1943改

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
1943改
ミッドウェイ海戦
ジャンル 縦スクロールシューティング
対応機種 アーケード (AC)
PCエンジン (PCE)
開発元 カプコン第三開発室
発売元 カプコン
プロデューサー 岡本吉起
ディレクター 岡本吉起
デザイナー 船水紀孝
DECHIKUN
プログラマー BLBON
音楽 坂口義弘
民谷淳子
松前真奈美
藤田晴美
美術 佐藤直子
MIKI CHAN
河本憲孝
AHO NO SAKATA
シリーズ カプコン19シリーズ
人数 1 - 2人(同時プレイ)
メディア 業務用基板
発売日 AC
日本 1988071988年7月
PCE
日本 199103221991年3月22日
対象年齢 CEROA(全年齢対象)
デバイス 8方向レバー
2ボタン
CPU Z80 (@ 6 MHz)
サウンド Z80 (@ 3 MHz)
YM2203 (@ 1.5 MHz)×2
ディスプレイ ラスタースキャン
縦モニター
224×256ピクセル
60.00Hz
パレット256色
テンプレートを表示

1943改』(いちきゅうよんさん・かい)はカプコンより1988年6月にリリースされたアーケード用の縦スクロールシューティングゲーム。正式名称は『1943改 ミッドウェイ海戦』。『1943 ミッドウェイ海戦』(1987年)のマイナーチェンジバージョンとして発売された。

後に家庭用ゲーム機に移植された(#移植版)。

システム[編集]

ステージ数が整理され、16から10ステージに減少された。またデモシーンの書き直しや夕日のステージが存在するなど演出面が強化されている。

8方向レバー、2ボタンで自機を操作し、ショット、メガクラッシュ、宙返りができる。プレイヤーにはエネルギーゲージが存在し、時間とともに減っていくほか、敵弾と体当たりを受けたとき、メガクラッシュを使ったときに減少する。エネルギーはアイテムを取るか、ボスの破壊率が70%以上でステージクリアすると補給できる。なお最終ステージはコンティニューができない。

武器[編集]

マイナーチェンジバージョンとして、武器のバランス再調整がされている。前作で強力だった武器は大幅に弱くされ、使い道が無かった武器は強くなった。

3WAY
前作と同じく3方向に弾を発射。ボタンを押し続けることにより、前作のマシンガンのような六連射が行える。しかし、攻撃力は武器の中では最弱で、耐久力の高い敵の前には苦戦を強いられる。サイドファイターを装備しても弾数は増えない。
スーパーシェル
ノーマルショットの3倍の攻撃力を持つミサイル。前作とは違い2連装となるが、弾速が遅いためトータルではレーザーに劣る。サイドファイターを装備している状態では4連装(2連装x2)になる。
レーザー
敵戦闘機を貫通する強力な武器。最大3段階にパワーアップし、威力もノーマルショットの3~5倍と高め。また、後端部分にも当たり判定があり、クリーンヒットさせるとさらにノーマルショットの2倍分のダメージを与える。
レーザーを装備している状態でさらにレーザーを取ると、2段階目にパワーアップし、レーザーの色が紫色になる。
3段階目にパワーアップする為には前作のレーザー同様、ステージ中に現れる招き猫を取る必要があるが、3段階目にパワーアップしてしまうと、次にレーザーを取得した際に1段階目に戻ってしまう
サイドファイターを装備している状態では2連装になる。
ショットガン
5方向にリング状の弾を発射し、敵弾を相殺出来る。連射できないのは前作同様だが、弾のサイズが大きくなり射程も長くなったうえ、発射速度も大幅に向上したため、本作の最強武器になってしまった。
また、弾の一つ一つがノーマルショットの2倍の攻撃力を持つ為、密着して攻撃すれば耐久力の高い敵も難なく倒せる。前作のように段階的にパワーアップすることはない。サイドファイターを装備している状態では7方向に発射。
ショットガンの強化は特に極端で、これを取るだけで最終ステージすら容易くクリアできるようになってしまい前作に比べゲームバランスが大幅に悪化してしまった。
また、自機の正面に発射される弾は他の弾より一回り大きく、威力も若干高い。

