高銀
高銀 | |
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各種表記 | |
ハングル: | 고은 |
漢字: | 高銀 |
発音: | コ ウン |
日本語読み: | こう ぎん |
高 銀(コ・ウン、1933年8月1日 - )は、韓国の詩人、作家。本名は高 銀泰(コ・ウンテ、고은태)。
2015年現在、詩作が27ヶ国語に翻訳されており[1]、韓国の報道機関では2002年ごろからノーベル文学賞候補者」として毎年候補者に名を挙げられている[2][3]。
来歴[編集]
1933年、全羅北道群山(現群山市)に生まれる。群山中学校中退。1952年、慶尚南道の古刹海印寺に入山し、一超という法名を授かる。僧侶生活を送るなか、1958年に「肺結核」を発表した。1960年、初の詩集「彼岸桜」を発表。直後に還俗し、本格的に作家活動を開始する。
創作活動の一方で社会活動にも参画し、朴正煕政権下の1970年代には、当時獄中にあった金芝河の救援活動を行うなど、民主化運動に取り組む中で複数回にわたって投獄され、拷問によって片耳の聴覚を失った(その後の手術により回復)。
1980年には金大中(当時は在野の民主化運動家)らとともに国家保安法違反で逮捕され、懲役10年の判決を受けた。1982年、刑の執行停止で出獄した後も韓国論壇を代表する存在として投獄中の作家や芸術家の釈放運動に取り組んだ。1988年、『創作と批評』誌の万海文学賞を受賞。現在まで南北朝鮮の作家や芸術家の交流に力を入れており、南北作家会談の代表団長も務めている。韓国芸術総合学校で教鞭もとる。
2000年6月の南北首脳会談の際には金大中大統領に同行し、南北両首脳の前で統一への思いを詠んだ詩を朗読した。また2014年には京畿道水原市に建立された慰安婦像の除幕式に出席し、詩を捧げた[4]。
2017年には朴槿恵政権を退陣させて、積弊精算を公約とする文在寅新大統領を生んだろうそく集会[5]に積極参加し、それに関わる詩も発表していたことで韓国では今年こそと期待されていた。韓国ではノーベル賞発表まで、度々騒がれている韓国文学を代表する人物として尊敬されていた[6]。
しかし、2017年末に女性詩人のチェ・ヨンミが新しく発表した詩作の中で、高銀の名前を「ウン」と隠しながら、かなり前から常習的なセクハラを行っていたことを告発した。チェは「彼(高)は常習犯であり、彼による被害を受けたことやセクハラを目撃したことが複数回ある。被害者が数え切れないほど多い。」と暴露した。別の男性詩人は同月7日の深夜頃に自分のフェイスブックで、高銀の罪を知っておきながら韓国文学のトップに祭り上げたマスコミや文学関係者なども共犯だと韓国自体の問題であると批判した[7][8]。この事件を受け、ソウル市はソウル図書館内に設置された、高銀の書斎を再現する空間「万人の部屋」の撤去を決定した[9]。
文学賞受賞歴[編集]
- 1974年 第1回 韓国文学賞
- 1989年 第3回 萬海文学賞
- 1992年 中央文化大賞
- 1993年 第1回 大山文学賞
- 1998年 第1回 萬海詩文学賞
- 2004年 第18回 丹斎賞
- 2005年 第10回 ヌッポム統一賞
- 2006年 第3回 シカダ賞
- 2007年 第5回 永郎詩文学賞
- 2007年 グリフィン詩賞(en) 生涯功労賞
- 2008年 大韓民国芸術院賞 文学部門賞
- 2011年 アメリカ・アワード(en)
- 2014年 ストルガ詩の夕べ金冠賞
- 2014年 北南国際文学賞
- 2017年 国際詩人賞(Fondazione Roma)
栄典[編集]
- 2002年 銀冠文化勲章
- 2005年 ビョルンソン勲章
- 2011年 済州島 名誉島民証
脚注[編集]
- ^ Everyone could be a poet - Ko Un
- ^ 노벨문학상 올해는?、KBS 2012年10月2日
- ^ 高銀氏がノーベル文学賞候補に
- ^ “일본군 위안부 피해자 추모…고은 시인 추모시 헌납(日本軍慰安婦被害者追悼...詩人高銀、追悼詩捧げる)”. 聯合ニュース. (2014年5月3日) 2016年9月18日閲覧。
- ^ http://japanese.joins.com/article/876/234876.html
- ^ http://world.kbs.co.kr/japanese/news/news_Dm_detail.htm?No=65337
- ^ “고은 시인 '상습 성추행?'..인문학 멘토로 섬겨온 수원시 당혹”. daumニュース. (2018年2月8日) 2018年3月1日閲覧。
- ^ “류근, 최영미 시인 ‘괴물’ En선생 직접 언급 “모른 척한 사람들 다 공범””. 株式会社毎日放送. (2018年2月7日) 2018年3月1日閲覧。
- ^ “ソウル市、高銀書斎再現の「万人の部屋」を撤去へ”. 東亜日報. (2018年2月22日) 2018年3月1日閲覧。
外部リンク[編集]
- 高銀のウェブサイト(Gimm-Young Publishers')
- Ko Un's place in modern Korean poetry by Choi Won-shik
- Short overview of Ko and his style
- Writers from the Other Asia by John Feffer, from The Nation
- Brief introduction from a publisher
- Microreview of Ten Thousand Lives (Maninbo) by Katie Peterson, from Boston Review
- Several poems from Ten Thousand Lives on Sogang University website