーナビ+ポータブルCD-iプレーヤーを発売した。

現状[編集]

往々にして、制定されて普及するころには時代遅れとなり、市場で勝ち残ったデファクトスタンダード(事実上の標準)に駆逐される事が多い標準規格の例に漏れず、CD-iも登場時に対抗機種のSONYプレイステーションや、セガセガサターンに負け、一般市場からは撤退している。現在では、規格に合致するためにだけ、PhotoCDのディスクの中に再生アプリケーションが書き込まれている程度で、あまり知られておらず、ほとんど規格書の中だけの存在となっている。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]

海外では、21世紀になってもCD-iユーザの活発な活動が行われている。