なお前作にあったマシンガンは削除された。また前作では特定地点でしか出現しなかったサイドファイターアイテムがPOWの回転により任意で入手可能になった。

アイテム[編集]

Pow
ライフが8回復する。赤い編隊を全滅させると出現。撃ち続ける事で様々な武器に変わる。
エネルギータンク
ライフが24回復する。Powを撃ち続ける他、特定の編隊を全滅させても出現する。
サイドファイター
サイドファイターが装着される。Powを撃ち続ける他、特定の編隊を全滅させても出現する。1943と違い、自機のダメージを上限無限大で代わりに吸収するため、装着されている間は自機は直ちには殺されなくなる。
大ダメージを受けると即消えてしまうが、逆にどんな大ダメージでも吸収できるため亜也虎に大ダメージも与えられる。(サイドファイターがなければ体力満タンからでも自機が即死する)
イチゴ
1万点の得点アイテム、特定の場所を撃ち込む事で出現。空中戦で艦隊に紛れていることが多い。
2万点の得点アイテム、特定の場所を撃ち込む事で出現。空母の甲板などに隠されていることが多い。
1万点の得点アイテム、特定の場所を撃ち込む事で出現。艦隊戦で出現
タケノコ
得点アイテム、ソンソンの様に特定の場所を通ると出現し(500点)、取得すると2,000点
トンボ
1万点の得点アイテム。クレジットが9入っているときに、各面の空中戦で出現。
佐吉
得点は0点。亜也虎、大飛龍戦の直前で現れる画面上部へ逃げる敵を打てば出現、武器エネルギーが80まで回復する。何も装備がないときは何も起こらない。
弥七
得点は0点。特定の編隊を全滅させると出現。エネルギーが完全回復する。
招き猫
ステージ中に様々なポイントに出現しては消える。取得すると3段階目の強化レーザーを取得できる。
モビちゃん
戦艦の爆発から出現する事がある。今作では旗艦を完全に破壊せずとも、砲台が破壊された際の破片からも出現する事がある。撃つと100,000点のボーナス。

変更点[編集]

  • プレイヤー機がP-38から複葉機に変更されている(機種は明記されていないが、おそらくPT-17がモデル)。
  • 敵機のデザインが空想的なデザインに変更されている。亜也虎に至っては大型フロート付きの水上機となっている。
  • 攻撃目標を撃破したときに飛び散る破片の数が大幅に増加。
  • 編隊を全滅させて出る固定アイテムがエネルギータンクとサイドファイターを除いて無くなった。
  • 武器を取った時の武器エネルギーの増加量が28に増えた。また、最大値も80に上昇した。
  • メガクラッシュで津波及び雷が極めて出やすくなった。(敵弾を封じるかまいたちがでなくなった)
  • 自機の強化に伴って、敵のアルゴリズムも全般的に強化され、大型機や亜也虎が炸裂弾を多用するようになった。加えて耐久力も上がっている。

各ステージのボス[編集]

  • ステージ1:加賀(空母)
  • ステージ2:亜也虎(超大型爆撃機)
  • ステージ3:赤城(空母)
  • ステージ4:大飛龍(大型爆撃機群)
  • ステージ5:伊勢(戦艦)
  • ステージ6:亜也虎(超大型爆撃機)
  • ステージ7:山城(戦艦)
  • ステージ8:亜也虎(超大型爆撃機)
  • ステージ9:長門(戦艦)
  • ステージ10:大和(戦艦)

移植版[編集]

