鈴木るりか
鈴木 るりか | |
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誕生 |
2003年10月17日(21歳) 日本・東京都 |
職業 | 小説家 |
言語 | 日本語 |
国籍 | 日本 |
活動期間 | 2017年 - |
ジャンル | 小説 |
代表作 | 『さよなら、田中さん』(2017年) |
主な受賞歴 | 12歳の文学賞・大賞(2013年、2014年、2015年) |
デビュー作 | 『さよなら、田中さん』 |
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鈴木 るりか(すずき るりか、2003年(平成15年)10月17日[1] - )は、日本の小説家。東京都出身[1]。
略歴
2003年、東京都に生まれる[1]。幼年期から家の隣にある図書館に通い、本を読むことが当たり前のようになっていた[2]。この頃から、絵本の挿絵や図鑑の写真から物語をつくっていた[2]。
小学4年生だった2013年9月30日、小学館が当時主催していた「12歳の文学賞」の存在を知る[3]。同日が応募締め切り日だったが、賞品に引かれ、半日ほどで原稿用紙11枚の短編小説『Dランドは遠い』を書き上げて応募した[3]。これが初めて書いた小説となったが、審査の結果、1024通あった応募作品の中から大賞に選ばれた[3]。授賞式では、審査員の石田衣良などから「書き続けてほしい」と背中を押された[4]。その後も2014年と2015年に続けて同賞に応募し、3年連続で大賞に選ばれた[3]。
14歳の誕生日となる2017年10月17日に、過去の受賞作品2編を書き直し、新たに書き下ろした3編を加えて『さよなら、田中さん』を刊行[4][5]。中学2年生で小説家としてデビューした[1]。発売当初は7000部が発行されていたが、売れ行きが良く発売直後に重版がかかり、品薄状態となった[6]。その後も増刷され、2018年4月時点で7万5000部を売り上げている[5]。
2018年10月17日、2作目の小説となる連作短編集『14歳、明日の時間割』が発売された[7]。
2019年10月17日には、3作目の小説となる連作短編集『太陽はひとりぼっち』が発売された[8]。1作目である『さよなら、田中さん』の主人公、田中花実が中学生になった物語だが、単なる続編ではなく新たな文芸作品として取り組んだ一冊とされている[9]。
2020年11月17日、4作目の小説となる連作短編集『私を月に連れてって』が発売された[10]。この年に新型コロナウイルス感染症の影響で学校が休校となり、当初は「書く時間がたっぷり取れる」と喜んだが思うように筆が進まず、一度「今年は書けないと思う」と担当編集者に伝えたという[11]。しかし、「書かない」と決めると余計に苦しくなり、「やっぱり自分には書く事しかないのだ」と思い直し執筆した[11]。
作風
- 物語のプロットを書かずに執筆している[7][12]。また、自身では「ストーリーはいつも勝手に湧き上がってきます。キャラクターが勝手にしゃべり出してくれるので、それを書き留めている感じです」「一文を書き出すと話が自然と出てきます。キャラクターが勝手に動きだします」と述べている[3][12]。
- 小説のアイデアは、日常生活で見聞きしたことや観察の中から生まれている[3]。例えば、近所に母娘が引っ越してきたことがきっかけで小説の主人公の家庭環境を母子家庭に設定するなど[3]。
評価
- 石田衣良は、審査員として初めて鈴木の作品を読んだ時を振り返った際、「人間の裏と表、社会の光と影を自分なりの目で見て、すくいあげて書いている。作家の目を持っている印象があった」と述べた[5]。また、2017年に刊行された『さよなら、田中さん』については、「順調に成長していると思いました。ものを見る目はできあがっているから、一人の人間としていろいろな経験をしてほしい」と評した[5]。
- あさのあつこは、鈴木の作風について「人間の生身の声や息づかい、体温がこちらに迫ってくるように立体的に描かれていました。物語は破天荒な世界ではないのに、すごく迫力があった」と評価している[5]。
エピソード
- 趣味はギターやゲーム(どうぶつの森シリーズなど)、料理[13]。
- 好きな教科は国語で、嫌いな教科は数学[13]。
- 好きな著名人は三村マサカズ、テンダラー[13]。
