重版

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ナビゲーションに移動 検索に移動

重版(じゅうはん)は、出版物初版と同じを使い、同じ判型装幀にて刷り直す(増刷・重刷する)こと。重刻(じゅうこく)または再版(さいはん)ともいう。重版が出来上がってその書籍が販売されることを重版出来(じゅうはんしゅったい)という[1]

出版文化と重版[編集]

日本の出版文化[編集]

日本では、江戸時代木版のときには、そのままの版木を使って刷り直すことが普通であった。ただし、挿絵などで、薄墨を使ったぼかしなどは、再版のときには再現されないことが多く、それを基準に版の前後を判定することも可能である。版木は出版者の財産として、大切に保管された。

明治になって活版印刷が一般的になると、重版のたびに活字を組み直していたら効率が悪いため、一度組み上がった版面を、型の残る強い紙質の紙に押し付けて、型を取ることにした。これを紙型(しけい)と呼んだ。重版の際には、紙型に鉛を流し込んで、組み上がった版面を再現するものだった。

日本の出版業界は新刊依存体質が高いといわれており欧米に比べて新刊に対する重版の比率は低い[2]

欧米の出版文化[編集]

欧米では新刊に対する重版の比率が日本に比べると高い[2]。新刊と重版の割合は、イギリスでは77.5対21.5(1996年下半期)、ドイツでは72対28(1995年)であった[2]

重版出来[編集]

重版出来(じゅうはんしゅったい)とは、初版の発行部数を上回って、更に発行することを表す言葉。重版ありきで初版を抑えるケースもあると言われる[3]

出版業界の業界用語としては、版元企業文化により重版出来を「じゅうはんでき」と読む場合もある[1][3][4]。一方で「じゅうはんでき」を誤読とする会社もある。『週刊少年ジャンプ』2013年16号の『クロス・マネジ』で、「じゅうはんでき」とルビが振られた例がある[4]。 テレビドラマ化もされた漫画「重版出来!」では、「重版決定」のニュアンスで使われているが、重版出来は本来、重版分の本が刷り上がり、書店に搬入されることを指す言葉である。「出来」は「完成・完了」を表す言葉であり、「決定」の意味はないので、正確な使い方ではない。

出典[編集]

  1. ^ a b 坪井直樹. “vol.4 業界用語シリーズ 〜重版出来〜”. 『にほんご学習帳』. テレビ朝日. 2015年12月20日閲覧。
  2. ^ a b c 桂敬一ほか 『出版―出版文化の崩壊はくい止められるか』 大月書店、1997年、70頁。
  3. ^ a b 『重版出来』の読み方と意味とウラ事情”. Webマガジン KOTB[コトビー] (2015年3月22日). 2015年12月20日閲覧。
  4. ^ a b “WJで「重版出来」に「じゅうはんでき」とルビが振られたことから、「でき」をめぐる考察に”. ネルヤ (ネルヤ (nelja)). (2013年3月19日). http://nelja.jp/weekly-tl-topics/3114 2015年12月20日閲覧。