MeToo

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動先: 案内検索
本来の表記は「#MeToo」です。この記事に付けられた題名は、技術的な制限により、記事名の制約から不正確なものとなっています。

#MeToo(ハッシュタグミートゥー)は、「私(me)も(too)」を意味する英語ハッシュタグ(#)を付した言い回し。

概要[編集]

セクシャルハラスメント(セクハラ)など性的暴行の被害体験を告白・共有する際にソーシャル・ネットワーキング・サービスで使用される[1]。#Me Too、#metooなども用いられる。

2017年10月15日ハーヴェイ・ワインスタインハリウッド映画プロデューサー)によるセクハラ疑惑が報じられたことを受け、女優アリッサ・ミラノが同様の被害を受けたことのある女性たちに向けて'me too'と声を上げるようTwitterで呼びかけたことが発端とされる[1]。多くの著名人や一般利用者がこれに呼応し、世界的なセクハラ告発運動が展開されるに至っている[1]

2018年4月16日、「#MeToo」を使った運動の発端となったセクハラについて報道したニューヨーク・タイムズザ・ニューヨーカーの記者が、ピューリッツァー賞の公益報道部門に選ばれた[2]

日本での動き[編集]

日本でも、性的暴行の被害体験を告白・共有する動きが広がっている。

2017年5月29日、フリージャーナリストの伊藤詩織は、記者会見で準強姦被害を告発。同年10月半ばに著書を出版した[3]。告発相手である山口敬之は手記にて反論[4]伊藤は民事訴訟を起こし[いつ?]、係争中である。

2017年12月17日、作家の伊藤春香(はぁちゅう)が広告代理店電通在籍時に受けたセクハラを証言した記事がBuzzFeed Newsに掲載された[5]。告発を受けた、当時の伊藤の上司にあたる岸勇希は経緯を説明すると共に謝罪。後に自身が代表取締役を務める「刻キタル」を退社した[6]

2018年3月15日、広告代理店電通アイソバーに勤務する女性社員が社内で受けたセクハラについての取材記事がBuzzFeed Newsに掲載された[7]電通アイソバーはその責任を否定すると共に、非公表の懲戒内容の開示を求める被害者側に対して「加害者プライバシー権の侵害」などを理由に回答を拒否している。

韓国での動き[編集]

韓国でもMetooの動きは存在し[8]、政治家や俳優や文化人など多数の著名人が運動から2ヶ月ほどで告発を受けた[9]文在寅大統領は運動に対し2月26日「積極的に支持をする」と発表し、性差別根絶対策と、性犯罪への積極的な捜査を行うよう指示を出した[8]。また、2月27日には小中高等学校での「フェミニズム教育の義務化」を発表した[8]。鄭鉉柏女性相は「2018年は韓国の女性運動史にとって歴史的な年として刻まれるだろう」と述べている[9]。2018年1月上旬に女性検事が幹部からのセクハラ被害をテレビインタビューで訴えたことから運動が広がり、その後、忠清南道知事の安熙正が秘書への性暴行疑惑により辞任し、詩人の高銀はセクハラ疑惑により作品が教科書から取り下げられた[9]。 一方で「セクハラを受けた女性側にも問題があると考える人がいる」との主張も存在し、その偏見が原因で「警察に相談したら『かわいいから悪い』と言われる国」という韓国人女性の意見がある[10]。被害を告白した女性が名誉毀損で逆告訴される事態もあるという[10]

中国での動き[編集]

Metooの動きは大学生の間で特に盛んになっており、大学側へセクハラ問題への対処を求める署名運動が行われている[11]。運動への反発も大きく、検閲機関がMetooに関するインターネット上の投稿を削除する他、20年前に起こったセクハラによる自殺事件を問題提起した学生が大学側から批判をやめるよう通告を受けるなどしている[11]

批判[編集]

一方で、カトリーヌ・ドヌーヴは、次々と現れるセクハラの告発について、「ピューリタニズムの波が起きている」と批判・警告した[12]

マーガレット・アトウッドは、一連の運動を「自警団的な司法であり、そのような正義はリンチなどに繋がりかねない」と運動の行き過ぎを懸念した[13]

関連項目[編集]

脚注[編集]

[ヘルプ]
  1. ^ a b c #MeToo”. 知恵蔵mini. 朝日新聞出版 (2017年12月19日). 2018年1月3日閲覧。
  2. ^ “ピュリツァー賞に「#MeToo」発端のセクハラ報道”. NHKニュース (日本放送協会). (2018年4月17日). オリジナル2018年4月17日時点によるアーカイブ。. http://web.archive.org/web/20180417030028/https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180417/k10011406551000.html 2018年4月17日閲覧。 
  3. ^ #MeToo 伊藤詩織さん「社会変わると…声あげ続ける」”. 毎日新聞. 毎日新聞社 (2017年12月27日). 2018年1月3日閲覧。
  4. ^ 『【独占手記】 山口敬之 私を訴えた伊藤詩織さんへ』月刊Hanada(2017年12月号、飛鳥新社、ASIN B076WWXCGW)
  5. ^ はあちゅうが著名クリエイターのセクハラとパワハラを証言 岸氏「謝罪します」”. BuzzFeedNews (2017年12月17日). 2018年3月21日閲覧。
  6. ^ 岸氏が代表取締役辞任と退社を発表 はあちゅうさんへのハラスメント報道を受け”. BuzzFeedNews (2017年12月19日). 2018年3月21日閲覧。
  7. ^ 電通系の会社で女性社員にセクハラか 「隠れ残業」の報道に続いて”. BuzzFeedNews (2018年3月15日). 2018年3月21日閲覧。
  8. ^ a b c 韓国に吹き荒れる「Me Too」 私も危なかった”. Newsweek (2018年3月2日). 2018年4月5日閲覧。
  9. ^ a b c 日本と対照的、「#MeToo」盛り上がる韓国-セクハラ告発続く”. Bloomberg (2018年4月5日). 2018年4月23日閲覧。
  10. ^ a b なぜ?世界中で反響を呼んだ「me too」運動が韓国で広がらない理由=韓国ネットも納得「まだそのレベルに達していない」”. レコードチャイナ (2018年1月17日). 2018年4月4日閲覧。
  11. ^ a b 中国にも「#MeToo」の波、大学で相次ぐセクハラ告発”. The Wall Street Journal (2018年4月23日). 2018年4月23日閲覧。
  12. ^ 女優ドヌーブ氏など仏女性100人、男性が女性を誘うのは「犯罪ではない」”. 英国放送協会 (2018年1月10日). 2018年2月13日閲覧。
  13. ^ 作家アトウッドさん、「MeToo」運動に懸念 「悪いフェミニスト」と反発され”. 英国放送協会 (2018年1月17日). 2018年2月13日閲覧。