- 好きな作家は志賀直哉と吉村昭[13]。小学校高学年の時、図書館の司書に志賀直哉の『剃刀』などを薦められ、手に取った[3][13]。志賀については文章のリズム、吉村については文章の繊細さや美しさを魅力として挙げている[3][13]。
- 短編小説を好んで読む[3][14]。長編は間を置いてしまうと、次に本を開いた時に再びその世界に入り込むまで時間がかかるが、短編だとほぼ一気に最後まで読める点を理由として挙げており、短編は高校生になり読書時間の確保が難しくなった時期のライフスタイルに合っているとしている[14]。
- 好きな小説は流行りのものよりも昭和の小説や文豪の作品が中心で、安岡章太郎の『サアカスの馬』や遠藤周作の随筆、レイモンド・カーヴァーやジュール・ルナールなどがある[3]。
- 初めて小説を書いたきっかけは、「12歳の文学賞」の賞品としてもらえる図書カードで『ちゃお』を一生分買いたかったから[1][3]。
作品
小説
- 『さよなら、田中さん』(2017年、小学館)
- 『14歳、明日の時間割』(2018年、小学館)
- 『太陽はひとりぼっち』(2019年、小学館)
- 『私を月へ連れてって』(2020年、小学館)
- 『落花流水』(2022年、小学館)
メディアミックス
ラジオドラマ
脚注
- ^ a b c d e “12歳の文学賞3回連続受賞!鈴木るりかさんが14歳の誕生日に『さよなら、田中さん』でデビュー”. 小学館キッズ 2019年3月6日閲覧。
- ^ a b “第64回青少年読書感想文全国コンクール インタビュー 鈴木るりかさん 中学生作家”. 毎日小学生新聞. (2018年7月19日) 2019年3月6日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j k l “「『ちゃお』を一生分買いたくて」中学生作家、執筆の意外なきっかけ”. AERA. (2017年10月14日) 2019年3月6日閲覧。
- ^ a b “毎小ニュース 話題 中学生作家がデビュー 小4から書き続けた鈴木さん”. 毎日小学生新聞. (2017年10月20日) 2019年3月6日閲覧。
- ^ a b c d e “中学生作家 先輩3人がエール 鈴木さんが対談”. 毎日小学生新聞. (2018年4月11日) 2019年3月6日閲覧。
- ^ “「追いつけ追いこせ白石麻衣」天才中学生作家が珍コメント”. 新刊JP. (2017年11月2日) 2019年3月6日閲覧。
- ^ a b “『さよなら、田中さん』で話題の“現役中学生作家”が学校を舞台に描く小説集『14歳、明日の時間割』”. ほんのひきだし. (2018年10月27日) 2019年3月6日閲覧。
- ^ MAGAZINE, P+D (2019年11月20日). “【高校生になりました!】鈴木るりか新作『太陽はひとりぼっち』インタビュー「光、希望、救いのある物語を書いていきたい」”. P+D MAGAZINE. 2019年12月26日閲覧。
- ^ “太陽はひとりぼっち”. 小学館 (2019年10月17日). 2019年12月26日閲覧。
- ^ “私を月に連れてって”. 小学館. 2022年2月13日閲覧。
- ^ a b “青春なくなってかわいそう?…高校生作家・鈴木るりかさん「そんなことないよっ!」 [コロナ #伝えたい]”. 読売新聞オンライン. (2021年2月6日) 2022年2月13日閲覧。
- ^ a b “中学生の大ベストセラー作家、周囲の期待にプレッシャー”. AERA. (2018年12月9日) 2019年3月6日閲覧。
- ^ a b c d e f “「生きること」真っ直ぐに問いかける 中学生作家・鈴木るりかさん「14歳、明日の時間割」”. 好書好日. (2018年12月8日) 2019年3月6日閲覧。
- ^ a b “注目の高校生作家・鈴木るりかさんが心惹かれる文学とは”. ほんのひきだし. (2019年12月4日) 2022年2月13日閲覧。
- ^ “青春アドベンチャー『さよなら、田中さん』 原作者の鈴木るりかさんからメッセージをいただきました!”. 日本放送協会. (2018年6月19日) 2019年3月6日閲覧。
関連項目
外部リンク
- 特設ページ - 小学館のホームページ
- 『さよなら、田中さん』の特集ページ - 小学館ホームページ
- 『14歳、明日の時間割』の特集ページ - 小学館ホームページ
- 『太陽はひとりぼっち』の特集ページ - 小学館ホームページ
- 『私を月に連れてって』の特集ページ - 小学館ホームページ