No. タイトル 発売日 対応機種 開発元 発売元 メディア 型式 売上本数 備考
1 1943改 日本 199103221991年3月22日
PCエンジン ナグザット ナグザット 4メガビットHuCARD[1] NX91002 -
2 日本 カプコンジェネレーション 第1集 ~撃墜王の時代~
ヨーロッパ Capcom Generations 1 - Wings of Destiny
日本 199808271998年8月27日
ヨーロッパ 199909031999年9月3日
PlayStation
セガサターン
カプコン カプコン CD-ROM PS:日本 SLPS-01535
ヨーロッパ SLES-01881
SS:T-1232G
- アーケード版の移植
欧州ではPlayStation版のみ発売
3 カプコン クラシックス コレクション アメリカ合衆国 200509272005年9月27日
ヨーロッパ 200511182005年11月18日
日本 200603022006年3月2日
Xbox
PlayStation 2
カプコン カプコン DVD-ROM PS2:アメリカ合衆国 SLUS-21316
ヨーロッパ SLES-53661
日本 SLPM-66317
- アーケード版の移植
日本ではPlayStation 2版のみ発売
4 日本 カプコン クラシックス コレクション
アメリカ合衆国 Capcom Classics Collection Reloaded
ヨーロッパ Capcom Classics Collection Reloaded
日本 200609072006年9月7日
アメリカ合衆国 200610242006年10月24日
ヨーロッパ 200611102006年11月10日
PlayStation Portable カプコン カプコン UMD 日本 ULJM-05104
アメリカ合衆国 ULUS-10134
ヨーロッパ ULES-00377
- アーケード版の移植
5 カプコン アーケード キャビネット 日本 201302192013年2月19日
ヨーロッパ 201302202013年2月20日
アメリカ合衆国 201305212013年5月21日
PlayStation 3
(PlayStation Network)
カプコン カプコン ダウンロード - - アーケード版の移植
6 カプコン アーケード キャビネット 日本 201302202013年2月20日
アメリカ合衆国 201305222013年5月22日
ヨーロッパ 201302202013年2月20日
Xbox 360
(Xbox Live Arcade)
カプコン カプコン ダウンロード - - アーケード版の移植
7 日本 カプコンアーケード2ndスタジアム
アメリカ合衆国 Capcom Arcade 2nd Stadium
ヨーロッパ Capcom Arcade 2nd Stadium
日本 2022年7月22日[2]
アメリカ合衆国 202207222022年7月22日
ヨーロッパ 202207222022年7月22日
Nintendo Switch
PlayStation 4
Xbox One
PC(Steam)
カプコン カプコン ダウンロード - - アーケード版の移植
PCエンジン版
ファミコン版の『1943』同様、敵戦艦の名称(アヤコ除く)が『三国志』の武将名に変更されている。本作はアーケード版の構成に準拠の7ステージに加え、PCエンジン版の独自仕様として「水上要塞」「アヤコ改」「装甲列車」「トウタク改」などオリジナルのボスが登場する新ステージが追加されている。なお、これらの新ステージでは自機の武装の当たり判定が強化される一方で、敵キャラクターのアルゴリズムや攻撃方法などがそれ以前のステージのものと大きく異なるため、クリアするには新たな攻略パターンが必要とされるなど、アーケード版と比較すると「別のゲーム」と言っても差し支えないほどの大幅なアレンジが施されている。なお、アーケード面とオリジナル面の間にはジェットエンジンを搭載するデモシーンが流れる。
PlayStation版
1942』(1984年)、『1943』(1987年)と共にPlayStation版およびセガサターン版『カプコンジェネレーション 第1集 ~撃墜王の時代~』に収録。
PlayStation 2、PlayStation Portable版
2006年発売の『カプコン クラシックス コレクション』に収録(『1942』『1943』も含む)。

音楽[編集]

  • リニューアルに伴い、BGMの殆どが差し替えられた。前作は軽快なテンポの曲が多かったのに対して、本作は渋めの曲が増えている。また、前作の曲の流用もあるが、再編曲されており、雰囲気が少し異なるものになっている。
  • 亜也虎3機と大和(艦隊戦)には専用の曲が当てられるようになった(亜也虎の前2機は前作のアレンジ)。
  • ステージ削減により、未使用になったBGM(艦隊戦B)が存在する。これはサービスモードのサウンドテスト等で聴く事が出来る他、PCエンジン版の艦隊戦にも再利用されている。

