肉離れ

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肉離れ(にくばなれ)とは、急激に筋肉骨格筋)が収縮した結果、筋膜や筋線維の一部が損傷すること。完全に断裂する筋断裂、直接的な外力による打撲とは異なる。

概要[編集]

筋損傷(筋肉の損傷)は程度により筋間損傷、部分断裂、完全断裂などに分類されるが、肉離れは筋膜や筋線維の部分損傷である。定義の詳細は文献などにより異なる。スポーツをしている最中に起こりやすく、筋肉が収縮している(力が入っている)時に強制的に引き延ばされることにより生ずることが多い。大半は下肢に発生し、大腿四頭筋ハムストリングス腓腹筋(ふくらはぎ)に多い。代表的なものとしてはサッカーのシュート動作での大腿四頭筋の大腿直筋、短距離走でのハムストリングス、テニスやバドミントンの切り返し動作での腓腹筋の内側頭などが挙げられる。

発生機序[編集]

自家筋力の強力な筋収縮(ちぢむこと)により筋肉の部分断裂がおこる。発生要因として、筋肉の疲労、過去の損傷、ウォーミングアップの不足、急な気候の変化、体調不良、筋力のアンバランス、柔軟性の欠如などが考えられる。

症状[編集]

自発痛や損傷筋の動作痛である。筋収縮は可能である(動かすことができる)が、疼痛のため動かすことができないこともある。また損傷筋の圧痛、ストレッチ痛や抵抗痛が認められる。重症例では腫脹や硬結、断裂部の陥凹を触れる。このほか、MRIで血腫を確認するケースもある。

治療[編集]

大部分が保存的治療で軽快して手術的治療になることは重症例を除いてほとんどない。急性期にはRICE処置(安静・冷却・圧迫・挙上)を徹底する。回復期(受傷後約48時間経過後)より局所の循環回復や損傷した筋線維などの修復を促すため温熱療法や物理療法をもちいつつ段階的に関節可動域訓練や筋力訓練、各スポーツにあわせたトレーニングへ移行していく。軽症で2-4週、中程度で4-6週が復帰の目安となるが個人差は大きい。中程度以上では歩行が難しく、ギプス松葉杖を要する場合が多い。

自覚症状があまりなくても、肉離れが起こっていることもあるので、医師などの専門家の診断が必要である。また、痛みがなくなった場合でも再発しやすく、素人が「安静だけで済む」と思い込むのは妥当ではない。最後まで十分に治療することが大事である。重要なことは、これらは予防できるものであり、筋肉の柔軟性の欠如や筋力のアンバランス差が大きい選手に好発するので、日ごろよりそれらの解消を心がけることが大切である。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]