筋力トレーニング

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マシンウェイトを利用したトレーニングの例

筋力トレーニング(きんりょくトレーニング)とは、骨格筋の出力・持久力の維持向上や筋肥大を目的とした運動の総称。目的の骨格筋へ抵抗 (resistance) をかけることによって行うものは、レジスタンストレーニングとも呼ばれる。抵抗のかけ方にはさまざまなものがあるが、重力慣性を利用するものや、ゴムなどによる弾性を利用するもの、油圧や空気圧による抵抗を用いるものが一般的である。重力による抵抗を利用する場合は特に、ウエイトトレーニングとも呼ばれる。

筋力の出力[ソースを編集]

筋肉の収縮力は、筋肉の断面積と神経系の発達で決まる。筋力トレーニングはこのいずれか、もしくは両方を発達されるものである。

トレーニング方法の分類[ソースを編集]

骨格筋の活動様式による分類[ソースを編集]

骨格筋の活動様式は、骨格筋が長さを変えながら力を発揮する等張性筋活動 (Isotonic muscle action)[1] と等速性筋活動 (Isokinetic muscle action) と長さを変えずに力を発揮する等尺性筋活動 (Isometoric muscle action)[1] に大別される[2]。等張性筋活動による運動をアイソトニック運動、等尺性筋活動による運動をアイソメトリック運動あるいはアイソメトリクスと呼ぶ。

等張性筋活動、等尺性筋活動、等速性筋活動を考察するに当たっては「動き」だけでなく、「負荷」についても考慮に入れなくてはならない。等張性筋活動は「一定の負荷に対する運動」であるから、筋肉が負荷にあわせて速度・発揮する力を調整する。一方、等尺性筋活動は基本的には「動かない物に対する運動」であって動きはなく、負荷は「筋肉が発揮する力」に対応する。等速性筋活動は「運動領域において筋肉が発揮する力に対応した負荷がかかる運動」である。コンピューターで「運動速度」「負荷」をモニターしながら等速の運動となるように制御するマシーンによる、トレーニングが代表的である。必ずしも運動領域すべてについて等速ではないものの、空気シリンダーや油圧シリンダーによる「運動領域において筋肉が発揮する力に対応した負荷がかかる運動」も等速性筋活動としている。つまり、負荷の観点から言えば等張性筋活動は「一定の負荷に対し筋肉の方が発揮する力を調整する」のに対し、等尺性筋活動・等速性筋活動においては「負荷の方が筋肉が発揮する力にあわせる」のである。

一例として、腕立て伏せやベンチプレスは負荷が一定であり腕や胸の筋肉が伸び縮みするので、アイソトニック運動に分類される。腕立て伏せの姿勢で静止する運動(プランク、棒のポーズなどと呼ばれる)は動きがないため、アイソメトリック運動といわれることもあるが、(筋肉が負荷にあわせて発揮する力と動きを調整しており)負荷が筋肉が発揮する力にあわせていないため、負荷の観点から見るとアイソメトリック運動とは言いがたい。動かない物を動かそうとする運動、伸びないロープを引き伸ばそうとする運動、合掌した両手を互いに押し合う運動は「アイソメトリック運動」であり、動かない物が発揮している筋力に対応した負荷となっている。また、バネやゴムチューブを最大限引き伸ばした状態で保持する運動は「アイソメトリック運動」である。筋力でバネやゴムチューブを引き伸ばしていくと張力が大きくなり、筋力と同じ張力になるとそれ以上引き伸ばせなくなる。この状態で保持すれば「アイソメトリック運動」となり、同様に圧縮バネを最大限圧縮した状態で保持するのも「アイソメトリック運動」となる。この方法の長所は、バネ・ゴムの伸張・圧縮の度合いで筋力の大きさが分かることである。

筋力トレーニングの目的となるもの[ソースを編集]

運動強度と効果[ソースを編集]

レジスタンストレーニングで得られる効果は、運動強度より異なる。一般に、運動強度が高く繰り返し回数が少ない場合は筋力が、運動強度が低く繰り返し回数が多い場合は筋持久力が、それぞれ発達するといわれている[3]

脚注[ソースを編集]

  1. ^ a b 等張性筋収縮、等尺性筋収縮という呼び名が広く使われているが、長さが短くならないケースもあることから、筋収縮ではなく筋活動という呼び名が使われ始めている。本記事では後者を採った。
  2. ^ これらのほかに等速性筋活動 (Isokinetic muscle action) があるが、コンピュータ制御の機器で速度を一定に保つものである。
  3. ^ アメリカスポーツ医学会『運動処方の指針(第6版)』[要ページ番号]

関連項目[ソースを編集]