龍仁軽電鉄

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龍仁軽電鉄
龍仁軽電鉄の車両
龍仁軽電鉄の車両
基本情報
大韓民国の旗 韓国
所在地 京畿道龍仁市
起点 器興駅
終点 前垈・エバーランド駅
駅数 15駅
開業 2013年4月26日
所有者 龍仁市
運営者 龍仁軽量電鉄[注釈 1]
運行(2013-2016):龍仁軽電鉄株式会社
運行(2016-):ネオトランス
路線諸元
路線距離 18.494 km
軌間 1,435mm (標準軌)
線路数 複線
電化方式 直流750V 第三軌条方式
保安装置 ATO
最高速度 80 km/h
路線図
エバーライン路線図.png
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龍仁軽電鉄
各種表記
ハングル 용인 경전철
漢字 龍仁輕電鐵
発音 ヨンイン キョンジョンチョル
日本語読み: りゅうじんけいでんてつ
2000年式
MR式
英語
Yongin Gyeongjeoncheol
Yongin Kyŏngchŏnch'ŏl
Yongin Everline
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龍仁軽電鉄(ヨンインけいでんてつ)は、大韓民国京畿道龍仁市器興区にある器興駅から同市処仁区にある前垈・エバーランド駅までを結ぶ、龍仁軽量電鉄[注釈 1]が運営する新交通システムライトレール[注釈 2]鉄道路線。愛称はYongin Everline

本項では、龍仁軽電鉄を運営する龍仁軽量電鉄株式会社、およびその前身の龍仁軽電鉄株式会社についても記述する。

概要[編集]

龍仁市が施設を保有し、龍仁軽量電鉄株式会社が運営する。ただし、日常の駅務、線路の維持保守運営は、同社から委託を受けた、ボンバルディア・トランスポーテーション・コリアが母体の龍仁軽電鉄株式会社(2016年からは、新盆唐線を受託運営するネオトランス)が担当する。龍仁市の人口が急増し、市内にいくつかの観光地もあり、新しい都市交通体系を構築する必要が出てきたため、新路線の導入を図ることに決定した。2010年10月に18.4km区間の開通を目標に工事中であったが、騒音問題やシステム不備などから延期。2011年3月の開通を目指して交渉していたが実現しなかった。その後、国際仲裁裁判所の仲裁を経て、龍仁市の龍仁軽電鉄の賠償金を清算して解決され、2013年4月26日に全線開業した。

開業当初、首都圏電鉄の統合運賃の対象外となっていたが、乗り継ぎ割引については2014年9月20日より導入された[要出典]。同線の基本運賃は1,450ウォン(交通カード基準)なので、他線からの乗継には別途200ウォンが加算される(新盆唐線と同様な運賃システム)。

沿革[編集]

開業までの騒動[2]
  • 2010年
    • 6月 - 完工。7月末に開業予定だったが騒音などの不具合297件が指摘されるなどで3ヶ月延期[3]

さらに10月開業予定も新市長と事業者側の「MRG(Minimum Revenue Guarantee、最低収入保障)」を巡る対立で完工したにもかかわらず市が竣工確認を拒否し延期[4]。市が竣工確認を渋ったのは、開業後の利用予測が建設時の基準を大きく下回り、MRGに基づき毎年事業者側へ損失補填が避けられなかったことである。

需要予測

需要予測値は1日14万6000人で[4]、これの79.9%である11万6000人を下回った場合は損失を市が補填することになっていた[4]。需要予測値自体が高く見積もられており、開業すれば1日1億ウォン、年間300億ウォンを市が負担することが濃厚となっていた[4]。これは仁川国際空港鉄道でも問題化していた。2011年2月に電鉄社側は事業終了を通知[2]、国際司法の場で争うことになった[2]

2011年9月末、国際商業会議所(ICC)傘下の国際仲裁裁判所は龍仁市に対し、ボンバルディアが母体となった事業者側へ損害金5,159億ウォンの支払い命令を下した。これは市の年間予算の40%に相当する額で、市の財政にも深刻な影響をもたらすことになった[5]

同年12月28日、開業予定だったが無期限延期[要出典]2012年4月、当時の前市長だった李正文を収賄容疑で拘束、起訴[6]

市はボンバルディア側に総額7,787億ウォンに達する損失を賠償する必要があった。このうち5,159億ウォンは地方債発行で返済、残額3,000億ウォンは国内の投資ファンド「コンサス・アセット・マネージメント(以下コンサス社)」が引き受けるが、完工後の未運行期間損失補償額を巡る対立が合意に至ったのは開業9日前の2013年4月17日だった[7][8]

