蠍座 (札幌市)
蠍座 Sasoriza | |
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蠍座が入居していたタカノビル (現:POWER BLD 札幌駅前)の入口 | |
情報 | |
正式名称 | 蠍座 |
完成 | 1996年 |
開館 | 1996年6月11日 |
開館公演 | スモーク / ブロードウェイと銃弾 |
閉館 | 2014年12月30日 |
最終公演 |
友よ、さらばと言おう ロゼッタ ヨコハマメリー |
収容人員 | 55人 |
設備 | DOLBY SR |
用途 | 映画上映 |
所在地 |
〒060-0809 北海道札幌市北区北9条西3丁目1番地 タカノビル地下1階 |
最寄駅 | JR札幌駅・地下鉄さっぽろ駅北口から徒歩3分 |
最寄バス停 | 札幌駅バスターミナル参照 |
最寄IC | 道央自動車道札幌北IC |
蠍座(さそりざ)は、かつて北海道札幌市北区北9条西3丁目に所在した映画館。1996年(平成8年)6月11日に開館し、2014年(平成26年)12月30日に閉館した。北海道に最後まで残った名画座形態の映画館であった。
特徴
上映される作品は、主に1年から2年前に公開されたアート系や中規模系作品が多いが、不定期に往年の日本映画や外国映画の特集上映も行っていた。1日につき2~3本の映画が上映されており、毎週火曜日を上映初日としていた[1]。おおむね1週間から2週間程度で上映作品が変わっていた。田中曰く「ヒット作よりも、見せる価値のある映画」を選んでいたという[2]。また、大晦日と元日は休業となっていた。
開業当時はインターネットが全国的に普及し始めた時期だったが、蠍座は当初から映画館自体の公式ウェブサイトを制作せず[注 1]、毎月発行されていた「蠍座通信」において1ヵ月間の上映予定作品のスケジュールを掲載していた[3]。
歴史
蠍座の支配人であった田中次郎は、かつて須貝興行株式会社(現「SDエンターテイメント」)に勤務していた時代に、当時のスガイビル地下1階にあった小さな映画館5館を担当。ムーブオーバー作品を一律500円(後に550→600→700円と値上げ)で観賞出来る名画座から、途中入場禁止制度を採り入れたアート系作品のロードショーに至るまで、多彩な編成で市内の映画ファンを楽しませてきた。
1995年(平成7年)のスガイビル内映画館再編[注 2]を機に、田中は須貝興行を退社。約1年の準備期間を経て、1996年(平成8年)6月11日、名画座の蠍座をオープンさせた[1]。2000年(平成12年)時点の札幌市には蠍座のほかに、コトニシアター、真駒内自衛隊劇場、札幌白石映画劇場、サンピアザ劇場など、大手系列に属さない映画館が多数あった[4]。
2010年(平成22年)5月に『ライブテープ』を上映した際は、たまたま札幌でライブを行っていた主演の前野健太と松江哲明監督が同館を訪れ、サプライズ的な舞台挨拶を行った[5]。また画家の増山麗奈は同年8月17日に自身のドキュメンタリー映画『桃色のジャンヌ・ダルク』が上映された際に同館で舞台挨拶を行っている[6]。
2014年(平成26年)12月2日、12月30日をもって閉館することが明らかにされた[7]。娯楽の多様化やインターネットの普及などで若い客層が蠍座から徐々に離れていったことなどが理由である[2]。最終日の12月30日に上映された作品は、同年8月1日より新宿武蔵野館他でロードショー上映されていたフランス映画『友よ、さらばと言おう』と、1999年製作のベルギー・フランス合作『ロゼッタ』、2005年製作の日本のドキュメンタリー映画『ヨコハマメリー』の3本で、21時45分(JST)の『ヨコハマメリー』終映をもって営業終了した。
18年半で上映した作品は1,550本に及んだ[3]。当館退去後の跡地には、2015年(平成27年)4月15日に和食居酒屋「和顔別館 OKARU」(わがおべっかん おかる)[8]がオープンした[9]。また蠍座の閉館により、札幌市内で中央区外に残る映画館は東区の成人映画館である札東映画劇場のみとなった。
データ
関連書籍
脚注
注釈
- ^ 先に閉館したマリオンシネマ(2012年5月7日)や、名寄第一電気館(2014年10月20日)も自館の公式ウェブサイトを制作しなかった。
- ^ この再編により映画館は同ビル(現:ディノス札幌中央)の最上階(7・8階)に集約され、後に全スクリーン(6スクリーン)の館名が「ディノスシネマズ札幌劇場」に統一された。
- ^ ビルの1階にセイコーマートがある(以前は日産レンタカーの営業所が入居していた)。
出典
- ^ a b c d 和田由美 (2014年1月17日). “ほっかいどう映画館グラフィティー「蠍座」” (日本語). 朝日新聞 (朝日新聞北海道支社) 2016年7月28日閲覧。
- ^ a b 「気骨の名画座、終幕 道内唯一、18年個人経営の「蠍座」」『北海道新聞』北海道新聞社、2014年12月31日、24面。2019年6月3日閲覧。
- ^ a b c 「名画座18年 分厚く回顧 閉館の札幌・蠍座 館主の「通信」952ページの本に」『北海道新聞夕刊』北海道新聞社、2016年7月4日。2019年6月3日閲覧。
- ^ 2000年の映画館(北海道地方)「消えた映画館の記憶」
- ^ 松江哲明 (2010年5月8日). “ATTICと蠍座”. every japanese woman cooks her own curry. はてなダイアリー. 2014年7月14日閲覧。
- ^ “【news】北海道・札幌蠍座で「桃色のジャンヌ・ダルク」上映”. 増山麗奈の革命鍋!. エキサイトブログ (2010年8月16日). 2015年6月1日閲覧。
- ^ 「札幌・蠍座30日に閉館 名画上映、18年で幕」『北海道新聞』北海道新聞社、2014年12月2日。2019年6月3日閲覧。
- ^ 和顔別館 OKARU
- ^ a b “和顔別館 OKARU 和食居酒屋”. ホットペッパーグルメ. リクルート (2015年4月22日). 2015年4月29日閲覧。
外部リンク
- 蠍座 - 港町キネマ通り