Countryhumans
Countryhumans(カントリーヒューマンズ)とは、ポーランドボール[1]から派生した国家を題材にしたインターネット・ミーム、またはそのキャラクターを擬人化させたもの。単数形のCountryhuman(カントリーヒューマン)や、略称の「カンヒュ」「CH」などが使われることもある。
日本語を含めた多くの言語で「Countryhumans」表記が使われている。
概要
国家をその歴史・政治的性格や国民性を基に擬人化し、風刺するコンテンツ。政治的メッセージが強い作品もあれば、キャラクターどうしの関係性を楽しむ国家的要素の少ない作品もある。
ポーランドボール同様に公式が存在しないため、その定義や表現も投稿者によってまばら。
オーソドックスなキャラクターの外見としては、ポーランドボールのように国旗を球体化した頭部を持ち、国旗色にペイントされた身体を持つ棒人間のような姿をしている。目はポーランドボールのように白目のみで描かれることも多いが、投稿者によっては瞳を入れることもある。国章は眼帯とされることもある。
また、頭部は完全な球体とは限らず[2]、頭髪がついていることや、そもそも球でなく人間の輪郭に近いことも多い。公式的なCountryhumansの定義が存在していないため、肌や髪に国旗の色を使用した棒人間ではない完全な人型のキャラクター、もしくは身体のどこにも国旗の要素がない単なる国の擬人化としてのキャラクターにもCountryhumansという定義を当てはめることがある。ただし、上述のような人間的な要素が強いキャラクターは、オリジナルの国擬人化キャラクターとして捉えられることも多く、Countryhumansとは別の作品と定義されることも多い。厳密な定義は存在しないため、どこまでをCountryhumansに含めるかは個人によって異なる。
公式で定められたキャラクターデザインが存在しないため、投稿者によってCountryhumansの服装も大きく異なる。しかし、ポーランドボール同様に服装や持ち物にはその国独自のものが多い[3]。民族衣装やその国の指導者の服を着ていることもある。
キャラクターの性格付けもそのほとんどが国民性に基づいているが、投稿者の解釈によって同じ国でも性格や他国との関係性が大きく変わっている。
ファンダムには、ブラックジョークともとれるエスニックジョークや、史実に基づいた作品、政治問題を含む描写、時事的な国際情勢に触れる作品など、見方によっては不謹慎ともとれる投稿も含まれている。
公式が存在していない代わりにインターネット上でのファンの創作活動が盛んであり、動画投稿サイトのYoutube、Bilibili、画像投稿サイトのPixiv、Instagram、Tumblr、短文投稿サイトのTwitter、Facebook、VK、Lofter等で多くの作品を見ることができる。
類似コンテンツとして、都市を擬人化した「cityhumans」、都道府県を擬人化した「都道府県ヒューマンズ」、天体を擬人化した「planethumans」などが存在する。これらも、Countryhumansと同様に棒人間のような容姿で描かれることが多いが、より人間的な外見のものも多く存在する。しかし、そのような要素の強いものはオリジナルの「都市擬人化」「都道府県擬人化」「天体擬人化」作品として、別のコンテンツという扱いをされることも多い。
歴史
ロシア版Facebookと言われるVKが発祥とされているが、インターネット・ミームのため詳細は不明だが、ポーランドボールを擬人化したものがCountryhumansという新たな作品[4]としてインターネットを通じて世界中に浸透していったとされる。
確認できる最古の作品が、動画投稿サイトYoutubeでは2018年8月16日[5][出典無効]、画像投稿サイトPixivでは2018年8月19日[6]であるため、遅くとも2018年夏頃には存在していたものと思われる。
YouTubeを通してCountryhumansを用いたアニメーションmeme動画が世界中に広がり、現在では日本を含め各国に多くのファンがいる。
キャラクター
Countryhumansでは、国家のみならず国際機関(国際連合や欧州連合など)や地域(香港やグリーンランドなど)が擬人化されることもある。
以下はCountryhumansで描かれる主要な国家とそのステレオタイプだが、あくまで一例であり公式的なものではない。
