淡路屋 (神戸駅)
種類 | 株式会社 |
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本社所在地 |
日本 〒658-0025 兵庫県神戸市東灘区魚崎南町3-6-18 |
本店所在地 |
〒651-0083 兵庫県神戸市中央区浜辺通4丁目1番23号三宮ベンチャービル |
設立 | 1949年12月26日 |
業種 | 小売業 |
法人番号 | 3140001006021 |
事業内容 | 弁当の製造・販売 |
代表者 |
代表取締役社長 寺本督(てらもと ただし) 代表取締役副社長 柳本雄基 |
資本金 | 5000万円 |
関係する人物 | 寺本秀次郎(創業者) |
外部リンク | https://www.awajiya.co.jp/ |
株式会社淡路屋(あわじや)は、兵庫県神戸市東灘区に本社を置く食品会社。
沿革
明治時代初期には、曾根崎新地で料亭を営んでいた。屋号は「淡宇」[1]。
1903年に、阪鶴鉄道の構内営業許可を取得して駅弁の販売を開始。拠点は、池田駅(現・川西池田駅)・生瀬駅などを転々とする。1911年には「鮎寿し」を開発[1]。
第二次世界大戦敗戦後の食糧難期には、ふすま(小麦の皮)を使った蒸しパンを使った弁当を考案する[1]。また、神戸駅の駅弁店が戦災のために廃業していたことから、同時期に当時の運輸省より神戸駅の駅弁店となることを要請され、それを受けて神戸駅へ移転。なお、登記上本店は神戸駅近くの中央区新港町8-2(新港貿易会館内)だが、実際の本社機能は東灘区魚崎南町3丁目6番18号にある[2]。
山陰本線園部駅の駅弁業者も同じ「淡路屋」の屋号を名乗っているが、これは1910年にこの会社の支店として発足したもので、のち1924年に独立している。こちらも1958年に株式会社化している。かつては双方で「鮎寿司」を販売していたこともがあったが、2013年現在は全く別の駅弁を販売している。
営業内容
かつては六甲道駅、三ノ宮駅、元町駅、明石駅など神戸市周辺の主要駅で駅弁を手広く販売していたが、これらの駅からは撤退し、2022年12月現在直営店があるのは神戸駅・新神戸駅・西明石駅・垂水駅・芦屋駅(現在は駅に直結している大丸芦屋店に移転)・鶴橋駅のみとなっている。また、新神戸駅に停車する下り列車の普通車指定席・グリーン車を利用する場合に限り、座席まで配達するというサービスが行われている。なお、以前は大阪市内の交通科学博物館においても駅弁販売や食堂運営を行っていたが、2014年4月の交通科学博物館の閉館に伴い館内での駅弁販売及び食堂運営は終了した。
主な商品
駅弁
- 肉めし
- 1965年発売。生瀬駅時代の名物だった鮎寿しにかわる名物として開発、カレー風味のバレンシアライスに国産和牛もも肉を用いたローストビーフ風の低温調理肉を載せた弁当[3]。
- あっちっち但馬牛すき焼き弁当
- フクビ化学工業との共同開発で全国初の生石灰を用いた加熱式の駅弁として1987年に発売された穴子弁当「あっちっちスチーム弁当」の派生品として[4]、1988年に発売された「あっちっちすき焼き弁当」をリニューアルし2016年より発売[5][4]。日本の加熱式のすき焼き駅弁では唯一殺菌済みの生卵を使用しているのが特徴。のちにこの弁当にならった加熱式駅弁が次々と販売されるようになった。旧あっちっちすき焼き弁当は小池百合子やオリックス・ブルーウェーブ所属時代のイチローが好んで食べたことで知られる[6]。
- 神戸のステーキ弁当
- 神戸ワイン入りのタレをからめたステーキが入った商品。
- さばずし
- サバの押し寿司。限定生産品。
- 神戸食館[7]
- たこ天・牛肉すき焼き風煮・イカナゴの釘煮といった神戸のイメージを盛り込んだ幕の内弁当。2021年より「神戸を旅する駅弁」をコンセプトとした都あきこデザインのパッケージを採用。
- 神戸デリカ[8]
- ハンバーグ・スコッチエッグといった洋風のおかずや牛肉煮・ビーフンといった神戸らしいおかずを盛り込んだ幕の内弁当。2021年より「神戸をお散歩する~おしゃれでハイカラな神戸~」をコンセプトとした都あきこデザインのパッケージを採用。