スタッフ[編集]

アーケード版

  • デザイナー:POO(船水紀孝)、DECHIKUN
  • プロデューサー:KIKAJI O.(岡本吉起
  • キャラクター・デザイナー:佐藤直子、MIKI CHAN、KAWAMOYAN(河本憲孝)、AHO NO SAKATA
  • 音楽&SFX:坂口義弘
  • 追加音楽:民谷淳子(ステージ1-1)、松前真奈美(ステージ1-2)、藤田晴美(ステージ2-2、3-1)
  • ハードウェア:PUNCH KUBOZOO、JUMBO SAITO
  • プログラミング:BLBON

PCエンジン版

  • プログラム:落合雄一
  • デザイン:BLUE BIRD
  • 音楽:松下寿志、森島大祐
  • スペシャル・サンクス:OTAKA、谷島孝行、高橋和夫

評価[編集]

評価
レビュー結果
媒体結果
オールゲーム2.5/5stars (AC)[3]
4/5stars (PCE)[4]
ファミ通25/40点 (PCE)[5]
月刊PCエンジン76/100点 (PCE)
マル勝PCエンジン32/40点 (PCE)
PC Engine FAN20.04/30点 (PCE)[1]
(総合329位)
アーケード版
1991年に刊行されたゲーメストムック『ザ・ベストゲーム』内の「ビデオゲームフルリスト」の紹介文では、「43で使えなかった武器を強化し、ステージ数を短くしたリバイバル版。やり方を知ってしまえば、難度は43よりも低くなる。音楽も個性的に変化」と評されている[6]
PCエンジン版
ゲーム誌『ファミコン通信』の「クロスレビュー」では合計25点(満40点)[5]、『月刊PCエンジン』では75・80・70・75・80の平均76点(満100点)、『マル勝PCエンジン』では8・8・8・8の合計32点(満40点)、『PC Engine FAN』の読者投票による「ゲーム通信簿」での評価は以下の通り20.04点(満30点)となっている[1]。また、この得点はPCエンジン全ソフトの中で329位(485本中、1993年時点)となっている[1]。同雑誌1993年10月号特別付録の「PCエンジンオールカタログ'93」では、「破壊率が70%を超えるとステージクリアになる、ちょっと変わったクリア方法だ」と紹介されている[1]
項目 キャラクタ 音楽 操作性 熱中度 お買得度 オリジナリティ 総合
得点 3.39 3.43 3.32 3.39 3.18 3.34 20.04

脚注[編集]

  1. ^ a b c d e 「10月号特別付録 PCエンジンオールカタログ'93」『PC Engine FAN』第6巻第10号、徳間書店、1993年10月1日、70頁。 
  2. ^ 緑里孝行 (2022年7月22日). “名作アーケードコレクションの第2弾「カプコンアーケード 2ndスタジアム」本日発売! バラエティ豊かな全32タイトルがラインナップ”. GAME Watch. インプレス. 2022年7月26日閲覧。
  3. ^ 1943 Kai for Arcade (1988)” (英語). MobyGames. Blue Flame Labs. 2018年7月16日閲覧。
  4. ^ 1943 Kai for TurboGrafx-16 (1991)” (英語). MobyGames. Blue Flame Labs. 2018年7月16日閲覧。
  5. ^ a b 1943改 まとめ [PCエンジン]”. ファミ通.com. KADOKAWA CORPORATION. 2015年8月12日閲覧。
  6. ^ “ビデオゲーム フルリスト”. ザ・ベストゲーム 月刊ゲーメスト7月号増刊 (新声社) 6 (7): 175 - 216. (1991-7-1). ASIN B00BHEECW0. 

外部リンク[編集]