開業後
  • 2013年
    • 4月26日 - 開業。同年4月28日まで運賃を無料とした。
    • 8月1日 - コンサス社が母体となった龍仁軽量電鉄社による運営開始。運行のみ引き続きボンバルディア側(軽電鉄社)が行う。
    • 10月10日 - 市民団体は市を相手に総額1兆ウォンの損害賠償請求を起こす[9]
  • 2015年12月29日 - 2016年8月以降の事業者公募については新盆唐線を運営するネオトランス社と7年間の契約を締結した[10]
  • 2016年8月1日 - ネオトランス朝鮮語版社への運営委託開始(2023年7月30日まで)[11][12][13]

使用車両[編集]

ボンバルディア・トランスポーテーションARTベースの車両を使用。1両編成で運行される。

駅一覧[編集]

駅番号 駅名 駅間キロ (km) 累計キロ (km) 接続路線 所在地
日本語 ハングル 英語
Y110 器興駅
(白南準アートセンター)
기흥역
(백남준아트센터)
Giheung
(Nam June Paik Arts Center)
0.000 0.000 韓国鉄道公社盆唐線 (K237) 器興区
Y111 江南大駅 강남대역 Kangnam Univ. 1.044 1.044  
Y112 支石駅 지석역 Jiseok 1.062 2.106  
Y113 御井駅 어정역 Eojeong 0.918 3.024  
Y114 東栢駅 동백역 Dongbaek 1.185 4.209  
Y115 草堂駅 초당역 Chodang 1.097 5.306  
Y116 三街駅 삼가역 Samga 2.591 7.897   処仁区
Y117 市庁・龍仁大駅 시청・용인대역 City Hall·Yongin Univ. 1.045 8.942  
Y118 明知大駅 명지대역 Myongji Univ. 1.034 9.976  
Y119 金良場駅 김량장역 Gimnyangjang 0.755 10.731  
Y120 運動場・松潭大駅 운동장・송담대역 Stadium·Songdam College 0.945 11.676  
Y121 古陳駅 고진역 Gojin 0.935 12.611  
Y122 洑坪駅 보평역 Bopyeong 1.750 14.361  
Y123 屯田駅 둔전역 Dunjeon 1.027 15.388  
Y124 前垈・エバーランド駅 전대・에버랜드역 Jeondae·Everland 2.626 18.014  

本路線の運営事業者[編集]

龍仁軽電鉄株式会社[編集]

龍仁軽電鉄株式会社(ヨンインけいでんてつ/ヨンインキョンジョンチョル、朝鮮語: 용인경전철주식회사英語: Yongin Rapid Transit Co., Ltd.[14]YRTC[15]))はボンバルディア・トランスポーテーション韓国法人のボンバルディア・トランスポーテーション・コリア(以下BTK)が中心となって設立された建設・運営を目的とする鉄道事業者。紆余曲折があり初代事業者として運営まで担当したものの、事業を下記の軽量電鉄社に譲渡し開業後3年で事実上撤退した。

  • 4月22日 - BTKのコンソーシアム(以下のBIHを参照)が韓国ゼネコン数社と共同で設立[16]
  • 7月28日 - 龍仁市が軽電鉄事業施工者に指定。30年間YRTCが運営し、市に譲渡する契約[17]
  • 2013年4月30日 - 龍仁市議会でYRTCへの3年間の運営委託案を可決[18]。その後7月に軽量電鉄社からの委託で2016年7月まで運行を担当した。

BIH株式会社[編集]

  • 2004年3月19日 - ボンバルディア(BTK)、イルジン・エレクトリック(日進電気、I)、韓進重工業H)が共同で持ち株会社として設立[19][20]

龍仁軽量電鉄株式会社[編集]

龍仁軽量電鉄株式会社[21]
Yongin EverLine Co., Ltd.[22]
種類 株式会社
本社所在地 大韓民国の旗 韓国
京畿道龍仁市処仁区中部大路1074[23]
業種 運輸業
代表者 金在権[21]
主要株主 コンサス・アセット・マネージメント
外部リンク https://ever-line.co.kr/
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龍仁軽量電鉄
各種表記
ハングル 용인경량전철
漢字 龍仁輕量電鐵
発音 ヨンインギョンニャンジョンチョル
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龍仁軽量電鉄株式会社[21](ヨンインけいりょうでんてつ、朝鮮語: 용인경전철주식회사[21]英語: Yongin EverLine Co., Ltd.[22])は、大韓民国京畿道龍仁市内にて龍仁軽電鉄[注釈 1](鉄道路線)運営の2代目鉄道事業者である。

