ライスボウル

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

これはこのページの過去の版です。Ringajin (会話 | 投稿記録) による 2021年3月5日 (金) 18:57個人設定で未設定ならUTC)時点の版 (→‎概要: 内容追加)であり、現在の版とは大きく異なる場合があります。

アメリカンフットボール日本選手権
ライスボウル
会場となる東京ドーム
競技 アメリカンフットボール
開始年 1948
主催 日本アメリカンフットボール協会
チーム数 2チーム
加盟国 日本の旗 日本
前回優勝 オービックシーガルズ(8回目)
最多優勝 オービックシーガルズ(8回)
テンプレートを表示

ライスボウル(英表記:Rice Bowl)は、アメリカンフットボールの日本一のチームを決定する選手権試合。現在の大会正式名称は「アメリカンフットボール日本選手権 プルデンシャル生命杯 第○○回ライスボウル」である。最多優勝は、オービックシーガルズ(「リクルートシーガルズ」と「シーガルズ」時代を含む)の計8回。

概要

元々この大会は1948年から学生オールスターの東西対抗戦として1月15日の前後に行われてきたが、1983年度(1984年開催)から日本選手権として位置付けられ、学生代表と社会人代表が直接対決する形となり、併せて毎年1月3日に開催されるように変更された[1]。選出方法は以下の通り。

  • 学生代表
    • 1983 - 2005年度と2009年度以降は甲子園ボウルの勝者。
    • 2006 - 2008年度は甲子園ボウルの勝者・東日本学生王者決定戦(シトロンボウル)の勝者・西日本学生王者決定戦(ウエスタンボウル)の勝者の3チームから学生代表決定委員会が選定する方式であった。
    • 2005年度までは甲子園ボウルが関東と関西の両連盟による対抗戦であったため、関東・関西以外の連盟の所属チームには出場権が無かった。2006年度より北海道・東北・中四国・九州の各学生アメリカンフットボール連盟の所属チームに対しても出場への門戸が開かれる形となり、制度上は全ての学生アメリカンフットボール連盟の所属チームに対してライスボウル出場の可能性が与えられることとなった。ただし、実際には上記3つのボウルゲームの出場資格を満たす北海道・東北・関東・関西・中四国・九州の各学生1部リーグ所属チームに限られていた(北陸及び東海学生1部リーグは関西学生Div.2〔2部〕に相当していたため、両リーグ所属チームは除外されていた)。2009年度から甲子園ボウルが「全日本大学アメリカンフットボール選手権大会」の決勝戦としてリニューアルされたため、これまで出場権が与えられていなかった地域を含めた全国8地区9チーム(関東のみ2チーム、他各地域代表1チームずつ、2016年度より関西のみ2チーム、他各地域代表1チームずつ、2019年度は関西の出場枠が1つ増え、計10チーム)のトーナメントで優勝したチームが出場する。
  • 社会人代表[2]
    • 1983 - 86年度は日本実業団リーグの優勝チーム。
    • 1987年度以降は日本社会人選手権(旧称 東京スーパーボウル。これ以降クラブチームの出場が可能となる。1989年度から日本社会人アメリカンフットボールリーグの決勝戦を兼ねる。2003年度からジャパンエックスボウルに名称変更)の優勝チーム。

試合会場は1990年度(1991年開催)までは国立霞ヶ丘陸上競技場だが、1991年度(1992年開催)以降は東京ドームである[3]

ライスボウルの最優秀選手(MVP)には、ポール・ラッシュ杯(清泉寮を興し、アメリカンフットボールを日本に広めたポール・ラッシュにちなむ)が贈られる。

大会名称の「ライス」とは、年末年始にかけて行われるアメリカのカレッジフットボールのボウル・ゲームの名称が開催地の特産品(例:ローズボウル=バラシュガーボウル=砂糖オレンジボウル=オレンジなど)の名が付いているのに倣って、日本の主食であるの英名「ライス」を冠したものである。

以前は社会人が同好会的に活動していたため、なかなか練習量に勝る学生に勝つことが出来ず、ラグビーその他殆どのスポーツと違い、学生チームの方が強いという奇妙な状態であったが、オンワードオークスリクルートシーガルズなど、ある程度の練習時間を確保出来るチームが出現し、次第に他のスポーツ同様、社会人チームが学生チームを上回るようになった。

1988 - 1990年度の日大3連覇以後、大学チームは1995年度の京大、その後も2001年度の関西学院大まで社会人チームに勝てず、90年代を通じて“学連はライスボウルを獲れない”、“社高学低”といった評価がなされたが、立命館大の台頭などもあり、学生・社会人の力量は以前よりは拮抗する時期もあった。

しかし、2009年(平成21年)を最後に学生チームは10年程、社会人チームの後塵を拝している。前述の通り、練習量を確保できる上に外国人選手の登録が各チーム4人(同時にフィールドに立てるのは2人)まで可能となり、スピードは辛うじて互角に渡り合えるとしてもスキル、特にフィジカルでは圧倒的に及ばなくなっており、開催そのものへの異議を唱える者がいることもまた事実であり、日本アメリカンフットボール協会側からも開催存続を前提にレギュレーションの見直しについて検討するコメントが言及されている[4][5][6]

