コンテンツにスキップ

二酸化鉛

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

2022年12月28日 (水) 15:01; 英丸 (会話 | 投稿記録) による版 (合成方法)(日時は個人設定で未設定ならUTC

(差分) ← 古い版 | 最新版 (差分) | 新しい版 → (差分)
二酸化鉛
{{{画像alt2}}}
識別情報
CAS登録番号 1309-60-0 チェック
PubChem 14793
国連/北米番号 1872
RTECS番号 OGO700000
特性
化学式 PbO2
モル質量 239.1988 g/mol
外観 暗褐色または黒色の粉末
密度 9.38 g/cm3
融点

290 °C(分解)

への溶解度 溶けない
溶解度 酢酸に溶けるが、アルコールには溶けない
屈折率 (nD) 2.3
危険性
安全データシート(外部リンク) External MSDS
EU分類 Repr. Cat. 1/3
Harmful (Xn)
Dangerous for the environment (N)
EU Index 082-001-00-6
NFPA 704
0
3
1
OX
Rフレーズ R61, R20/22, R33, R62, R50/53
Sフレーズ S53, S45, S60, S61
引火点 Non-flammable
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

二酸化鉛(にさんかなまり)は酸素化合物。化学式はPbO2酸化鉛(IV)過酸化鉛とも呼ぶ。鉛蓄電池などの電極の材料として用いられる。

黒色から褐色の斜方晶系であるα相と、黒色で正方晶系のβ相の多形があり、比重はそれぞれ9.773と9.696g/cm3である。水には不溶で、塩酸には塩素を発生しながら溶ける。

日本では毒物及び劇物取締法により劇物に、また消防法により第1類危険物に指定されている[1]

合成方法

[編集]

実験室では2価の一酸化鉛酸化剤酸化するか、溶液を電気分解し、陽極酸化によって合成する。もしくは硝酸鉛を水に溶かして水酸化ナトリウム水溶液を加え、水酸化鉛(II)の沈殿を生成する。これにペルオキソ二硫酸カリウムを加えてpH12〜13、30〜60℃で攪拌し、80℃に加熱した後にろ過・洗浄すると沈殿が得られる。これを硝酸溶液に入れて90℃で加熱処理するとα相の二酸化鉛が得られる。

なお、硝酸鉛を水に溶かし、硝酸銀水溶液を加えてから水酸化ナトリウム水溶液を加え、70〜80℃で塩素を吹き込み攪拌すると沈殿が生成する。これを洗浄し、90℃の酢酸に入れて攪拌するとβ相のPbO2が得られる。

工業的には酢酸鉛さらし粉で酸化することで得られる。

参考文献

[編集]
  • 日本化学会・編『第4版 新実験化学講座 16巻 無機化合物』 丸善、1991年

脚注

[編集]
  1. ^ 安全データシート - ナカライテスク