- ひっぱりだこ飯
- 蛸壺風の陶器の容器に醤油味のご飯とタコ・穴子・季節の野菜等を盛り付けたもの。1998年に明石海峡大橋の開通を記念して販売を開始[9]。
- 主力商品の一つとして2022年時点で年間約50万個[10]、発売から2021年までに約1350万個を販売している[9]。
- タコは当初明石を中心とした播磨灘産を主に用いていたが、2021年10月からは不漁に伴い長崎・岡山等兵庫県外の国内産の物を主に用いている[10]。
- 派生商品
- 伊右衛門版ひっぱりだこ飯 - 福寿園とのコラボ商品。抹茶色の容器を使用。茶葉を混ぜて炊き込んだ醤油飯などの特別メニューを盛り付けている。
- ハローキティ版ひっぱりだこ飯 - ピンクの容器を使用。ハローキティをかたどったカマボコ入り。
- 春のひっぱりだこ飯 - 季節の野菜を使用。
- 金色のひっぱりだこ飯 - 金色の容器を使用。
- 銀色のひっぱりだこ飯 - 銀色の容器を使用。銀ザケ・銀杏入り。
- ゴジラ対ひっぱりだこ飯 - ゴジラをあしらった黒色の容器を使用。
- たこ壷カレー - ひっぱりだこ飯の容器にドライカレーと真ダコの旨煮を盛り付けたもの[11]。
- パパたこ版ひっぱりだこ飯 - 2022年の全国豊かな海づくり大会兵庫大会に向けて企画された、明石観光協会とのコラボ商品。赤色の容器を使用。タコは明石産のものを使用。
- 海と日本PROJECT版ひっぱりだこ飯 - 日本財団「海と日本PROJECT」とのコラボ商品。エメラルドブルーの容器を使用、掛け紙には同プロジェクトのイベント「ひょうごシーレンジャー!」に参加した子供から寄せられた海に関する児童画があしらわれた。
- 御船印版ひっぱりだこ飯 - 旅客船業界の活性化を目的とする「御船印めぐりプロジェクト」とのコラボ商品。水色の容器を使用。
- 兵庫県警版ひっぱりだこ飯 - 白と黒のカラーリングに「兵庫県警」「POLICE」の文字が入った容器を使用[12]。
- さかなクンひっぱりだこ飯 - 全国豊かな海づくり大会兵庫大会に合わせた、明石たこ大使を務めるさかなクンとのコラボ商品。ハコフグ帽子をイメージした水色と黄色の容器を使用。明石産のタコやタイ、タイ型に切り抜かれた人参入り。
- 海の「もしも」は118番 ひっぱりだこ飯 - 海上保安庁とのコラボ商品。紺色の容器を使用し2022年は明石海峡大橋と巡視船の図柄、2023年は救難ヘリコプターとタコや「自己救命策3つの基本」の図柄が描かれた。
- 派生商品
- 新幹線弁当
- 新幹線の先頭車両をかたどった容器を用いた弁当。これまでに0系(夢の超特急0系新幹線弁当)・500系(500系新幹線弁当・新幹線:エヴァンゲリオンプロジェクト弁当・ハローキティ新幹線弁当)・923形(ドクターイエロー弁当)・W7系(W7系新幹線弁当)が発売されている。
- W7系が走行する北陸新幹線沿線では淡路屋の駅弁は基本的に販売されていないが、W1編成が神戸市内(川崎重工業兵庫工場)で製造された縁もありラインナップされている。
- 但馬牛めし
- きつねの鶏めし[13]
- 嵯峨野観光鉄道とのコラボレーション商品。かやくご飯と鶏の旨煮を中心に油揚げ、すぐき漬、九条ねぎなど京都をイメージした食材を入れ、また薬味として原了郭の黒七味を添えた。
- かに寿司
- 2019年1月に閉店した浜坂駅「米田茶店」で販売されていた商品を継承して販売[14]。バラ身・棒肉で違う配合の甘酢で味付けした蒸しカニを載せている[15]。
- 神戸ビーフ肉めし[3]。
- 2021年発売。「肉めし」の上級品として神戸ビーフを使用。
- JR貨物コンテナ弁当
- JR貨物のコンテナをモチーフとした容器を使用した弁当。
- どこでも駅弁[15]
- 新型コロナウイルスに伴う減収を補うべく開発された自然解凍・レンジ解凍両方に対応した冷凍弁当。主力商品「ひっぱりだこ飯」「きつねの鶏めし」「神戸名物すきやき弁当」3種を取り揃えた。
- 過去の商品
- 神戸ワイン弁当
- タンゴランチ
- 令和の嗜み弁当[19]
