ヴィチトラヴィーリヤ
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ヴィチトラヴィーリヤ(梵: विचित्रवीर्य, Vicitravīrya[1])は、インドの叙事詩『マハーバーラタ』の登場人物である。クル国の王シャーンタヌと妃サティヤヴァティーの子で、チトラーンガダの弟[2]。アシュヴィン双神のように美しかったとされる[3]。
兄王チトラーンガダがガンダルヴァ王との戦いで死んだとき、まだ少年であったヴィチトラヴィーリヤが王となった。ヴィチトラヴィーリヤはビーシュマを父や師のように敬い、ビーシュマもまた弟のために後見人を務めた[4]。ヴィチトラヴィーリヤが成人した頃、ビーシュマがカーシー国から奪ってきた3人の王女のうち2人の王女アンビカー、アンバーリカーと結婚した。しかし7年後、ヴィチトラヴィーリヤは肺の病気にかかり、子を残さないまま世を去った[5][6][7]。
脚注
[編集]- ^ “Vicitravirya, Vicitravīrya, Vicitra-virya: 14 definitions”. Wisdom Library. 2022年1月14日閲覧。
- ^ 『マハーバーラタ』1巻95章3行。
- ^ 『マハーバーラタ』1巻96章56行。
- ^ 『マハーバーラタ』1巻95章11行-14行。
- ^ 『マハーバーラタ』1巻96章52行-59行。
- ^ 『インド神話伝説辞典』p.85「ヴィチトラヴィーリヤ」の項。
- ^ “The Mahabharata Book 1: Adi ParvaSambhava Parva SECTION CII”. 2021年3月14日閲覧。
参考文献
[編集]- 『原典訳 マハーバーラタ1』上村勝彦訳、ちくま学芸文庫、2002年。ISBN 978-4480086013。
- 菅沼晃 編『インド神話伝説辞典』東京堂出版、1985年。ISBN 978-4490101911。