その様な中でも未だ正月の風物詩として、学生はどこまでやれるのかと注目度は高い。当日には前座試合としてフラッグフットボール日本選手権大会決勝戦が、後座試合として女子タッチ・フットボールの全日本王座決定戦である「さくらボウル」が行われていた。2017年開催より、前座第一試合として「さくらボウル」が、前座第二試合として「関東中学生アメリカンフットボール オールスター戦」が開催されることになった。

前述の通り、近年の社会人チームと学生チームの実力差が顕著になっていることから、2020年度(2021年開催)を持って現行方式での大会を終了することになった。2021年度(2022年開催)以降については、Xリーグ優勝決定戦など新方式での開催を検討している[7]

その様な状況下、2021年1月30日、日本アメリカンフットボール協会の臨時理事会において、2021年度より対戦を見直し、大学生チームの出場を取り止め、ライスボウルの名称は継続しつつ、2022年1月3日(予定)に社会人優勝決定戦を「アメリカンフットボール日本選手権 ライスボウル」として開催する旨が決議された[8]

テレビ中継は2010年度(2011年開催)シーズンまでNHK教育テレビ、2011年度(2012年開催)シーズンよりNHK BS1で生中継されている。[9]なおNHK以外の中継は一時、Xリーグ中継局のスカイ・Aが録画中継を行ったこともあり、スカイ・A中継をKBS京都テレビ埼玉がネットしたこともある。また1990年開催以後、東京ケーブルネットワーク(TCN)製作を受けており、TCNの自主放送チャンネルでも放送されていたこともある。

試合方式

  • 15分4クオーター(計60分) 第2・3クオーター間にハーフタイムを入れる。
  • 同点の場合は延長戦コイントスはしないでそのまま試合終了とし双方の優勝とみなす。

大会協賛スポンサー

過去の戦績

歴代成績

開催年 優勝 スコア 準優勝
1948年1月17日 1 関東 33-12 関西
1949年1月2日 2 関東 52-0 関西
1950年1月4日 3 関西 19-13 関東
1951年1月2日 4 関東 27-6 関西
1952年1月5日 5 関東 20-7 関西
1953年1月1日 6 関東 43-0 関西
1954年1月1日 7 関東 20-7 関西
1955年1月1日 8 関東 20-0 関西
1956年1月1日 9 関東 19-0 関西
1957年1月13日 10 関西 21-13 関東
1958年1月1日 11 関東 31-0 関西
1959年1月1日 12 関東 25-0 関西
1960年1月1日 13 関東 68-0 関西
1961年1月1日 14 関東 22-12 関西
1962年1月1日 15 関東 42-16 関西
1963年1月1日 16 関東 40-8 関西
1964年1月1日 17 関西 12-6 関東
1965年1月1日 18 関東 44-6 関西
1966年1月15日 19 関西 20-14 関東
1967年1月15日 20 関西 34-30 関東
1968年1月15日 21 関西 18-8 関東
1969年1月15日 22 関東 16-12 関西
1970年1月15日 23 関西 14-8 関東
1971年1月15日 24 関西 28-6 関東
1972年1月16日 25 関東 30-20 関西
1973年1月15日 26 関西 28-26 関東
1974年1月13日 27 関西 47-0 関東
1975年1月12日 28 関東 31-7 関西
1976年1月11日 29 関西 14-10 関東
1977年1月9日 30 関西 21-7 関東
1978年1月16日 31 関東 26-14 関西
1979年1月4日 32 関東 21-0 関西
1980年1月4日 33 関東 42-14 関西
1981年1月4日 34 関東 35-15 関西
1982年1月10日 35 関東 20-9 関西
1983年1月16日 36 関東 37-34 関西
  • 第1回 - 第9回:明治神宮外苑競技場、第10回・第15回 - 第17回:後楽園競輪場、第11回:後楽園球場、その他:国立霞ヶ丘陸上競技場。

ライスボウルは第36回大会までは学生オールスターの東西対抗戦(関東24勝・関西12勝)であり、開催回はその時からのものを引き継いでいる。ここでは、現在の「大学代表vs社会人代表」の形式となった第37回大会以降の成績について掲載する。

