エスニックジョーク

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ナビゲーションに移動 検索に移動

エスニックジョーク (: ethnic joke) とは、ある民族民族性、もしくはある国民性を端的にあらわすような話によって笑いを誘うジョークのことを言う[1]。国民性や民族性を大げさに皮肉ったり、はぐらかしたりする[2]

民族文化への風刺という性質上、社会的なタブー民族差別)に抵触する部分があり、ブラックジョークの一種に分類される事も多い。

概要[編集]

エスニックジョークとは、ある民族もしくはある国の国民が一般的に持っていると思われている典型的な性格や行動様式など、ステレオタイプに着目し、その特徴を端的に表現したり、揶揄するようなエピソードを紹介することで笑いを誘うものである。国民性と民族性をよく表しているとされ、英語圏ではアイルランド人、スコットランド人を題材にしたものが多いが、それ以外にもイギリス人、アメリカ人、ドイツ人、フランス人、インド人、中国人、日本人と題材にされる[1]

このため、ある民族、国民が一般的に持っていると思われている特徴、例えば「日本人は集団主義者である」、「ドイツ人は合理的である」というような特徴が共通理解となっていて初めて成立するジョークである。

こうしたジョークを「エスニックジョーク」と呼ぶようになったのは、1970年代頃であると考えられている[3]

差別性[編集]

エスニックジョークに用いられている民族性(国民性)とは当然、ステレオタイプなものであり、必ずしも現実と一致しているものではない。この為、差別的ととらえられる場合もありうる。

エスニックジョークが親しまれている国では、ネタにする立場の人とネタにされる立場の人の間で、ジョークが差別的かつ侮蔑的だという理由で確執が生まれたりすることはあまり無く、むしろ互いの民族(国民)の典型的な特徴を指摘して笑いあうという関係を楽しんでいることが多い。

ジョークの例[編集]

  • 中国人、アメリカ人、日本人の3人が列車で旅をしていた[1]
    • アメリカ人が火をつけた煙草を一服しただけで窓から投げ捨てた。中国人「もったいない」、アメリカ人「アメリカでは煙草は捨てるほどある」
    • 日本人がカメラを窓から投げ捨てた。中国人「もったいない」、日本人「日本ではカメラは捨てるほどある」
    • 中国人が隣に座っていた中国人を窓から放り出した。アメリカ人、日本人「何をするんだ」、中国人「中国では人間は捨てるほどいるから」
  • 沈没船ジョーク(タイタニックジョークとも)の例[4]
    • 沈没しかけた船に乗り合わせる様々な国の人たちに、海に飛び込むよう船長が説得を行う。
    • アメリカ人に 「飛び込めばあなたはヒーローになれます」
    • イギリス人に 「飛び込めばあなたはジェントルマン(紳士)になれます」
    • ドイツカ人に 「飛び込むのはルールです」
    • イタリア人に 「飛び込めばあなたは女性に愛されます」
    • 日本人に 「みんな飛び込んでますよ」
  • 問題が発生したら、それぞれの国家では、どんな対処をするのか[5][6]
    • ドイツ:最短の時間と最低のコストで解決する。
    • アメリカ:コストを惜しまず手段を講じるが、なぜかドイツ人よりも時間がかかる。
      「些末ならで、重大なら軍事力で解決する」となっているのもある。
    • イギリス:ティータイムにして解決したことにする。
      16世紀まで遡って判例を調べる」というものある。
    • アイルランド:まずはエールを一杯・二杯・三杯・・・・・・
    • アイスランド:「まぁ、何とかなるんじゃね?(Petta reddast)」→問題点は有耶無耶に。
    • フランス:喧々囂々の末に、デモが起きたり衝突したりで問題が深刻化。
    • ベルギー:解決策だった筈が、何時の間にか問題を起こす原因となっている。
    • スイス:国民投票を行う。
      答えは出るが、解決するとは限らない。
    • イタリア:パスタを食って解決したことにしてしまう。
      これに「面倒なことはドイツ人がやってくれる」と続くのもある。
    • スペイン:問題点を放置したままシエスタする。
    • ギリシャ:政府機関から商店に至るまで閉鎖してしまう。
      あるいは「欧州連合に責任を押し付ける」ってのもあり、それと対にスペインが「ギリシャ人よりはマシなことをやるだろう」というのになっている。
    • スウェーデン:アイデアは思いつくものの、どうすれば良いのか解らずイケアサポートデスクに電話する。
    • チェコ:「そもそも問題点なの?」で終了。
    • インド:聖なるお伺いを立てる。
      「国外に移住する」というのもある。
    • ロシア:当事者は勿論、問題を指摘した者から目撃者から全て逮捕して、解決を宣言する。
    • 日本:関係者が自殺し、責任者が泣きながら謝罪するも、実際には責任を取らない様に根回しを済ませている。
    • 北朝鮮:この国では問題点も解決策も偉大なる第一書記によって指導される。
    • 中国:我が国にはその様な問題は存在しない!!と言いつつ、一方では問題を起こした幹部が拘束され、他方では、問題を指摘した者も逮捕される。
    • 南アフリカ:ラグビーの試合で決着をつける。
    • オーストラリア:兎に角バーベキューでもして解決したことにしてしまう。
    • ブラジル:サッカーの試合で決着をつける。
    • アルゼンチン:堂々巡りの果てに、かなり問題点が深刻になってしまう。
    • ジャマイカ:問題点を巻いて火点けて・・・・・・問題点なんてありませんぜメーン♪
  • 日本人ビジネスマンが蕎麦を食べ始めたところ、周囲の人が立ち上がって踊り始めた[2]
    食べるときに大きな音を立てることを揶揄したもの。

出典[編集]

  1. ^ a b c 英語のジョークを楽しむ会 「第7章 他人のことなら(エスニックジョーク)」『楽しく英語が身につくジョーク集 ビジネス・日常で使えるジョーク218』 ごきげんビジネス出版、2018年ISBN 978-4909745279
  2. ^ a b 阿部一 『できる英会話の表現とポイント: スパイスの効いた会話はここが違う!』 三修社2007年、92頁。ISBN 9784384006681
  3. ^ クリスティ・デイビス著、安部剛訳 『エスニックジョーク―自己を嗤い、他者を笑う』 講談社2003年、23頁。ISBN 978-4062582681
  4. ^ 大谷恵 「タイタニックに学ぶ、相手の心のくすぐりかた」『「選ばれる人」はなぜ口が堅いのか?: 言葉を選ぶ技術、言い換えるテクニック』 プレジデント社2017年ISBN 978-4833422260
  5. ^ International Guidelines For Problem Solving”. 9GAG. 2019年2月8日閲覧。
  6. ^ 纐纈タルコ (2013年12月19日). “トラブル発生! そのとき各国では……世界のお国柄がひとめでわかる「世界トラブル解決ガイドライン」”. Pouch. 2019年2月8日閲覧。

参考文献[編集]

関連項目[編集]