なお、路線の運営は2016年8月1日からネオトランス株式会社(ハングル:네오트랜스주식회사[24]、英:Neo Trans Co. Ltd. [25])へ委託されており[11][12]2023年7月30日まで7年間継続される予定[13]

沿革[編集]

  • 4月26日 - 龍仁軽電鉄が開業[11]
  • 7月25日 - ボンバルディア側のYRTCとの継承手続が完了、市と8月以降の運営事業者として契約を締結[26]。以後MRG方式ではなく、引き下げられた需要予測とそれを元にした運営費によって算出される補填費用が定められ市の財政負担も緩和された。実際の運行はボンバルディア側(YRTC)へ継続委託した。


脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ a b c 運営事業者は龍仁軽"量"電鉄なのに対し路線名称は龍仁軽電鉄となっており、路線名称側に軽量の"量"は付かない。
  2. ^ 韓国では「軽電鉄」と称する。

出典[編集]

  1. ^ (朝鮮語)"용인경전철 최첨단 무인운전기술 국내 전수" 2005年11月17日 Naver/毎日経済
  2. ^ a b c (朝鮮語)<용인경전철 사업 경과 일지> 2013年4月10日 Naver/Newsis
  3. ^ (朝鮮語)용인 경전철 내달 개통 어려워..용인시 297건 지적 2010年9月15日 Naver/聯合ニュース
  4. ^ a b c d (朝鮮語)용인경전철 또 다시 개통 연 2010年9月13日 京郷新聞
  5. ^ (朝鮮語)<연합시론> 재앙된 용인경전철 누가 책임지나 2011年10月7日 Naver/聯合ニュース
  6. ^ (朝鮮語)'용인 경전철 비리' 이정문 前시장 구속 2012年4月5日 韓国経済新聞
  7. ^ (朝鮮語)말 많은 용인경전철 26일 정상 개통…운영비 협상 타결 2013年4月17日 Newsis
  8. ^ (朝鮮語)용인경전철 26일 '정상 개통' 2013年4月18日 京仁日報
  9. ^ (朝鮮語)"용인시장은 경전철 손해배상 청구하라" 주민소송 2013年10月10日 Naver/聯合ニュース
  10. ^ (朝鮮語)용인경전철 관리운영 네오트랜스 최종결정 2015年12月29日 仁川日報
  11. ^ a b c d (朝鮮語)주요 연혁(主要沿革) 龍仁軽量電鉄公式ウェブサイト 2018年8月10日閲覧
  12. ^ a b c (朝鮮語)연혁(歴史) ネオトランス公式ウェブサイト 2018年8月10日閲覧
  13. ^ a b (朝鮮語)신분당선 운영하는 네오트랜스, 용인경전철도 맡아 2015年12月24日 聯合ニュース
  14. ^ (朝鮮語)Yougin Everline - ウェイバックマシン(2009年11月25日アーカイブ分) (事業譲渡前の)龍仁軽電鉄公式
  15. ^ (英語)Yongin EverLine light metro finally opens 2013年4月26日 IRJ
  16. ^ (朝鮮語)용인경전철(주) サラミン
  17. ^ (朝鮮語)경량전철 건설사업 실시협약 체결 2004年7月28日 Naver/Newsis
  18. ^ (朝鮮語)용인경전철 변경 실시협약 시의회 통과했지만… 2013年4月30日 Naver/Newsis
  19. ^ (朝鮮語)비티아이에이치(주) サラミン
  20. ^ (朝鮮語)신설법인 현황 (2004년 3월15일~3월20일) 서울 2 2004年3月26日 Naver
  21. ^ a b c d (朝鮮語)CEO 인사말(CEOご挨拶) 龍仁軽量電鉄公式ウェブサイト 2018年8月10日閲覧
  22. ^ a b (英語)CEO Greeting 龍仁軽量電鉄公式ウェブサイト 2018年8月10日閲覧
  23. ^ (朝鮮語)회사개요(会社概要) 龍仁軽量電鉄公式ウェブサイト 2018年8月10日閲覧
  24. ^ (朝鮮語)CEO 인사말(CEOご挨拶) ネオトランス公式ウェブサイト 2018年8月10日閲覧
  25. ^ (英語)CEO Greetings ネオトランス公式ウェブサイト 2018年8月10日閲覧
  26. ^ (朝鮮語)용인 경전철, 혈세낭비 멈추나 2013年7月25日 市民日報

外部リンク[編集]

関連項目[編集]