開催年 大学 スコア 社会人
1984年 37 京都大学ギャングスターズ 29-28 レナウンローバーズ
1985年 38 日本大学フェニックス 53-21 レナウンローバーズ
1986年 39 関西学院大学ファイターズ 42-45 レナウンローバーズ
1987年 40 京都大学ギャングスターズ 35-34 レナウンローバーズ
1988年 41 京都大学ギャングスターズ 42-8 レナウンローバーズ
1989年 42 日本大学フェニックス 47-7 レナウンローバーズ
1990年 43 日本大学フェニックス 42-14 アサヒビールシルバースター
1991年 44 日本大学フェニックス 35-13 松下電工インパルス
1992年 45 関西学院大学ファイターズ 6-28 オンワードオークス
1993年 46 京都大学ギャングスターズ 20-29 アサヒビールシルバースター
1994年 47 関西学院大学ファイターズ 23-28 アサヒビールシルバースター
1995年 48 立命館大学パンサーズ 14-16 松下電工インパルス
1996年 49 京都大学ギャングスターズ 35-21 松下電工インパルス
1997年 50 京都大学ギャングスターズ 16-19 リクルートシーガルズ
1998年 51 法政大学トマホークス 0-39 鹿島ディアーズ
1999年 52 立命館大学パンサーズ 16-30 リクルートシーガルズ
2000年 53 関西学院大学ファイターズ 17-33 アサヒビールシルバースター
2001年 54 法政大学トマホークス 13-52 アサヒ飲料チャレンジャーズ
2002年 55 関西学院大学ファイターズ 30-27 アサヒ飲料チャレンジャーズ
2003年 56 立命館大学パンサーズ 36-13 シーガルズ
2004年 57 立命館大学パンサーズ 28-16 オンワードスカイラークス
2005年 58 立命館大学パンサーズ 7-26 松下電工インパルス
2006年 59 法政大学トマホークス 17-47 オービックシーガルズ
2007年 60 法政大学トマホークス 29-30 オンワードスカイラークス
2008年 61 関西学院大学ファイターズ 38-52 松下電工インパルス
2009年 62 立命館大学パンサーズ 17-13 パナソニック電工インパルス
2010年 63 関西大学カイザース 16-19 鹿島ディアーズ
2011年 64 立命館大学パンサーズ 0-24 オービックシーガルズ
2012年 65 関西学院大学ファイターズ 28-38 オービックシーガルズ
2013年 66 関西学院大学ファイターズ 15-21 オービックシーガルズ
2014年 67 関西学院大学ファイターズ 16-34 オービックシーガルズ
2015年 68 関西学院大学ファイターズ 24-33 富士通フロンティアーズ
2016年 69 立命館大学パンサーズ 19-22 パナソニックインパルス
2017年 70 関西学院大学ファイターズ 13-30 富士通フロンティアーズ
2018年 71 日本大学フェニックス 9-37 富士通フロンティアーズ
2019年 72 関西学院大学ファイターズ 17-52 富士通フロンティアーズ
2020年 73 関西学院大学ファイターズ 14-38 富士通フロンティアーズ
2021年 74 関西学院大学ファイターズ 18-35 オービックシーガルズ
  • 通算成績:社会人代表チーム26勝・大学代表チーム12勝

出場チーム毎の戦績

出場回数順、成績の同じものは出場の古い順。チーム名の表記は全て直近の出場時の名称に統一。

学生代表チーム
チーム名 出場 優勝 準優勝
関西学院大学ファイターズ 14 1 13
立命館大学パンサーズ 8 3 5
京都大学ギャングスターズ 6 4 2
日本大学フェニックス 5 4 1
法政大学トマホークス 4 0 4
関西大学カイザース 1 0 1
社会人代表チーム
チーム名 出場 優勝 準優勝
オービックシーガルズ 9 8 1
パナソニックインパルス 7 4 3
レナウンローバーズ 6 1 5
富士通フロンティアーズ 5 5 0
アサヒビールシルバースター 4 3 1
オンワードスカイラークス 3 2 1
鹿島ディアーズ 2 2 0
アサヒ飲料チャレンジャーズ 2 1 1

脚注

  1. ^ ライスボウルとはコトバンク。
  2. ^ 社会人アメリカンフットボールの歩み - 一般社団法人日本社会人アメリカンフットボール協会 2021年3月6日閲覧。
  3. ^ 日本スポーツ振興センター『SAYONARA国立競技場56年の軌跡 1958-2014』朝日新聞出版、2014年、81頁。ISBN 978-4-02-190250-5 
  4. ^ 関学大・鳥内監督「次元が違いすぎる」社会人対大学の大会方式に疑問呈す - デイリースポーツ online 2019年1月3日。
  5. ^ 契約であと2年は社会人王者対学生王者という構図は変えられず…… - サンケイスポーツ 2019年1月6日、2019年1月9日閲覧。
  6. ^ ライスボウルの見直しなし 枠組みや出場制限などの変更なく継続 - サンケイスポーツ 2019年12月15日。
  7. ^ 現行のライスボウル消滅へ 実力差顕著で新方式協議”. 日刊スポーツ (2021年1月6日). 2021年1月9日閲覧。
  8. ^ ライスボウルの対戦方式を見直しへ ‐ Xリーグ 2021年1月31日、2021年2月19日閲覧。
  9. ^ 2009年度より学生代表決定戦の「毎日甲子園ボウル」、2012年度よりXリーグ決勝戦「ジャパンエックスボウル」の生放送が行われるため、日本の3大ボウルゲームを独占放送することとなる。

外部リンク