- 新型コロナウイルス対策を反映し、疫病退散に御利益のあるアマビエを描いた飛沫防止シールドを立ち上げられるパッケージングとした幕の内弁当。
駅弁以外の商品
- イベントランチ
- 各種イベント向けの幕の内弁当。複数のグレード・メニューが用意されている。
- お重弁当
- 慶弔に対応した弁当類で、一重のもの、複数のお重のものなど、各種のグレードが用意されている。
- パーティセット・オードブル
- パーティなどのための仕出し料理。
- トワイライト特製2段重
- 大阪発のトワイライトエクスプレス車内でのみ、当日の19時まで数量限定で販売(事前予約も可能)。2014年5月1日販売開始、2015年3月12日販売終了。
- ひっぱりだこ飯関連陶器
- ひっぱりだこ飯の容器に合う取っ手付きの蓋「ひっぱりだこの蓋」や、容器をモチーフにしたコーヒーカップ「ひっぱりだこの珈琲カップ」・お猪口「ひっぱりだこのお猪口」、徳利「ひっぱりだこの徳利」を発売。
備考
- 駅弁誕生説のひとつ、明治10年(1877年)神戸駅説については、淡路屋が主張しているもの。ただしこの明治10年神戸駅説に登場する駅弁は淡路屋のものではない。
出典
- ^ a b c “会社沿革”. 株式会社淡路屋. 2015年11月28日閲覧。
- ^ “会社概要”. 株式会社淡路屋. 2015年11月28日閲覧。
- ^ a b 神戸の名物駅弁「肉めし」のネーミングに隠された食文化とは? - ニッポン放送NEWS ONLINE
- ^ a b 日本初の「加熱式駅弁」は、どのようにできたのか? ~神戸駅弁・淡路屋 - ニッポン放送NEWS ONLINE
- ^ 「土曜スペシャル」 2011年2月19日(土)放送内容『日本全国1400km 駅弁達人とめぐるローカル線の旅』 - 価格.comテレビ紹介情報
- ^ “小池知事、イチローと同じ「すき焼き弁当が好物」 - 社会 : 日刊スポーツ”. nikkansports.com. 2021年4月8日閲覧。
- ^ 神戸の老舗駅弁店が「アイデア」で勝負し続ける理由 ~神戸駅弁・淡路屋 - ニッポン放送NEWSオンライン
- ^ 震災で途方に暮れていた老舗駅弁店に「喝」を入れた人物とは? ~神戸駅弁・淡路屋 - ニッポン放送NEWSオンライン
- ^ a b 国民の10人に1人が食べた人気駅弁、「ひっぱりだこ飯」の製造に密着してみた! ~神戸駅弁・淡路屋 - ニッポン放送NEWS ONLINE
- ^ a b 人気駅弁「ひっぱりだこ飯」 主役のタコ、史上最悪の「明石産」不漁につき県外産にシフト - 神戸新聞NEXT 2022年5月20日
- ^ “「ひっぱりだこ飯」新作は「たこ壺カレー」7日発売 「ターバンが似合ったので作りました」”. 乗りものニュース. 2022年1月6日閲覧。
- ^ “攻めすぎ!兵庫県警のパトカー仕様「ひっぱりだこ飯」が爆誕 神戸のロングセラー駅弁、県警と初コラボ (2022年9月9日)”. エキサイトニュース. 2022年9月9日閲覧。
- ^ こだわりの駅弁部門賞 きつねの鶏めし - ふるさと名品オブ・ザ・イヤー
- ^ 日本テレビ. “消える“駅弁”に救世主 「かに寿し」復活|日テレNEWS24”. 日テレNEWS24. 2021年4月8日閲覧。
- ^ a b 神戸の駅弁会社・淡路屋が守り、発展させる駅弁の魅力に迫る - トレたび(交通新聞社)
- ^ “貨物列車ファン歓喜!JR貨物コンテナの駅弁が爆誕 メーカー「構想2年、おそらく初では」/デイリースポーツ online”. デイリースポーツ online. 2021年12月29日閲覧。
- ^ 駅弁の淡路屋、JR貨物コンテナ弁当第2弾は緑(19D形式コンテナ)!「明石の鯛めし編」1月7日発売 - グルメWatch
- ^ 日本全国駅弁の旅 お酒付き駅弁&おつまみ駅弁 - トレたび(交通新聞社 2008年)
- ^ 新神戸駅「令和の嗜み弁当」(1000円)~神戸で「昭和の音」を聴いたら令和の駅弁! - ニッポン放送NEWSオンライン
外部リンク
- 淡路屋Webサイト
- 神戸駅弁 淡路屋 (@awajiya1682) - X(旧Twitter)