板尾創路の脱獄王
板尾創路の脱獄王 | |
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監督 | 板尾創路 |
脚本 |
増本庄一郎 板尾創路 山口雄大 |
製作 |
片岡秀介 仲良平 田島雄一 菊地徳明 小西啓介 鳥澤晋 |
製作総指揮 |
白岩久弥 橋爪健康 水上晴司 |
出演者 |
板尾創路 國村隼 など |
音楽 | めいなCo. |
撮影 | 岡雅一 |
編集 | 山田雄大 |
製作会社 | 吉本興業、角川映画 |
配給 | 角川映画 |
公開 | 2010年1月16日 |
上映時間 | 94分 |
製作国 | 日本 |
言語 | 日本語 |
『板尾創路の脱獄王』(いたおいつじのだつごくおう)は、2010年の日本映画。
概要
お笑いタレントの板尾創路の監督作品であり、長編映画デビュー作でもある。
タイトルが示す通り脱獄を題材とした作品であり、板尾が小学生の頃に見た『大脱走』や『パピヨン』の影響を受けているという。
ストーリー
戦争に向かって不穏な空気が流れるある時代。どんな刑務所・拘置所に収容されても驚異的な身体能力と奇想天外なアイディアで脱獄する男がいた。その男の名は鈴木雅之。脱獄を繰り返す彼を人は「脱獄王」と呼ぶようになった。何度脱獄しても必ず線路沿いで身柄を拘束される鈴木に疑問を抱く看守長の金村。実は鈴木が脱獄を繰り返すのには、ある大きな理由があった。
キャスト
- 鈴木雅之:板尾創路
- 最初は食い逃げで捕まっただけの男で、まじめに罪を償っていればとっくに刑期を終えて自由の身になっているはずなのだが、身体能力と奇想天外なアイディアで脱獄を繰り返し、その度に刑期が伸びている。金村が出会う前に既に2度も脱走した曰くつきの囚人。胸に逆さ富士の刺青を入れている。非常に無口で、看守に虐待をされても表情一つ変えないほどミステリアスな印象の持ち主。脱獄の腕はあるのになぜか線路沿いという、列車が無ければ見通しの良い、追いかける方から見れば簡単に見つけられる場所で捕まるという初歩的なミスを繰り返し、最終的には監獄島刑務所に送られる。
- 金村:國村隼
- 信州第二刑務所の看守長(初登場時)。非番の日に鈴木が脱獄してしまった責任を取って無休で仕事をするほどの実直な人物。移送されてきた鈴木にただならぬ雰囲気を感じ取り、最終的に司法省の高官となっても鈴木の最期を見届けたいと鈴木の監獄島への移送を申し出る。鈴木の目的を見抜いたただ一人の人物。
- 北陸中央刑務所・所長:オール巨人
- 鈴木が収容された刑務所の所長。視察に訪れた金村に刑務所の案内をする。
- 信州第二刑務所・所長:阿藤快
- 金村(初登場時)の上司。
- 飯塚:木下ほうか
- 信州第二刑務所の刑務官で金村の部下。
- 監獄島刑務所・囚人:榎木兵衛
- 監獄島の最奥部に収容されている囚人の二人のうちの一人。
- 橋本:津田寛治
- 監獄島刑務所の刑務官。鈴木が脱獄をしたことで行われる「人間狩り」に嬉々とした表情で参加する。
- 竜崎:木村祐一
- 北陸中央刑務所の刑務官。規律違反を繰り返す鈴木に虐待をする。
- 臼井:宮迫博之
- 信州第二刑務所の刑務官。鈴木の身体検査をする。
- 北陸中央刑務所・囚人:千原せいじ
- 顔の右半分のケロイドが特徴。うめき声を上げている。
- 監獄島刑務所・所長:ぼんちおさむ
- 右目じりの大きなあざが特徴。監獄島刑務所の強固さに自信をもっていて、脱獄警報が鳴ってものんびりと金村に茶をすすめる。
- 監獄島刑務所・囚人:笑福亭松之助(特別出演)
- 監獄島の最奥部に収容されている囚人の二人のうちの一人。
- 上羅小五郎:石坂浩二
- 司法省の高官で金村を取り立てた人物。教会で祈りを捧げる金村の姿に嫌悪感を抱く。
用語
- 監獄島刑務所
- 孤島にそびえたつ刑務所。そこに入った者は戸籍すら抹消され、戸籍上の名前で呼ばれることも無くなり、二度と娑婆へ戻ることができないと言われている。周囲を海に囲まれており、その海の波は激しく、加えてフカが生息していることから泳いで脱獄することは不可能。脱獄ができないことから、牢獄が存在しない。看守室も吹きさらしの中にあって、囚人の資料は埃にまみれている。鈴木の最終目的地。
- 人間狩り
- 監獄島刑務所から脱獄を図った囚人に対する捜索に対する、所長や刑務官らが用いる俗称。監獄島刑務所に収容されているのは刑期の長いいわくつきの犯罪者ばかりであることから、刑務官に脱獄を図った囚人を生きて捕えようという考えは無く、見つけ次第射殺するという方針であることからこの名前が付いた。これに対して金村は「君たちに勝手に裁く(死刑を決めて執行する)権利は無いはずだ」と訴えるが、所長は「みんな最初からこのやり方で動いている」と反論した。
- 刑務官の追跡を逃れて海に飛び込んだ囚人も過去に存在したが、その囚人は海の中でフカに襲われ、体の半分を食べられた無残な姿(橋本曰く「あれを見たら数日は飯を食えない」)となって発見されており、どちらにしても脱獄が不可能となっている所以である。劇中で鈴木が脱獄した件は「久しぶり」とされている。
出品先
- 沖縄国際映画祭2009
- 第14回釜山国際映画祭
- 第53回アジア太平洋映画祭
- 第9回マラケシュ国際映画祭