野球肘

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野球肘(やきゅうひじ)は、野球の投球動作を積み重ねることにより起こる痛みである。正式な医学的名称は、傷害の部位によって異なる。別名、リトルリーガー肘リトルリーガーエルボーベースボール肘ベースボールエルボーとも呼ばれる。一般に野球投手に多く見られる。症状は投球の際に肘に激しい痛みを覚え、投球を困難にさせ、日常生活でも痛みや、肘が曲がらない、伸ばせないなどの運動障害を起こす。一球で野球肘になることはなく、長期間に渡る、悪いフォームでの投球、過度の投球による肘の酷使によって起こる。そのため野球肘は怪我ではなく故障であるといえる。また類似のものとしてテニス肘がある。

10代前半で発症する例が多い[1]プロ野球選手では、金田正一村田兆治荒木大輔桑田真澄近藤真一松坂大輔田中将大らが、野球肘を患った。

原因[編集]

野球肘は一般的には軟骨が関節から剥離する離断性骨軟骨炎によって肘が痛むことによって生じる[1]

主な原因として、過剰な投球数などの肘の酷使による疲労が考えられる。特に、カーブなどの腕を捻りながら投げる変化球は肘への負担が大きく、野球肘になりやすい。筋肉、筋、靭帯神経損傷し、痛み痺れ関節変形硬直拘縮により、肘が曲がらない、伸ばせないという運動障害が起こる。関節内の骨がかけたり、壊死、欠損し、通称、関節ねずみと呼ばれる、離断性骨軟骨炎が起こり、関節内で関節遊離体がひっかかり、痛みや運動障害を発症する。重度になると骨が軽石のようにスカスカになってもろくなり、痛みと運動障害が発生して日常生活にも支障をきたす。関節の変形が起こったら治癒することは困難である。[2][3][4]

投球フォームに無理があることも考えられる。フォームの欠点は人それぞれであるが、多くの場合、投球のリリースの際に上体が開いている(正面を向いてしまっている)ことにより、が体から遠くを通り、肘にかかる負担を大きくしていることによる。

応急処置と治療[編集]

応急処置[編集]

応急処置としては、障害が発症した際は、RICEの法則(Rest(安静)、Ice(アイシング)、Compression(圧迫)、Elevation(挙上))にのっとった対処法が良い。

治療法[編集]

野球肘は手術や一定期間の投球制限などで治療する[1]電気治療温熱療法赤外線(近・遠)、レーザー光線超音波療法、マイクロ波による治療、サポーターギプス等での固定、安静療法などがある。重症の際は、靭帯や腱の移植、関節遊離体除去などの手術が必要となる。肘の靱帯断裂に対する手術は、損傷した肘の靱帯を切除し、正常な腱を移植することにより患部の修復を図る、トミー・ジョン手術は、1974年フランク・ジョーブによって考案され、初めてこの手術を受けた投手トミー・ジョンにちなんでこう呼ばれている。投球の際にひじの側副靭帯に大きな負担がかかる野球の投手が受けることの多い手術である。 筋肉、腱、筋、靭帯、神経、骨など複数の部位、肘全体に傷害が発生することが多いため、治療の組み合わせも必要である。

また(肩周りの筋肉股関節)の柔軟性を高めることによっても快方に向かうこともある。また一時的にキネシオテープを貼ることによって、痛みを和らげる方法もある。体の筋力アップをはかり、にかかる負担を和らげることも出来る。しかし、根本的な解決方法として、もっとも有効なものは投球フォームを改良することである。

鍼灸においては局所治療穴として、少海穴小海穴曲沢穴などを用いる事がある。

日本では北海道大学病院スポーツ医学診療センターなどに専門外来がある[1]

脚注[編集]

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関連項目[編集]