ヨーロッパ
イギリス
シルクハットを被った皮肉屋の英国紳士。ファンアートではよく紅茶を嗜んでいる。イングランドら構成国たちとともに描かれることも。
フランス
ベレー帽を被り首にスカーフを巻いた男性、もしくは女性。画家という設定であることが多い。美食家でプライドが高い。
ポーランド
おとなしい少年もしくは青年。手にラバーカップ[7]を持っているファンアートも多い。翼が生えていたり、頭部に傷が残っていたりすることもある。
国旗の上下が反転している絵もある。
ドイツ
規律に厳しく仕事熱心、社畜。メガネとスーツを身につけていることが多い。ナチス・ドイツやドイツ帝国はかつての姿もしくは親。
オランダ
寛容だが守銭奴な青年。名物のチューリップや風車とともに描かれることが多く、麻薬を吸っているという描写も多い。
スイス
金銭的に豊かな中立主義者。スイスナイフやスイス時計を身につけていることも多い。
イタリア
カンカン帽とスカーフを身につけた陽気な青年。ピザやパスタを食べているファンアートが多い。イタリア王国を親とする設定も多く見かける。
スペイン
ラテン的な陽気さを持つ青年、もしくは女性。趣味はシエスタで、兄弟にポルトガルがいる。
フィンランド
ニット帽を被った無口な青年。よくフィンランディアを飲んでいる。凄腕のスナイパーであることも。エストニアとは兄弟のような関係にある。
エストニア
青、もしくは国旗柄のマフラーを巻いた少女。IT関係に明るく、プログラマーとして描かれることも多い。
ロシア
酒好きの無口な大男。ウォッカを片手に持ったファンアートをよく見かける。ロシア帝国、ソビエト連邦は祖先であったり同一人物であったりする.
ルーマニア
何事にもイライラすることが多い青年。彼は吸血鬼として解釈される。彼は時々小さな黒いコウモリの羽を持つ。
アジア
日本
猫耳をつけた女子高生、鬱々とした社畜など多くのステレオタイプを持つ。それゆえ複数人で描写されることもしばしば。大日本帝国はかつての姿、親、または兄弟姉妹であることが多い。
中国
黒いビジネススーツに黒マスク、もしくはチャイナ服を身につけた男性。中華民国とは兄弟であることも多い。言葉の最後に「アル」とついているファンアートもある。
韓国
赤と青のパーカーを身につけた若者。K-POPやゲームが好き。北朝鮮とは双子とされる。
北朝鮮
人民服もしくは軍服を着た閉鎖的な性格の青年。趣味はミサイル開発。
モンゴル
デールを身につけたモンゴル帝国の子孫。遊牧民族のイメージから羊を連れているファンアートも多く見かける。
インドネシア
ペチを被った明るい自由人。PKIとは家族のような関係だったが、ある時期を境に決別したとされる。
ベトナム
ノンラーを被った几帳面な青年。女性の場合はアオザイを着ていることもある。
アメリカ大陸
アメリカ合衆国
黒い「NATO」Tシャツとサングラスを身に着けた陽気な青年。 13 コロニー の時代は以前のままだったと言われている。
カナダ
毛皮の帽子を被り、赤いチェックのシャツを着たおとなしい青年。アザラシ狩りのイメージからか、斧を片手に持っていることが多い。
メキシコ
ソンブレロを被りポンチョを着た陽気な青年、もしくは女性。背中にカラカラの羽が生えていることがある。国旗中央の国章は茶色の丸として省略されることも多い。
ブラジル
黒いTシャツと黒のキャップを身につけた大柄な青年。サッカーとカーニバルが好き。
脚注
- ^ ポーランドボールはCountryhumansの派生源ではあるが、ポーランドボールにおいてボールに黒目を入れる、手足を生やす、口や頭髪を付けるといった行為はすべてルール違反である
- ^ ポーランドボールにおいて球体でないキャラクター(三角形のシンガポールや、長方形のカザフスタンなど)は、Countryhumansでもポーランドボール同様非球体で描かれることが多い
- ^ イギリスがシルクハットを身につけていたり、アメリカがサングラスを身につけていたりするなど
- ^ ポーランドボール上では、ボールに手足を生やしたり、目や口を付けたりするのはルール違反とされていることもあり、基本的には別作品として扱われる。
- ^ https://www.youtube.com/watch?v=LuAIiht5OpA&t=2s
- ^ “#ポーランドボール log #1 - Stu dogのイラスト”. pixiv. 2022年11月26日閲覧。
- ^ ポーランドボール由来